健保法 第百一条 (出産育児一時金)

(出産育児一時金)
第百一条  被保険者が出産したときは、出産育児一時金として、政令で定める金額を支給する。

(出産手当金)
第百二条  被保険者が出産したときは、出産の日(出産の日が出産の予定日後であるときは、出産の予定日)以前四十二日(多胎妊娠の場合においては、九十八日)から出産の日後五十六日までの間において労務に服さなかった期間、出産手当金として、一日につき、標準報酬日額の三分の二に相当する金額(その金額に、五十銭未満の端数があるときはこれを切り捨てるものとし、五十銭以上一円未満の端数があるときはこれを一円に切り上げるものとする。)を支給する。

2 102条 108条
次の説明は、現金給付に関する記述である。
被保険者が事業主から介護休業手当の支払いを受けながら介護休業を取得している期間中に出産した場合、出産手当金が支給されるが、その支給額については介護休業手当との調整が行われる。 2007年度(平成19年度)
解答 ○

保険給付の調整は、この他に、通勤災害との調整(法55条1項)、公費負担医療との調整(法55条3項)などがあります。

傷病手当金及び出産手当金の支給要件に該当すると認められる者については、その者が介護休業期間中であっても傷病手当金又は出産手当金が支給される。
しかしながら、傷病手当金又は出産手当金が支給される場合であって、同一期間内に事業主から介護休業手当等で報酬と認められるものが支給されているときは、傷病手当金又は出産手当金の支給額について調整を図ることとされている。
よって、問題文は正解となる。

出産手当金は調整されますが、出産一時金は全く調整されません。
給付する意義が違うためです。
出産手当金 : 生活費に対する保障
出産一時金 : 出産費用に対する保障
13 108条
次の説明は、健康保険法に関する記述である。
労働者災害補償保険法に基づく休業補償給付を受給している健康保険の被保険者が、さらに業務外の事由による傷病によって、労務不能の状態になった場合には、それぞれが別の保険事故であるため、休業補償給付及び傷病手当金は、それぞれ全額支給される。 2012年度(平成24年度)

解答 ×

休業補償給付と傷病手当金のそれぞれが支給されるのではなく、休業補償給付の額が傷病手当金の額に達しないときにおけるその差額部分に係るものを除き、傷病手当金は支給されない。

労災保険の休業補償給付を受けている間は、傷病手当金を支給しない。ただし、傷病手当金の額が休業補償給付の額よりも多いときは、差額が支給されることがある。

労災保険給付との調整通達(S33.7.8保険発95)
労災保険法による休業補償費を受給している健康保険の被保険者が、業務外の事由による傷病によっても労務不能となった場合には、休業補償費の額が傷病手当金の額に達しないときにおけるその部分にかかわるものを除き、傷病手当金は支給されない
⇒傷病手当金は、その額が休業補償費より多い場合に限り、差額が支給される。 (法108条 S33.7.8保険発95号)

別の事由による他の給付を受ける場合には傷病手当金を支給することができるとするのは、障害厚生年金と障害手当金を受ける場合ですね。労災法における休業(補償)給付の場合は、別の事由によるものであっても、傷病手当金は支給されません。ここのポイントは重要ですから、きっちりマスターしたいです。
(法108条、昭33.7.8保険発95号の2)

いずれも、所得保障の性質があるので、併給されないと覚えるのが良いでしょう。

(出産手当金と傷病手当金との調整)
第百三条  出産手当金を支給する場合においては、その期間、傷病手当金は、支給しない。
2  出産手当金を支給すべき場合において傷病手当金が支払われたときは、その支払われた傷病手当金は、出産手当金の内払とみなす。

103

【試験問題】次の説明は、現金給付に関する記述である。傷病手当金の受給中に出産手当金が支払われるときは、出産手当金の支給の方が優先され、その期間中は傷病手当金の支給が停止される。もし出産手当金を支給すべきときに傷病手当金が支給された場合は、出産手当金の内払いとみなされる。 【解答】○

出産手当金を支給すべき場合において傷病手当金が支払われたときは、その支払われた傷病手当金は、出産手当金の内払とみなす。 (健康保険法 103条2項) なお、出産手当の支給が行われたために傷病手当が支給されなかった期間がある場合にも、傷病手当金の支給は1年6ヶ月経過した時点で打ち切りとなる。法103条 支給の調整については、設問のように出産手当と傷病手当の重複支給のほか、報酬を受けながら出産手当金を受けることが出来る者に対しては、報酬を受けることの出来る期間は支給されませんし、報酬額が出産手当額より少ないときは、その差額が支給されることになります。健康保険法の【内払い】は【みなす】で他の規定はありません。逆に国民年金法や厚生年金保険法、労働者災害補償保険法では【内払い】の【みなす】、【みなすことができる】といった義務規程・任意規定に分かれているので注意です。関連問題 次の説明は、傷病手当金に関する記述である。傷病手当金の支給期間中に出産手当金も受けられる場合は、傷病手当金が優先し、出産手当金は支給されない。ただし、この場合において出産手当金が支給されたときは、その額は傷病手当金の内払いとみなされ、その額だけ傷病手当金の額が調整される。

103

【試験問題】次の説明は、傷病手当金に関する記述である。労災保険による休業補償給付を受けている期間中に業務外の病気を併発し、労務不能となった場合、休業補償給付の額が傷病手当金の額を上回っているときは、傷病手当金が支給されない。 【解答】○

傷病手当金の額が休業補償給付の額を上回っているときは、その差額を傷病手当金として支給する。労災が優先。【傷病手当金の額】は、1日につき【標準報酬日額×2/3】となります。また、標準報酬日額は、当該者の標準報酬月額の30分の1の額となります。健保法の傷病手当金と労災法の休業補償給付は疾病又は負傷が業務上・業務外の事由の相違はあるが双方療養の為働けなくなった労働者の生活保障をはかる為支給される点では法的機能は同じ。(一部略)
よって労災法の休業補償給付を受給中の健康保険の被保険者が業務外の事由による傷病により労務不能となった場合、休業補償給付の額が傷病手当金の額に達しないときにおけるその部分にかかわるものを除き、傷病手当金は支給されないものと解するのが妥当であるとされている。法99条1項、昭和33年7月8日保険発第95号 つまり、出産手当金、報酬、障害年金、障害手当金、老齢退職年金、休業補償給付、すべて傷病手当金に優先する。ただし傷病手当金の方が多ければ差額が支給される。法103条、108条、昭和33年7月8日保険発第95号の2(老齢退職年金と調整されるのは、資格喪失後の傷病手当金の継続給付に限ります。)法108条5項 関連問題 次の説明は、現金給付に関する記述である。労災保険から休業補償給付を受けている期間中に業務外の病気を併発し、労務不能となった場合、傷病手当金の額が休業補償給付の額を上回っているときは、休業補償給付に加えて、その差額が傷病手当金として支給される。

103

【試験問題】次の説明は、傷病手当金に関する記述である。
傷病手当金を受給している期間中に給料が減額された場合であっても、傷病手当金の支給額は減額されない。 【解答】○

出産手当金を支給する場合においては、その期間、傷病手当金は、支給しない。 (健康保険法 103条)
支給額は、1日につき標準報酬日額の3分の2に相当する額です。この標準報酬日額は傷病手当金を受給する直前の標準報酬月額により算定されるので、傷病手当金を受給している期間中に、給料が減額されても、傷病手当金は減額されません。
傷病手当金を受給している期間中に、給料が減額されても、傷病手当金は減額されませんし、その支給期間についても短縮されません。

103

【試験問題】次の説明は、資格喪失後の給付に関する記述である。資格喪失後において支給される出産手当金については、失業保険の支給を受けている場合は、支給されない。 【解答】×

出産手当金を支給する場合においては、その期間、傷病手当金は、支給しない。 (健康保険法 103条)
失業保険の給付を受けているかどうかにかかわらず、他の事業所において労務に服していないかぎり支給される。
[自説の根拠]法 第104条
被保険者の資格を喪失した日(任意継続被保険者の資格を喪失した者にあっては、その資格を取得した日)の前日まで引き続き1年以上被保険者(任意継続被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く。)であった者であって、その資格を喪失した際に傷病手当金又は出産手当金の支給を受けているものは、被保険者として受けることができるはずであった期間、継続して同一の保険者からその給付を受けることができる。
[自説の根拠]第104条
被保険者の資格を喪失した日の前日まで引き続き1年以上被保険者であった者であって、
①実際にその資格を喪失した際に傷病手当金又は出産手当金の支給をうけているものは、継続して同一の保険者からその給付をうけることができる。
②出産につき被保険者として受けることができるはずであった出産育児一時金の支給を最後の保険者から受けることができる。(資格喪失の日後6月以内に出産したこと)
*資格喪失後に出産しても出産手当金は支給されません。
資格喪失後の保険給付については、資格喪失の時点で出産手当の支給を受けており、ほかの事業所で就労していない限り、支給されます。

【試験問題】次の説明は、健康保険法に関する記述である。
被保険者の資格喪失後に出産手当金の支給を受けていた者が船員保険の被保険者になったときは、出産手当金の支給は行われなくなる。【解答】?

(傷病手当金又は出産手当金の継続給付)
第百四条  被保険者の資格を喪失した日(任意継続被保険者の資格を喪失した者にあっては、その資格を取得した日)の前日まで引き続き一年以上被保険者(任意継続被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く。)であった者(第百六条において「一年以上被保険者であった者」という。)であって、その資格を喪失した際に傷病手当金又は出産手当金の支給を受けているものは、被保険者として受けることができるはずであった期間、継続して同一の保険者からその給付を受けることができる。

104

【試験問題】次の説明は、健康保険の保険給付に関する記述である。一定の要件を満たした者が、被保険者の資格を喪失した際に傷病手当金の支給を受けている場合、被保険者として受けることができるはずであった期間、継続して同一の保険者から傷病手当金を受給することができるが、退職日まで有給扱いで全額賃金が支給されていても、資格喪失後の傷病手当金は受給することができる。 【解答】○

資格喪失後の傷病手当金の継続給付を受けるには、資格喪失の際に傷病手当金の支給を受けていなければならないが、傷病手当金の受給が可能な状態にある者が、事業主から報酬を受けているため一時支給停止されている場合も該当する。
[自説の根拠]法104条
参考
待機期間3日間は有給休暇として処理した場合でも完成されます。
[自説の根拠]法99条、昭26保文発419号

104

【試験問題】次の説明は、健康保険の保険給付に関する記述である。継続して1年以上被保険者(任意継続被保険者、特例退職被保険者及び共済組合の組合員である被保険者を除く。)であった者であって、被保険者の資格を喪失した際に傷病手当金の支給を受けている者は、被保険者として受けることができるはずであった期間、継続して同一の保険者から傷病手当金を受けることができる。ただし、資格喪失後に任意継続被保険者になった場合は、その傷病手当金を受けることはできない。 【解答】×

任意継続になっても傷病手当金を受けることができる。
被保険者の資格を喪失した日の前日まで引き続き1年以上被保険者(任意継続被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く。)であった者であって、その資格を喪失した際に傷病手当金の支給を受けているものは、被保険者として受けることができるはずであった期間、継続して同一の保険者からその給付を受けることができることとされている。この資格喪失後の傷病手当金の継続給付の要件を満たしている者が、任意継続被保険者となった場合、傷病手当金の継続給付を受けることができる。
[自説の根拠]法104条
任意継続被保険者の資格取得後に初めて労務不能となった場合は、傷病手当金は支給されない。
[自説の根拠]法99条
傷病手当金の支給を受けていた者が、特例退職被保険者となった場合、初診日から1年6ヶ月経過していなくても傷病手当金は打ち切られる。
【傷病手当金又は出産手当金の継続給付】
・ 任意継続被保険者・・・支給
・ 特例退職被保険者・・・不支給
附則3条
5 第104条の規定にかかわらず、特例退職被保険者には、傷病手当金は、支給しない。
[自説の根拠]法104条 附則3条

104

【試験問題】次の説明は、健康保険法に関する記述である。
被保険者の資格を喪失した日の前日まで引き続き1年以上被保険者であった者が、療養のため労務に服していなかったが、在職中は報酬を受けていたため傷病手当金の支給を停止されていた場合、退職して報酬の支払いがなくなったときは、傷病手当金の支給を受けることができる。 【解答】○

事業主から報酬を受けているため支給停止されていた者が、資格喪失により事業主から報酬を受けなくなった場合は、当然に要件を満たし(被保険者の資格を喪失した日の前日までに引き続き1年以上被保険者であった者で、その資格を喪失した際に傷病手当金又は出産手当金の支給を受けている者)、継続給付を受けることができる。
[自説の根拠]S27.6.12保文発3367号
①資格喪失の際、報酬をうけていた
②報酬がある→「傷病手当金」は支給されない
③が、「傷病手当金」を受けているものとされる
④資格喪失で報酬を受けなくなる
⑤その日から「傷病手当金」の継続給付が行われる
※「傷病手当金」の支給期間は、「傷病手当金」の
支給が開始された日から起算して1年6カ月
[自説の根拠]法104上、108条、昭和27年6/12保文発3367
設問の中にある、「引き続き1年以上被保険者であった者」の被保険者には、【任意継続被保険者】及び【共済組合の組合員】である被保険者であった期間は要件となる被保険者期間には、含まれません。
法百四条
被保険者の資格を喪失した日..の前日まで引き続き一年以上被保険者(任意継続被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く。)であった者..であって、その『資格を喪失した際に傷病手当金又は出産手当金の支給を受けているもの』は、被保険者として受けることができるはずであった期間、継続して同一の保険者からその給付を受けることができる。
『資格を喪失した際に傷病手当金又は出産手当金の支給を受けているもの』・・・在職中は報酬を受けていたため手当金の支給を停止されていた者も含まれる。

【試験問題】次の説明は、資格喪失後の保険給付に関する記述である。被保険者の資格を喪失した日の前日まで引き続き1年以上被保険者であった者であって、その資格を喪失した日の前日において報酬を受けることができたために傷病手当金の支給が停止されていたものの、その資格を喪失した日において報酬を受けることができなくなったものは、傷病手当金の継続給付を受けることができる。【解答】?

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関連条文

  1. 国年法 第百二十七条 (加入員)

  2. 厚年法 第八十三条 (保険料の納付)

  3. 国年法 第七条(被保険者の資格)

  4. 健保法 第百三十六条 (埋葬料)

  5. 労災法 第三十四条 特別加入

  6. 厚年法 第百三十八条 (掛金)

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