– 第三節 企業年金基金
– (組織)
第八条 基金は、実施事業所の事業主及びその実施事業所に使用される加入者の資格を取得した者をもって組織する。
– (法人格)
第九条 基金は、法人とする。
– 2 基金の住所は、その主たる事務所の所在地にあるものとする。
– (名称)
第十条 基金は、その名称中に企業年金基金という文字を用いなければならない。
– 2 基金でない者は、企業年金基金という名称を用いてはならない。
– (基金の規約で定める事項)
第十一条 第三条第一項第二号の基金の設立の認可を受けようとするときは、規約において、第四条第二号及び第四号から第七号までに掲げる事項のほか、次に掲げる事項を定めなければならない。
– 一 名称
– 二 事務所の所在地
– 三 代議員及び代議員会に関する事項
– 四 役員に関する事項
– 五 解散及び清算に関する事項
– 六 公告に関する事項
– 七 その他政令で定める事項
– (基金の設立認可の基準等)
第十二条 厚生労働大臣は、第三条第一項第二号の設立の認可の申請があった場合において、当該申請が次に掲げる要件に適合すると認めるときは、同号の認可をするものとする。
– 一 前条の規定により規約において定めることとされている事項が定められていること。
– 二 規約に第四条第四号に規定する資格を定めた場合にあっては、当該資格は、当該実施事業所において実施されている企業年金制度等が適用される者の範囲に照らし、特定の者について不当に差別的なものでないこと。
– 三 規約に第二十九条第一項各号に掲げる老齢給付金及び脱退一時金の支給を行うために必要な事項が定められていること。
– 四 当該申請に係る事業所において、常時政令で定める数以上の加入者となるべき被用者年金被保険者等を使用していること、又は使用すると見込まれること(次号に掲げる場合を除く。)。
– 五 厚生年金適用事業所の事業主が共同して基金を設立しようとする場合にあっては、当該事業主の当該申請に係る事業所において、合算して、常時政令で定める数以上の加入者となるべき被用者年金被保険者等を使用していること、又は使用すると見込まれること。
– 六 規約の内容がこの法律及びこの法律に基づく命令その他関係法令に違反するものでないこと。
– 七 その他政令で定める要件
– 2 第五条第二項及び第三項の規定は、第三条第一項第二号の認可について準用する。この場合において、第五条第三項中「同号の承認を受けた規約」とあるのは、「基金の規約」と読み替えるものとする。
– (成立の時期)
第十三条 基金は、設立の認可を受けた時に成立する。
– (理事長が選任されるまでの間の理事長の職務)
第十四条 基金が成立したときは、理事長が選任されるまでの間、基金の設立の認可の申請をした事業主が、理事長の職務を行う。この場合において、当該事業主は、この法律の規定の適用については、理事長とみなす。
– (公告)
第十五条 基金は、政令で定めるところにより、基金の名称、事務所の所在地、役員の氏名その他政令で定める事項を公告しなければならない。
– (基金の規約の変更等)
第十六条 基金は、規約の変更(厚生労働省令で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときは、その変更について厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
– 2 前項の規約の変更は、厚生労働大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
– 3 第五条第二項及び第三項並びに第十二条第一項の規定は、第一項の変更の認可について準用する。この場合において、第五条第二項及び第三項中「事業主」とあるのは、「基金」と読み替えるものとする。
– 第十七条 基金は、規約の変更であって前条第一項の厚生労働省令で定める軽微なものをしたときは、遅滞なく、これを厚生労働大臣に届け出なければならない。ただし、厚生労働省令で定める事項の変更については、この限りでない。
– 2 第五条第三項の規定は、前項の変更の届出について準用する。この場合において、同条第三項中「事業主」とあるのは、「基金」と読み替えるものとする。
– (代議員会)
第十八条 基金に、代議員会を置く。
– 2 代議員会は、代議員をもって組織する。
– 3 代議員の定数は、偶数とし、その半数は事業主において事業主(その代理人を含む。)及び実施事業所に使用される者のうちから選定し、他の半数は加入者において互選する。
– 第十九条 次に掲げる事項は、代議員会の議決を経なければならない。
– 一 規約の変更
– 二 毎事業年度の予算
– 三 毎事業年度の事業報告及び決算
– 四 その他規約で定める事項
– 2 代議員会は、監事に対し、基金の業務に関する監査を求め、その結果の報告を請求することができる。
– (政令への委任)
第二十条 前二条に定めるもののほか、代議員会の招集、議事の手続その他代議員及び代議員会に関し必要な事項は、政令で定める。
– (役員)
第二十一条 基金に、役員として理事及び監事を置く。
– 2 理事の定数は、偶数とし、その半数は事業主において選定した代議員において、他の半数は加入者において互選した代議員において、それぞれ互選する。
– 3 理事のうち一人を理事長とし、事業主において選定した代議員である理事のうちから、理事が選挙する。
– 4 監事は、代議員会において、事業主において選定した代議員及び加入者において互選した代議員のうちから、それぞれ一人を選挙する。
– 5 監事は、理事又は基金の職員と兼ねることができない。
– (役員の職務)
第二十二条 理事長は、基金を代表し、その業務を執行する。理事長に事故があるとき、又は理事長が欠けたときは、事業主において選定した代議員である理事のうちから、あらかじめ理事長が指定する者がその職務を代理し、又はその職務を行う。
– 2 基金の業務は、規約に別段の定めがある場合を除くほか、理事の過半数により決し、可否同数のときは、理事長の決するところによる。
– 3 理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して、給付に充てるべき積立金の管理及び運用に関する基金の業務を執行することができる。
– 4 監事は、基金の業務を監査する。
– 5 監事は、監査の結果に基づき、必要があると認めるときは、理事長又は代議員会に意見を提出することができる。
– (理事長の代表権の制限)
第二十三条 基金と理事長(前条第一項の規定により理事長の職務を代理し、又はその職務を行う者を含む。以下この条において同じ。)との利益が相反する事項については、理事長は、代表権を有しない。この場合においては、監事が基金を代表する。
– (政令への委任)
第二十四条 前三条に定めるもののほか、役員に関し必要な事項は、政令で定める。
– 第三章 加入者
– (加入者)
第二十五条 実施事業所に使用される被用者年金被保険者等は、加入者とする。
– 2 実施事業所に使用される被用者年金被保険者等が加入者となることについて規約で一定の資格を定めたときは、当該資格を有しない者は、前項の規定にかかわらず、加入者としない。
– (資格取得の時期)
第二十六条 加入者は、次の各号のいずれかに該当するに至ったときに、加入者の資格を取得する。
– 一 実施事業所に使用されるに至ったとき。
– 二 その使用される事業所若しくは事務所(以下「事業所」という。)又は船舶が、実施事業所となったとき。
– 三 実施事業所に使用される者が、被用者年金被保険者等となったとき。
– 四 実施事業所に使用される者が、規約により定められている資格を取得したとき。
– (資格喪失の時期)
第二十七条 加入者は、次の各号のいずれかに該当するに至ったときに、加入者の資格を喪失する。
– 一 死亡したとき。
– 二 実施事業所に使用されなくなったとき。
– 三 その使用される事業所又は船舶が、実施事業所でなくなったとき。
– 四 被用者年金被保険者等でなくなったとき。
– 五 規約により定められている資格を喪失したとき。
– (加入者期間)
第二十八条 加入者である期間(以下「加入者期間」という。)を計算する場合には、月によるものとし、加入者の資格を取得した月から加入者の資格を喪失した月の前月までをこれに算入する。ただし、規約で別段の定めをした場合にあっては、この限りでない。
– 2 加入者の資格を喪失した後、再びもとの確定給付企業年金の加入者の資格を取得した者については、政令で定める基準に従い規約で定めるところにより、当該確定給付企業年金における前後の加入者期間を合算することができる。
– 3 第一項の規定にかかわらず、政令で定める基準に従い規約で定めるところにより、当該確定給付企業年金の加入者の当該確定給付企業年金の加入者となる前の期間を加入者期間に算入することができる。
– 第四章 給付
– 第一節 通則
– (給付の種類)
第二十九条 事業主(基金を設立して実施する確定給付企業年金(以下「基金型企業年金」という。)を実施する場合にあっては、基金。以下「事業主等」という。)は、次に掲げる給付を行うものとする。
– 一 老齢給付金
– 二 脱退一時金
– 2 事業主等は、規約で定めるところにより、前項各号に掲げる給付に加え、次に掲げる給付を行うことができる。
– 一 障害給付金
– 二 遺族給付金
– (裁定)
第三十条 給付を受ける権利(以下「受給権」という。)は、その権利を有する者(以下「受給権者」という。)の請求に基づいて、事業主等が裁定する。
– 2 事業主は、前項の規定により裁定をしたときは、遅滞なく、その内容を資産管理運用機関に通知しなければならない。
– 3 資産管理運用機関又は基金(以下「資産管理運用機関等」という。)は、第一項の規定による裁定に基づき、その請求をした者に給付の支給を行う。
– (受給要件)
第三十一条 給付を受けるための要件は、規約で定めるところによる。
– 2 前項に規定する要件は、この法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反するものであってはならず、かつ、特定の者について不当に差別的なものであってはならない。
– (給付の額)
第三十二条 給付の額は、政令で定める基準に従い規約で定めるところにより算定した額とする。
– 2 前項に規定する給付の額は、加入者期間又は当該加入者期間における給与の額その他これに類するものに照らし、適正かつ合理的なものとして政令で定める方法により算定されたものでなければならず、かつ、特定の者について不当に差別的なものであってはならない。
– (年金給付の支給期間等)
第三十三条 年金給付の支給期間及び支払期月は、政令で定める基準に従い規約で定めるところによる。ただし、終身又は五年以上にわたり、毎年一回以上定期的に支給するものでなければならない。
– (受給権の譲渡等の禁止等)
第三十四条 受給権は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。ただし、老齢給付金、脱退一時金及び遺族給付金を受ける権利を国税滞納処分(その例による処分を含む。)により差し押さえる場合は、この限りでない。
– 2 租税その他の公課は、障害給付金として支給を受けた金銭を標準として、課することができない。
– (政令への委任)
第三十五条 この章に定めるもののほか、給付に関し必要な事項は、政令で定める。
– 第二節 老齢給付金
– (支給要件)
第三十六条 老齢給付金は、加入者又は加入者であった者が、規約で定める老齢給付金を受けるための要件を満たすこととなったときに、その者に支給するものとする。
– 2 前項に規定する規約で定める要件は、次に掲げる要件(第四十一条第二項第二号において「老齢給付金支給開始要件」という。)を満たすものでなければならない。
– 一 六十歳以上六十五歳以下の規約で定める年齢に達したときに支給するものであること。
– 二 政令で定める年齢以上前号の規約で定める年齢未満の規約で定める年齢に達した日以後に実施事業所に使用されなくなったときに支給するものであること(規約において当該状態に至ったときに老齢給付金を支給する旨が定められている場合に限る。)。
– 3 前項第二号の政令で定める年齢は、五十歳未満であってはならない。
– 4 規約において、二十年を超える加入者期間を老齢給付金の給付を受けるための要件として定めてはならない。
– (支給の繰下げ)
第三十七条 前条に規定する老齢給付金の支給の要件を満たす者であって老齢給付金の支給を請求していないものは、規約で定めるところにより、事業主等に当該老齢給付金の支給の繰下げの申出をすることができる。
– 2 前項の申出をした者に対する老齢給付金の支給は、前条第一項の規定にかかわらず、規約で定める時から始めるものとする。
– (支給の方法)
第三十八条 老齢給付金は、年金として支給する。
– 2 老齢給付金は、規約でその全部又は一部を一時金として支給することができることを定めた場合には、前項の規定にかかわらず、政令で定める基準に従い規約で定めるところにより、一時金として支給することができる。
– (支給停止)
第三十九条 老齢給付金の受給権者が、障害給付金を支給されたときは、第三十六条第一項の規定にかかわらず、政令で定める基準に従い規約で定めるところにより、老齢給付金の額の全部又は一部につき、その支給を停止することができる。
– (失権)
第四十条 老齢給付金の受給権は、次の各号のいずれかに該当することとなったときは、消滅する。
– 一 老齢給付金の受給権者が死亡したとき。
– 二 老齢給付金の支給期間が終了したとき。
– 三 老齢給付金の全部を一時金として支給されたとき。
– 第三節 脱退一時金
– (脱退一時金)
第四十一条 脱退一時金は、加入者が、第二十七条第二号から第五号までのいずれかに該当し、かつ、その他の規約で定める脱退一時金を受けるための要件を満たすこととなったときに、その者に支給するものとする。
– 2 前項に規定する規約で定める要件は、次に掲げる要件を満たすものでなければならない。
– 一 加入者であって規約で定める老齢給付金を受けるための要件を満たさないもの(次号に規定する者を除く。)に支給するものであること。
– 二 加入者であって規約で定める老齢給付金を受けるための要件のうち老齢給付金支給開始要件以外の要件を満たすものに支給するものであること(規約において当該状態に至ったときに脱退一時金を支給する旨が定められている場合に限る。)。
– 3 前項第一号に係る脱退一時金を受けるための要件として、規約において、三年を超える加入者期間を定めてはならない。
– 4 第一項に規定する脱退一時金を受けるための要件を満たす者(第二十七条第二号、第四号又は第五号のいずれかに該当することとなった者に限る。)は、規約で定めるところにより、事業主等に当該脱退一時金の全部又は一部の支給の繰下げの申出をすることができる。
– (支給の方法)
第四十二条 脱退一時金は、一時金として支給する。
– 第四節 障害給付金
– (支給要件)
第四十三条 障害給付金は、規約において障害給付金を支給することを定めている場合に、規約で定めるところにより、次の各号のいずれかに該当する者に支給するものとする。
– 一 疾病にかかり、又は負傷し、その疾病又は負傷及びこれらに起因する疾病(以下「傷病」という。)につき初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日(以下この項において「初診日」という。)において加入者であった者であって、初診日から起算して一年六月を経過した日(その期間内にその傷病が治った日(その症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至った日を含む。)があるときは、その日。次号において「障害認定日」という。)から第三十六条第二項第一号の規約で定める年齢に達するまでの間において、その傷病により規約で定める程度の障害の状態に該当するに至ったもの
– 二 疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その傷病(以下この号において「基準傷病」という。)に係る初診日において加入者であった者であって、基準傷病以外の傷病により障害の状態にあるものが、基準傷病に係る障害認定日から第三十六条第二項第一号の規約で定める年齢に達するまでの間において、初めて、基準傷病による障害と他の障害とを併合して規約で定める程度の障害の状態に該当するに至ったもの
– 2 前項各号に規定する規約で定める程度の障害の状態は、厚生年金保険法第四十七条第二項に規定する一級、二級及び三級の障害等級のうち政令で定めるものの範囲内でなければならない。
– (支給の方法)
第四十四条 障害給付金は、規約で定めるところにより、年金又は一時金として支給するものとする。
– (支給停止)
第四十五条 障害給付金は、受給権者が第四十三条第一項各号に規定する規約で定める程度の障害の状態に該当しなくなったときは、その障害の状態に該当しない間、その支給を停止するものとする。
– 2 障害給付金の受給権者が、次の各号のいずれかに該当することとなったときは、第四十三条第一項の規定にかかわらず、政令で定める基準に従い規約で定めるところにより、障害給付金の全部又は一部の支給を停止することができる。
– 一 老齢給付金を支給されたとき。
– 二 脱退一時金を支給されたとき。
– 三 当該傷病について労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第七十七条の規定による障害補償、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)の規定による障害補償給付若しくは障害給付又は船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)による障害を支給事由とする給付を受ける権利を取得したとき。
– (失権)
第四十六条 障害給付金の受給権は、次の各号のいずれかに該当することとなったときは、消滅する。
– 一 障害給付金の受給権者が死亡したとき。
– 二 障害給付金の支給期間が終了したとき。
– 三 障害給付金の全部を一時金として支給されたとき。
– 第五節 遺族給付金
– (支給要件)
第四十七条 遺族給付金は、規約において遺族給付金を支給することを定めている場合であって、加入者又は当該確定給付企業年金の老齢給付金の支給を受けている者その他政令で定める者のうち規約で定めるもの(以下この章において「給付対象者」という。)が死亡したときに、その者の遺族に支給するものとする。
– (遺族の範囲)
第四十八条 遺族給付金を受けることができる遺族は、次に掲げる者のうち規約で定めるものとし、遺族給付金を受けることができる遺族の順位(第五十一条第二項において「順位」という。)は、規約で定めるところによる。
– 一 配偶者(届出をしていないが、給付対象者の死亡の当時事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。)
– 二 子(給付対象者の死亡の当時胎児であった子が出生したときは、当該子を含む。)、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹
– 三 前二号に掲げる者のほか、給付対象者の死亡の当時主としてその収入によって生計を維持していたその他の親族
– (支給の方法)
第四十九条 遺族給付金は、規約で定めるところにより、年金又は一時金として支給するものとする。
– (年金として支給する遺族給付金の支給期間)
第五十条 老齢給付金又は障害給付金の給付を受けている者が死亡したときにその遺族に対し年金として支給する遺族給付金の支給期間については、当該老齢給付金又は障害給付金の支給期間として規約において一定の期間を定めていた場合は、第三十三条ただし書の規定にかかわらず、五年未満とすることができる。ただし、当該老齢給付金又は障害給付金の支給期間のうち給付を受けていない期間を下回ることができない。
– (失権)
第五十一条 遺族給付金の受給権は、次の各号のいずれかに該当することとなったときは、消滅する。
– 一 遺族給付金の受給権者が死亡したとき。
– 二 遺族給付金の支給期間が終了したとき。
– 三 遺族給付金の全部を一時金として支給されたとき。
– 2 前項の規定にかかわらず、遺族給付金の受給権者が死亡したときは、規約で定めるところにより、当該受給権者の次の順位の遺族に遺族給付金を支給することができる。
– 3 遺族給付金の受給権は、規約で定めるところにより、受給権者が次の各号のいずれかに該当することとなったときは、消滅するものとすることができる。
– 一 婚姻(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。)をしたとき。
– 二 直系血族及び直系姻族以外の者の養子(届出をしていないが、事実上養子縁組関係と同様の事情にある者を含む。)となったとき。
– 三 離縁により、給付対象者との親族関係が終了したとき。
– 第六節 給付の制限
– 第五十二条 加入者又は加入者であった者が、故意に、障害又はその直接の原因となった事故を生じさせたときは、当該障害を支給事由とする障害給付金は、支給しないものとする。
– 第五十三条 故意の犯罪行為により給付対象者を死亡させた者には、遺族給付金は、支給しないものとする。給付対象者の死亡前に、その者の死亡によって遺族給付金を受けるべき者を故意の犯罪行為により死亡させた者についても、同様とする。
– 第五十四条 加入者又は加入者であった者が、自己の故意の犯罪行為若しくは重大な過失により、又は正当な理由がなくて療養に関する指示に従わないことにより、障害若しくは死亡若しくはこれらの原因となった事故を生じさせ、若しくはその障害の程度を増進させ、又はその回復を妨げたとき、その他政令で定める場合には、規約で定めるところにより、給付の全部又は一部を行わないことができる。
年金・退職金
•確定給付企業年金法
確定給付企業年金法、確定拠出年金法
◦ 確定給付企業年金法(H13,6,15制定H14,4,1施行)
◦ 確定拠出年金法(H13,6,29制定H13,10,1施行)
確定給付企業年金法(H13,6,15制定H14,4,1施行)
•(目的)
第1条 この法律は、少子高齢化の進展、産業構造の変化等の社会経済情勢の変化にかんがみ、事業主が従業員と給付の内容を約し、高齢期において従業員がその内容に基づいた給付を受けることができるようにするため、確定給付企業年金について必要な事項を定め、国民の高齢期における所得の確保に係る自主的な努力を支援し、もって公的年金の給付と相まって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。
•(定義)
第2条 この法律において「確定給付企業年金」とは、厚生年金適用事業所の事業主が、単独で又は共同して、次章から第十一章までの規定に基づいて実施する年金制度をいう。
◦2 この法律において「厚生年金適用事業所」とは、厚生年金保険法第六条第一項 の適用事業所及び同条第三項 の認可を受けた適用事業所をいう。
◦3 この法律において「被用者年金被保険者等」とは、次に掲げる者をいう。
一 厚生年金保険の被保険者
二 私立学校教職員共済法の規定による私立学校教職員共済制度の加入者
◦4 この法律において「企業年金基金」とは、前条の目的を達成するため、確定給付企業年金の加入者(以下「加入者」という。)に必要な給付を行うことを目的として、次章の規定に基づき設立された社団をいう。
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•目的
・少子高齢化、産業構造の変化、社会経済情勢の変化に対応
・事業主が従業員への確定給付企業年金の給付を約するための事項を定める
・高齢期における自主的な努力を支援する
•設立
・厚生年金適用事業所の事業主が60歳未満の被保険者の過半数で組織する労働組合または過半数代表者の同意を得て規約を作成し、
◦規約について厚生労働大臣の承認を得る(規約型)
・統合、分割は厚生労働大臣の承認を受けて統合
◦企業年金基金の設立について厚生労働大臣の認可を受ける(基金型)
・合併、分割は代議員の3/4の議決で申請し、厚生労働大臣の認可を受けて合併
•加入者
・実施事業所に使用される被用者年金被保険者
・厚生年金適用事業と私立学校教職員共済(国家公務員、地方公務員共済は非対象)
•規約型企業年金
・資産管理運用機関に運用委託し、そこが給付する(企業年金のアウトソーシング)
•基金型企業年金
・資産管理運用機関に運用委託し、自ら給付する(厚生年金代行部分のない基金)
◦cf.厚生年金基金–代行返上
代行部分 国に返上
上乗せ給付 確定給付企業年金(規約型、基金型)
•給付(厚生年金基金と同じ)
・事業主が裁定し、資産管理運用機関に通知。資産管理運用機関が給付の支給を行う
・老齢給付金、脱退一時金の給付を行わなければならない
・終身または5年以上にわたり年1回以上定期的に支給
・障害給付金、遺族給付金の給付を行うことができる
給付事由 国民年金基金 厚生年金基金 確定給付企業年金 確定拠出年金
国民年金上乗せ 厚生年金上乗せ 退職金と同じ 個人年金保険と同じ
年金のみ課税可 老齢・脱退・遺族(死亡)は課税&差押
老齢 名称の定めなし 老齢年金給付 老齢給付金 老齢給付金
脱退 – 脱退一時金(法定) 脱退一時金(法定) 脱退一時金(当面)
障害 障害給付金(任意) 障害給付金(任意) 障害給付金(法定)
死亡 名称の定めなし 遺族給付金(任意) 遺族給付金(任意) 死亡一時金(法定)
◦老齢給付金
・加入期間20年以上で、60歳以上65歳未満 または 50歳以上の退職時(H24)
◦脱退一時金
・加入期間3年以上 cf.厚生年金脱退一時金の上限係数と同じ
◦障害給付金、遺族給付金
・障害認定日から老齢給付金支給開始年齢までに障害の状態に該当
•掛金
・事業主が年1回以上定期的に拠出する(加入者は一部負担できる)
・加入者の拠出は所得控除(生命保険控除)、事業主の拠出は損金算入
・毎事業年度終了後4月以内に決算に関する報告書を厚生労働大臣に提出
•企業年金制度間の移行
・確定拠出年金から他の企業年金に移すことはできない
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•確定拠出年金法
↑
確定拠出年金法(H13,6,29制定H13,10,1施行)
•cf.H22社一選択
•(目的)
第1条 この法律は、少子高齢化の進展、高齢期の生活の多様化等の社会経済情勢の変化にかんがみ、個人又は事業主が拠出した資金を個人が自己の責任において運用の指図を行い、高齢期においてその結果に基づいた給付を受けることができるようにするため、確定拠出年金について必要な事項を定め、国民の高齢期における所得の確保に係る自主的な努力を支援し、もって公的年金の給付と相まって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。
•(定義)
第2条 この法律において「確定拠出年金」とは、企業型年金及び個人型年金をいう。
◦2 この法律において「企業型年金」とは、厚生年金適用事業所の事業主が、単独で又は共同して、次章の規定に基づいて実施する年金制度をいう。
◦3 この法律において「個人型年金」とは、連合会が、第三章の規定に基づいて実施する年金制度をいう。
◦4 この法律において「厚生年金適用事業所」とは、略
◦5 この法律において「連合会」とは、国民年金基金連合会であって、個人型年金を実施する者として厚生労働大臣が全国を通じて一個に限り指定したものをいう。
◦6 この法律において「被用者年金被保険者等」とは、次に掲げる者であって、60歳未満のものをいう。
以下略
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•目的
・少子高齢化、産業構造の変化、高齢期の生活の多様化、社会経済情勢の変化に対応
・事業主が従業員への確定給付企業年金の給付を約するための事項を定める
・事業主、個人が拠出した資金を自己の責任で運用指図し結果に基づいた給付を受けるための必要な事項を定める
・高齢期における自主的な努力を支援する
•企業型年金
・厚生年金適用事業所の事業主が60歳未満の被保険者の過半数で組織する労働組合または過半数代表者の同意を得て規約を作成し、厚生労働大臣の承認を得る
・厚生年金適用事業と私立学校教職員共済(国家公務員、地方公務員共済は非対象)の60歳未満の者
・運営管理業務を確定拠出年金運営管理機関に委託することが出来る
・資産管理機関に資産管理契約を締結しなければならない
・企業年金のアウトソーシング
加入者、運用指図者
・企業型年金が実施される厚生年金適用事業所に使用される60歳未満の者が企業型年金加入者
・加入者であった者(60歳に達して資格喪失または障害給付金受給者)で個人別管理資産に残高がある者は運用指図者とする
掛金
・事業主が各月の掛け金を翌月末日までに資産管理機関に納付する(加入者は一部負担できる「マッチング拠出」)
*マッチング拠出は拠出限度の枠内で事業主の掛け金以下とし所得控除される
・厚生年金基金または確定給付企業年金に加入する事業所の掛け金上限 ¥25,500
・厚生年金基金または確定給付企業年金に加入しない事業所の掛け金上限 ¥51,000
•個人型年金
・国民年金基金連合会は個人型年金の規約を作成し厚生労働大臣の承認を得る
・運営管理業務を確定拠出年金運営管理機関に委託しなければならない
・連合会は資産管理機関を兼ねる
加入者
・第1号加入者 障害基礎年金受給者以外の保険料免除者を除く国民年金1号被保険者
・第2号加入者 60歳未満の厚生年金被保険者
掛け金
・加入者は国民年金保険料の納付が行われた各月(国民年金2,3号は除く)に掛金を納付する
・第1号加入者 上限¥68,000(国民年金基金の上限と同じ、基金掛金と合算で上限適用)
・第2号加入者 上限¥23,000(厚生年金被保険者(2号被保険者)は国民年金基金に加入できないので所得控除で積立できるのはこれが上限)
•運用
・運営管理機関は3以上の運用方法を用意し1は元本保証の選択肢を用意する
•給付
◦運営管理業務
記録関連業務
・「加入者等」の氏名、住所、個人別管理資産額その他の加入者等に関する事項の記録、保存及び通知
・加入者等が行った運用の指図の取りまとめ及びその内容の資産管理機関又は連合会への通知
・給付を受ける権利の裁定
運用関連業務
・運用の方法の選定及び加入者等に対する提示並びに当該運用の方法に係る情報の提供
◦老齢給付金
・支給要件
60歳以上61歳未満 61-62 62-63 63-64 64-65 65歳以上
10年 8年 6年 4年 2年 1月
・支給予定期間は5年以上20年未満の年金とし、規約で一時金をすることもできる
・70歳に達した時は請求が無くても記録関連運営管理機関が裁定し、資産管理機関または連合会は老齢給付金を支給する
◦障害給付金
・障害認定日が70歳未満の時支給を請求できる
・支給予定期間は5年以上20年未満の年金とし、規約で一時金をすることもできる
◦死亡一時金
・記録関連運営管理機関が裁定し、資産管理機関または連合会は老齢給付金を支給する
◦脱退一時金(H16附則)
・年金での受給を原則としている規定
少額加入者
・加入者および運用指図者でなく(退職した)、個人別管理資産が¥15,000円以下の者は加入者資格喪失から6月以内に請求できる
短期加入者(通算拠出期間が3年以下)
・企業型年金から個人型年金に移換出来ない(個人型年金加入者になれない=国民年金1号2号に該当しない)場合脱退一時金を請求できる
・60歳未満、個人別管理資産が50万円以下、資格喪失から2年以内
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