国年法 第二十六条 (支給要件)

第二節 老齢基礎年金

(支給要件)
第二十六条  老齢基礎年金は、保険料納付済期間又は保険料免除期間(第九十条の三第一項の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るものを除く。)を有する者が六十五歳に達したときに、その者に支給する。ただし、その者の保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が二十五年に満たないときは、この限りでない。

(年金額)
第二十七条  老齢基礎年金の額は、七十八万九百円に改定率(次条第一項の規定により設定し、同条(第一項を除く。)から第二十七条の五までの規定により改定した率をいう。以下同じ。)を乗じて得た額(その額に五十円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、五十円以上百円未満の端数が生じたときは、これを百円に切り上げるものとする。)とする。ただし、保険料納付済期間の月数が四百八十に満たない者に支給する場合は、当該額に、次の各号に掲げる月数を合算した月数(四百八十を限度とする。)を四百八十で除して得た数を乗じて得た額とする。
一  保険料納付済期間の月数
二  保険料四分の一免除期間の月数(四百八十から保険料納付済期間の月数を控除して得た月数を限度とする。)の八分の七に相当する月数
三  保険料四分の一免除期間の月数から前号に規定する保険料四分の一免除期間の月数を控除して得た月数の八分の三に相当する月数
四  保険料半額免除期間の月数(四百八十から保険料納付済期間の月数及び保険料四分の一免除期間の月数を合算した月数を控除して得た月数を限度とする。)の四分の三に相当する月数
五  保険料半額免除期間の月数から前号に規定する保険料半額免除期間の月数を控除して得た月数の四分の一に相当する月数
六  保険料四分の三免除期間の月数(四百八十から保険料納付済期間の月数、保険料四分の一免除期間の月数及び保険料半額免除期間の月数を合算した月数を控除して得た月数を限度とする。)の八分の五に相当する月数
七  保険料四分の三免除期間の月数から前号に規定する保険料四分の三免除期間の月数を控除して得た月数の八分の一に相当する月数
八  保険料全額免除期間(第九十条の三第一項の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るものを除く。)の月数(四百八十から保険料納付済期間の月数、保険料四分の一免除期間の月数、保険料半額免除期間の月数及び保険料四分の三免除期間の月数を合算した月数を控除して得た月数を限度とする。)の二分の一に相当する月数

(改定率の改定等)
第二十七条の二  平成十六年度における改定率は、一とする。
2  改定率については、毎年度、第一号に掲げる率(以下「物価変動率」という。)に第二号及び第三号に掲げる率を乗じて得た率(以下「名目手取り賃金変動率」という。)を基準として改定し、当該年度の四月以降の年金たる給付について適用する。
一  当該年度の初日の属する年の前々年の物価指数(総務省において作成する年平均の全国消費者物価指数をいう。以下同じ。)に対する当該年度の初日の属する年の前年の物価指数の比率
二  イに掲げる率をロに掲げる率で除して得た率の三乗根となる率
イ 当該年度の初日の属する年の五年前の年の四月一日の属する年度における被用者年金各法の被保険者、組合員又は加入者(以下「被用者年金被保険者等」という。)に係る標準報酬額等平均額(厚生年金保険法第四十三条の二第一項第二号イに規定する標準報酬額等平均額をいう。以下同じ。)に対する当該年度の前々年度における被用者年金被保険者等に係る標準報酬額等平均額の比率
ロ 当該年度の初日の属する年の五年前の年における物価指数に対する当該年度の初日の属する年の前々年における物価指数の比率
三  イに掲げる率をロに掲げる率で除して得た率
イ 〇・九一〇から当該年度の初日の属する年の三年前の年の九月一日における厚生年金保険法の規定による保険料率(以下「保険料率」という。)の二分の一に相当する率を控除して得た率
ロ 〇・九一〇から当該年度の初日の属する年の四年前の年の九月一日における保険料率の二分の一に相当する率を控除して得た率
3  名目手取り賃金変動率が一を下回り、かつ、物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回る場合における改定率の改定については、前項の規定にかかわらず、物価変動率を基準とする。ただし、物価変動率が一を上回る場合は、一を基準とする。
4  前二項の規定による改定率の改定の措置は、政令で定める。
第二十七条の三  受給権者が六十五歳に達した日の属する年度の初日の属する年の三年後の年の四月一日の属する年度以後において適用される改定率(以下「基準年度以後改定率」という。)の改定については、前条の規定にかかわらず、物価変動率を基準とする。
2  次の各号に掲げる場合における基準年度以後改定率の改定については、前項の規定にかかわらず、当該各号に定める率を基準とする。
一  物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回り、かつ、名目手取り賃金変動率が一以上となるとき 名目手取り賃金変動率
二  物価変動率が一を上回り、かつ、名目手取り賃金変動率が一を下回るとき 一
3  前二項の規定による基準年度以後改定率の改定の措置は、政令で定める。

(調整期間における改定率の改定の特例)
第二十七条の四  調整期間における改定率の改定については、前二条の規定にかかわらず、名目手取り賃金変動率に第一号及び第二号に掲げる率を乗じて得た率を基準とする。ただし、当該基準による改定により当該年度の改定率が当該年度の前年度の改定率を下回ることとなるときは、一を基準とする。
一  当該年度の初日の属する年の五年前の年の四月一日の属する年度における公的年金各法の被保険者等(この法律又は被用者年金各法の被保険者、組合員又は加入者をいう。)の総数として政令で定めるところにより算定した数(以下「公的年金被保険者等総数」という。)に対する当該年度の前々年度における公的年金被保険者等総数の比率の三乗根となる率
二  〇・九九七
2  次の各号に掲げる場合の調整期間における改定率の改定については、前項の規定にかかわらず、当該各号に定める率を基準とする。
一  名目手取り賃金変動率が一以上となり、かつ、前項第一号に掲げる率に同項第二号に掲げる率を乗じて得た率(以下「調整率」という。)が一を上回るとき 名目手取り賃金変動率
二  名目手取り賃金変動率が一を下回り、かつ、物価変動率が名目手取り賃金変動率以下となるとき 名目手取り賃金変動率
三  名目手取り賃金変動率が一を下回り、かつ、物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回るとき(次号に掲げる場合を除く。) 物価変動率
四  名目手取り賃金変動率が一を下回り、かつ、物価変動率が一を上回るとき 一
3  前二項の規定による改定率の改定の措置は、政令で定める。
第二十七条の五  調整期間における基準年度以後改定率の改定については、前条の規定にかかわらず、物価変動率に調整率を乗じて得た率を基準とする。ただし、当該基準による改定により当該年度の基準年度以後改定率が当該年度の前年度の改定率を下回ることとなるときは、一を基準とする。
2  次の各号に掲げる場合の調整期間における基準年度以後改定率の改定については、前項の規定にかかわらず、当該各号に定める率を基準とする。
一  物価変動率が一を下回るとき 物価変動率
二  物価変動率が名目手取り賃金変動率以下となり、かつ、調整率が一を上回るとき(前号に掲げる場合を除く。) 物価変動率
三  物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回り、名目手取り賃金変動率が一以上となり、かつ、調整率が一を上回るとき 名目手取り賃金変動率
四  物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回り、名目手取り賃金変動率が一以上となり、かつ、調整率が一以下となるとき 名目手取り賃金変動率に調整率を乗じて得た率
五  物価変動率が一を上回り、かつ、名目手取り賃金変動率が一を下回るとき 一
3  前二項の規定による基準年度以後改定率の改定の措置は、政令で定める。

27
10
次の説明は、国民年金法に関する記述である。
国民年金の保険料納付済期間とされた厚生年金保険の第三種被保険者(坑内員又は船員)期間については、その期間に3分の4を乗じて得た期間を保険料納付済期間として、老齢基礎年金の額が計算される。 2012年度(平成24年度) 試験問題 [改題] (最終改訂日: 2012年10月26日)
解答
×
老齢基礎年金の額を計算する場合には、厚生年金保険の第三種被保険者期間についての3分の4倍、5分の6倍の特例は適用されない。
受給資格期間をみる場合には、第三種被保険者期間の特例は適用される。
[自説の根拠]昭60法附則47条
この特例は、老齢厚生年金の【受給資格期間】
の短縮の際の適用されるもので
老齢基礎年金の年金額の計算や
障害基礎(厚生)又は遺族基礎(厚生)の
保険料納付要件に係る保険料納付済期間の計算には
用いない。
第3種被保険者期間の特例は、受給資格期間の計算のみに使用し、老齢基礎年金の年金額には反映しない。(昭和60法附則8条3項・8項)
年金額の計算には、全額免除期間を除いては、保険料の実際の納付が行われた月をもって計算されます。年金額算定に使われる被保険者期間と受給資格期間を算定する被保険者期間とは比較されやすい(引っかけられやすい)ので、この手の問題はサーっと読まずに何を問うているかをまず確認するといいと思います。どうしても、細かい数字の正誤に意識が集中するので、出題側とすればもってこいの問題なのでしょう。
[自説の根拠]法27条

(支給の繰下げ)
第二十八条  老齢基礎年金の受給権を有する者であつて六十六歳に達する前に当該老齢基礎年金を請求していなかつたものは、厚生労働大臣に当該老齢基礎年金の支給繰下げの申出をすることができる。ただし、その者が六十五歳に達したときに、他の年金給付(付加年金を除く。以下この条において同じ。)若しくは被用者年金各法による年金たる給付(老齢又は退職を支給事由とするものを除く。以下この条において同じ。)の受給権者であつたとき、又は六十五歳に達した日から六十六歳に達した日までの間において他の年金給付若しくは被用者年金各法による年金たる給付の受給権者となつたときは、この限りでない。
2  六十六歳に達した日後に他の年金給付若しくは被用者年金各法による年金たる給付の受給権者となつた者が、他の年金給付若しくは被用者年金各法による年金たる給付を支給すべき事由が生じた日(以下この項において「受給権者となつた日」という。)以後前項の申出をしたときは、次項の規定を適用する場合を除き、受給権者となつた日において、前項の申出があつたものとみなす。
3  第一項の申出をした者に対する老齢基礎年金の支給は、第十八条第一項の規定にかかわらず、当該申出のあつた日の属する月の翌月から始めるものとする。
4  第一項の申出をした者に支給する老齢基礎年金の額は、第二十七条の規定にかかわらず、同条に定める額に政令で定める額を加算した額とする。

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次の説明は、国民年金に関する記述である。
65歳に達した日に老齢基礎年金の受給権を取得した者(昭和16年4月2日以後に生まれた者に限る。)の当該年金額は、68歳に達した日に支給繰り下げの申出をしたときは、25.2%増額され、70歳に達した日に支給繰り下げの申出をしたときは、42.0%増額される。 2011年度(平成23年度) 試験問題 [改題] (最終改訂日: 2012年10月26日)
解答

繰下げによる老齢基礎年金の加算額については、本来の年金額に増額率(0.007に老齢基礎年金の受給権を取得した日の属する月から繰下げ支給の申出をした日の属する月の前月までの月数(当該月数が60を超えるときは60)を乗じて得た率)を乗じて得た額とされており、請求時の年齢が68歳の者の場合の増額率は0.252、70歳の者の場合の増額率は0.420とされている。
なお、昭和16年4月1日以前に生まれた者については、従来の増額率が適用されることになっている。
よって、問題文は正解となる。
[自説の根拠]法28条、令4条の5
●3年(36ヶ月)繰り下げした場合の増額率(%)
7/1,000×36ヶ月×100=25.2%
●10年(60ヶ月)繰り下げした場合の増額率(%)
7/1,000×60ヶ月×100=42.0%
10年(60ヶ月)繰り下げした場合の増額率(%)
7/1,000×60ヶ月×100=42.0%
[自説の根拠]に間違いがある。最初の10年が5年

(失権)
第二十九条  老齢基礎年金の受給権は、受給権者が死亡したときは、消滅する。

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関連条文

  1. 国年法 第三十条 (支給要件)

  2. 厚年法 第八十七条 (延滞金)

  3. 確年法 第六十九条(事業主の行為準則)

  4. 労働関係調整法1

  5. 厚年法 第百四十五条 (解散)

  6. 健保法 第百四十四条 (家族出産育児一時金) 

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