(資格喪失後の死亡に関する給付)
第百五条 前条の規定により保険給付を受ける者が死亡したとき、同条の規定により保険給付を受けていた者がその給付を受けなくなった日後三月以内に死亡したとき、又はその他の被保険者であった者が被保険者の資格を喪失した日後三月以内に死亡したときは、被保険者であった者により生計を維持していた者であって、埋葬を行うものは、その被保険者の最後の保険者から埋葬料の支給を受けることができる。
2 第百条の規定は、前項の規定により埋葬料の支給を受けるべき者がない場合及び同項の埋葬料の金額について準用する。
105
【試験問題】次の説明は、埋葬料に関する記述である。
資格喪失前の被保険者期間が1ヶ月しかない者が資格喪失後3ヶ月以内に死亡した場合、埋葬料は支給されない。 【解答】×
第三条第四項の申出は、被保険者の資格を喪失した日から二十日以内にしなければならない。ただし、保険者は、正当な理由があると認めるときは、この期間を経過した後の申出であっても、受理することができる。 (健康保険法 37条)
資格喪失後の死亡に関す給付を受給するには、1年以上の被保険者期間は不要。資格喪失後3ヵ月以内に死亡した場合は、埋葬料が支給される。
傷病手当金又は出産手当金の継続給付を受ける者が死亡したとき、保険給付を受けていた者がその給付を受けなくなった日後三月以内に死亡したとき、又はその他の被保険者(被保険者期間は不問)であった者が被保険者の資格を喪失した日後3月以内に死亡したときは、被保険者であった者により生計を維持していた者であって、埋葬を行うものは、その被保険者の最後の保険者から埋葬料の支給を受けることができる。
[自説の根拠]第105条
資格喪失後の傷病手当金・出産手当金・出産一時金の継続給付には、1年以上の被保険者期間があることが要件となっている。混同しないこと。
設問の場合、埋葬料は支給されます。この場合の支給額は、被保険者が死亡した場合と同様(5万円)です。また、死亡の理由は問われませんので、自殺の場合にも支給されます。
死亡の場合、資格喪失前の被保険者期間の長短を問わず支給される。
(資格喪失後の出産育児一時金の給付)
第百六条 一年以上被保険者であった者が被保険者の資格を喪失した日後六月以内に出産したときは、被保険者として受けることができるはずであった出産育児一時金の支給を最後の保険者から受けることができる。
106
【試験問題】次の説明は、出産育児一時金又は家族出産育児一時金に関する記述である。被保険者の資格を喪失した日の前日までに引き続き1年以上被保険者であった者が被保険者の資格を喪失した後8か月以内に出産したときは、被保険者として受けることができるはずであった出産育児一時金の支給を最後の保険者から受けることができる。 【解答】×
一年以上被保険者であった者が被保険者の資格を喪失した日後六月以内に出産したときは、被保険者として受けることができるはずであった出産育児一時金の支給を最後の保険者から受けることができる。 (健康保険法 106条)「6か月以内」に出産したとき、受けることができる。
健康保険法第106条の定めは次のとおりです。(資格喪失後の出産育児一時金の給付)第106条 1年以上被保険者であった者が被保険者の資格を喪失した日後6月以内に出産したときは、被保険者として受けることができるはずであった出産育児一時金の支給を最後の保険者から受けることができる。設問の中の、「引き続き1年以上被保険者」には、【任意継続被保険者】及び【共済組合の組合員】である被保険者であった期間は、要件に該当しません。「退職までに1年間被保険者」だった人が、退職後6ヶ月以内に出産すれば出産育児一時金を支給。
このような状況の方が状況に叶えば、出産手当金も埋葬料も支給。資格喪失後6ヶ月以内に出産→出産一時金支給 資格を喪失した日後6ケ月以内に出産したときです。ただし、出産日が遅れ、資格喪失後6ケ月を経過したときは、出産育児一時金は支給されません。関連問題 次の説明は、資格喪失後の保険給付に関する記述である。被保険者の資格を喪失した日の前日まで引き続き1年以上被保険者であった者が被保険者の資格を喪失した後の傷病手当金の継続給付を受けるための申請書には、労務に服さなかった期間等に関する事業主の証明書を添付する必要がない。
(船員保険の被保険者となった場合)
第百七条 前三条の規定にかかわらず、被保険者であった者が船員保険の被保険者となったときは、保険給付は、行わない。
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【試験問題】次の説明は、資格喪失後の保険給付に関する記述である。被保険者の資格を喪失した後の出産手当金の継続給付を受けていた者が船員保険の被保険者となったときは、その給付が行われなくなる。 【解答】○
第二百条第一項の規定により保険給付を受けない者に関しては、保険料を徴収しない。 (健康保険法 202条)
(傷病手当金又は出産手当金の継続給付)
第百四条 被保険者の資格を喪失した日(任意継続被保険者の資格を喪失した者にあっては、その資格を取得した日)の前日まで引き続き一年以上被保険者(任意継続被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く。)であった者(第百六条において「一年以上被保険者であった者」という。)であって、その資格を喪失した際に傷病手当金又は出産手当金の支給を受けているものは、被保険者として受けることができるはずであった期間、継続して同一の保険者からその給付を受けることができる。
(船員保険の被保険者となった場合)
第百七条 前三条の規定にかかわらず、被保険者であった者が船員保険の被保険者となったときは、保険給付は、行わない。
より正解となる。
[自説の根拠]健康保険法 第104条 および 第107条
資格喪失後船員保険の被保険者になった者については、船員保険より同様の給付を受けることができるために、健康保険の「傷病手当金又は出産手当金の継続給付」、「資格喪失後の死亡に関する給付」、「資格喪失後の出産育児一時金の給付」は行われない。
[自説の根拠]法107条
【試験問題】次の説明は、健康保険法に関する記述である。
被保険者の資格喪失後に出産手当金の支給を受けていた者が船員保険の被保険者になったときは、出産手当金の支給は行われなくなる。【解答】?
(傷病手当金又は出産手当金と報酬等との調整)
第百八条 疾病にかかり、負傷し、又は出産した場合において報酬の全部又は一部を受けることができる者に対しては、これを受けることができる期間は、傷病手当金又は出産手当金を支給しない。ただし、その受けることができる報酬の額が、傷病手当金又は出産手当金の額より少ないときは、その差額を支給する。
2 傷病手当金の支給を受けるべき者が、同一の疾病又は負傷及びこれにより発した疾病につき厚生年金保険法による障害厚生年金の支給を受けることができるときは、傷病手当金は、支給しない。ただし、その受けることができる障害厚生年金の額(当該障害厚生年金と同一の支給事由に基づき国民年金法による障害基礎年金の支給を受けることができるときは、当該障害厚生年金の額と当該障害基礎年金の額との合算額)につき厚生労働省令で定めるところにより算定した額が、傷病手当金の額(前項ただし書の場合においては、同項ただし書に規定する報酬の額と同項ただし書に規定する差額との合算額)より少ないときは、その差額(その差額が同項ただし書に規定する差額より多いときは、同項ただし書に規定する差額)を支給する。
3 傷病手当金の支給を受けるべき者が、同一の疾病又は負傷及びこれにより発した疾病につき厚生年金保険法による障害手当金の支給を受けることができるときは、当該障害手当金の支給を受けることとなった日からその者がその日以後に傷病手当金の支給を受けるとする場合の当該傷病手当金の額(第一項ただし書の場合においては、同項ただし書に規定する報酬の額と同項ただし書に規定する差額との合算額)の合計額が当該障害手当金の額に達するに至る日までの間、傷病手当金は、支給しない。ただし、当該合計額が当該障害手当金の額に達するに至った日において当該合計額が当該障害手当金の額を超えるときは、その差額(その差額が同項ただし書に規定する差額より多いときは、同項ただし書に規定する差額)については、この限りでない。
4 傷病手当金の支給を受けるべき者(第百四条の規定により受けるべき者であって、政令で定める要件に該当するものに限る。)が、国民年金法、厚生年金保険法、国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法又は私立学校教職員共済法に基づく老齢又は退職を支給事由とする年金である給付その他の老齢又は退職を支給事由とする年金である給付であって政令で定めるもの(以下この項及び次項において「老齢退職年金給付」という。)の支給を受けることができるときは、傷病手当金は、支給しない。ただし、その受けることができる老齢退職年金給付の額(当該老齢退職年金給付が二以上あるときは、当該二以上の老齢退職年金給付の額の合算額)につき厚生労働省令で定めるところにより算定した額が、傷病手当金の額より少ないときは、その差額を支給する。
5 保険者は、前三項の規定により傷病手当金の支給を行うにつき必要があると認めるときは、老齢退職年金給付の支払をする者(次項において「年金保険者」という。)に対し、第二項の障害厚生年金若しくは障害基礎年金、第三項の障害手当金又は前項の老齢退職年金給付の支給状況につき、必要な資料の提供を求めることができる。
6 年金保険者(厚生労働大臣を除く。)は、厚生労働大臣の同意を得て、前項の規定による資料の提供の事務を厚生労働大臣に委託して行わせることができる。
第百九条 前条第一項に規定する者が、疾病にかかり、負傷し、又は出産した場合において、その受けることができるはずであった報酬の全部又は一部につき、その全額を受けることができなかったときは傷病手当金又は出産手当金の全額、その一部を受けることができなかった場合においてその受けた額が傷病手当金又は出産手当金の額より少ないときはその額と傷病手当金又は出産手当金との差額を支給する。ただし、同項ただし書の規定により傷病手当金又は出産手当金の一部を受けたときは、その額を支給額から控除する。
2 前項の規定により保険者が支給した金額は、事業主から徴収する。
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【試験問題】次の説明は、健康保険の現金給付に関する記述である。傷病手当金の支給を受けるべき者が、同一の傷病により障害厚生年金の支給を受けることができるときは、傷病手当金が優先して支給される。ただし、その障害厚生年金の額(当該障害厚生年金と同一の支給事由により障害基礎年金の支給を受けることができるときは、当該障害厚生年金額と当該障害基礎年金額との合算額)を360で除して得た額が、傷病手当金の額より多いときは、その差額を支給する。【解答】×
設問の場合、障害厚生年金を優先して支給する。傷病手当金の支給を受けるべき者が同一の疾病又は負傷及びこれにより発した疾病につき障害厚生年金の支給を受けることができるときは傷病手当金は支給しない。ただし障害厚生年金の額(年金額÷360)が傷病手当金の額より少ないときは、その差額が支給される。
傷病手当金の支給事由となっている疾病や負傷に関し障害厚生年金等が受給できる場合、原則傷病手当金は支給されないが、障害厚生年金の額(当該障害厚生年金と同一の支給事由に基づき障害基礎年金の支給を受けることができる時、当該障害厚生年金の額と当該障害基礎年金の額との合算額)を360で除して得た額(その額に1円未満の端数がある時、その端数を切り捨てた額)が傷病手当金の額より少ない場合、差額が支給される。
よって、「傷病手当金が優先して支給される」とした問題文が誤り。
[自説の根拠]法108条2項、則89条1項
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【試験問題】次の説明は、現金給付に関する記述である。
報酬との調整規定により減額された傷病手当金を受給している期間中に、同一傷病に関して障害厚生年金が支給されるようになったときは、「減額しない本来の傷病手当金の額」と「障害厚生年金と障害基礎年金との日額の合計額」との差額が支給される。 【解答】×
「報酬と傷病手当金の額との差額」と「障害厚生年金と障害基礎年金の日額の合計額と傷病手当金の額との差額」を比較しいずれか少ないほうの額が支給される
報酬との調整規定により減額された傷病手当金を受給している期間中に、同一傷病に関して障害厚生年金が支給されるようになったときは、「傷病手当金の日額と障害厚生年金及び障害基礎年金の日額」、「傷病手当金の日額と報酬額」のそれぞれの差額を計算し、それぞれの差額のうちいずれか少ない方の額が傷病手当金として支給されることになっている。
[自説の根拠]法108条1項・2項
障害厚生年金の支給を受けることができる時は、傷病手当金は支給されない。但し、障害厚生年金の額を360で除して得た額が傷病手当金の額より少ない場合はその差額が支給される。
傷病手当金、報酬及び障害厚生年金の支給を受ける場合。
「報酬」と「障害厚生年金等の額×360分の1」と比較して多いほうの額が傷病手当金の額より少ない場合に、その「差額」を傷病手当金として支給。
参考
傷病手当金の支給を受けることができる者(資格喪失後の傷病手当金の受給者に限る)が、国民年金、厚生年金保険法等に基づく老齢又は退職を支給事由とする年金給付を受けることができるときは、傷病手当期は支給しない。
ただし、当該年金給付の額(360で除して得た額)が傷病手当金の額より低いときは、その差額を支給
☆事業主から報酬を受ける場合において。
①「報酬」と「障害厚生年金の額×1/360」とを比較
②①の”多い方”の額<傷病手当金 となる場合のみ、その差額を支給
;報酬>
<傷病手当金>
<障害厚生年金>
3つが支給される場合の調整は、
報酬と傷病手当金の差額 と
障害厚生年金と傷病手当金の差額をくらべ
どちらか額の小さいほうを傷病手当金として支給する。
設問の場合は、
傷病手当金と
㋑報酬との差額
㋺(障害厚生年金+障害基礎年金)×1/360との差額
をそれぞれ算定して、どちらか【少ないほう】を支給します。傷病手当金を貰いながら、会社からは報酬、国からは年金も支給されている者ですから、当然の措置ですね。設問は㋑㋺両方支給します、という文章なので誤り。条文が分かりずらいので、実際に適当な数字を当てはめて算定してみるとスッキリするかもしれません。
[自説の根拠]法108条1項2項
【傷病手当金にかかる調整による差額支給の額】
A. (本来の)傷病手当金 - 報酬
B. (本来の)傷病手当金 -(障害厚生年金+障害基礎年金の日額の合計額)
設問のケースで支給調整される場合、AとBのいずれか少ない方の額が、支給される“傷病手当金”の額となる。
つまり、「報酬により減額された傷病手当金の額」と「障害厚生年金と障害基礎年金との日額の合計額により減額された傷病手当金の額」との、いずれか少ない方の額が差額支給される傷病手当金の額となる。
[自説の根拠]法108条1項2項
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【試験問題】次の説明は、健康保険法に関する記述である。傷病手当金の支給要件に該当すると認められる者であっても、その者が介護休業中である場合は、傷病手当金は支給されない。 【解答】×
出産手当金を支給する場合においては、その期間、傷病手当金は、支給しない。 (健康保険法 103条)介護休業中に傷病手当金を支給しないという規定はない。介護休業期間中に傷病手当金の支給要件を満たした場合、傷病手当金は支給されるが、介護休業手当など、報酬と認められる諸手当を受給しているときは報酬との調整が行われます。同一の傷病により【障害厚生年金】、【障害手当金】、又は労災保険の【休業補償給付】を受けるときで、傷病手当金の額のほうが多いときは、その差額を支給する。法108条 通達有り 平成11年3月31日保険発46号・庁保発9号 傷病手当金及び出産手当金の支給要件に該当すると認められる者については、その者が介護休業期間中であっても傷病手当金又は出産手当金が支給される。平成11年3月31日保険発46号・庁保発9号 関連問題 次の説明は、傷病手当金に関する記述である。
休業中に家事の副業に従事していたときにケガをしたため、勤務している事業所における労務に従事することができなくなった場合でも、傷病手当金は支給される。
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