安衛法 第六十六条の八(面接指導等)

第六十六条の八(面接指導等)  事業者は、その労働時間の状況その他の事項が労働者の健康の保持を考慮して厚生労働省令で定める要件に該当する労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による面接指導(問診その他の方法により心身の状況を把握し、これに応じて面接により必要な指導を行うことをいう。以下同じ。)を行わなければならない。
2  労働者は、前項の規定により事業者が行う面接指導を受けなければならない。ただし、事業者の指定した医師が行う面接指導を受けることを希望しない場合において、他の医師の行う同項の規定による面接指導に相当する面接指導を受け、その結果を証明する書面を事業者に提出したときは、この限りでない。
3  事業者は、厚生労働省令で定めるところにより、第一項及び前項ただし書の規定による面接指導の結果を記録しておかなければならない。
4  事業者は、第一項又は第二項ただし書の規定による面接指導の結果に基づき、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について、厚生労働省令で定めるところにより、医師の意見を聴かなければならない。
5  事業者は、前項の規定による医師の意見を勘案し、その必要があると認めるときは、当該労働者の実情を考慮して、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等の措置を講ずるほか、当該医師の意見の衛生委員会若しくは安全衛生委員会又は労働時間等設定改善委員会への報告その他の適切な措置を講じなければならない。

【試験問題】
次の説明は、労働安全衛生法に規定する事業者が行う健康診断に関する記述である。
事業者は、労働安全衛生規則に基づいて作成すべき健康診断個人票を、5年間保存しなければならない。【解答】?

【試験問題】
次の説明は、労働安全衛生法第66条の8に定める「医師による面接指導」等に関する記述である。なお、この問において、「地域産業保健センター」とは健康相談窓口の開設、個別訪問による産業保健指導の実施等を行っている機関をいう。
労働安全衛生法が定める衛生委員会の調査審議事項には、長時間にわたる労働による労働者の健康障害の防止を図るための対策の樹立に関する事項が含まれている。 【解答】○

事業者は、医師の意見を勘案し、その必要があると認めるときは、当該労働者の事情を考慮して、『就業の場所の変更』『作業の転換』『労働時間の短縮』『深夜業の回数の減少」等の措置を講ずる他、当該医師の意見の衛生委員回答への報告その他の適切な措置を講じなければなりません。
(衛生委員会の付議事項)
第二十二条
九  長時間にわたる労働による労働者の健康障害の防止を図るための対策の樹立に関すること。
よって正解。
[労働安全衛生規則 第22条 第9項

【試験問題】
次の説明は、労働安全衛生法第66条の8に定める「医師による面接指導」等に関する記述である。なお、この問において、「地域産業保健センター」とは健康相談窓口の開設、個別訪問による産業保健指導の実施等を行っている機関をいう。
産業医の選任義務のない常時50人未満の労働者を使用する事業場の事業者であっても労働安全衛生法第66条の8の適用があり、同条に定める措置を講ずる必要があるので、地域産業保健センターを利用して、面接指導を実施することができる。 【解答】○

地域産業保健センターは、労働者50人未満の事業場の事業者や労働者に対し、無料で面接指導を行います。
参考
健康管理等地域産業保健センター事業の業務に関し名簿等を事業者に情報提供しないことに伴い、「産業医を選任すべき事業場以外の事業場の労働者の健康管理等」にの改正
「産業医を選任すべき事業場以外の事業場の労働者の健康管理等」⇒「労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識を有する医師」
「地域産業保健センター事業の実施に当たり、備えている労働者の健康管理等に必要な知識を有する者の名簿に記載されている保健師」⇒「労働者の健康管理等を行うのに必要な知識を有する保健師」
[平成23年3月30日法改正

法66条の8に基づく医師による面談指導及び法66条の9に基づく面談指導に準ずる措置については、常時50人未満の労働者を使用する小規模事業場においても適用されることとなる。
このため地域産業保健センターにおいて、平成20年4月1日から、面接指導等の相談窓口が開設されており、小規模事業所においては、これを利用して面談指導を実施することも可能となっている。
よって、問題文は正解となる。
[法66条の8、平成20年3月14日基安労発0314001号

【試験問題】
次の説明は、労働安全衛生法第66条の8の規定により事業者が行う面接指導に関する記述である。同条の規定により事業者に義務付けられているものとして適切か否か答えよ。
面接指導の対象となる労働者が、事業者の指定した医師が行う面接指導を受けることを希望しない場合において、他の医師の行う法定の面接指導に相当する面接指導を受け、その結果を証明する書面を事業者に提出した場合においても、事業者が行う面接指導を必ず受けなければならない。 【解答】X

労働者は、事業者が行う医師による面接指導を受けなければならない。ただし、事業者の指定した医師が行う面接指導を受けることを希望しない場合において、他の医師の行う面接指導に相当する面接指導を受け、その結果を証明する書面を事業者に提出したときは、この限りではない。
[法66条の8第1項,第2項

【試験問題】
次の説明は、労働安全衛生法の健康の保持増進のための措置、安全衛生改善計画等及び監督等に関する記述である。
都道府県労働局長は、労働安全衛生法第66条の8の規定により、労働者の精神的健康を保持するため必要があると認めるときは、労働衛生指導医の意見に基づき、面接指導を受けるべき労働者の範囲その他必要な事項を記載した文書により、事業者に対し、面接指導の実施その他必要な事項を指示することができる。 【解答】X

面接指導に関しては設問のような規定はない
法66条の8
面接指導が行われた後遅滞なく、医師の意見を聴かなければならず、また、事業者は面接指導実施に際し聴取した医師の意見を勘案し、その必要があると認めるときは、労働者の実情を考慮して、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮及び深夜業の回数の減少等の措置を講ずるほか、当該医師の意見の衛生委員会若しくは安全衛生委員会又は労働時間等設定改善委員会への報告その他の適切な措置を講じなければならないことになっているが、問題文のような規定は定められていない。
都道府県労働局長が指示する臨時の健康診断とは(法66条第4項、安衛則第49条)
都道府県労働局長は、労働者の健康を保持するため必要があると認めるときに、労働衛生指導医の意見に基づいて、事業者に対して、臨時の健康診断の実施などを指示します。
この指示は、実施すべき健康診断の項目、健康診断を受けるべき労働者の範囲その他必要な事項を記載した文書によって行なわれます
『事業者』は、その労働時間の状況その他の事項が労働者の健康の保持を考慮して厚生労働省令で定める要件に該当する労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による面接指導(問診その他の方法により心身の状況を把握し、これに応じて面接により必要な指導を行うことをいう)を行わなければならない」と規定されている。
都道府県労働局長には設問のような権限はなく
「労働衛生指導医の意見に基づき、事業者に対し、臨時の健康診断の実施その他必要な事項を指示することができる」とあります。
[自説の根拠]法66条の8
都道府県労働局長が労働衛生指導医の意見に基づいて行うものは2つ
”臨時の健康診断”
”作業環境測定”
そしてその2つを
【指示】することができます。
【命令】でも【勧奨】でもありません。

【試験問題】
次の説明は、労働安全衛生法第66条の8に定める「医師による面接指導」等に関する記述である。なお、この問において、「地域産業保健センター」とは健康相談窓口の開設、個別訪問による産業保健指導の実施等を行っている機関をいう。
事業者は、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が1月当たり100時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる労働者に対しては、本人の申出の有無にかかわらず、面接指導を実施しなければならない。 【解答】X

本人の申出の有無にかかわらず⇒本人の申出より
労働時間の算定期日前1月以内に面接指導を受けた労働者その他これに類する労働者であつて面接指導を受ける必要がないと医師が認めたものを除く。
産業医は労働者に、面接指導の申出を行う事を「勧奨」する事ができる。
事業者は、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が1月当たり100時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる労働者に対し、医師による面談指導を実施することとされているが、この面談指導は、労働者の申出により行うものとされている。
よって、「本人の申出の有無にかかわらず」とした問題文は誤りとなる。
なお、産業医は要件に該当した労働者に対して、面談指導実施の申出を行うよう勧奨することができる。(則52条の3第4項)
[法66条の8第1項、則52条の2第1項、則52条の3第1項

【試験問題】
次の説明は、労働安全衛生法第66条の8に定める「医師による面接指導」等に関する記述である。なお、この問において、「地域産業保健センター」とは健康相談窓口の開設、個別訪問による産業保健指導の実施等を行っている機関をいう。
事業者は、面接指導の結果に基づき、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について、医師の意見を聴かなければならない。 【解答】○

事業者は、第一項又は第二項ただし書の規定による面接指導の結果に基づき、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について、厚生労働省令で定めるところにより、医師の意見を聴かなければならない。 (労働安全衛生法 66条の8第4項)
事業者は、面接指導の結果に基づき、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について、厚生労働省令で定めるところにより、医師の意見を聴かなければならない。
[第66条の8第4項

整理
一般健康診断…「医師」による健康診断(法66条1項)
健康診断の結果、異常所見…「医師」又は「歯科医師」の意見を聴かなければならない(法66条の4)
一般健康診断、深夜業従事者の自発的健康診断に基づいて必要がある労働者に対して…「医師」又は「保健師」による保健指導(法66条の7)
健康の保持を考慮して…事業者は「医師」による面接指導を行わなければならない(法66条の8)
[自説の根拠]法66条の1、 同4、同7、同8
1.面接指導の対象労働者
①休憩時間を除き1週間当り40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が1月当り「100時間」を超え、かつ、「疲労の蓄積」が認められること
2.面接指導の申出
①要件に該当する「労働者の申出」により行う
②産業医は、面接指導の要件に該当する労働者に対して、申出を行うように「勧奨」することができる
3.事後処置
①事業者は、面接指導の結果を記録(5年間保存)しておかなければならない
②事業者は、必要な措置について、医師の意見を聴かなければならない

【試験問題】次の説明は、労働安全衛生法に規定する事業者が行う健康診断に関する記述である。事業者は、健康診断の項目に異常の所見があると診断された労働者については、その健康診断の結果に基づき、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について、医師又は歯科医師の意見を聴かなければならない。【解答】○

事業者は、第一項又は第二項ただし書の規定による面接指導の結果に基づき、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について、厚生労働省令で定めるところにより、医師の意見を聴かなければならないです。

【試験問題】
次の説明は、労働安全衛生法第66条の8の規定により事業者が行う面接指導に関する記述である。同条の規定により事業者に義務付けられているものとして適切か否か答えよ。
事業者は、面接指導の結果に基づき、法定の事項を記載した当該面接指導の結果の記録を作成して、これを5年間保存しなければならない。 【解答】○

事業者は、面接指導の結果に基づき、当該面接指導の結果の記録(医師の意見を記載したもの)を作成して、これを5年間保存しなければならない。
[則52条の6

第六十六条の九  事業者は、前条第一項の規定により面接指導を行う労働者以外の労働者であつて健康への配慮が必要なものについては、厚生労働省令で定めるところにより、必要な措置を講ずるように努めなければならない。

事業者は、労働安全衛生法の規定による健康診断の結果、当該健康診断の項目に異常の所見があると診断された労働者に係るものに、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について、医師又は歯科医師の意見を聴かなければならない。

特定保健指導
二次健康診断の結果に基づき、脳血管疾患及び心臓疾患の発生の予防を図るため、面接により行われる医師又は保健師による保健指導

二次健康診断の結果についての医師からの意見聴取
医師の意見を聴かなければならない

[労働安全衛生法66条の4、労働者災害補償保険法27条、26条

則五十一条の二
健康診断の結果に基づく..医師又は歯科医師からの意見聴取は、次に定めるところにより行わなければならない
一 健康診断が行われた日から【三月】以内..
二 聴取した医師又は歯科医師の意見を健康診断個人票に記載..
2 健康診断の結果に基づ.医師からの意見聴取は、次に定めるところにより行わなければならない。
一 当該健康診断の結果を証明する書面が事業者に提出された日から【二月】以内
二 聴取した医師の意見を健康診断個人票に記載
(則51の2Ⅰ⇒自発的健康診断以外 則51の2Ⅱ⇒自発的健康診断)

【試験問題】次の説明は、労働安全衛生法第66条の8に定める「医師による面接指導」等に関する記述である。なお、この問において、「地域産業保健センター」とは健康相談窓口の開設、個別訪問による産業保健指導の実施等を行っている機関をいう。事業者は、面接指導の結果に基づき、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について、医師の意見を聴かなければならない。【解答】○

【試験問題】
次の説明は、労働安全衛生法第66条の8に定める「医師による面接指導」等に関する記述である。なお、この問において、「地域産業保健センター」とは健康相談窓口の開設、個別訪問による産業保健指導の実施等を行っている機関をいう。
事業者は、面接指導の結果に基づき、当該面接指導の結果の記録を作成して、これを5年間保存しなければならない。また、当該記録は、労働安全衛生規則第52条の5に定める事項のほか、当該労働者の健康を保持するために必要な措置についての医師の意見を記載したものでなければならない。 【解答】○

事業者は、第一項又は第二項ただし書の規定による面接指導の結果に基づき、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について、厚生労働省令で定めるところにより、医師の意見を聴かなければならない。 (労働安全衛生法 66条の8第4項)

(面接指導結果の記録の作成)
第五十二条の六  事業者は、面接指導(法第六十六条の八第二項 ただし書の場合において当該労働者が受けた面接指導を含む。次条において同じ。)の結果に基づき、当該面接指導の結果の記録を作成して、これを五年間保存しなければならない。
[労働安全衛生規則 第52条の6

第五十二条の六第2項 前項の記録は、前条各号に掲げる事項及び法第六十六条の八第四項の規定による医師の意見を記載したものでなければならない
[自説の根拠]労働安全衛生規則第五十二条の六第2項

【試験問題】
次の説明は、労働安全衛生法に定める健康診断、面接指導に関する記述である。
事業者は、労働者を本邦外の地域に6か月以上派遣しようとするとき又は本邦外の地域に6か月以上派遣した労働者を本邦の地域内における業務に就かせるとき(一時的に就かせるときを除く。)は、当該労働者に対し、所定の項目のうち医師又は歯科医師が必要であると認める項目について、医師又は歯科医師による健康診断を行わなければならない。 【解答】X

事業者は、労働者を本邦外の地域に6月以上派遣しようとするとき、又は、本邦外の地域に6月以上派遣した労働者を本邦の地域内における業務に就かせるとき(一時的に就かせるときを除く。)は、当該労働者に対し、定期健康診断の項目及び厚生労働大臣が定める項目のうち医師が必要であると認める項目について、医師による健康診断を行わなければならないとされている。
よって、歯科医師による健康診断は義務づけられておらず。
[法66条、則45条の2

参考 歯科医師による健康診断
事業者は、塩酸、硝酸、硫酸、亜硫酸、フッ化水素、黄リンその他歯またはその支持組織に有害な物のガス、蒸気または粉塵を発散する場所における業務に常時従事する労働者に対し、その雇入れの際、当該業務への配置換えの際および当該業務に就いた後6月以内ごとに1回、定期に、歯科医師による健康診断を行わなければならない。
[法66条3項、則48条
歯科医師による健康診断は義務付けていない

【試験問題】
次の説明は、労働安全衛生法第66条の8の規定により事業者が行う面接指導に関する記述である。同条の規定により事業者に義務付けられているものとして適切か否か答えよ。
事業者は、面接指導の結果に基づく医師の意見を勘案し、その必要があると認めるときは、当該労働者の実情を考慮して、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等の措置を講ずるほか、当該医師の意見の衛生委員会若しくは安全衛生委員会又は労働時間等設定改善委員会(労働時間等の設定の改善に関する特別措置法第7条第1項に規定する労働時間等設定改善委員会をいう。)への報告その他の適切な措置を講じなければならない。 【解答】○

事業者は、前項(労働安全衛生法第66条の8第4項)の規定による医師の意見を勘案し、その必要があると認めるときは、当該労働者の実情を考慮して、【就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等の措置を講ずるほか、当該医師の意見の衛生委員会若しくは安全衛生委員会又は労働時間等設定改善委員会への報告その他の適切な措置を講じなければならない】。
[労働安全衛生法第66条の8 第5項

【試験問題】
次の説明は、労働安全衛生法第66条の8の規定により事業者が行う面接指導に関する記述である。同条の規定により事業者に義務付けられているものとして適切か否か答えよ。
事業者は、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が1月当たり100時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる労働者であって、法定の除外事由に該当しないものに対し、労働安全衛生規則で定めるところにより、医師による面接指導を行わなければならない。 【解答】○

=参考=
①面接指導は、要件に該当する労働者の申し出により行う
②申し出は「40時間を超えた時間の算定」にかかる期日後、遅滞なく行い、事業者は、労働者からの申し出があった時は、遅滞なく、面接指導を行わなければならない
③産業医は要件に該当する労働者に対して、申し出を行うよう勧奨することができる
脳・心臓疾患の発症が長時間労働との関係性が強いとされていることなどから、過重労働、メンタルヘルス対策を充実させ、適切な措置を講ずることを目的として事業者に義務づけました。
[法66条の8、9

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