厚年法 第八十八条 (先取特権の順位)

(先取特権の順位)
第八十八条  保険料その他この法律の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。

(徴収に関する通則)
第八十九条  保険料その他この法律の規定による徴収金は、この法律に別段の規定があるものを除き、国税徴収の例により徴収する。

第六章 不服申立て

(審査請求及び再審査請求)
第九十条  被保険者の資格、標準報酬又は保険給付に関する処分に不服がある者は、社会保険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服がある者は、社会保険審査会に対して再審査請求をすることができる。
– 2  審査請求をした日から六十日以内に決定がないときは、審査請求人は、社会保険審査官が審査請求を棄却したものとみなして、社会保険審査会に対して再審査請求をすることができる。
– 3  第一項の審査請求及び前二項の再審査請求は、時効の中断に関しては、裁判上の請求とみなす。
– 4  被保険者の資格又は標準報酬に関する処分が確定したときは、その処分についての不服を当該処分に基づく保険給付に関する処分についての不服の理由とすることができない。

90

次の説明は、厚生年金保険法に関する記述である。
被保険者の資格、標準報酬、保険給付又は保険料に関する処分に不服がある者は、社会保険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服があるときは、社会保険審査会に対して再審査請求をすることができる。 2009年度(平成21年度) 試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
×
被保険者の資格、標準報酬又は保険給付に関する処分に不服がある者は、社会保険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服がある者は、社会保険審査会に対して再審査請求をすることができる。 (厚生年金保険法 90条)
「保険料」に関する処分に不服のある者は、「社会保険審査会」に対して審査請求をする。
国民年金の場合とは違うんですね
保険料の審査請求
厚生年金:社会保険審査会(法91)
国民年金:社会保険審査官(法101)
健康保険:社会保険審査会(法190)
被保険者の資格、標準報酬又は保険給付に関する処分に不服がある者は、社会保険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服がある者は、社会保険審査会に対して再審査請求をすることができることになっている。
よって、「保険料に関する処分」について社会保険審査官に対して審査請求できるとした問題文は誤りとなる。
なお、保険料その他厚生年金保険法の規定による徴収金の賦課若しくは徴収の処分又は滞納処分に不服がある者は、社会保険審査会に対して審査請求をすることができることになっている。(法91条)
[自説の根拠]法90条1項
保険料,徴収金の処分に関わる審査請求
厚生年金,健康保険→社会保険審査会
国民年金→社会保険審査官
厚生年金の不服申立てのうち、保険料に関する処分に不服がある者は、社会保険審査会に対して審査請求をする(一審制)。
被保険者の資格、標準報酬、保険給付に関する処分に不服がある者は、社会保険審査官に対し審査請求をし、その決定に不服がある者は、社会保険審査会に対し再審査請求をすることができる(二審制)。
なお、国民年金の不服申立てのうち、被保険者の資格、給付、保険料に関する処分に不服があるときは、社会保険審査官→社会保険審査会の二審制となるので注意。
(健康保険法)
被保険者資格・保険給付・標準報酬⇒社会保険審査官
保険料・滞納処分⇒社会保険審査会
(厚生年金保険)
被保険者資格・保険給付・標準報酬⇒社会保険審査官
保険料・滞納処分・脱退一時金⇒社会保険審査会
(国民年金法)
被保険者資格・給付・保険料・滞納処分⇒社会保険審査官
脱退一時金⇒社会保険審査会社会保険審査官
次の説明は、厚生年金保険法における不服審査に関する記述である。
被保険者の資格、標準報酬、保険給付又は保険料の賦課若しくは徴収の処分に不服がある者は、社会保険審査官に対して審査請求をすることができる。

90

次の説明は、厚生年金保険法に関する記述である。
被保険者の資格に関する処分が確定し、その処分に基づいて保険給付に関する処分が行われた場合において、当該給付に関する処分についてその基礎となる被保険者資格の判断に不服があることを理由として社会保険審査官に審査請求することができる。 2003年度(平成15年度) 試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
×
被保険者の資格又は標準報酬に関する処分が確定したときは、その処分についての不服を当該処分に基づく保険給付に関する処分についての不服の理由とすることができない。 (厚生年金保険法 90条4項)
2審は「社会保険審査会」に「再審査請求」となると思います。
被保険者の資格又は標準報酬に関する処分が確定した時は、その処分についての不服を当該処分に基づく保険給付に関する処分についての不服の理由とすることができない。
[自説の根拠]法90条4項
次の説明は、厚生年金保険の不服申し立てに関する記述である。
厚生年金保険における被保険者の資格、標準報酬又は保険給付に関する処分についての不服がある者は、その処分のあったことを知った日の翌日から起算して60日以内に社会保険審査官に審査請求を行うことができる。

90

次の説明は、不服申立て及び罰則に関する記述である。
社会保険審査官の決定に不服がある場合、又は審査請求をした日から60日以内に決定がないときは、審査請求人は社会保険審査会に対して再審査請求をすることができる。 2001年度(平成13年度) 試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)

審査請求をした日から六十日以内に決定がないときは、審査請求人は、社会保険審査官が審査請求を棄却したものとみなして、社会保険審査会に対して再審査請求をすることができる。 (厚生年金保険法 90条2項)
労働者災害補償保険審査官…3ヶ月
雇用保険審査官…3ヶ月
社会保険審査官…60日
社会保険審査官の決定に不服がある者は、社会保険審査会に対して再審査請求をすることができる。
また、社会保険審査官の決定がない場合でも、審査請求をした日から60日以内に決定がないときは、審査請求人は、社会保険審査官が審査請求を棄却したものとみなして、社会保険審査会に対して再審査請求をすることができることになっている。
[自説の根拠]法90条1項・2項
H28.4.1法改正
社会保障審査官・・・2月
審査請求をした日から2月以内に決定がないときは、審査請求人は、社会保険審査官が審査請求を棄却したものとみなすことができる。
[自説の根拠]厚生年金保険法90条3項
H28年の法改正により「60日」→「3ヶ月」になっています。問題文の一部訂正をお願いいたします。
次の説明は、厚生年金保険の不服申し立てに関する記述である。
社会保険審査官の決定に不服がある者は、決定書の謄本が送付された日の翌日から起算して60日以内に社会保険審査会に再審査請求をすることができる。

90

次の説明は、不服申立て及び罰則に関する記述である。
被保険者の資格に関する処分に不服がある場合には処分の取り消し、変更を求める訴えを裁判所に提起することができるが、社会保険審査会の裁決に先行して訴訟提起することはできない。 2001年度(平成13年度) 試験問題 [改題] (最終改訂日: 2008年11月14日)

A)
被保険者の資格、標準報酬または保険給付に関する処分に不服がある時→社会保険審査官へ審査請求
B)A)の決定に不服がある時またはA)審査請求した日から60日以内に決定ない時→社会保険審査会に再審査請求
C)保険料その他の徴収金の賦課若しくは徴収の処分または滞納処分に不服ある時→社会保険審査会にいきなり審査請求
上記の処分の取り消しの訴えは当該処分についての再審査請求又は審査請求に対する社会保険審査会の裁決を経た後でなければ提起することができない(法90,91条およ審査請求
追加)法根拠90条、91条
前置主義
不服申立てと訴訟との関係は厚生年金保険法第91条の3に規定されている。その条文は「第90条第1項又は第91条に規定する処分の取消しの訴えは、当該処分について再審査請求又は審査請求に対する社会保険審査会の裁決を経た後でなければ、提起することができない。」
[自説の根拠]厚生年金保険法第90条、第91条、第91条の3
(参考)労災保険、雇用保険の場合
再審査請求に対する労働保険審査会の裁決を経た後でなければ、提起することができないが、次のいずれかに該当するときは、この限りでない。
・再審査請求がされた日の翌日から起算して三箇月を経過しても裁決がないとき。
・再審査請求についての裁決を経ることにより生ずる著しい損害を避けるため緊急の必要があるときその他その裁決を経ないことにつき正当な理由があるとき。
[自説の根拠]労災 第四十条、雇用 第七十一条
法改正
「社会保険審査【官】」の「審査請求」後であれば提訴できます。

90

次の説明は、厚生年金保険法における不服審査に関する記述である。
社会保険審査官に対して審査請求を行った日の翌日から60日以内に決定がないときは、審査請求人は社会保険審査会に対して再審査請求をすることができる。 1999年度(平成11年度) 試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
×
審査請求をした日から六十日以内に決定がないときは、審査請求人は、社会保険審査官が審査請求を棄却したものとみなして、社会保険審査会に対して再審査請求をすることができる。 (厚生年金保険法 90条2項)
「審査請求を行った日の翌日から」ではなく「審査請求を行った日から」が正しいと思います。
審査請求をした日から六十日以内に決定がないときは、センサ請求人は、社会保険審査官が請求を棄却したものとみなして、社会保険審査会に対して再審査請求をすることができる。
[自説の根拠]第90条 第2項
「社会保険審査官」に対して審査請求を行った日の翌日から60日以内に決定がないときは、審査請求人は社会保険審査会が請求を棄却したものとみなして「社会保険審査会」に再審査請求をすることができる。
[自説の根拠]法第90条第2項
「審査請求をした日から六十日以内」に決定がないときは、審査請求人は、社会保険審査官が審査請求を棄却したものとみなして、社会保険審査会に対して再審査請求をすることができる。
[自説の根拠]厚生年金法 第九十条 第2項
再審査請求をするパターンは2種類あります。
①社会保険審査官から決定通知を受けた場合通知を「受けた日の翌日から起算して60日以内」にする。
②社会保険審査官に請求を「行った日から60日以内」に何の決定もない場合にする。
本問は①と②の「」内のひっかけだと思います。
確かに、引っかけの問題ですね。ややこしいけど、条文を暗記していれば、わかる問題ではあります。
問題の誤りの部分は 迅速な救済を図る観点から、審査請求をした日から60日以内に決定がないときは、再審査請求をすることができます とあるので 「翌日」の部分だと思います。
◎再審査請求(審査請求について決定がない)
労災:審査請求した日   から3カ月経過
雇用:審査請求した日の翌日から3カ月経過
社保:審査請求した日   から60日以内
◎訴訟(再審査請求について裁決がない)
労災:再審査請求した日   から3カ月経過
雇用:再審査請求した日の翌日から3カ月経過
社保:なし
★社保:健保・国年・厚年等
労災・雇用:申し立てした日から3カ月を過ぎても決定がな      されない場合再審査請求できる
社会保険 :申し立てした日から60日を過ぎても決定がな      されない場合再審査請求ができる
尚、行政不服審査法による不服申し立てによる場合には、
行政不服審査法の規定による
正しくは、「審査請求をした【日】から60日以内に決定がないときは」です。
☆再審査請求(審査請求がチンタラ)
労災:審査請求した「日から」3カ月経過
雇用:審査請求した日の「翌日から起算」して3カ月経過
社保:審査請求した「日から」60日以内
☆訴訟(再審査請求がチンタラ)
労災:再審査請求した「日から」3カ月経過
雇用:再審査請求した日の「翌日から起算」して3カ月経過
社保:なし
◎社保:健保・国年・厚年等
労災と雇用は条文上の表記は「日から」と「翌日から起算して」と異なっていますが、両方とも「翌日起算」という意味となります。
[自説の根拠]TAC総合本科Plus
法93条は、この法において別段の規定があるものを除き、期間の計算については、民法を準用するとあります。民法140条、「日によって期間を定めたときは、期間の初日は算入しない。ただし、その期間が午前零時から始まるときはこの限りではない。」とあることから、起算日は原則として【翌日】です。
㋑請求を行った日から60日以内【翌日起算】
㋺請求を行った日の翌日から起算して60日以内
は同じ解釈です。逆に
㋩請求を行った日から起算して60日以内
これは当日起算となりますから、㋑㋺≠㋩です。
[自説の根拠]法90条2項、法93条、民法140条
【続き】
これを設問に当てはめると、起算日が
審査請求を行った日の【翌々日】となってしまいます。
法で別途民法によらない期間の計算がある以外は原則、
㋑起算日の語句がない場合は、【翌日起算】
㋺起算日の語句がある場合は、起算日とされる日(当日な
のか、翌日なのか)が必要
ということです。
[自説の根拠]法90条2項、法93条、民法140条
どの言葉が間違いか?
もう一つの論点として、審査請求の判断(回答)は「決定」ではなく『裁決』であるということも考えられます。
異議申し立てに対する判断が「決定」ですね。
[自説の根拠]総務省 行政不服審査法Q&A
(平成28年4月改正)
社会保険審査官に対して、審査請求を行ったの翌日から「2ヶ月」以内に決定がないときは、棄却されたものとみなされ、社会保険審査会への再審査請求(任意)または提訴することが出来る。
[自説の根拠]社審法
次の説明は、厚生年金保険の不服申し立てに関する記述である。
社会保険審査官の決定に不服がある者は、決定書の謄本が送付された日の翌日から起算して60日以内に社会保険審査会に再審査請求をすることができる。

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関連条文

  1. 労災法 第三十五条 特別加入

  2. 男女雇用機会均等法 第十五条(苦情の自主的解決)

  3. 労基法 第九十四条(寄宿舎生活の自治)

  4. 健保法 第四十八条 (届出)

  5. 厚年法 第百六十条 (中途脱退者に係る措置)

  6. 厚年法 第五十九条 (遺族)

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