第四章 費用の負担
第三十条 労働者災害補償保険事業に要する費用にあてるため政府が徴収する保険料については、徴収法の定めるところによる。
【試験問題】次の説明は、労働者災害補償保険に関する記述である。労働者災害補償保険事業に要する費用は、労働者災害補償保険が事業主の災害補償責任を前提としている制度であるので、すべて事業主の負担する保険料によりまかなわれることになっている。 【解答】?
労働者災害補償保険事業に要する費用にあてるため政府が徴収する保険料については、徴収法の定めるところによる。 (労災保険法 30条)労働者災害補償保険事業に要する費用は、基本的に保険料、国庫補助及び一部負担金でまかなわれている。そのうち保険料は事業主が全額負担する。労災保険の費用は次の4種類のものにより賄われている
①保険料・・・全額事業主負担
②事業主からの費用徴収・・全部または一部を事業主から徴収
③一部負担金・・通勤災害に関する療養給付を受ける場合、労働者から200円を超えない範囲で徴収
④国庫補助・・国庫は予算の範囲内において費用の一部を補助することができる
法30~32条
【試験問題】
国庫は、予算の範囲内において、労働者災害補償保険事業に要する費用の一部を負担する。
【解答】×
補助する。
法32条
【試験問題】次の説明は、労働者災害補償保険法に関する記述である。労働者の業務災害に関する保険給付は、当該労働者を使用する事業主の災害補償責任に基づくものであるので、その費用については事業主が保険料としてその全額を負担するが、通勤災害に関する保険給付の費用については、その一定割合を国庫が負担することとなっている。【解答】?
第三十一条 政府は、次の各号のいずれかに該当する事故について保険給付を行つたときは、厚生労働省令で定めるところにより、業務災害に関する保険給付にあつては労働基準法の規定による災害補償の価額の限度又は船員法の規定による災害補償のうち労働基準法の規定による災害補償に相当する災害補償の価額の限度で、通勤災害に関する保険給付にあつては通勤災害を業務災害とみなした場合に支給されるべき業務災害に関する保険給付に相当する同法の規定による災害補償の価額の限度で、その保険給付に要した費用に相当する金額の全部又は一部を事業主から徴収することができる。
一 事業主が故意又は重大な過失により徴収法第四条の二第一項の規定による届出であつてこの保険に係る保険関係の成立に係るものをしていない期間(政府が当該事業について徴収法第十五条第三項の規定による決定をしたときは、その決定後の期間を除く。)中に生じた事故
二 事業主が徴収法第十条第二項第一号の一般保険料を納付しない期間(徴収法第二十七条第二項の督促状に指定する期限後の期間に限る。)中に生じた事故
三 事業主が故意又は重大な過失により生じさせた業務災害の原因である事故
2 政府は、療養給付を受ける労働者(厚生労働省令で定める者を除く。)から、二百円を超えない範囲内で厚生労働省令で定める額を一部負担金として徴収する。ただし、第二十二条の二第三項の規定により減額した休業給付の支給を受けた労働者については、この限りでない。
3 政府は、前項の労働者から徴収する同項の一部負担金に充てるため、厚生労働省令で定めるところにより、当該労働者に支払うべき保険給付の額から当該一部負担金の額に相当する額を控除することができる。
4 徴収法第二十七条、第二十九条、第三十条及び第四十一条の規定は、第一項又は第二項の規定による徴収金について準用する。
【試験問題】次の説明は、保険関係に関する記述である。なお、以下において「労働保険」とは、労災保険及び雇用保険の総称である。労働保険の保険関係が成立している事業の事業主は、保険関係の成立の届出に係る事項のうち所定の事項に変更があったときは、変更を生じた日の翌日から起算して10日以内に、その旨を政府に届け出なければならない。【解答】○
政府は、次の各号のいずれかに該当する事故について保険給付を行つたときは、厚生労働省令で定めるところにより、業務災害に関する保険給付にあつては労働基準法の規定による災害補償の価額の限度で、通勤災害に関する保険給付にあつては通勤災害を業務災害とみなした場合に支給されるべき業務災害に関する保険給付に相当する同法の規定による災害補償の価額の限度で、その保険給付に要した費用に相当する金額の全部又は一部を事業主から徴収することができる。
1号 事業主が故意又は重大な過失により徴収法第四条の二第一項の規定による届出であつてこの保険に係る保険関係の成立に係るものをしていない期間(政府が当該事業について徴収法第十五条第三項の規定による決定をしたときは、その決定後の期間を除く。)中に生じた事故 (労災保険法 31条1項1号)
名称、所在地等変更届
その変更を生じた日の翌日から起算して10日以内に労働基準監督署又は所轄公共職業安定所長に提出しなければならない。
健康保険・厚生年金の事業主に関わる変更の届はだいたい「5日以内」です。
政府に対して提出で正解なのでしょうか要確認
(保険関係の成立の届出等)
第四条の二
2 保険関係が成立している事業の事業主は、前項に規定する事項のうち厚生労働省令で定める事項に変更があつたときは、厚生労働省令で定める期間内にその旨を「政府」に届け出なければならない。
とあるので、「政府」で正解
徴収法 第4条の2 第2項
事業主の氏名、所在地、事業の種類に変更があった時。
保険関係
名称、所在地等変更届…10日以内に労働基準監督署又は所轄公共職業安定所長に提出。
健康保険…名称、所在地等変更届を5日以内に保険者へ提出。
厚生年金…事業主の氏名等変更届を5日以内に、船員保険に関しては、すみやかに機構に提出。
次の説明は、労働者災害補償保険法に関する記述である。
なお、以下において、「労災保険」とは「労働者災害補償保険」のことであり、「労働保険」とは「労働者災害補償保険及び雇用保険」のことであり、「有期事業」とは「事業の期間が予定される事業」のことであり、「継続事業」とは「有期事業以外の事業」のことである。
労働保険の保険関係が消滅した事業の事業主は、その消滅した事業が継続事業である場合にはその消滅した日から30日以内に、その消滅した事業が有期事業である場合にはその消滅した日から15日以内に、所定の事項を政府に届け出なければならない。
【試験問題】次の説明は、保険給付の費用等に関する記述である。政府は、事業主が故意又は重大な過失によって生じさせた業務災害の原因である事故について保険給付を行ったときは、労働基準法の規定による災害補償の価額にかかわらず、その保険給付に要した費用に相当する金額の全部を当該事業主から徴収することができる。 【解答】×
前条第一号の事業主が、同号及び同条第二号に掲げる者を包括して当該事業について成立する保険関係に基づきこの保険による業務災害及び通勤災害に関する保険給付を受けることができる者とすることにつき申請をし、政府の承認があつたときは、第三章第一節から第三節まで及び第三章の二の規定の適用については、次に定めるところによる。
4号 前条第一号又は第二号に掲げる者の事故が徴収法第十条第二項第二号の第一種特別加入保険料が滞納されている期間中に生じたものであるときは、政府は、当該事故に係る保険給付の全部又は一部を行わないことができる。これらの者の業務災害の原因である事故が前条第一号の事業主の故意又は重大な過失によつて生じたものであるときも、同様とする。 (労災保険法 34条1項4号)
事業主から、労基法の「災害補償の価額の限度」(通勤災害は業務災害とみなす)で、保険給付に要した費用に相当する金額の全部又は一部について費用徴収が行われる。したがって「災害補償の価額にかかわらず」は誤り。
労災法第31条第1項
条文 略保険給付を行つたときは、厚生労働省令で定めるところにより、業務災害に関する保険給付にあつては労働基準法 の規定による災害補償の価額の限度又は船員法 の規定による災害補償のうち労働基準法 の規定による災害補償に相当する災害補償の価額の限度で、通勤災害に関する保険給付にあつては通勤災害を業務災害とみなした場合に支給されるべき業務災害に関する保険給付に相当する同法 の規定による災害補償の価額の限度で、その保険給付に要した費用に相当する金額の全部又は一部を事業主から徴収することができる
労災法31条1項
政府は、事業主が故意又は重大な過失により生じさせた業務災害の原因である事故について保険給付を行ったときは、労働基準法の規定による災害補償の価額の限度でその保険給付に要した費用に相当する金額の全部又は一部を事業主から徴収することができるとされている。
よって、問題文は「労働基準法の規定による災害補償の価額にかかわらず」及び「金額の全部を当該事業主から徴収する」としているので誤りとなる。
【試験問題】次の説明は、保険給付に関する記述である。
政府は、事業主が故意又は重大な過失により生じさせた業務災害の原因である事故について保険給付を行ったときは、労働基準法上の災害補償の価額の限度において、保険給付の費用に相当する金額の全部又は一部を事業主から徴収することができる。【解答】?
【試験問題】次の説明は、損害賠償との調整に関する記述である。労働者又はその遺族が事業主から損害賠償を受けることができる場合であって、保険給付(一定のものを除く。)を受けるべきときに、同一の事由について損害賠償(当該保険給付によっててん補される損害をてん補する部分に限る。)を受けたときは、政府は、厚生労働大臣が定める基準により、その価額の限度で保険給付をしないことができる。 【解答】○
前項の場合において、保険給付を受けるべき者が当該第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、政府は、その価額の限度で保険給付をしないことができる。 (労災保険法 12条の4第2項)
被災労働者又は遺族が、事業主から保険給付と同一の事由について民事損害賠償を受けたときは、政府は、労働政策審議会の議を経て厚生労働大臣が定める基準により、その価額の限度で、保険給付をしないことができる。
労災保険は、本来事業主が行うべき災害補償責任を代行する目的で定められた制度であるため、被災労働者等が事業主から同一の事由について損害賠償を受けた場合には、政府は、労働政策審議会の議を経て厚生労働大臣が定める基準により、その価額の限度で、保険給付をしないことができるとされている。
法附則64条2項
【試験問題】業務災害の原因である事故が、事業主の故意又は重大な過失により生じさせたものである場合に、政府はが保険給付を行ったときは、政府は、労働基準法の規定による災害補償の価額の限度又は船員法の規定による災害補償のうち労働基準法の規定による災害補償に相当する災害補償の価額の限度で、当該保険給付に要した費用に相当する金額の全部又は一部を事業主から徴収することができるが、この額は、厚生労働省労働基準局長の定める基準に従い、所轄都道府県労働局長が定めるものとされている。
【解答】○
法31条1項3号 則44条
【試験問題】次の説明は、労働者災害補償保険法に関する記述である。
保険給付を受けることができる労働者又はその遺族が、同一の事由について事業主から損害賠償を受けていた場合には、政府は、損害賠償の事由、内容、損害てん補の程度等を総合的に勘案して政令で定める基準により、保険給付の全部又は一部の支給を行わないことができる。
【解答】?
【試験問題】次の説明は、保険給付に関する記述である。政府は、事業主が故意又は重大な過失により生じさせた業務災害の原因である事故について保険給付を行ったときは、労働基準法上の災害補償の価額の限度において、保険給付の費用に相当する金額の全部又は一部を事業主から徴収することができる。 【解答】○
前条第一号の事業主が、同号及び同条第二号に掲げる者を包括して当該事業について成立する保険関係に基づきこの保険による業務災害及び通勤災害に関する保険給付を受けることができる者とすることにつき申請をし、政府の承認があつたときは、第三章第一節から第三節まで及び第三章の二の規定の適用については、次に定めるところによる。
4号 前条第一号又は第二号に掲げる者の事故が徴収法第十条第二項第二号の第一種特別加入保険料が滞納されている期間中に生じたものであるときは、政府は、当該事故に係る保険給付の全部又は一部を行わないことができる。これらの者の業務災害の原因である事故が前条第一号の事業主の故意又は重大な過失によつて生じたものであるときも、同様とする。 (労災保険法 34条1項4号)
上記の原因(故意又は重大な過失により生じさせた業務災害)場合、保険給付額の30%に相当する額を徴収する。
事業者の故意又は重大な過失により発生した業務災害は、費用に相当する金額の全部又は一部を徴収することができる。
同じ故意でも、労働者が故意に負傷、疾病、障害若しくは死亡又はその直接の原因となった事故を発生させた場合は、保険給付は全く行われない。
事業主の故意または重大な過失によって発生した業務災害について、被災労働者に保険給付を行った場合
⇒費用徴収の対象となる保険給付について、その保険給付の額の100分の30に相当する額が徴収される
31条1項3号、H5.6.22発労徴42号・基発404号
【試験問題】次の説明は、保険給付の費用等に関する記述である。政府は、事業主が故意又は重大な過失によって生じさせた業務災害の原因である事故について保険給付を行ったときは、労働基準法の規定による災害補償の価額にかかわらず、その保険給付に要した費用に相当する金額の全部を当該事業主から徴収することができる。
【解答】?
第三十二条 国庫は、予算の範囲内において、労働者災害補償保険事業に要する費用の一部を補助することができる。
【試験問題】次の説明は、労働者災害補償保険法に関する記述である。
労働者の業務災害に関する保険給付は、当該労働者を使用する事業主の災害補償責任に基づくものであるので、その費用については事業主が保険料としてその全額を負担するが、通勤災害に関する保険給付の費用については、その一定割合を国庫が負担することとなっている。【解答】×
労働者災害補償保険は、第一条の目的を達成するため、業務上の事由又は通勤による労働者の負傷、疾病、障害、死亡等に関して保険給付を行うほか、社会復帰促進等事業を行うことができる。 (労災保険法 2条の2)
このような規定はありません。
労災の国庫補助に関しては、法32条に「国庫は予算の範囲内においてその一部を補助することができる」とあるのみです。
業務災害・通勤災害を問わず、原則は事業主負担の保険料でまかないます。
通勤災害に関する保険給付の費用についての国庫負担は行われていないので誤り。
法30条、法31条、法32条
【試験問題】次の説明は、労働者災害補償保険に関する記述である。
労働者災害補償保険事業に要する費用は、労働者災害補償保険が事業主の災害補償責任を前提としている制度であるので、すべて事業主の負担する保険料によりまかなわれることになっている。【解答】?
この記事へのコメントはありません。