– 第二目 訪問看護療養費の支給
– (訪問看護療養費)
第七十八条 後期高齢者医療広域連合は、被保険者が指定訪問看護事業者から当該指定に係る訪問看護事業(健康保険法第八十八条第一項に規定する訪問看護事業をいう。)を行う事業所により行われる訪問看護(疾病又は負傷により、居宅において継続して療養を受ける状態にある被保険者(主治の医師がその治療の必要の程度につき厚生労働省令で定める基準に適合していると認めたものに限る。)に対し、その者の居宅において看護師その他厚生労働省令で定める者が行う療養上の世話又は必要な診療の補助をいう。以下「指定訪問看護」という。)を受けたときは、当該被保険者に対し、当該指定訪問看護に要した費用について、訪問看護療養費を支給する。ただし、当該被保険者が被保険者資格証明書の交付を受けている間は、この限りでない。
– 2 前項の訪問看護療養費は、厚生労働省令で定めるところにより、後期高齢者医療広域連合が必要と認める場合に限り、支給するものとする。
– 3 被保険者が指定訪問看護を受けようとするときは、自己の選定する指定訪問看護事業者に被保険者証を提出して受けるものとする。
– 4 訪問看護療養費の額は、当該指定訪問看護につき平均訪問看護費用額(指定訪問看護に要する平均的な費用の額をいう。)を勘案して厚生労働大臣が定める基準により算定した費用の額から、その額に第六十七条第一項各号に掲げる場合の区分に応じ、同項各号に定める割合を乗じて得た額(療養の給付について第六十九条第一項各号の措置が採られるべきときは、当該措置が採られたものとした場合の額)を控除した額とする。
– 5 厚生労働大臣は、前項の基準を定めようとするときは、あらかじめ中央社会保険医療協議会の意見を聴かなければならない。
– 6 第七十一条第二項の規定は、前項に規定する事項に関する中央社会保険医療協議会の権限について準用する。
– 7 後期高齢者医療広域連合は、指定訪問看護事業者から訪問看護療養費の請求があつたときは、第四項の厚生労働大臣が定める基準及び次条第一項に規定する指定訪問看護の事業の運営に関する基準(指定訪問看護の取扱いに関する部分に限る。)に照らして審査した上、支払うものとする。
– 8 第七十条第四項から第七項まで及び第七十四条第五項から第七項までの規定は、指定訪問看護事業者について受けた指定訪問看護及びこれに伴う訪問看護療養費の支給について準用する。この場合において、これらの規定に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。
– 9 第六十八条の規定は、前項において準用する第七十四条第五項の場合において第四項の規定により算定した費用の額から当該指定訪問看護に要した費用について訪問看護療養費として支給される額に相当する額を控除した額の支払について準用する。
– 10 指定訪問看護は、第六十四条第一項各号に掲げる療養に含まれないものとする。
– 11 前各項に規定するもののほか、第四項の厚生労働大臣が定める算定方法の適用及び指定訪問看護事業者の訪問看護療養費の請求に関して必要な事項は、政令で定める。
– (指定訪問看護の事業の運営に関する基準)
第七十九条 指定訪問看護の事業の運営に関する基準については、厚生労働大臣が定める。
– 2 指定訪問看護事業者は、前項に規定する指定訪問看護の事業の運営に関する基準に従い、高齢者の心身の状況等に応じて適切な指定訪問看護を提供するとともに、自らその提供する指定訪問看護の質の評価を行うことその他の措置を講ずることにより常に指定訪問看護を受ける者の立場に立つてこれを提供するように努めなければならない。
– 3 厚生労働大臣は、第一項に規定する指定訪問看護の事業の運営に関する基準(指定訪問看護の取扱いに関する部分に限る。)を定めようとするときは、あらかじめ中央社会保険医療協議会の意見を聴かなければならない。
– 4 第七十一条第二項の規定は、前項に規定する事項に関する中央社会保険医療協議会の権限について準用する。
– (厚生労働大臣又は都道府県知事の指導)
第八十条 指定訪問看護事業者及び当該指定に係る事業所の看護師その他の従業者は、指定訪問看護に関し、厚生労働大臣又は都道府県知事の指導を受けなければならない。
– (報告等)
第八十一条 厚生労働大臣又は都道府県知事は、訪問看護療養費の支給に関して必要があると認めるときは、指定訪問看護事業者又は指定訪問看護事業者であつた者若しくは当該指定に係る事業所の看護師その他の従業者であつた者(以下この項において「指定訪問看護事業者であつた者等」という。)に対し、報告若しくは帳簿書類の提出若しくは提示を命じ、指定訪問看護事業者若しくは当該指定に係る事業所の看護師その他の従業者若しくは指定訪問看護事業者であつた者等に対し出頭を求め、又は当該職員に関係者に対して質問させ、若しくは当該指定訪問看護事業者の当該指定に係る事業所について帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
– 2 第六十一条第三項の規定は前項の規定による質問又は検査について、同条第四項の規定は前項の規定による権限について、準用する。
– 3 都道府県知事は、指定訪問看護事業者につきこの法律の規定による指定訪問看護に関し健康保険法第九十五条の規定による処分が行われる必要があると認めるときは、理由を付して、その旨を厚生労働大臣に通知しなければならない。
– 第三目 特別療養費の支給
– 第八十二条 後期高齢者医療広域連合は、被保険者が被保険者資格証明書の交付を受けている場合において、当該被保険者が保険医療機関等又は指定訪問看護事業者について療養を受けたときは、当該被保険者に対し、その療養に要した費用について、特別療養費を支給する。
– 2 健康保険法第六十四条並びに本法第六十四条第三項、第六十五条、第六十六条、第七十条第二項、第七十二条、第七十四条第七項(第七十八条第八項において準用する場合を含む。)、第七十六条第二項、第七十八条第三項、第七十九条第二項、第八十条及び前条の規定は、保険医療機関等又は指定訪問看護事業者について受けた特別療養費に係る療養及びこれに伴う特別療養費の支給について準用する。この場合において必要な技術的読替えは、政令で定める。
– 3 第一項に規定する場合において、当該被保険者に対し被保険者証が交付されているならば第七十七条第一項の規定が適用されることとなるときは、後期高齢者医療広域連合は、療養費を支給することができる。
– 4 第一項に規定する場合において、被保険者が被保険者資格証明書を提出しないで保険医療機関等について診療又は薬剤の支給を受け、被保険者資格証明書を提出しなかつたことが、緊急その他やむを得ない理由によるものと認めるときは、後期高齢者医療広域連合は、療養費を支給するものとする。
– 5 第七十七条第三項及び第四項の規定は、前二項の規定による療養費について準用する。この場合において、同条第四項中「療養の給付を受けるべき場合」とあるのは「被保険者証が交付されているならば療養の給付を受けることができる場合」と、「入院時食事療養費の支給を受けるべき場合」とあるのは「被保険者証が交付されているならば入院時食事療養費の支給を受けることができる場合」と、「入院時生活療養費の支給を受けるべき場合」とあるのは「被保険者証が交付されているならば入院時生活療養費の支給を受けることができる場合」と、「保険外併用療養費の支給を受けるべき場合」とあるのは「被保険者証が交付されているならば保険外併用療養費の支給を受けることができる場合」と読み替えるものとする。
– 第四目 移送費の支給
– 第八十三条 後期高齢者医療広域連合は、被保険者が療養の給付(保険外併用療養費に係る療養及び特別療養費に係る療養を含む。)を受けるため病院又は診療所に移送されたときは、当該被保険者に対し、移送費として、厚生労働省令で定めるところにより算定した額を支給する。
– 2 前項の移送費は、厚生労働省令で定めるところにより、後期高齢者医療広域連合が必要であると認める場合に限り、支給するものとする。
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