労働組合法14

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 第三章 労働協約
(労働協約の効力の発生)
第十四条  労働組合と使用者又はその団体との間の労働条件その他に関する労働協約は、書面に作成し、両当事者が署名し、又は記名押印することによつてその効力を生ずる。
(労働協約の期間)
第十五条  労働協約には、三年をこえる有効期間の定をすることができない。
2  三年をこえる有効期間の定をした労働協約は、三年の有効期間の定をした労働協約とみなす。
3  有効期間の定がない労働協約は、当事者の一方が、署名し、又は記名押印した文書によつて相手方に予告して、解約することができる。一定の期間を定める労働協約であつて、その期間の経過後も期限を定めず効力を存続する旨の定があるものについて、その期間の経過後も、同様とする。
4  前項の予告は、解約しようとする日の少くとも九十日前にしなければならない。
(基準の効力)
第十六条  労働協約に定める労働条件その他の労働者の待遇に関する基準に違反する労働契約の部分は、無効とする。この場合において無効となつた部分は、基準の定めるところによる。労働契約に定がない部分についても、同様とする。
(一般的拘束力)
第十七条  一の工場事業場に常時使用される同種の労働者の四分の三以上の数の労働者が一の労働協約の適用を受けるに至つたときは、当該工場事業場に使用される他の同種の労働者に関しても、当該労働協約が適用されるものとする。
(地域的の一般的拘束力)
第十八条  一の地域において従業する同種の労働者の大部分が一の労働協約の適用を受けるに至つたときは、当該労働協約の当事者の双方又は一方の申立てに基づき、労働委員会の決議により、厚生労働大臣又は都道府県知事は、当該地域において従業する他の同種の労働者及びその使用者も当該労働協約(第二項の規定により修正があつたものを含む。)の適用を受けるべきことの決定をすることができる。
2  労働委員会は、前項の決議をする場合において、当該労働協約に不適当な部分があると認めたときは、これを修正することができる。
3  第一項の決定は、公告によつてする。
   第四章 労働委員会
    第一節 設置、任務及び所掌事務並びに組織等
(労働委員会)
第十九条  労働委員会は、使用者を代表する者(以下「使用者委員」という。)、労働者を代表する者(以下「労働者委員」という。)及び公益を代表する者(以下「公益委員」という。)各同数をもつて組織する。
2  労働委員会は、中央労働委員会及び都道府県労働委員会とする。
3  労働委員会に関する事項は、この法律に定めるもののほか、政令で定める。
(中央労働委員会)
第十九条の二  国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第三条第二項の規定に基づいて、厚生労働大臣の所轄の下に、中央労働委員会を置く。
2  中央労働委員会は、労働者が団結することを擁護し、及び労働関係の公正な調整を図ることを任務とする。
3  中央労働委員会は、前項の任務を達成するため、第五条、第十一条、第十八条及び第二十六条の規定による事務、不当労働行為事件の審査等(第七条、次節及び第三節の規定による事件の処理をいう。以下同じ。)に関する事務、労働争議のあつせん、調停及び仲裁に関する事務並びに労働関係調整法第三十五条の二及び第三十五条の三の規定による事務その他法律(法律に基づく命令を含む。)に基づき中央労働委員会に属させられた事務をつかさどる。
(中央労働委員会の委員の任命等)
第十九条の三  中央労働委員会は、使用者委員、労働者委員及び公益委員各十五人をもつて組織する。
2  使用者委員は使用者団体の推薦(使用者委員のうち四人については、特定独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第二項に規定する特定独立行政法人をいう。以下この項、第十九条の四第二項第二号及び第十九条の十第一項において同じ。)又は国有林野事業(特定独立行政法人等の労働関係に関する法律(昭和二十三年法律第二百五十七号)第二条第二号に規定する国有林野事業をいう。以下この項及び第十九条の十第一項において同じ。)を行う国の経営する企業の推薦)に基づいて、労働者委員は労働組合の推薦(労働者委員のうち四人については、特定独立行政法人の特定独立行政法人等の労働関係に関する法律第二条第四号に規定する職員(以下この章において「特定独立行政法人職員」という。)又は国有林野事業を行う国の経営する企業の同号に規定する職員(以下この章において「国有林野事業職員」という。)が結成し、又は加入する労働組合の推薦)に基づいて、公益委員は厚生労働大臣が使用者委員及び労働者委員の同意を得て作成した委員候補者名簿に記載されている者のうちから両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。
3  公益委員の任期が満了し、又は欠員を生じた場合において、国会の閉会又は衆議院の解散のために両議院の同意を得ることができないときは、内閣総理大臣は、前項の規定にかかわらず、厚生労働大臣が使用者委員及び労働者委員の同意を得て作成した委員候補者名簿に記載されている者のうちから、公益委員を任命することができる。
4  前項の場合においては、任命後最初の国会で両議院の事後の承認を求めなければならない。この場合において、両議院の事後の承認が得られないときは、内閣総理大臣は、直ちにその公益委員を罷免しなければならない。
5  公益委員の任命については、そのうち七人以上が同一の政党に属することとなつてはならない。
6  中央労働委員会の委員(次条から第十九条の九までにおいて単に「委員」という。)は、非常勤とする。ただし、公益委員のうち二人以内は、常勤とすることができる。
(委員の欠格条項)
第十九条の四  禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで、又は執行を受けることがなくなるまでの者は、委員となることができない。
2  次の各号のいずれかに該当する者は、公益委員となることができない。
一  国会又は地方公共団体の議会の議員
二  特定独立行政法人の役員、特定独立行政法人職員又は特定独立行政法人職員が結成し、若しくは加入する労働組合の組合員若しくは役員
三  国有林野事業職員又は国有林野事業職員が結成し、若しくは加入する労働組合の組合員若しくは役員
(委員の任期等)
第十九条の五  委員の任期は、二年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
2  委員は、再任されることができる。
3  委員の任期が満了したときは、当該委員は、後任者が任命されるまで引き続き在任するものとする。
(公益委員の服務)
第十九条の六  常勤の公益委員は、在任中、次の各号のいずれかに該当する行為をしてはならない。
一  政党その他の政治的団体の役員となり、又は積極的に政治運動をすること。
二  内閣総理大臣の許可のある場合を除くほか、報酬を得て他の職務に従事し、又は営利事業を営み、その他金銭上の利益を目的とする業務を行うこと。
2  非常勤の公益委員は、在任中、前項第一号に該当する行為をしてはならない。
(委員の失職及び罷免)
第十九条の七  委員は、第十九条の四第一項に規定する者に該当するに至つた場合には、その職を失う。公益委員が同条第二項各号のいずれかに該当するに至つた場合も、同様とする。
2  内閣総理大臣は、委員が心身の故障のために職務の執行ができないと認める場合又は委員に職務上の義務違反その他委員たるに適しない非行があると認める場合には、使用者委員及び労働者委員にあつては中央労働委員会の同意を得て、公益委員にあつては両議院の同意を得て、その委員を罷免することができる。
3  前項の規定により、内閣総理大臣が中央労働委員会に対して、使用者委員又は労働者委員の罷免の同意を求めた場合には、当該委員は、その議事に参与することができない。
4  内閣総理大臣は、公益委員のうち六人が既に属している政党に新たに属するに至つた公益委員を直ちに罷免するものとする。
5  内閣総理大臣は、公益委員のうち七人以上が同一の政党に属することとなつた場合(前項の規定に該当する場合を除く。)には、同一の政党に属する者が六人になるように、両議院の同意を得て、公益委員を罷免するものとする。ただし、政党所属関係に異動のなかつた委員を罷免することはできないものとする。
(委員の給与等)
第十九条の八  委員は、別に法律の定めるところにより俸給、手当その他の給与を受け、及び政令の定めるところによりその職務を行うために要する費用の弁償を受けるものとする。
(中央労働委員会の会長)
第十九条の九  中央労働委員会に会長を置く。
2  会長は、委員が公益委員のうちから選挙する。
3  会長は、中央労働委員会の会務を総理し、中央労働委員会を代表する。
4  中央労働委員会は、あらかじめ公益委員のうちから委員の選挙により、会長に故障がある場合において会長を代理する委員を定めておかなければならない。
(地方調整委員)
第十九条の十  中央労働委員会に、特定独立行政法人とその特定独立行政法人職員との間に発生した紛争、国有林野事業を行う国の経営する企業と国有林野事業職員との間に発生した紛争その他の事件で地方において中央労働委員会が処理すべきものとして政令で定めるものに係るあつせん若しくは調停又は第二十四条の二第五項の規定による手続に参与させるため、使用者、労働者及び公益をそれぞれ代表する地方調整委員を置く。
2  地方調整委員は、中央労働委員会の同意を得て、政令で定める区域ごとに厚生労働大臣が任命する。
3  第十九条の五第一項本文及び第二項、第十九条の七第二項並びに第十九条の八の規定は、地方調整委員について準用する。この場合において、第十九条の七第二項中「内閣総理大臣」とあるのは「厚生労働大臣」と、「使用者委員及び労働者委員にあつては中央労働委員会の同意を得て、公益委員にあつては両議院」とあるのは「中央労働委員会」と読み替えるものとする。
(中央労働委員会の事務局)
第十九条の十一  中央労働委員会にその事務を整理させるために事務局を置き、事務局に会長の同意を得て厚生労働大臣が任命する事務局長及び必要な職員を置く。
2  事務局に、地方における事務を分掌させるため、地方事務所を置く。
3  地方事務所の位置、名称及び管轄区域は、政令で定める。
(都道府県労働委員会)
第十九条の十二  都道府県知事の所轄の下に、都道府県労働委員会を置く。
2  都道府県労働委員会は、使用者委員、労働者委員及び公益委員各十三人、各十一人、各九人、各七人又は各五人のうち政令で定める数のものをもつて組織する。ただし、条例で定めるところにより、当該政令で定める数に使用者委員、労働者委員及び公益委員各二人を加えた数のものをもつて組織することができる。
3  使用者委員は使用者団体の推薦に基づいて、労働者委員は労働組合の推薦に基づいて、公益委員は使用者委員及び労働者委員の同意を得て、都道府県知事が任命する。
4  公益委員の任命については、都道府県労働委員会における別表の上欄に掲げる公益委員の数(第二項ただし書の規定により公益委員の数を同項の政令で定める数に二人を加えた数とする都道府県労働委員会にあつては当該二人を加えた数)に応じ、それぞれ同表の下欄に定める数以上の公益委員が同一の政党に属することとなつてはならない。
5  公益委員は、自己の行為によつて前項の規定に抵触するに至つたときは、当然退職するものとする。
6  第十九条の三第六項、第十九条の四第一項、第十九条の五、第十九条の七第一項前段、第二項及び第三項、第十九条の八、第十九条の九並びに前条第一項の規定は、都道府県労働委員会について準用する。この場合において、第十九条の三第六項ただし書中「、常勤」とあるのは「、条例で定めるところにより、常勤」と、第十九条の七第二項中「内閣総理大臣」とあるのは「都道府県知事」と、「使用者委員及び労働者委員にあつては中央労働委員会の同意を得て、公益委員にあつては両議院」とあるのは「都道府県労働委員会」と、同条第三項中「内閣総理大臣」とあるのは「都道府県知事」と、「使用者委員又は労働者委員」とあるのは「都道府県労働委員会の委員」と、前条第一項中「厚生労働大臣」とあるのは「都道府県知事」と読み替えるものとする。
(労働委員会の権限)
第二十条  労働委員会は、第五条、第十一条及び第十八条の規定によるもののほか、不当労働行為事件の審査等並びに労働争議のあつせん、調停及び仲裁をする権限を有する。
(会議)
第二十一条  労働委員会は、公益上必要があると認めたときは、その会議を公開することができる。
2  労働委員会の会議は、会長が招集する。
3  労働委員会は、使用者委員、労働者委員及び公益委員各一人以上が出席しなければ、会議を開き、議決することができない。
4  議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。

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