労災法 第二十一条 通勤災害に関する保険給付

第三節 通勤災害に関する保険給付

第二十一条  第七条第一項第二号の通勤災害に関する保険給付は、次に掲げる保険給付とする。
一  療養給付
二  休業給付
三  障害給付
四  遺族給付
五  葬祭給付
六  傷病年金
七  介護給付

第二十二条  療養給付は、労働者が通勤(第七条第一項第二号の通勤をいう。以下同じ。)により負傷し、又は疾病(厚生労働省令で定めるものに限る。以下この節において同じ。)にかかつた場合に、当該労働者に対し、その請求に基づいて行なう。
2  第十三条の規定は、療養給付について準用する。
第二十二条の二  休業給付は、労働者が通勤による負傷又は疾病に係る療養のため労働することができないために賃金を受けない場合に、当該労働者に対し、その請求に基づいて行なう。
2  第十四条及び第十四条の二の規定は、休業給付について準用する。この場合において、第十四条第一項中「業務上の」とあるのは「通勤による」と、同条第二項中「別表第一第一号から第三号までに規定する場合に応じ、それぞれ同表第一号から第三号までの政令で定める率のうち傷病補償年金について定める率」とあるのは「第二十三条第二項において準用する別表第一第一号から第三号までに規定する場合に応じ、それぞれ同表第一号から第三号までの政令で定める率のうち傷病年金について定める率」と読み替えるものとする。
3  療養給付を受ける労働者(第三十一条第二項の厚生労働省令で定める者を除く。)に支給する休業給付であつて最初に支給すべき事由の生じた日に係るものの額は、前項において準用する第十四条第一項の規定にかかわらず、同項の額から第三十一条第二項の厚生労働省令で定める額に相当する額を減じた額とする。
第二十二条の三  障害給付は、労働者が通勤により負傷し、又は疾病にかかり、なおつたとき身体に障害が存する場合に、当該労働者に対し、その請求に基づいて行なう。
2  障害給付は、第十五条第一項の厚生労働省令で定める障害等級に応じ、障害年金又は障害一時金とする。
3  第十五条第二項及び第十五条の二並びに別表第一(障害補償年金に係る部分に限る。)及び別表第二(障害補償一時金に係る部分に限る。)の規定は、障害給付について準用する。この場合において、これらの規定中「障害補償年金」とあるのは「障害年金」と、「障害補償一時金」とあるのは「障害一時金」と読み替えるものとする。
第二十二条の四  遺族給付は、労働者が通勤により死亡した場合に、当該労働者の遺族に対し、その請求に基づいて行なう。
2  遺族給付は、遺族年金又は遺族一時金とする。
3  第十六条の二から第十六条の九まで並びに別表第一(遺族補償年金に係る部分に限る。)及び別表第二(遺族補償一時金に係る部分に限る。)の規定は、遺族給付について準用する。この場合において、これらの規定中「遺族補償年金」とあるのは「遺族年金」と、「遺族補償一時金」とあるのは「遺族一時金」と読み替えるものとする。
第二十二条の五  葬祭給付は、労働者が通勤により死亡した場合に、葬祭を行なう者に対し、その請求に基づいて行なう。
2  第十七条の規定は、葬祭給付について準用する。


【試験問題】次の説明は、労働者災害補償保険法に関する記述である。
通勤による疾病とは、通勤途上で生じた疾病その他厚生労働省令で定める疾病をいう。【解答】×

傷病補償年金は、業務上負傷し、又は疾病にかかつた労働者が、当該負傷又は疾病に係る療養の開始後一年六箇月を経過した日において次の各号のいずれにも該当するとき、又は同日後次の各号のいずれにも該当することとなつたときに、その状態が継続している間、当該労働者に対して支給する。
2号 当該負傷又は疾病による障害の程度が厚生労働省令で定める傷病等級に該当すること。 (労災保険法 12条の8第3項2号)

「通勤による疾病」は、厚生労働省令で定めるものに限られており、厚生労働省令では、「通勤による負傷に起因する疾病その他通勤に起因することの明らかな疾病」と規定している。
よって、「通勤途上で生じた疾病」であっても、「通勤による負傷に起因する疾病その他通勤に起因することの明らかな疾病」でない場合は、「通勤による疾病」に該当せず、問題文は誤りとなる。
法22条1項、則18条の4

概ね合っているが、コメント中に「厚生労働省令で定めたという表現は不適切」、「本問は省令で定めるとした部分に誤りがあり」という表現がある。
労働者災害補償保険法第22条に疾病(厚生労働省令で定めるものに限る。以下この節において同じ。)と記載してあり、厚生労働省令で定めていることは間違いない。
通勤による疾病とは「通勤途上で生じた疾病」ではなく「厚生労働省令で定める疾病」をいう。
通勤による疾病は、厚生労働省令で定めるものに限られており、厚生労働省令において、通勤による疾病は「“通勤による負傷に起因する疾病”その他“通勤に起因することの明らかな疾病”とする」と規定されている。
いずれにしても、「通勤途上で生じた疾病」という広い概念より限定されています。
法22条1項,則18条の4


【試験問題】次の説明は、通勤災害に関する記述である。通勤による疾病は、厚生労働省令で定めるものに限られる。【解答】?


【試験問題】次の説明は、労働者災害補償保険法に関する記述である。
休業補償給付又は休業給付は、業務上の事由又は通勤による傷病の療養のため労働することができないために賃金を受けない場合に支給されるものであるから、労働契約の期間満了等により労働関係が消滅した後においても、当該傷病による療養のため労働することができないために賃金を受けない状態にある限り、支給される。 【解答】○

休業給付は、労働者が通勤による負傷又は疾病に係る療養のため労働することができないために賃金を受けない場合に、当該労働者に対し、その請求に基づいて行なう。 (労災保険法 22条の2)
保険給付を受ける権利は、労働者の退職によって変更される事はない。
⇒労働関係が消滅した後も労働不能で賃金を受けない状態にある限り支給される。
労災法と労基法に 、
「保険給付を受ける権利は、労働者の退職によって変更されることはない」と明記されている。
回復して仕事に復帰するまで補償してもらえるということ。
因みに、解雇された後に傷病が再発しても同じ。ただし、消滅時効は2年。
労災法12条、労基法83条
3日間の報酬は「休業補償」と考え、60%以上もらっていても待期期間に含まれる。


【試験問題】次の説明は、労働者災害補償保険法に関する記述である。
休業補償給付又は休業給付は、業務上の事由又は通勤による傷病の療養のため労働することができないために賃金を受けない日の第4日目から支給されるが、労働することができない日であっても、平均賃金の60%以上の金額が支払われた日は、待期期間3日の日数には算入されない。【解答】?

【試験問題】次の説明は、通勤災害の保険給付に関する記述である。休業給付が支給されない休業の初日から第3日目までの待期期間について、事業主は労働基準法に基づく休業補償の義務を負わない。 【解答】○

業務災害の場合は、事業主は待機期間中の休業補償を支払う義務がありますが、通勤災害の場合は、待機期間中の休業補償支払は不要です。
昭和40年7月31日基発901号

事業主が労基法に基づく休業補償の義務を負うのは、「労働者が業務上の傷病による療養のため労働することができないために賃金を受けない場合」である。
したがって通勤災害による休業給付に係る待期の3日間について、労基法に基づく休業補償の義務は負わない。
法22条2、76条他

通勤災害に関する保険給付は、【労働基準法】の【災害補償責任】を基礎とするものでは【ない】ため、給付の名称中に【補償】という文字が使われていない。よって、
労働基準法を基礎とする
【休業補償】
【解雇制限】
は通勤災害には規定されていないので、注意。ですから、通勤上の負傷により、療養を開始してから3年経過し、傷病年金を~でも、打切補償とかありません。解雇制限もナシです。要注意。この設問はひっかけ対策ですね。イジワル問題ですけど、こういうので点落とすんでしょう。題名もしっかり見る!
法19条、法22条の2

業務災害⇒休業補償の義務有り
通勤災害⇒休業補償の義務なし
問題文では、上記の区分はありせんが、「通勤災害では、休業補償の義務がない」ため、答えは×になります。

第二十三条  傷病年金は、通勤により負傷し、又は疾病にかかつた労働者が、当該負傷又は疾病に係る療養の開始後一年六箇月を経過した日において次の各号のいずれにも該当するとき、又は同日後次の各号のいずれにも該当することとなつたときに、その状態が継続している間、当該労働者に対して支給する。
一  当該負傷又は疾病が治つていないこと。
二  当該負傷又は疾病による障害の程度が第十二条の八第三項第二号の厚生労働省令で定める傷病等級に該当すること。
2  第十八条、第十八条の二及び別表第一(傷病補償年金に係る部分に限る。)の規定は、傷病年金について準用する。この場合において、第十八条第二項中「休業補償給付」とあるのは「休業給付」と、同表中「傷病補償年金」とあるのは「傷病年金」と読み替えるものとする。

第二十四条  介護給付は、障害年金又は傷病年金を受ける権利を有する労働者が、その受ける権利を有する障害年金又は傷病年金の支給事由となる障害であつて第十二条の八第四項の厚生労働省令で定める程度のものにより、常時又は随時介護を要する状態にあり、かつ、常時又は随時介護を受けているときに、当該介護を受けている間(次に掲げる間を除く。)、当該労働者に対し、その請求に基づいて行う。
一  障害者支援施設に入所している間(生活介護を受けている場合に限る。)
二  第十二条の八第四項第二号の厚生労働大臣が定める施設に入所している間
三  病院又は診療所に入院している間
2  第十九条の二の規定は、介護給付について準用する。

第二十五条  この節に定めるもののほか、通勤災害に関する保険給付について必要な事項は、厚生労働省令で定める。

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関連条文

  1. 労働組合法22

  2. 社労法 第二十五条の二十六(社会保険労務士会)

  3. 確年法 第八条(組織)

  4. 労働安全衛生法

  5. 障害者雇用促進法 第三十七条 (身体障害者又は知的障害者の雇用に関する事業主の責務)

  6. 高齢者法 第百十七条 特別高額医療費共同事業

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