第八章 災害補償
(療養補償)
第七十五条
労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかつた場合においては、使用者は、その費用で必要な療養を行い、又は必要な療養の費用を負担しなければならない。
2 前項に規定する業務上の疾病及び療養の範囲は、厚生労働省令で定める。
(休業補償)
第七十六条
労働者が前条の規定による療養のため、労働することができないために賃金を受けない場合においては、使用者は、労働者の療養中平均賃金の百分の六十の休業補償を行わなければならない。
2 使用者は、前項の規定により休業補償を行つている労働者と同一の事業場における同種の労働者に対して所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金の、一月から三月まで、四月から六月まで、七月から九月まで及び十月から十二月までの各区分による期間(以下四半期という。)ごとの一箇月一人当り平均額(常時百人未満の労働者を使用する事業場については、厚生労働省において作成する毎月勤労統計における当該事業場の属する産業に係る毎月きまつて支給する給与の四半期の労働者一人当りの一箇月平均額。以下平均給与額という。)が、当該労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかつた日の属する四半期における平均給与額の百分の百二十をこえ、又は百分の八十を下るに至つた場合においては、使用者は、その上昇し又は低下した比率に応じて、その上昇し又は低下するに至つた四半期の次の次の四半期において、前項の規定により当該労働者に対して行つている休業補償の額を改訂し、その改訂をした四半期に属する最初の月から改訂された額により休業補償を行わなければならない。改訂後の休業補償の額の改訂についてもこれに準ずる。
3 前項の規定により難い場合における改訂の方法その他同項の規定による改訂について必要な事項は、厚生労働省令で定める。
【試験問題】
次の説明は、労働基準法の総則等に関する記述である。労働者派遣中の労働者の派遣就業中の派遣先事業場において業務上負傷し、療養のため、3日間労働することができないために賃金を受けない場合においては、派遣先の使用者が労働基準法第76条第1項の規定に基づき休業補償を行わなければならない。
【解答】
X
労働者が前条の規定による療養のため、労働することができないために賃金を受けない場合においては、使用者は、労働者の療養中平均賃金の百分の六十の休業補償を行わなければならないが、派遣先ではなく派遣元が正解です。
当該労働者への休業補償は派遣元が行い、その損害額については派遣元が派遣先に請求する。
派遣元事業主は、労働者の派遣先事業場を任意に選択できる立場にあり、労災事故の起きた派遣先事業主と労働者派遣契約を締結し、それに基づいて労働者を派遣したことに責任があること、
また、派遣元事業主は、派遣労働者を雇用し、自己の業務命令によって派遣先の事業場において就労させているのであるから、派遣労働者を雇用している者として、派遣先の事業場において派遣労働者の安全衛生が確保されるよう十分配慮する責任があることなどから、派遣元事業主に災害補償責任を負わせることとされている。(労働者派遣法44条、平成11年3月31日基発168号)
派遣先が責任を負うものとしては(1)労働時間(2)休憩(3)休日があります。
【試験問題】
次の説明は、労働基準法の賃金に関する記述である。派遣中の労働者については、当該労働者派遣契約が派遣先の事業場の事情によって中途で解約された場合においても、労働基準法第26条の休業手当に関する規定の適用については、同条の「使用者の責に帰すべき事由」があるかどうかの判断は、派遣元の使用者についてなされる。
【解答】
〇
派遣先事業主に係る第三者行為災害の取扱いについて、
第三者行為災害となるためには、保険給付の原因となった災害が第三者の行為等によって生じたものであって、
かつ、第三者が受給権者に対して損害賠償責任を負っていることが必要であるが
派遣労働者の被った労働災害が派遣先事業主を第三者とする第三者行為災害に該当する場合に、派遣先事業主に対して求償を行うことを定めた。
(平成24年9月7日 基発0907第4号)
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