厚年法 第九十一条 審査請求

第九十一条  保険料その他この法律の規定による徴収金の賦課若しくは徴収の処分又は第八十六条の規定による処分に不服がある者は、社会保険審査会に対して審査請求をすることができる。

(行政不服審査法の適用関係)
– 第九十一条の二  前二条の審査請求及び再審査請求については、行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)第二章第一節、第二節(第十八条及び第十九条を除く。)及び第五節の規定を適用しない。

(不服申立てと訴訟との関係)
第九十一条の三  第九十条第一項又は第九十一条に規定する処分の取消しの訴えは、当該処分についての再審査請求又は審査請求に対する社会保険審査会の裁決を経た後でなければ、提起することができない。

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次の説明は、厚生年金保険法に関する記述である。
海外に在住している日本国籍を有しない者で脱退一時金に関する処分を受けた者が、当該処分について不服がある場合には、社会保険審査会に審査請求をすることができる。 2004年度(平成16年度) 試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)

保険料その他この法律の規定による徴収金の賦課若しくは徴収の処分又は第八十六条の規定による処分に不服がある者は、社会保険審査会に対して審査請求をすることができる。 (厚生年金保険法 91条)
健保・厚生年金の保険料・徴収金・滞納処分、厚生年金・国民年金の脱退一時金に関しては社会保険審査官ではなく社会保険審査会に審査請求
脱退一時金に不服がある者は、社会保険審査会に
死亡一時金に不服がある者は、社会保険審査官に
審査請求をすることができる。
外国人の方の審査請求は言葉の壁があり、社会保険審査官1人では手に余るためです。
次の説明は、厚生年金保険法における不服審査に関する記述である。
脱退一時金に関する処分に不服がある者は、社会保険審査会に対して審査請求をすることができる。

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次の説明は、厚生年金保険法の不服申し立てに関する記述である。
保険料の賦課もしくは徴収に関する処分の取消しの訴えは、当該処分についての審査請求に対する社会保険審査会の裁決を経る前でも、提起することができる。 2010年度(平成22年度) 試験問題 [改題] (最終改訂日: 2011年05月10日)
解答
[正しい答え]
×

被保険者の資格、標準報酬又は保険給付に関する処分の取消しの訴えについては、当該処分についての再審査請求に対する社会保険審査会の裁決を経た後でなければ、提起することができない。
よって「社会保険審査会の裁決を経る前でも、提起することができる」とした問題文が誤り
[自説の根拠]法91条の3

<処分の取消の訴え>
提起することが【できる】→【できない】
<社会保険>
処分の取消の訴えは、当該処分についての再審査請求又は審査請求に対する社会保険審査会の採決を経た後でなければ、裁判所へ提起することが【できない】
<労働災害補償保険法、雇用保険法>
処分の取消の訴えは、当該処分についての再審査請求又は審査請求に対する労働保険審査会の採決を経た後でなくとも、再審査請求がされた日の翌日起算で3箇月を経過しても裁決がないときは提起することが【できる】
[自説の根拠]法91条の3

行政不服審査法等の改正。
被保険者の資格,標準報酬又は保険給付に関する処分についての処分取消しの訴えは,「社会保険審査官の決定を経た後であれば提起することができる」こととなり,また,保険料の賦課若しくは徴収の処分又は滞納処分についての処分取消しの訴えは,「当該処分についての審査請求に対する
社会保険審査会の裁決を経る前であっても,提起することができる」。
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次の説明は、厚生年金保険法に関する記述である。
社会保険審査会に再審査請求をした日から60日を経過しても裁決がないときは、処分の取消しの訴訟を提起することができる。 2004年度(平成16年度) 試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
×
第九十条第一項又は第九十一条に規定する処分の取消しの訴えは、当該処分についての再審査請求又は審査請求に対する社会保険審査会の裁決を経た後でなければ、提起することができない。 (厚生年金保険法 91条の3)
このような規定はない。
処分の取り消しの訴えは、社会保険審査会の裁決を経た後でなければ、提起することができない。なお、社会保険審査官に対して審査請求をした日から60日以内に決定がないときは、審査請求人は、社会保険審査官が審査請求を棄却したものとみなして、社会保険審査会に対して再審査請求をすることができる。
◎再審査請求(審査請求について決定がない)
労災:審査請求した日   から3カ月経過
雇用:審査請求した日の翌日から3カ月経過
社保:審査請求した日   から60日以内
◎訴訟(再審査請求について裁決がない)
労災:再審査請求した日   から3カ月経過
雇用:再審査請求した日の翌日から3カ月経過
社保:なし
★社保:健保・国年・厚年等
「60日を経過しても裁決がないとき」⇒「社会保険審査会の裁決を経た後」である
処分の取消しの訴えは、当該処分についての再審査請求又は審査請求に対する社会保険審査会の裁決を経た後でなければ、提起することができない。
[自説の根拠]法91条の3
「いかなる理由があっても、社会保険審査会の裁決を経ないで訴訟を提起することはできない。」
→○
社審法では裁決がない場合や緊急やむを得ない事由によって社会保険審査会の裁決を経ずに出訴できるきていはありません。労審法とは根本的に違います。上記の例文中の「社会保険審査会」→「労働保険審査会」とした場合は逆に×となります。社審法は労審法と比べると単純に感じますが、こういった相違点を区別しておかないと、手痛い失点となってしまいます。
[自説の根拠]法91条の3、労災法40条
(平成28年法改正)
厚生労働大臣による被保険者の資格、標準報酬又は保険給付に関する処分について、審査請求をした日から2月以内に決定がないときは、審査請求人は、社会保険審査官が審査請求を棄却したものとみなすことができる。
なお、その場合には、社会保険審査会に再審査請求ができ、また、再審査請求を経ずに、処分の取消の訴えを提起することもできる。

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次の説明は、厚生年金保険の不服申し立てに関する記述である。
保険料その他厚生年金基金に関するもの以外の徴収金の賦課、徴収等に不服がある者は、社会保険審査会に対して審査請求することができる。 2005年度(平成17年度)
解答
[正しい答え]

保険料その他この法律の規定による徴収金の賦課若しくは徴収の処分又は第八十六条の規定による処分に不服がある者は、社会保険審査会に対して審査請求をすることができる。 (厚生年金保険法 91条)

基金の場合も社会保険審査官、社会保険審査会でよかったはずです。

厚生年金保険法では、徴収金の賦課、徴収等への不服、滞納処分、脱退一時金に関するものは社会保険審査会へ直接審査請求できます。
なお、厚生年金基金に関するものは、「社会保険審査官」へ審査請求できます。また、社会保険庁廃止に伴い、「審査官」が配置される機関については社会保険事務局から「地方厚生局」に変更になりましたので注意です。

[自説の根拠]法91条
社会保険審査官及び社会保険審査会法第3条

保険料その他厚生年金保険法の規定による徴収金の賦課若しくは徴収の処分又は滞納処分に不服がある者は、社会保険審査会に対して審査請求(再審査請求ではないので注意)をすることができることになっている。
なお、厚生年金基金の行う、掛金その他徴収金の賦課、徴収の処分、滞納処分について不服がある場合も社会保険審査会に対して審査請求をすることができる。

[自説の根拠]法91条 法169条

関連問題
次の説明は、厚生年金保険法における不服審査に関する記述である。

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関連条文

  1. 男女雇用機会均等法 第一条(目的)

  2. 労基法 第九十七条(監督機関の職員等)

  3. 健保法 第八十八条 (訪問看護療養費)

  4. 徴収法 第十九条 (確定保険料)

  5. 雇保法 第十九条(基本手当の減額)

  6. 雇保法 第十五条 (失業の認定)

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