確年法 第五十五条(掛金)

第五章 掛金

– (掛金)
第五十五条  事業主は、給付に関する事業に要する費用に充てるため、規約で定めるところにより、年一回以上、定期的に掛金を拠出しなければならない。
– 2  加入者は、政令で定める基準に従い規約で定めるところにより、前項の掛金の一部を負担することができる。
– 3  掛金の額は、規約で定めるところにより算定した額とする。
– 4  前項に規定する掛金の額は、次の要件を満たすものでなければならない。
– 一  加入者のうち特定の者につき、不当に差別的なものであってはならないこと。
– 二  定額又は給与に一定の割合を乗ずる方法その他適正かつ合理的な方法として厚生労働省令で定めるものにより算定されるものであること。
– (掛金の納付)
第五十六条  事業主は、前条第一項の掛金を、規約で定める日までに資産管理運用機関等に納付するものとする。
– 2  事業主は、政令で定める基準に従い規約で定めるところにより、掛金を金銭に代えて金融商品取引法第二条第十六項に規定する金融商品取引所に上場されている株式で納付することができる。ただし、事業主が当該株式を基金に納付する場合にあっては、当該基金の同意を得たときに限る。
– 3  資産管理運用機関等が、中小企業退職金共済法(昭和三十四年法律第百六十号)第十七条第一項の規定に基づき、独立行政法人勤労者退職金共済機構から同項に規定する厚生労働省令で定める金額の引渡しを受けたときは、当該金額については、前条及び第一項の規定により事業主が拠出した掛金とみなす。
– (掛金の額の基準)
第五十七条  掛金の額は、給付に要する費用の額の予想額及び予定運用収入の額に照らし、厚生労働省令で定めるところにより、将来にわたって財政の均衡を保つことができるように計算されるものでなければならない。
– (財政再計算)
第五十八条  事業主等は、少なくとも五年ごとに前条の基準に従って掛金の額を再計算しなければならない。
– 2  事業主等は、前項の規定にかかわらず、加入者の数が著しく変動した場合その他の厚生労働省令で定める場合は、前条の基準に従って、速やかに、掛金の額を再計算しなければならない。

–    第六章 積立金の積立て及び運用

– (積立金の積立て)
第五十九条  事業主等は、毎事業年度の末日において、給付に充てるべき積立金(以下「積立金」という。)を積み立てなければならない。
– (積立金の額)
第六十条  積立金の額は、加入者及び加入者であった者(以下「加入者等」という。)に係る次項に規定する責任準備金の額及び第三項に規定する最低積立基準額を下回らない額でなければならない。
– 2  責任準備金の額は、当該事業年度の末日における給付に要する費用の額の予想額の現価から掛金収入の額の予想額の現価を控除した額を基準として、厚生労働省令で定めるところにより算定した額とする。
– 3  最低積立基準額は、加入者等の当該事業年度の末日までの加入者期間に係る給付として政令で定める基準に従い規約で定めるものに要する費用の額の予想額を計算し、これらの予想額の合計額の現価として厚生労働省令で定めるところにより算定した額とする。
– (決算における責任準備金の額等の計算)
第六十一条  事業主等は、毎事業年度の決算において、積立金の額が前条第二項に規定する責任準備金の額(以下「責任準備金の額」という。)及び同条第三項に規定する最低積立基準額(以下「最低積立基準額」という。)を上回っているかどうかを計算しなければならない。
– (積立不足に伴う掛金の再計算)
第六十二条  事業主等は、前条の規定による計算の結果、積立金の額が、責任準備金の額に照らし厚生労働省令で定めるところにより算定した額を下回っている場合には、厚生労働省令で定めるところにより、第五十七条の基準に従って掛金の額を再計算しなければならない。
– (積立不足に伴う掛金の拠出)
第六十三条  事業主は、第六十一条の規定による計算の結果、積立金の額が最低積立基準額を下回っている場合には、当該下回った額を基準として厚生労働省令で定めるところにより算定した額を、厚生労働省令で定めるところにより掛金として拠出しなければならない。
– (積立上限額を超える場合の掛金の控除)
第六十四条  事業主等は、毎事業年度の決算において、積立金の額が次項に規定する積立上限額を上回っている場合には、当該上回った額を基準として厚生労働省令で定めるところにより算定した額を、第五十五条第三項に定めるところにより算定した掛金の額から厚生労働省令で定めるところにより控除しなければならない。この場合において、当該控除すべき額が同項に定めるところにより算定した掛金の額以上となったときは、当該事業主等に係る掛金については、同条第一項の規定は、適用しない。
– 2  積立上限額は、当該確定給付企業年金の財政の安定性を長期間にわたって確実に確保することができる積立金の水準を上回る額として、厚生労働省令で定めるところにより算定するものとする。
– (事業主の積立金の管理及び運用に関する契約)
第六十五条  第三条第一項第一号の承認を受けた事業主は、政令で定めるところにより、積立金の管理及び運用について、次の各号のいずれかに掲げる契約を締結しなければならない。
– 一  信託会社(信託業法(平成十六年法律第百五十四号)第三条又は第五十三条第一項の免許を受けたものに限る。以下同じ。)又は信託業務を営む金融機関を相手方とする信託の契約
– 二  生命保険会社(保険業法(平成七年法律第百五号)第二条第三項に規定する生命保険会社及び同条第八項に規定する外国生命保険会社等をいう。以下同じ。)を相手方とする生命保険の契約
– 三  農業協同組合連合会(全国を地区とし、農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)第十条第一項第十号の事業のうち生命共済の事業を行うものに限る。以下同じ。)を相手方とする生命共済の契約
– 2  事業主は、前項第一号に規定する信託の契約に係る信託財産の運用に関して、政令で定めるところにより、金融商品取引業者(金融商品取引法第二条第九項に規定する金融商品取引業者をいう。次項並びに次条第三項及び第四項において同じ。)と投資一任契約を締結することができる。
– 3  第一項各号に規定する者又は前項に規定する金融商品取引業者は、正当な理由がある場合を除き、資産管理運用契約(第一項の規定により締結される同項各号に掲げる契約又は前項の規定により締結される投資一任契約をいう。以下同じ。)の締結を拒絶してはならない。
– 4  資産管理運用機関が欠けることとなるときは、事業主は、別に資産管理運用契約(第一項各号に掲げる契約に限る。以下この条において同じ。)の相手方となるべき者を定めて、資産管理運用契約を締結しなければならない。
– 5  資産管理運用契約が解除されたときは、当該解除された資産管理運用契約に係る資産管理運用機関は、速やかに、当該資産管理運用契約に係る積立金を事業主が定めた資産管理運用機関に移換しなければならない。
– 5  基金は、前項に規定する有価証券の売買その他政令で定める方法により積立金を運用する場合においては、金融機関等と当該運用に係る積立金の管理の委託に関する契約を締結しなければならない。
– (積立金の運用)
第六(基金の積立金の運用に関する契約)
第六十六条  基金は、政令で定めるところにより、積立金の運用に関して、前条第一項各号のいずれかに掲げる契約又は投資一任契約を締結しなければならない。
– 2  基金は、前項の規定により投資一任契約を締結する場合においては、当該投資一任契約に係る積立金の運用について、政令で定めるところにより、信託会社又は信託業務を営む金融機関と運用方法を特定する信託の契約を締結しなければならない。
– 3  信託会社、信託業務を営む金融機関、生命保険会社、農業協同組合連合会又は金融商品取引業者は、正当な理由がある場合を除き、前二項に規定する契約の締結を拒絶してはならない。
– 4  基金は、第一項の規定にかかわらず、政令で定めるところにより、金融機関又は金融商品取引業者(金融商品取引法第二十八条第一項に規定する第一種金融商品取引業を行う者に限る。)その他の政令で定めるもの(次項において「金融機関等」という。)を相手方として契約を締結し、預金又は貯金の預入、有価証券の売買その他政令で定める方法により積立金を運用することができる。
– 十七条  積立金の運用は、政令で定めるところにより、安全かつ効率的に行わなければならない。
– (政令への委任)
第六十八条  この章に定めるもののほか、積立金の積立て及び運用に関し必要な事項は、政令で定める。

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関連条文

  1. 雇保法 第二十一条(待期)

  2. 国年法 第十一条 (被保険者期間の計算)

  3. 安衛法 第十七条 (安全委員会)

  4. 厚年法 第十条 適用事業所以外

  5. 徴収法 第十三条 (第一種特別加入保険料の額)

  6. 国年法 第百二十七条 (加入員)

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