安衛法 第十二条 (衛生管理者)

(衛生管理者)
第十二条
事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、都道府県労働局長の免許を受けた者その他厚生労働省令で定める資格を有する者のうちから、厚生労働省令で定めるところにより、当該事業場の業務の区分に応じて、衛生管理者を選任し、その者に第十条第一項各号の業務(第二十五条の二第二項の規定により技術的事項を管理する者を選任した場合においては、同条第一項各号の措置に該当するものを除く。)のうち衛生に係る技術的事項を管理させなければならない。
2  前条第二項の規定は、衛生管理者について準用する。

≪関連条文≫
(衛生管理者を選任すべき事業場)
第四条  法第十二条第一項の政令で定める規模の事業場は、常時五十人以上の労働者を使用する事業場とする。

(衛生管理者の定期巡視及び権限の付与)
第十一条  衛生管理者は、少なくとも毎週一回作業場等を巡視し(以下略)
(法12条1項 令4条 則11条)


【試験問題】
次の説明は、労働安全衛生法の安全衛生管理体制に関する記述である。常時70人の労働者を使用する運送業の事業場においては衛生管理者を選任しなければならないが、衛生管理者は少なくとも毎週1回作業場等を巡視しなければならない。
【解答】

「週1回」ときたら「衛生管理者」です。また、「月1回」は「産業医」

常時50人以上】の労働者を使用する事業場において【業種に関係なく】、事業主は衛生管理者を選任しなければならない。そのため解答は○で、巡視頻度⇒毎週1回についても正しいです。


巡視回数で問われるのは、衛生管理者⇒週1回、産業医⇒月1回この二つのみです。

第十二条の二(安全衛生推進者等)
事業者は、第十一条第一項の事業場及び前条第一項の事業場以外の事業場で、厚生労働省令で定める規模のものごとに、厚生労働省令で定めるところにより、安全衛生推進者(第十一条第一項の政令で定める業種以外の業種の事業場にあつては、衛生推進者)を選任し、その者に第十条第一項各号の業務(第二十五条の二第二項の規定により技術的事項を管理する者を選任した場合においては、同条第一項各号の措置に該当するものを除くものとし、第十一条第一項の政令で定める業種以外の業種の事業場にあつては、衛生に係る業務に限る。)を担当させなければならない。


【試験問題】
次の説明は、労働安全衛生法に定める安全衛生管理体制に関する記述である。常時10人以上50人未満の労働者を使用する製造業の事業場の事業者は、安全衛生推進者を選任しなければならない。
【解答】

前条第一項の事業者及びその労働者は、安全衛生改善計画を守らなければならない。
(労働安全衛生法 79条)

○ 安全管理者の選任を要する業種であり、常時10人以上50人未満の労働者を使用する事業場は「安全衛生推進者」を選任しなければならない。

≪安全衛生推進者の選任≫

1.労働者数10人以上50人未満

2.屋内・工業的業種
林業、鉱業、建設業、運送業、清掃業
製造業、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸業、家具・建具・什器等卸売業、各種商品小売業、家具・建具・什器等小売業、燃料小売業、旅館業、ゴルフ場業、自動車整備業及び機械修理業

※上記業種は総括安全衛生管理者を選任すべき事業場と同じ。

○ 前記以外の事業場であって、常時10人以上50人未満の労働者を使用する事業場は「衛生推進者」を選任しなければならない。

○ 安全衛生推進者等は原則として、専属のものでなければならないが、労働安全コンサルタント、労働衛生コンサルタントその他厚生労働大臣が定めるものを選任する場合、専属でなくとも構わない。

○ 安全衛生推進者等は、選任すべき事由が生じた日から14日以内に選任しなければならない。
(労働基準監督署長に報告する義務はないが従業員への周知は必須)

○ 安全衛生推進者等は、定期の巡視義務を負わない。

○ 安全衛生推進者を選任すべき事業場で選任しなかった場合、五十万円以下の罰金を課せられる。(法第12条の2)

安全衛生推進者・衛生推進者
(常時10人以上50人未満)安全衛生推進者と衛生推進者
(常時50人以上)安全管理者と衛生管理者
(法14条、12条の2)


【試験問題】
次の説明は、労働安全衛生法の安全衛生管理体制に関する記述である。常時30人の労働者を使用する運送業の事業場の事業者は、安全衛生推進者を選任する義務があるが、安全衛生推進者養成講習を修了した当該事業場の労働者であれば、他に資格等を有していない場合であっても、その者を安全衛生推進者に選任し、当該事業場の労働災害を防止するため必要な業務を担当させることができる。
【解答】

都道府県労働局長の登録を受けた者が行う講習を終了した者その他業務を担当するため必要な能力を有すると認められる以下の者から選任します。


・大学又は高等専門学校卒業、その後1年以上の安全衛生実務の経験
・高等学校又は中等教育学校卒業、その後3年以上の安全衛生実務の経験
・5年以上の安全衛生実務の経験

≪安全衛生推進者等の選任≫

①安全管理者を選任すべき業種で「常時10人以上50人未満」の労働者を使用する事業場の事業者→安全衛生推進者

②①以外の業種で「常時10人以上50人未満」の労働者を使用する事業場の事業者→衛生推進者
をそれぞれ選任しなければならない。

設問の場合①に該当します。後段の資格要件は正しいです。
(法12条の2 則12条の2 登録・指定省令1条の2の2の16)

【安全衛生推進者等の資格要件】

1. 大学又は高等専門学校卒業後に1年以上安全衛生の実務に従事した経験を有する者
2. 高等学校又は中等教育学校卒業後に3年以上安全衛生の実務に従事した経験を有する者
3. 5年以上安全衛生の実務に従事した経験を有する者
4. 都道府県労働局長の登録を受けた者が行う講習を修了した者(安全衛生推進者養成講習・衛生推進者養成講習)
5. その他厚生労働省労働基準局長が認めたもの
(法12条の2,則12条の2,則12条の3)


【試験問題】
次の説明は、労働安全衛生法の安全衛生管理体制に関する記述である。常時30人の労働者を使用する旅館業の事業場においては安全衛生推進者を選任しなければならないが、安全衛生推進者は少なくとも毎月1回作業場等を巡視しなければならない。
【解答】
X

安全衛生推進者について、作業場等の定期巡視に関する規定はありません。

(安全衛生推進者等)
第十二条の二  事業者は、第十一条第一項の事業場及び前条第一項の事業場以外の事業場で、省令で定める規模のものごとに、省令で定めるところにより、安全衛生推進者(第十一条第一項の政令で定める業種以外の業種の事業場にあつては、衛生推進者)を選任し(以下略)

(安全衛生推進者等を選任すべき事業場)
第十二条の二  法第十二条の二の厚生労働省令で定める規模の事業場は、常時十人以上五十人未満の労働者を使用する事業場とする。
(法12条2 則12条の2)

安全衛生推進者および衛生推進者は、作業場等の巡視義務に関する規定は設けられていません。→定期巡視に関しても当然定められていません。

≪巡視の頻度≫

安全管理者:なし
衛生管理者:週1回
産業医:月1回
店社安全衛生管理者:月1回


【試験問題】
次の説明は、労働安全衛生法に定める安全衛生管理体制及び労働者の就業に当たっての措置に関する記述である。常時50人以上の労働者を使用する労働者派遣業の事業者は、衛生管理者を選任しなければならないが、衛生管理者は労働衛生コンサルタントのほか、大学、高等専門学校、高等学校又は中等教育学校(これらと同等と認められた一定の学校等を含む。)において理科系統の正規の学科を修めて卒業し、その後その学歴に応じて定められた一定の年数以上労働衛生の実務に従事した経験を有する者で、衛生に係る技術的事項を管理するのに必要な知識についての研修であって、厚生労働大臣が定めるものを修了したものの中から選任しなければならない。
【解答】
X

≪研修・講習≫


大臣の研修 ⇒ 【安全管理者】
大臣の指定する者が行う研修 ⇒ 【産業医】
局長の登録を受けた者が行う技能講習 ⇒ 【作業主任者】
局長の登録を受けた者が行う講習 ⇒ 【安全衛生推進者・衛生推進者】

【衛生管理者】の資格要件に【研修・講習】はありません。

【免許】と【資格】のみです。(法12条、令4条、則7条、9条~11条他)

教示義務 ⇒ ガス工作物等の設置者


【試験問題】
次の説明は、労働安全衛生法に定める労働安全コンサルタント、労働衛生コンサルタント等に関する記述である。労働安全衛生法第12条の2の規定による安全衛生推進者の選任に当たっては、その事業場に専属の者を選任しなければならないが、労働安全コンサルタント又は労働衛生コンサルタントから選任する場合には、当該事業場に専属の者でなくとも差し支えない。 【解答】

「前条第二項から第四項までの規定は、労働衛生コンサルタント試験について準用する。この場合において、同条第三項第一号及び第二号中「安全」とあるのは、「衛生」と読み替えるものとする。」 (労働安全衛生法 83条2項)

「その事業場に専属の者を選任すること。ただし、労働安全コンサルタント、労働衛生コンサルタントその他厚生労働大臣が定める者のうちから選任するときは、この限りでない」
(安衛則12条の3)

常時10人以上50人未満の労働者を使用する事業場で、

① 安全管理者を選任しなければならない業種(屋外的業種(林業・鉱業・建設業・運送業・清掃業)・屋内工業的業種(製造業・電気業・ガス業・各種商品小売業・旅館業・自動車整備業・機械修理業等))では、安全衛生推進者を選任

② その他の業種(非工業的業種)では、衛生推進者を選任
(則12条の2)

安全衛生推進者等の選任についての規定は以下の通り。「その事業場に専属の者を選任すること。ただし、労働安全コンサルタント、労働衛生コンサルタントその他厚生労働大臣が定める者のうちから選任するときは、この限りでない。」以上の規定からすると、問題文は規定に沿った記述がされており、回答は「○」となります。
(労働安全衛生規則第12条の3、1項(2))

・安全衛生推進者及び衛生推進者…専属でなくてもよい。

・安全管理者及び衛生管理者…2人以上選任する場合において、その中に労働衛生コンサルタントがいるときは、労働衛生コンサルタントのうち1人については専属不要。


【試験問題】
次の説明は、労働安全衛生法に定める安全衛生管理体制に関する記述である。複数の衛生管理者を選任すべき事業場において、そのうち1人を労働衛生コンサルタントから選任するときは、その者は、必ずしも当該事業場に専属の者でなくともよい。
【解答】
×

●報告


【試験問題】
次の説明は、労働安全衛生法に定める所轄労働基準監督署長への報告書の提出に関する記述である。事業者は、安全衛生推進者を選任したときは、その安全衛生推進者の氏名を作業場の見やすい箇所に掲示する等により関係労働者に周知しなければならないが、その選任に関する報告書を所轄労働基準監督署長に提出する必要はない。
【解答】

◎14日以内に選任し、遅滞なく所轄労働基準監督署長に報告
・総括安全衛生管理者
・安全管理者
・衛生管理者
・産業医

◎報告不要(関係労働者への周知)
・作業主任者
・安全衛生推進者
・衛生推進者

◎作業開始後、遅滞なく、所轄労働基準監督署長に報告
・統括安全衛生責任者
・元方安全衛生管理者
・店社安全衛生管理者

◎統括安全衛生責任者を選任している事業者へ通報
・安全衛生責任者

事業者は、安全衛生推進者等を選任した時は、当該選任者の氏名を作業場の見やすい箇所に掲示する等により関係労働者に周知させなければならないと規定されているが、選任報告書の提出義務はない。(法12条の2,則12条の4)

安全衛生推進者・衛生推進者は14日以内の選任義務はあるが報告不要、作業主任者は選任義務も報告義務も無い。

労働衛生推進者は、労働基準監督署長への報告義務はない

参考 注意

作業主任者

作業主任者の氏名及び【その者に行わせる事項】を作業場の見やすい箇所に掲示する等により関係労働者に周知させなければならない。安全衛生推進者については氏名だけであるが作業主任者については、その者に行わせる事項がある。(則18条)

事業者は、安全衛生推進者等を選任したときは、当該安全衛生推進者等の氏名を作業場の見やすい箇所に掲示する等により関係労働者に周知させなければなりませんが、その選任に関する報告書を所轄労働基準監督署長へ提出することは義務づけられていません。そのため、問題文は正解となる。(則12条の4)

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関連条文

  1. 徴収法 第三十四条(労働保険事務組合に対する通知等)

  2. 雇保法 第五十六条 (日雇労働被保険者であつた者に係る被保険者期間等の特例)

  3. 中退金法 第五十四条 (被共済者に関する制限)

  4. 安衛法 第三十九条 (検査証の交付等)

  5. 健保法 第八十八条 (訪問看護療養費)

  6. 安衛法 第四十九条 (業務の休廃止)

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