徴収法 第九条(継続事業の一括)

第九条 (継続事業の一括)
 事業主が同一人である二以上の事業(有期事業以外の事業に限る。)であつて、厚生労働省令で定める要件に該当するものに関し、当該事業主が当該二以上の事業について成立している保険関係の全部又は一部を一の保険関係とすることにつき申請をし、厚生労働大臣の認可があつたときは、この法律の規定の適用については、当該認可に係る二以上の事業に使用されるすべての労働者は、これらの事業のうち厚生労働大臣が指定するいずれか一の事業に使用される労働者とみなす。この場合においては、厚生労働大臣が指定する一の事業以外の事業に係る保険関係は、消滅する。

【試験問題】
労働保険の適用に関する次の記述について、適切か否か答えよ。
継続事業の一括に関する厚生労働大臣の認可の要件の一つとして、「それぞれの事業が、事業の種類を同じくすること。」が挙げられているが、雇用保険に係る保険関係が成立している二元適用事業については、この要件を必要としない。 【解答】×

二元適用事業であって、雇用保険の保険関係が成立している事業についても、労災保険率表に定める事業の種類が同じでなければならない。
法9条、則10条、

【試験問題】
次の説明は、徴収法の適用に関する記述である。
継続事業と有期事業を含む二以上の事業の事業主が同一人であり、かつ、厚生労働省令で定める規模以下の有期事業がいずれかの継続事業の全部又は一部と同時に行われる場合において、事業主が当該有期事業の保険関係を当該継続事業の保険関係と一の保険関係とすることについて申請をし、厚生労働大臣の認可があったときは、当該認可に係る事業に使用されるすべての労働者は、厚生労働大臣の指定する一の継続事業に使用されるものとみなされる。【解答】×

事業主が同一人である二以上の事業(有期事業以外の事業に限る。)であつて、厚生労働省令で定める要件に該当するものに関し、当該事業主が当該二以上の事業について成立している保険関係の全部又は一部を一の保険関係とすることにつき申請をし、厚生労働大臣の認可があつたときは、この法律の規定の適用については、当該認可に係る二以上の事業に使用されるすべての労働者(船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)第十七条の規定による船員保険の被保険者を除く。以下同じ。)は、これらの事業のうち厚生労働大臣が指定するいずれか一の事業に使用される労働者とみなす。この場合においては、厚生労働大臣が指定する一の事業以外の事業に係る保険関係は、消滅する。 (労働保険の保険料の徴収等に関する法律 9条)
有期事業と継続事業が一括されることはありません

有期事業の一括は、それぞれの事業が有期事業である場合に行われ、継続事業の一括は、それぞれの事業が継続事業である場合に行われることになっている。
よって、継続事業と有期事業を含む二以上の事業の事業主が同一人であり、かつ、厚生労働省令で定める規模以下の有期事業がいずれかの継続事業の全部又は一部と同時に行われる場合であっても、有期事業と継続事業が一括されることはなく、問題文は誤りとなる。
法7条、法9条

事業主が同一人である二以上の事業(有期事業以外の事業に限る。)であつて、厚生労働省令で定める要件(①労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち二元適用事業・②雇用保険に係る保険関係が成立している事業のうち二元適用事業・③一元適用事業であつて労災保険及び雇用保険に係る保険関係が成立しているもの)に該当するものに関し、当該事業主が当該二以上の事業(それぞれの事業が労災保険料率表に掲げる事業の種類を同じくすること)について成立している保険関係の全部又は一部を一の保険関係とすることにつき申請をし、厚生労働大臣の認可があつたときは、この法律の規定の適用については、当該認可に係る二以上の事業に使用されるすべての労働者は、これらの事業のうち厚生労働大臣が指定するいずれか一の事業に使用される労働者とみなす。この場合においては、厚生労働大臣が指定する一の事業以外の事業に係る保険関係は、消滅する。
第9条

【試験問題】
次の説明は、労働保険の保険料の徴収等に関する法律の適用に関する記述である。なお、以下において、「労働保険徴収法」とは「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」のことであり、この問において、「労災保険」とは「労働者災害補償保険」のこと、「継続事業の一括の認可」とは労働保険徴収法第9条の規定による認可のこと、「指定事業」とは同条で定める厚生労働大臣が指定する事業のことである。
継続事業の一括の認可があったときは、当該二以上の事業に使用されるすべての労働者が指定事業に使用される労働者とみなされ、指定事業以外の事業の保険関係は消滅する。この場合、保険関係消滅申請書を提出することにより、労働保険料の確定精算の手続はすべて終了する。【解答】?

【試験問題】
次の説明は、労働保険の保険料の徴収等に関する法律の適用に関する記述である。なお、以下において、「労働保険徴収法」とは「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」のことであり、この問において、「労災保険」とは「労働者災害補償保険」のこと、「継続事業の一括の認可」とは労働保険徴収法第9条の規定による認可のこと、「指定事業」とは同条で定める厚生労働大臣が指定する事業のことである。
継続事業の一括の認可については、労災保険率表による事業の種類を同じくすることがその要件とされているが、雇用保険に係る保険関係が成立している二元適用事業の場合は、労災保険率表による事業の種類を同じくする必要はない。 【解答】×

一般保険料に係る保険料率は、次のとおりとする。
1号 労災保険及び雇用保険に係る保険関係が成立している事業にあつては、労災保険率と雇用保険率とを加えた率 (労働保険の保険料の徴収等に関する法律 12条1項1号)
①事業主が同一人
②それぞれの事業が継続事業であること
③それぞれの事業が労災保険率表による事業の種類を同じくすること
雇用保険に係る保険関係が成立している二次元適用事業所であっても、継続事業の一括の認可を受けるに当たっては、労災保険料率表による事業の種類を同じくすることが必要です。

徴収法9条、徴収法施行規則10条1項
【参考】労災保険と雇用保険それぞれ別に適用(二元的)に処理することを二元適用事業といいます。
① 都道府県及び市町村の行う事業
② 都道府県に準ずるもの及び市町村に準ずるものの行う事業
③ 六大港湾(東京港、横浜港、名古屋港、大阪港、神戸港、関門港)における港湾運送の事業
④ 農林水産の事業
⑤ 建設の事業

【試験問題】
次の説明は、労働保険の保険料の徴収等に関する法律の適用に関する記述である。なお、以下において、「労働保険徴収法」とは「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」のことであり、この問において、「労災保険」とは「労働者災害補償保険」のこと、「継続事業の一括の認可」とは労働保険徴収法第9条の規定による認可のこと、「指定事業」とは同条で定める厚生労働大臣が指定する事業のことである。
継続事業の一括の認可を受けた指定事業の事業主は、労災保険及び雇用保険の受給に関する事務並びに雇用保険の被保険者に関する事務について、当該指定事業の所在地を管轄する労働基準監督署長又は公共職業安定所長に対して一括して行うことができる。 【解答】×

継続事業の一括が行なわれても、一括されるのは「労働保険料の徴収に関する事務」のみである。「労災保険及び雇用保険の受給に関する事務、雇用保険の被保険者に関する事務」は一括されず、それぞれの事業所ごとに行なわなければならない。
「労働保険事務組合」は、雇用保険の被保険者に係る事務を行うことができる。この点が「継続の一括」と違います。
継続事業の一括の効果は、労災保険及び雇用保険の受給に関する事務並びに雇用保険の被保険者に関する事務については及ばない。したがって、これらの事務は、各事業所ごとに行わなければならない。
徴収法9条、昭和40.7.31基発901号、昭和42.4.4.基災発9号、行政手引22003

保険関係の一括効果が及ばないもの
①雇用保険の被保険者に関する事務
②労災保険及び雇用保険の給付に関する事務
③印紙保険料の納付に関する事務
保険関係一括の及ばないもの
①雇用保険の被保険者に関する事務
②労災保険及び雇用保険の給付に関する事務
③印紙保険料の納付に関する事務
労働保険事務組合に委託できないもの
①印紙保険料に関する事務
②保険給付に関する請求等に係る事務
③雇用保険二事業に係る事務

【試験問題】
労働保険の適用に関する次の記述について、適切か否か答えよ。
継続事業の一括に関する厚生労働大臣の認可があったときは、労働保険徴収法の規定の適用については、当該認可にかかる二以上の事業に使用されるすべての労働者は、これらの事業のうち厚生労働大臣が指定するいずれか一の事業に使用される労働者とみなされる。 【解答】○

事業主が同一人である二以上の継続事業で、厚生労働省令で定める要件に該当するものに関し、当該事業主が当該二以上の事業について成立している保険関係の全部又は一部を一の保険関係とすることにつき申請をし、厚生労働大臣の認可があつたときは、この法律の規定の適用については、当該認可に係る二以上の事業に使用されるすべての労働者は、これらの事業のうち厚生労働大臣が指定するいずれか一の事業に使用される労働者とみなす。この場合においては、厚生労働大臣が指定する一の事業以外の事業に係る保険関係は、消滅する。
労働保険徴収法第9条

(参考)
継続事業の一括が行われた場合であっても、次の事務は、「それぞれの事業ごと」に行わなければならない
*雇用保険の被保険者に関する事務(保険法上の事業主の事務)
*労災保険及び雇用保険の給付に関する事務(同上)

第三章 労働保険料の納付の手続等

第十条 (労働保険料)  政府は、労働保険の事業に要する費用にあてるため保険料を徴収する。
– 2  前項の規定により徴収する保険料(以下「労働保険料」という。)は、次のとおりとする。
– 一  一般保険料
– 二  第一種特別加入保険料
– 三  第二種特別加入保険料
– 三の二  第三種特別加入保険料
– 四  印紙保険料
– 五  特例納付保険料

第十一条 (一般保険料の額)  一般保険料の額は、賃金総額に第十二条の規定による一般保険料に係る保険料率を乗じて得た額とする。
– 2  前項の「賃金総額」とは、事業主がその事業に使用するすべての労働者に支払う賃金の総額をいう。
– 3  前項の規定にかかわらず、厚生労働省令で定める事業については、厚生労働省令で定めるところにより算定した額を当該事業に係る賃金総額とする。

第十一条の二  政府は、雇用保険に係る保険関係が成立している事業の事業主がその事業に高年齢労働者(厚生労働省令で定める年齢以上の労働者をいう。以下同じ。)を使用する場合には、政令で定めるところにより、その事業に係る一般保険料の額を、前条第一項の規定にかかわらず、同項の規定による額から、事業主がその事業に使用する高年齢労働者に支払う賃金の総額(厚生労働省令で定める事業については、厚生労働省令で定めるところにより算定した額。第十五条の二及び第十九条の二において「高年齢者賃金総額」という。)に雇用保険率(その率が次条第五項又は第八項の規定により変更されたときは、その変更された率。同条第四項を除き、以下同じ。)を乗じて得た額を超えない額を減じた額とすることができる。

【試験問題】
次の説明は、労働保険の保険料の徴収等に関する法律の適用に関する記述である。なお、以下において、「労働保険徴収法」とは「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」のことである。
労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち請負による建設の事業であって、賃金総額を正確に算定することが困難なものについては、その事業の種類に従い、請負金額(一定の場合には、所定の計算方法による。)に労務費率を乗じて得た額を賃金総額とする。 【解答】○

労災保険に係る保険関係が成立している次の事業については、賃金総額を正確に算定することが困難な場合に限り、賃金総額の算定に特例が認められている。
①請負による建設の事業
②立木の伐採の事業
③造林の事業、木炭又は薪を生産する事業その他の林業の事業(立木の伐採の事業を除く)
④水産動植物の採捕または養殖の事業
法11条3項、則12条
請負金額は、消費税込みの金額で算定する。
労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち、請負による建設の事業であって、賃金総額を正確に算定することが困難なものについては、原則として請負金額に則別表第2に掲げる率(労務費率)を乗じて得た額を賃金総額とすることになっている。
よって、問題文は正解となる。
法11条3項、則12条、則13条

【試験問題】
次の説明は、労働保険料の算定に関する記述である。
請負による建設の事業であって賃金総額を正確に算定することが困難なものについては、その事業の種類に従い、請負金額(一定の場合には、所定の計算方法による。)に所定の労務費率を乗じて得た額を賃金総額とする。【解答】?

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