第十五条 障害補償給付は、厚生労働省令で定める障害等級に応じ、障害補償年金又は障害補償一時金とする。
2 障害補償年金又は障害補償一時金の額は、それぞれ、別表第一又は別表第二に規定する額とする。
第十五条の二 障害補償年金を受ける労働者の当該障害の程度に変更があつたため、新たに別表第一又は別表第二中の他の障害等級に該当するに至つた場合には、政府は、厚生労働省令で定めるところにより、新たに該当するに至つた障害等級に応ずる障害補償年金又は障害補償一時金を支給するものとし、その後は、従前の障害補償年金は、支給しない。
【試験問題】
次の説明は、業務災害の保険給付に関する記述である。
業務上の傷病が治り、障害等級第8級以下の障害が残って障害補償一時金を受給した者について、傷病が再発し、治ったが、同一の部位の障害の程度が障害等級第7級以上に該当することとなった場合には、障害補償年金が支給されることとなるが、その額は、既に受給した障害補償一時金の額に達するまでの間は、全部又は一部(いずれか受給者の選択による。)の支給が停止される。 【解答】×
「再発」の場合も障害の程度を加重した場合と同じ取り扱いとなり、次のとおり取り扱う。
1.既存障害、新たな障害がともに年金、一時金の場合は、「加重後の年金(一時金)額-加重前の年金(一時金)額」。
2.既存障害が一時金で、新たな障害が年金の場合は、「加重後の年金額-加重前の一時金の額の25分の1」
[自説の根拠]法15条、則14条5項、昭和41年1月31日基発第73号
再発した場合も、既存障害と同一部位について加重した場合の処理と同じ扱いとなる。
よって、問題文のように「既に受給した障害補償一時金の額に達するまでの間は、全部又は一部(いずれか受給者の選択による。)の支給が停止される。」という規定はない。
[自説の根拠]法15条、則14条5項、昭和41年1月31日基発第73号
年金の場合、再発、再治癒後の取り扱いは「改定」
一時金の場合、再発、再治癒後の取り扱いは「加重」(悪化の場合)の扱いとなる。
【試験問題】
次の説明は、障害補償給付に関する記述である。
既に業務災害による障害の障害等級に応じて障害補償一時金を支給されていた者が新たな業務災害により同一の部位について障害の程度が加重され、それに応ずる障害補償年金を支給される場合には、その額は、原則として、既存の障害に係る障害補償一時金の額の25分の1を差し引いた額による。 【解答】○
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【試験問題】
障害等級8級の障害を有する者であって、障害補償一時金を受給した後に、自然経過によって障害の程度が重くなり、障害等級3級の障害に該当するに至った場合においては、障害等級3級の障害補償年金の額から障害等級8級の障害補償一時金を25で除して得た額を差し引いた額の障害補償年金が支給される。
【解答】×
障害補償一時金を受給した者の障害の程度が自然的経過により増進又は軽減した場合であっても、新たな年金や一時金が支給されることはない。
加重と自然経過の違い
法15条の2
既にあった身体障害の該当する障害等級に応ずる障害補償給付が障害補償一時金相当額であり、新たな業務災害により同一の部位について障害の程度が加重され、障害補償年金が支給される場合の障害補償年金の額は、加重後の障害補償年金の額から既にあった身体障害の該当する障害等級に応ずる障害補償一時金相当額を25で除して得た額を差し引いた額とされている。
よって、問題文は正解となる。
※計算式
加重後の障害補償年金の額-(既存の障害補償一時金の額÷25)=支給額
法15条、則14条5項
参考
<加重 加重前後とも年金の場合>
加重後年金額ー加重前年金額
<再発治ゆ 再発前年金、再発治ゆ後年金の場合>
再発治ゆ後の障害(補償)年金額
次の説明は、業務災害の保険給付に関する記述である。
業務上の傷病が治り、障害等級第8級以下の障害が残って障害補償一時金を受給した者について、傷病が再発し、治ったが、同一の部位の障害の程度が障害等級第7級以上に該当することとなった場合には、障害補償年金が支給されることとなるが、その額は、原則として、既に受給した障害補償一時金の額の25分の1の額を差し引いた額による。
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