雇保法 第七十九条 (立入検査)

第七十九条 (立入検査)
 行政庁は、この法律の施行のため必要があると認めるときは、当該職員に、被保険者、受給資格者等若しくは教育訓練給付対象者を雇用し、若しくは雇用していた事業主の事業所又は労働保険事務組合若しくは労働保険事務組合であつた団体の事務所に立ち入り、関係者に対して質問させ、又は帳簿書類(その作成又は保存に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)の作成又は保存がされている場合における当該電磁的記録を含む。)の検査をさせることができる。
– 2  前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
– 3  第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

第七十九条の二(船員に関する特例)
 船員である者が失業した場合に関しては、第十条の四第二項中「又は業として」とあるのは「若しくは業として」と、「除く。)」とあるのは「除く。)又は船員職業安定法第六条第四項に規定する無料船員職業紹介事業者若しくは業として同条第五項に規定する職業指導(船員の職業に就こうとする者の適性、職業経験その他の実情に応じて行うものに限る。)を行う者(地方運輸局(運輸監理部、運輸支局及び地方運輸局、運輸監理部又は運輸支局の事務所を含む。第十五条第五項において同じ。)及び船員雇用促進センター(船員の雇用の促進に関する特別措置法第七条第二項に規定する船員雇用促進センターをいう。以下同じ。)を除く。)」と、第十五条第二項から第四項まで、第十九条第三項、第二十条第一項及び第二項、第二十一条、第二十四条、第二十九条第二項、第三十条、第三十一条第二項、第三十二条第二項及び第三項、第三十三条第一項及び第二項、第三十六条第一項及び第二項、第三十七条第一項、第二項及び第七項、第三十七条の三第二項、第三十七条の四第四項、第三十九条第二項、第四十条第三項及び第四項、第四十一条第一項、第四十七条第二項、第五十一条第一項、第五十二条第一項及び第二項、第五十三条第一項、第五十六条の三第一項並びに第五十九条第一項中「公共職業安定所」又は「公共職業安定所長」とあるのは「公共職業安定所又は地方運輸局(運輸監理部並びに厚生労働大臣が国土交通大臣に協議して指定する運輸支局及び地方運輸局、運輸監理部又は運輸支局の事務所を含む。)」又は「公共職業安定所長又は地方運輸局(運輸監理部並びに厚生労働大臣が国土交通大臣に協議して指定する運輸支局及び地方運輸局、運輸監理部又は運輸支局の事務所を含む。)の長」と、第十五条第三項中「法令の規定に基づき失業者」とあるのは「失業者」と、同条第五項中「職業安定機関」とあるのは「職業安定機関、地方運輸局、船員雇用促進センター」と、第二十九条第一項、第三十二条第一項、第四十三条第一項第一号及び第五十八条第一項中「公共職業安定所の」又は「公共職業安定所長の」とあるのは「公共職業安定所若しくは地方運輸局(運輸監理部並びに厚生労働大臣が国土交通大臣に協議して指定する運輸支局及び地方運輸局、運輸監理部又は運輸支局の事務所を含む。)の」又は「公共職業安定所長若しくは地方運輸局(運輸監理部並びに厚生労働大臣が国土交通大臣に協議して指定する運輸支局及び地方運輸局、運輸監理部又は運輸支局の事務所を含む。)の長の」と、第二十九条第一項中「公共職業安定所が」とあるのは「公共職業安定所若しくは地方運輸局(運輸監理部並びに厚生労働大臣が国土交通大臣に協議して指定する運輸支局及び地方運輸局、運輸監理部又は運輸支局の事務所を含む。)が」と、第三十二条第一項第四号及び第五十二条第一項第三号中「事業所」とあるのは「事業所又は船員職業安定法第二十一条(第二項ただし書を除く。)の規定に該当する船舶」と、第五十八条第一項中「公共職業安定所長が」とあるのは「公共職業安定所長又は地方運輸局(運輸監理部並びに厚生労働大臣が国土交通大臣に協議して指定する運輸支局及び地方運輸局、運輸監理部又は運輸支局の事務所を含む。)の長が」とする。
– 第七十九条の三  第十五条第二項の規定(前条の規定により読み替えて適用される場合を含む。)により、求職の申込みを受ける公共職業安定所長又は地方運輸局(運輸監理部並びに厚生労働大臣が国土交通大臣に協議して指定する運輸支局及び地方運輸局、運輸監理部又は運輸支局の事務所を含む。以下この条において同じ。)の長は、その必要があると認めるときは、他の公共職業安定所長又は地方運輸局の長にその失業の認定を委嘱することができる。

【試験問題】
次の説明は、雇用保険二事業(旧雇用保険三事業)(雇用安定事業、能力開発事業)に関する記述である。
雇用保険二事業(旧雇用保険三事業)に関しても、行政庁の職員が適用事業所に立ち入り、関係者に対して質問し、又は帳簿書類の検査を行う権限が認められている。 【解答】○

【法改正対応】
雇用保険三事業 → 雇用保険二事業
行政庁は、雇用保険法の施行のため必要があると認めるときは、当該職員に、被保険者、受給資格者等若しくは教育訓練給付対象者を雇用し、若しくは雇用していた事業主の事業所又は労働保険事務組合若しくは労働保険事務組合であった団体の事務所に立ち入り、関係者に対して質問させ、又は帳簿書類の検査をさせることができる。
よって、雇用保険法の施行のため必要があると認めるときであれば、雇用保険二事業に関することであっても立入検査の権限が認められることになる。
法79条1項

立入検査は法79条1項により、「雇用保険法の施行のため必要があると認めるとき」に行うことができると定められているため、雇用保険二事業についても適用される。

第八十条 (経過措置の命令への委任)  この法律に基づき政令又は厚生労働省令を制定し、又は改廃する場合においては、それぞれ政令又は厚生労働省令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置を定めることができる。この法律に基づき、厚生労働大臣が第十八条第三項の自動変更対象額その他の事項を定め、又はこれを改廃する場合においても、同様とする。

第八十一条 (権限の委任)
 この法律に定める厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、その一部を都道府県労働局長に委任することができる。
– 2  前項の規定により都道府県労働局長に委任された権限は、厚生労働省令で定めるところにより、公共職業安定所長に委任することができる。

第八十二条(厚生労働省令への委任)
 この法律に規定するもののほか、この法律の実施のため必要な手続その他の事項は、厚生労働省令で定める。

第八章 罰則

第八十三条  事業主が次の各号のいずれかに該当するときは、六箇月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
一  第七条の規定に違反して届出をせず、又は偽りの届出をした場合
二  第七十三条の規定に違反した場合
三  第七十六条第一項の規定による命令に違反して報告をせず、若しくは偽りの報告をし、又は文書を提出せず、若しくは偽りの記載をした文書を提出した場合
四  第七十六条第三項(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定に違反して証明書の交付を拒んだ場合
五  第七十九条第一項の規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは偽りの陳述をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合

第八十四条  労働保険事務組合が次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした労働保険事務組合の代表者又は代理人、使用人その他の従業者は、六箇月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
一  第七条の規定に違反して届出をせず、又は偽りの届出をした場合
二  第七十六条第一項の規定による命令に違反して報告をせず、若しくは偽りの報告をし、又は文書を提出せず、若しくは偽りの記載をした文書を提出した場合
三  第七十六条第三項(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定に違反して証明書の交付を拒んだ場合
四  第七十九条第一項の規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは偽りの陳述をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合

第八十五条  被保険者、受給資格者等、教育訓練給付対象者又は未支給の失業等給付の支給を請求する者その他の関係者が次の各号のいずれかに該当するときは、六箇月以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
– 一  第四十四条の規定に違反して偽りその他不正の行為によつて日雇労働被保険者手帳の交付を受けた場合
– 二  第七十七条の規定による命令に違反して報告をせず、若しくは偽りの報告をし、文書を提出せず、若しくは偽りの記載をした文書を提出し、又は出頭しなかつた場合
– 三  第七十九条第一項の規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは偽りの陳述をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合

【試験問題】
次の説明は、雇用保険制度に関する記述である。
雇用保険法では、教育訓練給付対象者や、未支給の失業等給付の支給を請求する者に関しても、一定の行為について懲役刑又は罰金刑による罰則を設けている。 【解答】○

雇用保険法において、被保険者、受給資格者等が悪いことをしてしまった場合は、6か月以下の懲役又は「20万円以下」の罰金となる可能性があり、
事業主の場合は、6か月以下の懲役又は「30万円以下」の罰金」となる可能性がある。
被保険者、受給資格者等、教育訓練給付対象者又は未支給の失業等給付の支給を請求する者その他の関係者が次のいずれかに該当
→6か月以下の懲役又は20万円以下の罰金
1)偽りその他不正の行為で日雇労働被保険者手帳の交付を受けた
2)法77条の規定による命令に違反して報告をせず若しくは偽りの報告をし文書を提出せず偽りの記載をした文書を提出し又は出頭しない
3)法79条第1項の規定による当該職員の質問に対し答弁せず偽りの陳述をし又は同項の規定による検査を拒み妨げ忌避した
よって問題文は正解
法85条

第八十六条  法人(法人でない労働保険事務組合を含む。以下この項において同じ。)の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、前三条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても各本条の罰金刑を科する。
– 2  前項の規定により法人でない労働保険事務組合を処罰する場合においては、その代表者又は管理人が訴訟行為につきその労働保険事務組合を代表するほか、法人を被告人とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。

【試験問題】
次の説明は、雇用保険制度に関する記述である。
「人」の代理人、使用人その他の従業者が、その「人」の業務に関して、雇用保険法第83条から第85条までの各号に掲げる違反行為をしたとき、行為者が罰せられるほか、その「人」に対しても雇用保険法第83条から第85条までに掲げる懲役刑が科せられることがある。 【解答】×

法人(法人でない労働保険事務組合を含む。以下この項において同じ。)の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、前三条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても各本条の「罰金刑」を科する。
法86条1項

「懲役刑」ではなく「罰金刑」が科せられる。
罰金刑に限定されているのは法人の場合本質的に懲役刑を科すことはできないからで、また自然人の場合は不可能ではないが連座的に懲役刑までを科するのは行き過ぎと考えられるからであるとされている。
法86条1項

  • コメント: 0

関連条文

  1. 厚年法 第七十八条  受給権者

  2. 健保法 第百四十四条 (家族出産育児一時金) 

  3. 労災法 第十七条 葬祭料

  4. 労働契約法1

  5. 雇保法 第三十一条 (未支給の基本手当の請求手続)

  6. 労働関係調整法1

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

スポンサーリンク

Ranking site

にほんブログ村 資格ブログへ にほんブログ村 資格ブログ にほんブログ村 資格ブログ 社労士試験へ にほんブログ村 社労士試験
資格受験ランキング 社会保険労務士ランキング
FC2 ブログランキング ブログ王ランキング

人気ブログランキング

Twitter でフォロー

日本ブログ村ランキング

PVアクセスランキング にほんブログ村

facebookでフォロー