– (高額介護予防サービス費の支給)
第六十一条 市町村は、居宅要支援被保険者が受けた介護予防サービス(これに相当するサービスを含む。)又は地域密着型介護予防サービス(これに相当するサービスを含む。)に要した費用の合計額として政令で定めるところにより算定した額から、当該費用につき支給された介護予防サービス費、特例介護予防サービス費、地域密着型介護予防サービス費及び特例地域密着型介護予防サービス費の合計額を控除して得た額(次条第一項において「介護予防サービス利用者負担額」という。)が、著しく高額であるときは、当該居宅要支援被保険者に対し、高額介護予防サービス費を支給する。
– 2 前項に規定するもののほか、高額介護予防サービス費の支給要件、支給額その他高額介護予防サービス費の支給に関して必要な事項は、介護予防サービス又は地域密着型介護予防サービスに必要な費用の負担の家計に与える影響を考慮して、政令で定める。
– (高額医療合算介護予防サービス費の支給)
第六十一条の二 市町村は、居宅要支援被保険者の介護予防サービス利用者負担額(前条第一項の高額介護予防サービス費が支給される場合にあっては、当該支給額に相当する額を控除して得た額)及び当該居宅要支援被保険者に係る健康保険法第百十五条第一項に規定する一部負担金等の額(同項の高額療養費が支給される場合にあっては、当該支給額に相当する額を控除して得た額)その他の医療保険各法又は高齢者の医療の確保に関する法律に規定するこれに相当する額として政令で定める額の合計額が、著しく高額であるときは、当該居宅要支援被保険者に対し、高額医療合算介護予防サービス費を支給する。
– 2 前条第二項の規定は、高額医療合算介護予防サービス費の支給について準用する。
– (特定入所者介護予防サービス費の支給)
第六十一条の三 市町村は、居宅要支援被保険者のうち所得の状況その他の事情をしん酌して厚生労働省令で定めるものが、次に掲げる指定介護予防サービス(以下この条及び次条第一項において「特定介護予防サービス」という。)を受けたときは、当該居宅要支援被保険者(以下この条及び次条第一項において「特定入所者」という。)に対し、当該特定介護予防サービスを行う指定介護予防サービス事業者(以下この条において「特定介護予防サービス事業者」という。)における食事の提供に要した費用及び滞在に要した費用について、特定入所者介護予防サービス費を支給する。ただし、当該特定入所者が、第三十七条第一項の規定による指定を受けている場合において、当該指定に係る種類以外の特定介護予防サービスを受けたときは、この限りでない。
– 一 介護予防短期入所生活介護
– 二 介護予防短期入所療養介護
– 2 特定入所者介護予防サービス費の額は、第一号に規定する額及び第二号に規定する額の合計額とする。
– 一 特定介護予防サービス事業者における食事の提供に要する平均的な費用の額を勘案して厚生労働大臣が定める費用の額(その額が現に当該食事の提供に要した費用の額を超えるときは、当該現に食事の提供に要した費用の額とする。以下この条及び次条第二項において「食費の基準費用額」という。)から、平均的な家計における食費の状況及び特定入所者の所得の状況その他の事情を勘案して厚生労働大臣が定める額(以下この条及び次条第二項において「食費の負担限度額」という。)を控除した額
– 二 特定介護予防サービス事業者における滞在に要する平均的な費用の額及び事業所の状況その他の事情を勘案して厚生労働大臣が定める費用の額(その額が現に当該滞在に要した費用の額を超えるときは、当該現に滞在に要した費用の額とする。以下この条及び次条第二項において「滞在費の基準費用額」という。)から、特定入所者の所得の状況その他の事情を勘案して厚生労働大臣が定める額(以下この条及び次条第二項において「滞在費の負担限度額」という。)を控除した額
– 3 厚生労働大臣は、食費の基準費用額若しくは食費の負担限度額又は滞在費の基準費用額若しくは滞在費の負担限度額を定めた後に、特定介護予防サービス事業者における食事の提供に要する費用又は滞在に要する費用の状況その他の事情が著しく変動したときは、速やかにそれらの額を改定しなければならない。
– 4 特定入所者が、特定介護予防サービス事業者から特定介護予防サービスを受けたときは、市町村は、当該特定入所者が当該特定介護予防サービス事業者に支払うべき食事の提供に要した費用及び滞在に要した費用について、特定入所者介護予防サービス費として当該特定入所者に対し支給すべき額の限度において、当該特定入所者に代わり、当該特定介護予防サービス事業者に支払うことができる。
– 5 前項の規定による支払があったときは、特定入所者に対し特定入所者介護予防サービス費の支給があったものとみなす。
– 6 市町村は、第一項の規定にかかわらず、特定入所者が特定介護予防サービス事業者に対し、食事の提供に要する費用又は滞在に要する費用として、食費の基準費用額又は滞在費の基準費用額(前項の規定により特定入所者介護予防サービス費の支給があったものとみなされた特定入所者にあっては、食費の負担限度額又は滞在費の負担限度額)を超える金額を支払った場合には、特定入所者介護予防サービス費を支給しない。
– 7 市町村は、特定介護予防サービス事業者から特定入所者介護予防サービス費の請求があったときは、第一項、第二項及び前項の定めに照らして審査の上、支払うものとする。
– 8 第四十一条第三項、第十項及び第十一項の規定は特定入所者介護予防サービス費の支給について、同条第八項の規定は特定介護予防サービス事業者について準用する。この場合において、これらの規定に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。
– 9 前各項に規定するもののほか、特定入所者介護予防サービス費の支給及び特定介護予防サービス事業者の特定入所者介護予防サービス費の請求に関して必要な事項は、厚生労働省令で定める。
– (特例特定入所者介護予防サービス費の支給)
第六十一条の四 市町村は、次に掲げる場合には、特定入所者に対し、特例特定入所者介護予防サービス費を支給する。
– 一 特定入所者が、当該要支援認定の効力が生じた日前に、緊急その他やむを得ない理由により特定介護予防サービスを受けた場合において、必要があると認めるとき。
– 二 その他政令で定めるとき。
– 2 特例特定入所者介護予防サービス費の額は、当該食事の提供に要した費用について食費の基準費用額から食費の負担限度額を控除した額及び当該滞在に要した費用について滞在費の基準費用額から滞在費の負担限度額を控除した額の合計額を基準として、市町村が定める。
•介護保険法
介護保険法
保険者
被保険者
保険給付
地域支援事業
保険料
雑則
——————————————————————————–
•(目的)
第一条
この法律は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり、入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練並びに看護及び療養上の管理その他の医療を要する者等について、これらの者が尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うため、国民の共同連帯の理念に基づき介護保険制度を設け、その行う保険給付等に関して必要な事項を定め、もって国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図ることを目的とする。
•(介護保険)
第二条
介護保険は、被保険者の要介護状態又は要支援状態に関し、必要な保険給付を行うものとする。
◦2 前項の保険給付は、要介護状態又は要支援状態の軽減又は悪化の防止に資するよう行われるとともに、医療との連携に十分配慮して行われなければならない。
◦3 第一項の保険給付は、被保険者の心身の状況、その置かれている環境等に応じて、被保険者の選択に基づき、適切な保健医療サービス及び福祉サービスが、多様な事業者又は施設から、総合的かつ効率的に提供されるよう配慮して行われなければならない。
◦4 第一項の保険給付の内容及び水準は、被保険者が要介護状態となった場合においても、可能な限り、その居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように配慮されなければならない。
•変遷
・平成9年制定、平成12年4月施行「介護保険制度」
•目的
・加齢による要介護状態への介護、機能訓練、看護
・療養上の管理を要する者への保健医療サービス、福祉サービスに係わる給付を行う
保険者
•国
・厚生労働大臣は介護保険事業の円滑な実施を確保するため基本指針を定める
・保健医療サービス及び福祉サービスを提供する体制の確保に関する施策その他の必要な各般の措置を講じなければならない。
•都道府県
・3年を1期とする都道府県介護保険事業支援計画を定める
・必要な助言及び適切な援助をしなければならない。
•市町村および特別区(保険者)
・3年を1期とする市町村介護保険事業計画を定める
・介護認定審査会を市町村に置く
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被保険者
•被保険者
・第1号被保険者 65歳以上の市町村の区域内に住所を有するもの
・第2号被保険者 40歳以上65歳未満の市町村の区域内に住所を有する医療保険加入者
◦要介護状態 日常基本動作の6月継続して常時介護(cf.要介護の定義)
◦要支援状態
日常基本動作の常時介護の軽減、悪化防止
日常生活に支障
◦要介護者(支援)
65歳以上の要介護(支援)状態にある者
40歳以上65歳未満で特定疾病により要介護(支援)状態にある者
・特定疾病 加齢による心身の変化に起因する疾病 ex認知症
•要介護認定 cf.H23社一選択
・被保険者は被保険者証を添付して市町村に申請する
・認定は申請のあった日にさかのぼって効力を発する
・被保険者証は要介護認定、要支援認定、交付の申請を行ったもののみに交付される
・介護認定審査会は30日以内に要介護状態に該当すること、要介護状態区分、特定疾病によるものかどうかを審査、判定する
・介護認定審査会は市町村に置き、委員は市町村長が任命する
・要介護認定期間は通常6か月とし期間満了60日前から満了日までに要介護更新認定の申請を行う(満了後1月以内まで)
*要介護認定有効期間は認定審査会が認めた場合3月~12月と出来る(H24改正)
↑
保険給付
•・介護給付(要介護)
•・予防給付(要支援) 施設サービスを除く
•・市町村特別給付(条例)
•居宅サービス
◦居宅介護サービス費
指定居宅サービス事業者(都道府県知事が指定)
特例居宅サービス費 要介護認定前に受けた、指定業者以外から受けたサービス(償還払い)
◦地域密着型介護サービス費(H17改正)
指定地域密着型サービス事業者から受けるサービス(市町村長が指定)
H24改正追加
・定期巡回・随時対応型訪問介護看護 医療との連携
・複合型サービス 訪問介護+通所介護を一体でサービス
特例地域密着型介護サービス費 要介護認定前に受けたサービス(償還払い)
◦居宅介護福祉用具購入費
指定居宅サービス事業者が販売(9割償還払い)
◦居宅介護住宅改修費(9割償還払い)
◦居宅介護サービス計画費
介護サービスを選択するケアマネージメントを計画する
指定居宅介護支援事業者(都道府県知事が指定)または指定介護予防支援事業者(市町村が指定)
自己負担はなく費用の全額を支給
特例居宅介護サービス計画費 「指定」居宅介護支援を受けられず類似のサービスを受けた場合
•施設サービス(要介護者のみ要支援者にはない)
◦施設介護サービス費
指定介護福祉施設サービス
都道府県知事が指定する「介護老人福祉施設」(特別養護老人ホーム)で行われる介護福祉施設サービス
介護保健施設サービス
都道府県知事が許可した「介護老人保健施設」で行われる介護福祉施設サービス(6年ごと更新)
*H24改正 介護療養型医療施設は廃止(6年内に廃止新たな指定をしない) cf.H18改正
•高額介護サービス費
居宅サービス、地域密着型サービス、施設サービスの介護サービス利用者負担額の合計が一定額を超えた場合、要介護被保険者毎に按分されて支給
◦高額医療合算介護サービス費 cf.高額療養費
一般所得者の場合
後期高齢者医療制度+介護保険 56万
被用者保険または国保(70-74歳)+介護保険 62万
被用者保険または国保(70未満を含む)+介護保険 67万
•特定入所者介護サービス費
低所得者(市町村民税非課税)が受けた居宅・施設サービスの食事費、居住費
◦特例特定入所者介護サービス費
•介護支援専門員(ケア・マネージャー)
・介護支援専門員実務研修受講試験に合格し、かつ、都道府県知事が行う研修(介護支援専門員実務研修)の課程を修了したもの
↑
地域支援事業
•H23改正「(国及び地方公共団体の責務)」第五条の次に次の一項を加える。
◦3 国及び地方公共団体は、被保険者が、可能な限り、住み慣れた地域でその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、保険給付に係る保健医療サービス及び福祉サービスに関する施策、要介護状態等となることの予防又は要介護状態等の軽減若しくは悪化の防止のための施策並びに地域における自立した日常生活の支援のための施策を、医療及び居住に関する施策との有機的な連携を図りつつ包括的に推進するよう努めなければならない。
第五条の次に次の一条を加える。
◦(認知症に関する調査研究の推進等)
第五条の二 国及び地方公共団体は、被保険者に対して認知症(脳血管疾患、アルツハイマー病その他の要因に基づく脳の器質的な変化により日常生活に支障が生じる程度にまで記憶機能及びその他の認知機能が低下した状態をいう。以下同じ。)に係る適切な保健医療サービス及び福祉サービスを提供するため、認知症の予防、診断及び治療並びに認知症である者の心身の特性に応じた介護方法に関する調査研究の推進並びにその成果の活用に努めるとともに、認知症である者の支援に係る人材の確保及び資質の向上を図るために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
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•地域支援事業 ・可能な限り地域において自立した日常生活を営むことを支援 ◦介護予防事業
◦包括的支援事業 介護予防ケアマネジメント事業
総合相談・支援事業
権利擁護事業
包括的・継続的ケアマネジメント支援事業
◦介護予防・日常生活支援総合事業
◦任意事業
•地域包括支援センター
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保険料
•負担割合
•給付費
cf.高齢者医療制度:公費負担5割 国4/12 都道府県1/12 市町村1/12
◦国 2/8(25%)
・介護給付、予防給付の20%(施設サービスに要する費用15%)
・1号被保険者の年齢階級別分布と所得の分布により調整交付金5%
◦都道府県 1/8 介護給付、予防給付の12.5%(施設サービスに係わる費用17.5%)
◦市町村 1/8 一般会計から介護給付、予防給付の12.5%を支出(預入は特別会計)
◦1号被保険者 21%(H24~H26)
◦2号被保険者 29%(H24~H26)
•地域支援事業(介護予防等事業)
・給付費の負担割合と同じ
•地域支援事業(介護予防等事業以外)
・2号被保険者の負担割合を 国14.5% 都道府県7.25% 市町村7.25%
•保険料
◦第1号被保険者
・市町村は介護保険事業に要する費用(財政安定化基金拠出金を含む)に充てるため政令で定める基準に従い条例で保険料率を決定する
・(保険給付の見込み額、財政安定化基金拠出金、都道府県からの借入金償還)、地域支援事業、保健福祉事業に要する費用と1号被保険者の所得の分布
・3年で財政均衡を保つ(中期的財政方式)
・特別徴収と普通徴収(国民健康保険法、高齢者医療制度と同じ)
◦第2号被保険者
・各医療保険者が「介護給付費・地域支援事業支援納付金」として
社会保険診療報酬支払基金に納付し、基金は
市町村特別会計に「介護給付費交付金、地域支援事業交付金」として交付
65歳以上の雇用される者は一般保険料と介護保険料の納付先が異なる(事業主と市町村)
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雑則
•財政
・都道府県は「財政安定化基金」を設け国、都道府県、市町村が1/3ずつ拠出する
・市町村は他の市町村と共同して市町村相互財政安定化事業を行うことができる
•審査請求 国民健康保険法
・介護保険審査会を都道府県に置く(一審制)
・要介護、要支援認定を含む保険給付、保険料、徴収金に関する処分に対する不服
・介護保険審査会の委員は都道府県知事が任命する
◦1.被保険者を代表する委員(3人) 2.市町村を代表する委員(3人) 3.公益を代表する委員(3人以上で、条例で定める員数)
•時効
・保険料の徴収、還付。保険給付は2年
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