国年法 第八十五条 (国庫負担)

第六章 費用

(国庫負担)
第八十五条  国庫は、毎年度、国民年金事業に要する費用(次項に規定する費用を除く。)に充てるため、次に掲げる額を負担する。
– 一  当該年度における基礎年金(老齢基礎年金、障害基礎年金及び遺族基礎年金をいう。以下同じ。)の給付に要する費用の総額(次号及び第三号に掲げる額を除く。以下「保険料・拠出金算定対象額」という。)から第二十七条第三号、第五号及び第七号に規定する月数を基礎として計算したものを控除して得た額に、一から各被用者年金保険者に係る第九十四条の三第一項に規定する政令で定めるところにより算定した率を合算した率を控除して得た率を乗じて得た額の二分の一に相当する額
– 二  当該年度における保険料免除期間を有する者に係る老齢基礎年金(第二十七条ただし書の規定によつてその額が計算されるものに限る。)の給付に要する費用の額に、イに掲げる数をロに掲げる数で除して得た数を乗じて得た額の合算額
– イ 次に掲げる数を合算した数
(1) 当該保険料四分の一免除期間の月数(四百八十から当該保険料納付済期間の月数を控除して得た月数を限度とする。)に八分の一を乗じて得た数
(2) 当該保険料半額免除期間の月数(四百八十から当該保険料納付済期間の月数及び当該保険料四分の一免除期間の月数を合算した月数を控除して得た月数を限度とする。)に四分の一を乗じて得た数
(3) 当該保険料四分の三免除期間の月数(四百八十から当該保険料納付済期間の月数、当該保険料四分の一免除期間の月数及び当該保険料半額免除期間の月数を合算した月数を控除して得た月数を限度とする。)に八分の三を乗じて得た数
(4) 当該保険料全額免除期間(第九十条の三第一項の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るものを除く。)の月数(四百八十から当該保険料納付済期間の月数、当該保険料四分の一免除期間の月数、当該保険料半額免除期間の月数及び当該保険料四分の三免除期間の月数を合算した月数を控除して得た月数を限度とする。)に二分の一を乗じて得た数
ロ 第二十七条各号に掲げる月数を合算した数
三  当該年度における第三十条の四の規定による障害基礎年金の給付に要する費用の百分の二十に相当する額
– 2  国庫は、毎年度、予算の範囲内で、国民年金事業の事務の執行に要する費用を負担する。

(事務費の交付)
第八十六条  政府は、政令の定めるところにより、市町村(特別区を含む。以下同じ。)に対し、市町村長がこの法律又はこの法律に基づく政令の規定によつて行う事務の処理に必要な費用を交付する。

(保険料)
第八十七条  政府は、国民年金事業に要する費用に充てるため、保険料を徴収する。
– 2  保険料は、被保険者期間の計算の基礎となる各月につき、徴収するものとする。
– 3  保険料の額は、次の表の上欄に掲げる月分についてそれぞれ同表の下欄に定める額に保険料改定率を乗じて得た額(その額に五円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、五円以上十円未満の端数が生じたときは、これを十円に切り上げるものとする。)とする。

平成十七年度に属する月の月分
一万三千五百八十円
平成十八年度に属する月の月分
一万三千八百六十円
平成十九年度に属する月の月分
一万四千百四十円
平成二十年度に属する月の月分
一万四千四百二十円
平成二十一年度に属する月の月分
一万四千七百円
平成二十二年度に属する月の月分
一万四千九百八十円
平成二十三年度に属する月の月分
一万五千二百六十円
平成二十四年度に属する月の月分
一万五千五百四十円
平成二十五年度に属する月の月分
一万五千八百二十円
平成二十六年度に属する月の月分
一万六千百円
平成二十七年度に属する月の月分
一万六千三百八十円
平成二十八年度に属する月の月分
一万六千六百六十円
平成二十九年度以後の年度に属する月の月分
一万六千九百円
4  平成十七年度における前項の保険料改定率は、一とする。

5  第三項の保険料改定率は、毎年度、当該年度の前年度の保険料改定率に次に掲げる率を乗じて得た率を基準として改定し、当該年度に属する月の月分の保険料について適用する。
– 一  当該年度の初日の属する年の三年前の年の物価指数に対する当該年度の初日の属する年の前々年の物価指数の比率
– 二  イに掲げる率をロに掲げる率で除して得た率の三乗根となる率
– イ 当該年度の初日の属する年の六年前の年の四月一日の属する年度における被用者年金被保険者等に係る標準報酬額等平均額に対する当該年度の初日の属する年の三年前の年の四月一日の属する年度における被用者年金被保険者等に係る標準報酬額等平均額の比率
– ロ 当該年度の初日の属する年の六年前の年における物価指数に対する当該年度の初日の属する年の三年前の年における物価指数の比率
– 6  前項の規定による保険料改定率の改定の措置は、政令で定める。

第八十七条の二  第一号被保険者(第八十九条、第九十条第一項又は第九十条の三第一項の規定により保険料を納付することを要しないものとされている者、第九十条の二第一項から第三項までの規定によりその一部の額につき保険料を納付することを要しないものとされている者及び国民年金基金の加入員を除く。)は、厚生労働大臣に申し出て、その申出をした日の属する月以後の各月につき、前条第三項に定める額の保険料のほか、四百円の保険料を納付する者となることができる。
– 2  前項の規定による保険料の納付は、前条第三項に定める額の保険料の納付が行われた月(第九十四条第四項の規定により保険料が納付されたものとみなされた月を除く。)についてのみ行うことができる。
– 3  第一項の規定により保険料を納付する者となつたものは、いつでも、厚生労働大臣に申し出て、その申出をした日の属する月の前月以後の各月に係る保険料(既に納付されたもの及び第九十三条第一項の規定により前納されたもの(国民年金基金の加入員となつた日の属する月以後の各月に係るものを除く。)を除く。)につき第一項の規定により保険料を納付する者でなくなることができる。
– 4  第一項の規定により保険料を納付する者となつたものが、同項の規定による保険料を納期限までに納付しなかつたときは、その納期限の日に、国民年金基金の加入員となつたときは、その加入員となつた日に、前項の申出をしたものとみなす。

87
12
次の説明は、国民年金法に関する記述である。
付加保険料納付者は、いつでも厚生労働大臣(旧社会保険庁長官)に申し出て、申出をした日の属する月の翌月以後の保険料につき、付加保険料を納付する者でなくなることができる。 2000年度(平成12年度) 試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月13日)
解答
×
【法改正対応】
社会保険庁長官 → 厚生労働大臣
社会保険庁長官は、前項の申出を受けたときは、その納付が確実と認められ、かつ、その申出を承認することが保険料の徴収上有利と認められるときに限り、その申出を承認することができる。 (国民年金法 92条の2の2第2項)
誤:申出をした日の属する月の『翌月以後』の保険料につき
正:申出をした日の属する月の『前月以後の各月に係る』保険料につき
[自説の根拠]第87条2 第3項
H26・4・1の法改正により、
付加保険料をその納期限までに納付しなかった場合でも、通常の保険料を滞納した場合と同じように、過去2年分まで遡って、納付することが可能となった。
例えば、申し出をした日が6月4日だとする。この時点で支払っているのは。5月末納期限の4月分の付加保険料までであり、6月末に納める予定であった5月分から納付する必要がなくなる。
つまり、申し出をした日が属する月の末日に、前月分の付加保険料の納期限が到来するため、申し出の月の前月以後納付する者でなくなる。
関連問題
次の説明は、国民年金法に関する記述である。
保険料の納付を免除された期間について、厚生労働大臣(旧社会保険庁長官)の承認を受け、保険料の全部又は一部を追納することができるが、その場合、承認の日の属する月前10年以内の期間に限られる。

(保険料の納付義務)
第八十八条  被保険者は、保険料を納付しなければならない。
– 2  世帯主は、その世帯に属する被保険者の保険料を連帯して納付する義務を負う。
– 3  配偶者の一方は、被保険者たる他方の保険料を連帯して納付する義務を負う。
– 第八十九条  被保険者(第九十条の二第一項から第三項までの規定の適用を受ける被保険者を除く。)が次の各号のいずれかに該当するに至つたときは、その該当するに至つた日の属する月の前月からこれに該当しなくなる日の属する月までの期間に係る保険料は、既に納付されたもの及び第九十三条第一項の規定により前納されたものを除き、納付することを要しない。
– 一  障害基礎年金又は被用者年金各法に基づく障害を支給事由とする年金たる給付その他の障害を支給事由とする給付であつて政令で定めるものの受給権者(最後に厚生年金保険法第四十七条第二項に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態(以下この号において「障害状態」という。)に該当しなくなつた日から起算して障害状態に該当することなく三年を経過した障害基礎年金の受給権者(現に障害状態に該当しない者に限る。)その他の政令で定める者を除く。)であるとき。
– 二  生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)による生活扶助その他の援助であつて厚生労働省令で定めるものを受けるとき。
– 三  前二号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める施設に入所しているとき。

89


【試験問題】次の説明は、保険料に関する記述である。
障害基礎年金の受給権は有していなくても、3級の障害厚生年金の受給権を有していれば、国民年金保険料の法定免除が適用される。【解答】×

障害基礎年金の受給権は、第三十一条第二項の規定によつて消滅するほか、受給権者が次の各号のいずれかに該当するに至つたときは、消滅する。 (国民年金法 35条)
1.障害基礎年金又は被用者年金各法に基づく障害を支給事由とする年金たる給付その他の障害を支給事由とする給付であつて政令で定めるものの受給権者(最後に厚生年金保険法第47条第2項に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態(以下この号において「障害状態」という。)に該当しなくなつた日から起算して障害状態に該当することなく3年を経過した障害基礎年金の受給権者(現に障害状態に該当しない者に限る。)その他の政令で定める者を除く。)であるとき。
[自説の根拠]法第89条より
なお、H13の択一で、「障害等級1級又は2級に該当したことがない障害厚生年金又は障害共済年金の受給権者は法廷免除の対象とはならない」という○問が出題されています。
障害等級1・2級は法定免除ですが、3級は免除されません。ただし、当初1・2級で、改定され3級になった場合は免除され、その後、3級でもなくなった場合は、その後3年間は免除期間が続きます。
参考
障害等級が3級まで設定されている年金において、3級該当者が法定免除と【ならないもの】は以下の通り。
㋑障害厚生年金
㋺障害共済年金
㋩障害共済年金(移行農林共済年金)
㋥特例障害農林年金(移行農林共済年金)
となります。【上記以外】の年金の場合で【3級に該当】する者は、【法定免除の対象者】ですから、この切分けも必要です。(過去問出題例あり)例えば、旧法の障害厚生年金3級、旧法の障害共済年金の3級は法定免除対象です。注意が必要です。
[自説の根拠]法89条、令6条の5

【試験問題】次の説明は、国民年金法に関する記述である。
旧国民年金法又は、旧厚生年金保険法による障害年金の受給権を有していたことがある者について事後重症による障害基礎年金は支給されない。【解答】?

89
8
次の説明は、保険料の免除に関する記述である。
生活保護法による生活扶助を受ける被保険者は、当該申請のあった日の属する月の前月から、保険料を納付することを要しない。 1999年度(平成11年度) 試験問題 [改題] (最終改訂日: 2008年11月14日)
解答
×
論点を間違えないように。本肢の「当該申請」とは生活保護の申請であって他の何ものでもありません。当該とはこの言葉に先立って意味を明らかにしている場合に使用します。以下法定免除について。被保険者が次の各号(生活保護法による生活扶助その他…)のいずれかに該当するに至ったときは、その該当するに至った日の属する月の前月からこれに該当しなくなる日の属する月までの期間に係る保険料は、腕に納付されたものを除き、納付することを要しない。従って、本肢は正解。免除の申請など、どこにも書いてません。ああ怖い怖い。
以下続きです。
あっ、失礼。生活保護はまだ申請段階でした。生活扶助に該当したわけではないのでやはりXです。失礼しました。
ただ、法定免除は申請不要という理由で不正解とするのは間違っています。本肢の論点は「(生活扶助等)に該当するに至った日の属する月の前月から,,,月まで納付を要しない」です。そういう私が申請と該当を間違えましたが。
[自説の根拠]法第89条
生活保護を受ける被保険者は、当該「申請のあった日」ではなく、「該当するに至った日」の属する日の前月から該当しなくなる日の属する月まで、前納した分などを除いて法定免除となります。
「該当する」というのは「保護の開始」のことです。
「申請のあった日」だと申請から保護の開始までに1ヶ月以上かかることもある上、申請を却下されることもあるので、おかしいですよね。
関連問題
次の説明は、国民年金法に関する記述である。
被保険者が、生活保護法による生活扶助を受けるに至ったときは、その該当するに至った日の属する月の翌月から保険料を納付することを要しない。

89
9
次の説明は、国民年金の費用負担に関する記述である。
第1号被保険者(保険料の一部免除を受ける者を除く。)が保険料の法定免除に該当するに至ったときは、その該当するに至った日の属する月の前月からこれに該当しなくなる日の属する月までの期間に係る保険料は、既に納付されたもの及び前納されたものを除き、納付することを要しない。 2011年度(平成23年度) 試験問題 [改題] (最終改訂日: 2012年10月26日)
解答

第一号被保険者(1/4免除、半額免除、3/4免除を受ける被保険者を除く)が、次のいずれかに該当したときには、14日以内に「免除事由該当届」に国民年金手帳を添えてを年金事務所長等に提出することによって保険料が免除される。免除される期間は、条件に該当するに至った日の属する月の前月からこれに該当しなくなる日の属する月までの期間である。
第八十九条 被保険者(第九十条の二第一項から第三項までの規定の適用を受ける被保険者を除く)が次の各号のいずれかに該当するに至つた時は、その該当するに至つた日の属する月の前月からこれに該当しなくなる日の属する月までの期間に係る保険料は、既に納付されたもの及び第九十三条第一項の規定により前納されたものを除き、納付することを要しない。
[自説の根拠]法89条の通り。
H26年4月~
免除期間に係る保険料の取扱いの改善
国民年金保険料を前納した後に、免除に該当するようになった場合に、免除該当日前に納付された前納保険料のうち免除に該当した月分以後の分に係るものについて、還付を可能とする。
[自説の根拠]平成24年8月10日「公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律」(年金機能強化法)が成立し、同月22日に公布されました。
国民年金保険料を前納した後に、免除に該当するようになった場合は、免除該当日前に納付された前納保険料のうち免除に該当した月分以後の分について、還付が可能となった。 遡って法定免除となった場合に、既に納付されていた国民年金保険料が必ず還付される取扱いについて、本人が特に希望する場合は、その期間を保険料納付済み期間として取扱える。
国民年金保険料免除の遡及期間について、直近の7月までの遡りとなっていたが、保険料の納付が可能である過去2年分まで、遡及して免除申請をすることができるようになった。
平成23年出題時は正しい記述でしたが、平成26年4月より免除該当日以後にかかる「前納保険料」は「還付可能」となったため、現在では「誤り」ではないでしょうか。

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関連条文

  1. 安衛法 第十三条 (産業医等)

  2. 労基法 第六十六条(産前産後)

  3. 厚年法 第一条 (この法律の目的)

  4. 健保法 第百十条(家族療養費)

  5. 雇対法 第十八条 (職業転換給付金の支給)

  6. 労災法 第三十八条 不服申立て及び訴訟

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