健保法 第百十四条(家族出産育児一時金)

(家族出産育児一時金)
第百十四条  被保険者の被扶養者が出産したときは、家族出産育児一時金として、被保険者に対し、第百一条の政令で定める金額を支給する。

第五節 高額療養費及び高額介護合算療養費の支給

(高額療養費)
第百十五条  療養の給付について支払われた一部負担金の額又は療養(食事療養及び生活療養を除く。次項において同じ。)に要した費用の額からその療養に要した費用につき保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、家族療養費若しくは家族訪問看護療養費として支給される額に相当する額を控除した額(次条第一項において「一部負担金等の額」という。)が著しく高額であるときは、その療養の給付又はその保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、家族療養費若しくは家族訪問看護療養費の支給を受けた者に対し、高額療養費を支給する。
2  高額療養費の支給要件、支給額その他高額療養費の支給に関して必要な事項は、療養に必要な費用の負担の家計に与える影響及び療養に要した費用の額を考慮して、政令で定める。

(高額介護合算療養費)
第百十五条の二  一部負担金等の額(前条第一項の高額療養費が支給される場合にあっては、当該支給額に相当する額を控除して得た額)並びに介護保険法第五十一条第一項に規定する介護サービス利用者負担額(同項の高額介護サービス費が支給される場合にあっては、当該支給額を控除して得た額)及び同法第六十一条第一項に規定する介護予防サービス利用者負担額(同項の高額介護予防サービス費が支給される場合にあっては、当該支給額を控除して得た額)の合計額が著しく高額であるときは、当該一部負担金等の額に係る療養の給付又は保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、家族療養費若しくは家族訪問看護療養費の支給を受けた者に対し、高額介護合算療養費を支給する。
2  前条第二項の規定は、高額介護合算療養費の支給について準用する。

11 115条
次の説明は、健康保険法に関する記述である。
被保険者が3月15日から4月10日まで同一の医療機関で入院療養を受けた場合は、高額療養費は3月15日から3月31日までの療養に係るものと、4月1日から4月10日までの療養に係るものに区分される。 2012年度(平成24年度)
解答 ○

高額療養費は、「同一の月(暦月)」に、同一の保険医療機関等に支払った一部負担金または自己負担額の額が高額療養費算定基準額を超える場合に、その超える額が高額療養費として支給される。

高額療養費は、同一の付きに支払った一部負担金等の額を基準に算定するものとされており、本問のように入院療養が付きをまたがる場合はそれぞれ歴月ごとに分けて算定されるものとされている。(法115条 令41条1項)

第六節 保険給付の制限
第百十六条  被保険者又は被保険者であった者が、自己の故意の犯罪行為により、又は故意に給付事由を生じさせたときは、当該給付事由に係る保険給付は、行わない。

116

【試験問題】次の説明は、健康保険法に関する記述である。
故意の犯罪行為により生じた事故について、給付制限がなされるためには、その行為の遂行中に事故が発生したという関係があるのみでは不十分であり、その行為が保険事故発生の主たる原因であるという相当な因果関係が両者の間にあることが必要である。【解答】○

◎「故意の犯罪行為により生じた事故について、給付制限がなされるためには、その行為が保険事故発生の主たる原因であるという相当因果関係が両者の間にあることが必要である」とされている。
[自説の根拠]法116条,昭和35年4月27日保文発3030号

第百十七条  被保険者が闘争、泥酔又は著しい不行跡によって給付事由を生じさせたときは、当該給付事由に係る保険給付は、その全部又は一部を行わないことができる。

第百十八条  被保険者又は被保険者であった者が、次の各号のいずれかに該当する場合には、疾病、負傷又は出産につき、その期間に係る保険給付(傷病手当金及び出産手当金の支給にあっては、厚生労働省令で定める場合に限る。)は、行わない。
一  少年院その他これに準ずる施設に収容されたとき。
二  刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されたとき。
2  保険者は、被保険者又は被保険者であった者が前項各号のいずれかに該当する場合であっても、被扶養者に係る保険給付を行うことを妨げない。

118

【試験問題】次の説明は、保険給付の受給権等に関する記述である。被保険者が刑事施設に拘禁されたときは、保険料の徴収及び疾病、負傷又は出産に係る被保険者に対する保険給付は原則として行われない。【解答】○

被保険者の疾病又は負傷に関しては、次に掲げる療養の給付を行う。 (健康保険法 63条)
被保険者又は被保険者であった者が次の各号のいずれかに該当する場合には、疾病、負傷又は出産につき、その期間に係る保険給付(傷病手当金及び出産手当金の支給にあっては、厚生労働省令で定める場合に限る。)は、行わない。
1.少年院その他これに準ずる施設に収容されたとき
2.刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されたとき
(被扶養者に係る保険給付を行うことは、妨げない。)
[自説の根拠]健康保険法 第118条
埋葬料・埋葬費は除き、刑事施設、留置場又は労役場に拘禁又は留置されているときは、疾病、負傷又は出産につき、その期間に係る保険給付(傷病手当金及び出産手当金の支給にあっては、厚生労働省令で定める場合に限る=未決拘留者には傷病手当金、出産手当金は支給される。)は行わない。また前月から引き続き被保険者(任意継続被保険者を除く)である者が118条1項に該当するに至った場合はその月以後(資格を取得した月に該当した場合はその翌月以後)、該当しなくなった月の前月までの期間、保険料を徴収しない。
[自説の根拠]健康保険法 第118条
被扶養者に関する保険給付については給付制限は行われません。

10 118条
次の説明は、健康保険法に関する記述である。
被扶養者が少年院その他これに準ずる施設に収容されたとき、疾病、負傷または出産につき、その期間に係る保険給付はすべて行わない。 2010年度(平成22年度)
解答 ×

【給付制限】
「被保険者」が少年院その他これに準ずる施設に収容されたとき、疾病、負傷または出産につき、その期間に係る保険給付は行わない。
※但し、「傷病手当金」および「出産手当金」は刑が確定するまで(未決拘留中)は「支給される」。
(法118条の1項)

被扶養者が少年院に入院させられたとき、刑事施設に拘禁されたとき等においては、その期間、その被扶養者にかかる保険給付は行われない(死亡に関する保険給付は除く)が、被保険者やその他の被扶養者に係る保険給付は行われる。よって、「その期間に係る保険給付はすべて行わない」とした設問は×(法118条1項、法122条)

法百十八条
被保険者..が、次の各号のいずれかに該当する場合には..その期間に係る保険給付..は、行わない。
一  少年院..
二  刑事施設、労役場その他..
2 保険者は、被保険者..が前項各号のいずれかに該当する場合であっても、被扶養者に係る保険給付を行うことを妨げない

法百二十二条
..百十八条第一項..の規定は、被保険者の被扶養者について準用する。この場合において、これらの規定中「保険給付」とあるのは、「当該被扶養者に係る保険給付」と読み替えるものとする

第百十九条  保険者は、被保険者又は被保険者であった者が、正当な理由なしに療養に関する指示に従わないときは、保険給付の一部を行わないことができる。

第百二十条  保険者は、偽りその他不正の行為により保険給付を受け、又は受けようとした者に対して、六月以内の期間を定め、その者に支給すべき傷病手当金又は出産手当金の全部又は一部を支給しない旨の決定をすることができる。ただし、偽りその他不正の行為があった日から一年を経過したときは、この限りでない。

第百二十一条  保険者は、保険給付を受ける者が、正当な理由なしに、第五十九条の規定による命令に従わず、又は答弁若しくは受診を拒んだときは、保険給付の全部又は一部を行わないことができる。

6 120条

次の説明は、保険者等に関する記述である。
保険者は、偽りその他不正の行為により療養の給付を受け、又は受けようとした者に対して、6か月以内の期間を定め、その者に支給すべき療養の給付の全部又は一部を支給しない旨の決定をすることができる。ただし、偽りその他不正の行為があった日から1年を経過したときは、この限りではない。 2009年度(平成21年度)

解答×
保険者は、偽りその他不正の行為により保険給付を受け、又は受けようとした者に対して、六月以内の期間を定め、その者に支給すべき傷病手当金又は出産手当金の全部又は一部を支給しない旨の決定をすることができる。ただし、偽りその他不正の行為があった日から一年を経過したときは、この限りでない。 (健康保険法 120条)

不正行為に対する給付の制限
保険者は、偽りその他不正の行為により保険給付を受け、又は受けようとした者に対して、6月以内の期間を定め、その者に支給すべき傷病手当金又は出産手当金の全部又は一部を支給しない旨の決定をすることができる。ただし、偽りその他不正の行為があった日から1年を経過したときは、この限りではない。
よって×療養の給付→保険給付
×その者に支給すべき療養の給付→その者に支給すべき傷病手当金又は出産手当金(法120条)

「療養の給付の全部又は一部」ではなく、「傷病手当金または出産手当金の全部又は一部」ですね。
健保の偽りその他不正の行為によ制限は、傷病手当金または出産手当金の全部又は一部。

第百二十二条  第百十六条、第百十七条、第百十八条第一項及び第百十九条の規定は、被保険者の被扶養者について準用する。この場合において、これらの規定中「保険給付」とあるのは、「当該被扶養者に係る保険給付」と読み替えるものとする。

日雇特例被保険者

◦ 被保険者
◦ 日雇特例被保険者の保険料
◦ 日雇特例被保険者の保険給付の特徴(療養)
◦ 日雇特例被保険者の保険給付の特徴(出産・死亡)

被保険者
•cf.日雇労働被保険者(雇用保険法)

•適用事業所に使用される日雇労働者
・日雇労働者は5日以内に厚生労働大臣に日雇特例被保険者手帳の交付を申請する
・以下の者を除く
◦連続2月で26日以上の雇用見込みがない
◦国民健康保険の被保険者
◦任意継続被保険者
◦昼間学生アルバイト、家事専従者(社会保険法各法の被扶養者)
◦出稼ぎ(申請)

•日雇労働者(当然被保険者適用除外要件の期間要件)
◦日々雇い入れられる 1月を超えて引き続き使用されたら超えた日から当然被保険者

◦臨時労働者     2ヶ月以内の期間を決めて使用される者(所定の期間を超えたら超えた日から当然被保険者)

◦季節労働者(当初4ヶ月未満)  継続して4月を超えても当然被保険者とならない

◦季節労働者(当初4ヶ月超)   当初から当然被保険者

◦臨時の事業所(当初6ヶ月以内) 継続して6月を超えても当然被保険者とならない

◦臨時の事業所(当初6ヶ月超)  当初からから当然被保険者

第五章 日雇特例被保険者に関する特例

第一節 日雇特例被保険者の保険の保険者

第百二十三条  日雇特例被保険者の保険の保険者は、協会とする。
2  日雇特例被保険者の保険の保険者の業務のうち、日雇特例被保険者手帳の交付、日雇特例被保険者に係る保険料の徴収及び日雇拠出金の徴収並びにこれらに附帯する業務は、厚生労働大臣が行う。

日雇特例被保険者の保険料
•保険者
・協会のみ、手帳の交付、保険料の徴収は厚生労働大臣(市町村に事務委託)、受給資格者票の発行は協会(市町村に事務委託)が行う
・手帳の返納は機構または市町村長

者が管掌する介護保険第二号被保険者である被保険者の総報酬額の総額の見込額で除して得た率を基準として、保険者が定める。 (健康保険法 160条16項)
「高く」なるようにではなく、「等しく」なるように規約で定めなければならない。
政令で定める一定の要件を満たすものとして厚生労働大臣の承認を受けた健康保険組合(承認健康保険組合)については、特例として介護保険第2号被保険者である被保険者(特定被保険者を含む。)に関する保険料額を一般保険料額と特別介護保険料額(定額の介護保険料額)との合算額とすることが認められている。
そして、特別介護保険料額の算定方法については、政令をもって定める基準に従い、特別介護保険料額の総額と当該組合が納付すべき介護納付金の額が等しくなるように規約をもって定めるものとされている。
【承認健康保険組合】とは、政令で定める要件に該当するとして厚労大臣の承認を受けた健保組合介護保険第2号被保険者(特定被保険者含む)の保険料額を、一般保険料額と特別介護保険料額との合算額とすることが規約なしで出来る健康保険組合です。
【承認健康保険組合】に係る承認は、法205条による、「地方厚生局長等への権限の委任」に基づき、厚生労働大臣から地方厚生局長等への委任事項とされています。

【試験問題】次の説明は、保険料に関する記述である。
健康保険組合は、規約で定めるところにより、一般保険料額だけではなく、介護保険料額についても事業主の負担割合を被保険者よりも高くすることができる。【解答】?

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関連条文

  1. 雇保法 第六十二条 (雇用安定事業)

  2. 厚年法 第二十一条 (定時決定)

  3. 雇保法 第三十一条 (未支給の基本手当の請求手続)

  4. 健保法 第百十条(家族療養費)

  5. 最低賃金法 第一条 (目的)

  6. 健保法 第百一条 (出産育児一時金)

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