介護保険法 第百十六条(基本指針)

第七章 介護保険事業計画

– (基本指針)
第百十六条  厚生労働大臣は、介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための基本的な指針(以下「基本指針」という。)を定めるものとする。

– 2  基本指針においては、次に掲げる事項について定めるものとする。

– 一  介護給付等対象サービスを提供する体制の確保及び地域支援事業の実施に関する基本的事項

– 二  次条第一項に規定する市町村介護保険事業計画において同条第二項第一号の介護給付等対象サービスの種類ごとの量の見込みを定めるに当たって参酌すべき標準その他当該市町村介護保険事業計画及び第百十八条第一項に規定する都道府県介護保険事業支援計画の作成に関する事項

– 三  その他介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するために必要な事項

– 3  厚生労働大臣は、基本指針を定め、又はこれを変更するに当たっては、あらかじめ、総務大臣その他関係行政機関の長に協議しなければならない。

– 4  厚生労働大臣は、基本指針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

– (市町村介護保険事業計画)
第百十七条  市町村は、基本指針に即して、三年を一期とする当該市町村が行う介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施に関する計画(以下「市町村介護保険事業計画」という。)を定めるものとする。

– 2  市町村介護保険事業計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。

– 一  当該市町村が、その住民が日常生活を営んでいる地域として、地理的条件、人口、交通事情その他の社会的条件、介護給付等対象サービスを提供するための施設の整備の状況その他の条件を総合的に勘案して定める区域ごとの当該区域における各年度の認知症対応型共同生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護及び地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護に係る必要利用定員総数その他の介護給付等対象サービスの種類ごとの量の見込み

– 二  各年度における地域支援事業の量の見込み

– 3  市町村介護保険事業計画においては、前項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項について定めるよう努めるものとする。

– 一  前項第一号の必要利用定員総数その他の介護給付等対象サービスの種類ごとの見込量の確保のための方策

– 二  各年度における地域支援事業に要する費用の額及び地域支援事業の見込量の確保のための方策

– 三  指定居宅サービスの事業、指定地域密着型サービスの事業又は指定居宅介護支援の事業を行う者相互間の連携の確保に関する事業その他の介護給付等対象サービス(介護給付に係るものに限る。)の円滑な提供を図るための事業に関する事項

– 四  指定介護予防サービスの事業、指定地域密着型介護予防サービスの事業又は指定介護予防支援の事業を行う者相互間の連携の確保に関する事業その他の介護給付等対象サービス(予防給付に係るものに限る。)の円滑な提供及び地域支援事業の円滑な実施を図るための事業に関する事項

– 五  認知症である被保険者の地域における自立した日常生活の支援に関する事項、医療との連携に関する事項、高齢者の居住に係る施策との連携に関する事項その他の被保険者の地域における自立した日常生活の支援のため必要な事項

– 4  市町村介護保険事業計画は、当該市町村の区域における要介護者等の人数、要介護者等の介護給付等対象サービスの利用に関する意向その他の事情を勘案して作成されなければならない。

– 5  市町村は、第二項第一号の規定により当該市町村が定める区域ごとにおける被保険者の心身の状況、その置かれている環境その他の事情を正確に把握した上で、これらの事情を勘案して、市町村介護保険事業計画を作成するよう努めるものとする。

– 6  市町村介護保険事業計画は、老人福祉法第二十条の八第一項に規定する市町村老人福祉計画と一体のものとして作成されなければならない。

– 7  市町村介護保険事業計画は、社会福祉法第百七条に規定する市町村地域福祉計画その他の法律の規定による計画であって要介護者等の保健、医療、福祉又は居住に関する事項を定めるものと調和が保たれたものでなければならない。

– 8  市町村は、市町村介護保険事業計画を定め、又は変更しようとするときは、あらかじめ、被保険者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。

– 9  市町村は、市町村介護保険事業計画(第二項各号に掲げる事項に係る部分に限る。)を定め、又は変更しようとするときは、あらかじめ、都道府県の意見を聴かなければならない。

– 10  市町村は、市町村介護保険事業計画を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを都道府県知事に提出しなければならない。

– (都道府県介護保険事業支援計画)
第百十八条  都道府県は、基本指針に即して、三年を一期とする介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施の支援に関する計画(以下「都道府県介護保険事業支援計画」という。)を定めるものとする。

– 2  都道府県介護保険事業支援計画においては、当該都道府県が定める区域ごとに当該区域における各年度の介護専用型特定施設入居者生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護及び地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護に係る必要利用定員総数、介護保険施設の種類ごとの必要入所定員総数その他の介護給付等対象サービスの量の見込みを定めるものとする。

– 3  都道府県介護保険事業支援計画においては、前項に規定する事項のほか、次に掲げる事項について定めるよう努めるものとする。

– 一  介護保険施設その他の介護給付等対象サービスを提供するための施設における生活環境の改善を図るための事業に関する事項

– 二  介護サービス情報の公表に関する事項

– 三  介護支援専門員その他の介護給付等対象サービス及び地域支援事業に従事する者の確保又は資質の向上に資する事業に関する事項

– 四  介護保険施設相互間の連携の確保に関する事業その他の介護給付等対象サービスの円滑な提供を図るための事業に関する事項

– 4  都道府県介護保険事業支援計画においては、第二項に規定する事項及び前項各号に掲げる事項のほか、第二項の規定により当該都道府県が定める区域ごとに当該区域における各年度の混合型特定施設入居者生活介護に係る必要利用定員総数を定めることができる。

– 5  都道府県介護保険事業支援計画は、老人福祉法第二十条の九第一項に規定する都道府県老人福祉計画と一体のものとして作成されなければならない。

– 6  都道府県介護保険事業支援計画は、医療法第三十条の四第一項に規定する医療計画、社会福祉法第百八条に規定する都道府県地域福祉支援計画、高齢者の居住の安定確保に関する法律第四条第一項に規定する高齢者居住安定確保計画その他の法律の規定による計画であって要介護者等の保健、医療、福祉又は居住に関する事項を定めるものと調和が保たれたものでなければならない。

– 7  都道府県は、都道府県介護保険事業支援計画を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを厚生労働大臣に提出しなければならない。

– (都道府県知事の助言等)
第百十九条  都道府県知事は、市町村に対し、市町村介護保険事業計画の作成上の技術的事項について必要な助言をすることができる。

– 2  厚生労働大臣は、都道府県に対し、都道府県介護保険事業支援計画の作成の手法その他都道府県介護保険事業支援計画の作成上重要な技術的事項について必要な助言をすることができる。

– (国の援助)
第百二十条  国は、市町村又は都道府県が、市町村介護保険事業計画又は都道府県介護保険事業支援計画に定められた事業を実施しようとするときは、当該事業が円滑に実施されるように必要な情報の提供、助言その他の援助の実施に努めるものとする。

–    第八章 費用等

–     第一節 費用の負担

– (国の負担)
第百二十一条  国は、政令で定めるところにより、市町村に対し、介護給付及び予防給付に要する費用の額について、次の各号に掲げる費用の区分に応じ、当該各号に定める割合に相当する額を負担する。

– 一  介護給付(次号に掲げるものを除く。)及び予防給付(同号に掲げるものを除く。)に要する費用 百分の二十

– 二  介護給付(介護保険施設及び特定施設入居者生活介護に係るものに限る。)及び予防給付(介護予防特定施設入居者生活介護に係るものに限る。)に要する費用 百分の十五

– 2  第四十三条第三項、第四十四条第六項、第四十五条第六項、第五十五条第三項、第五十六条第六項又は第五十七条第六項の規定に基づき条例を定めている市町村に対する前項の規定の適用については、同項に規定する介護給付及び予防給付に要する費用の額は、当該条例による措置が講ぜられないものとして、政令で定めるところにより算定した当該介護給付及び予防給付に要する費用の額に相当する額とする。

– (調整交付金等)
第百二十二条  国は、介護保険の財政の調整を行うため、第一号被保険者の年齢階級別の分布状況、第一号被保険者の所得の分布状況等を考慮して、政令で定めるところにより、市町村に対して調整交付金を交付する。

– 2  前項の規定による調整交付金の総額は、各市町村の前条第一項に規定する介護給付及び予防給付に要する費用の額(同条第二項の規定の適用がある場合にあっては、同項の規定を適用して算定した額。次項において同じ。)の総額の百分の五に相当する額とする。

– 3  毎年度分として交付すべき調整交付金の総額は、当該年度における各市町村の前条第一項に規定する介護給付及び予防給付に要する費用の額の見込額の総額の百分の五に相当する額に当該年度の前年度以前の年度における調整交付金で、まだ交付していない額を加算し、又は当該前年度以前の年度において交付すべきであった額を超えて交付した額を当該見込額の総額の百分の五に相当する額から減額した額とする。

– 第百二十二条の二  国は、政令で定めるところにより、市町村に対し、地域支援事業(第百十五条の四十五第一項第一号に掲げる事業(介護予防・日常生活支援総合事業を行う場合にあっては、当該介護予防・日常生活支援総合事業)に限る。以下「介護予防等事業」という。)に要する費用の額の百分の二十五に相当する額を交付する。

– 2  国は、政令で定めるところにより、市町村に対し、地域支援事業(介護予防等事業を除く。)に要する費用の額に、第百二十五条第一項の第二号被保険者負担率に百分の五十を加えた率を乗じて得た額(以下「特定地域支援事業支援額」という。)の百分の五十に相当する額を交付する。

– (都道府県の負担等)
第百二十三条  都道府県は、政令で定めるところにより、市町村に対し、介護給付及び予防給付に要する費用の額について、次の各号に掲げる費用の区分に応じ、当該各号に定める割合に相当する額を負担する。

– 一  介護給付(次号に掲げるものを除く。)及び予防給付(同号に掲げるものを除く。)に要する費用 百分の十二・五

– 二  介護給付(介護保険施設及び特定施設入居者生活介護に係るものに限る。)及び予防給付(介護予防特定施設入居者生活介護に係るものに限る。)に要する費用 百分の十七・五

– 2  第百二十一条第二項の規定は、前項に規定する介護給付及び予防給付に要する費用の額について準用する。

– 3  都道府県は、政令で定めるところにより、市町村に対し、介護予防等事業に要する費用の額の百分の十二・五に相当する額を交付する。

– 4  都道府県は、政令で定めるところにより、市町村に対し、特定地域支援事業支援額の百分の二十五に相当する額を交付する。

– (市町村の一般会計における負担)
第百二十四条  市町村は、政令で定めるところにより、その一般会計において、介護給付及び予防給付に要する費用の額の百分の十二・五に相当する額を負担する。

– 2  第百二十一条第二項の規定は、前項に規定する介護給付及び予防給付に要する費用の額について準用する。

– 3  市町村は、政令で定めるところにより、その一般会計において、介護予防等事業に要する費用の額の百分の十二・五に相当する額を負担する。

– 4  市町村は、政令で定めるところにより、その一般会計において、特定地域支援事業支援額の百分の二十五に相当する額を負担する。

– (介護給付費交付金)
第百二十五条  市町村の介護保険に関する特別会計において負担する費用のうち、介護給付及び予防給付に要する費用の額に第二号被保険者負担率を乗じて得た額(以下この章において「医療保険納付対象額」という。)については、政令で定めるところにより、社会保険診療報酬支払基金法(昭和二十三年法律第百二十九号)による社会保険診療報酬支払基金(以下「支払基金」という。)が市町村に対して交付する介護給付費交付金をもって充てる。

– 2  前項の第二号被保険者負担率は、すべての市町村に係る被保険者の見込数の総数に対するすべての市町村に係る第二号被保険者の見込数の総数の割合に二分の一を乗じて得た率を基準として設定するものとし、三年ごとに、当該割合の推移を勘案して政令で定める。

– 3  第百二十一条第二項の規定は、第一項に規定する介護給付及び予防給付に要する費用の額について準用する。

– 4  第一項の介護給付費交付金は、第百五十条第一項の規定により支払基金が徴収する納付金をもって充てる。

– (地域支援事業支援交付金)
第百二十六条  市町村の介護保険に関する特別会計において負担する費用のうち、介護予防等事業に要する費用の額に前条第一項の第二号被保険者負担率を乗じて得た額(以下この章において「介護予防等事業医療保険納付対象額」という。)については、政令で定めるところにより、支払基金が市町村に対して交付する地域支援事業支援交付金をもって充てる。

– 2  前項の地域支援事業支援交付金は、第百五十条第一項の規定により支払基金が徴収する納付金をもって充てる。

– (国の補助)
第百二十七条  国は、第百二十一条、第百二十二条及び第百二十二条の二に規定するもののほか、予算の範囲内において、介護保険事業に要する費用の一部を補助することができる。

– (都道府県の補助)
第百二十八条  都道府県は、第百二十三条に規定するもののほか、介護保険事業に要する費用の一部を補助することができる。

– (保険料)
第百二十九条  市町村は、介護保険事業に要する費用(財政安定化基金拠出金の納付に要する費用を含む。)に充てるため、保険料を徴収しなければならない。

– 2  前項の保険料は、第一号被保険者に対し、政令で定める基準に従い条例で定めるところにより算定された保険料率により算定された保険料額によって課する。

– 3  前項の保険料率は、市町村介護保険事業計画に定める介護給付等対象サービスの見込量等に基づいて算定した保険給付に要する費用の予想額、財政安定化基金拠出金の納付に要する費用の予想額、第百四十七条第一項第二号の規定による都道府県からの借入金の償還に要する費用の予定額並びに地域支援事業及び保健福祉事業に要する費用の予定額、第一号被保険者の所得の分布状況及びその見通し並びに国庫負担等の額等に照らし、おおむね三年を通じ財政の均衡を保つことができるものでなければならない。

– 4  市町村は、第一項の規定にかかわらず、第二号被保険者からは保険料を徴収しない。

– (賦課期日)
第百三十条  保険料の賦課期日は、当該年度の初日とする。

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関連条文

  1. 介護保険法 第二十七条(要介護認定) 

  2. 高齢者法 第百五十八条(研究開発の推進)

  3. 介護保険法 第六十九条の十一 (登録試験問題作成機関の登録)

  4. 労基法 第三十六条(時間外及び休日の労働)

  5. 雇保法 第一条 (目的)

  6. 社会保険審査官審査会法 第一条(目的)

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