第四条 (保険者)
健康保険(日雇特例被保険者の保険を除く。)の保険者は、全国健康保険協会及び健康保険組合とする。
第五条 (全国健康保険協会管掌健康保険)
全国健康保険協会は、健康保険組合の組合員でない被保険者(日雇特例被保険者を除く。次節、第五十一条の二、第六十三条第三項第二号、第百五十条第一項、第百七十二条第三号、第十章及び第十一章を除き、以下本則において同じ。)の保険を管掌する。
2 前項の規定により全国健康保険協会が管掌する健康保険の事業に関する業務のうち、被保険者の資格の取得及び喪失の確認、標準報酬月額及び標準賞与額の決定並びに保険料の徴収(任意継続被保険者に係るものを除く。)並びにこれらに附帯する業務は、厚生労働大臣が行う。
第六条 (組合管掌健康保険)
健康保険組合は、その組合員である被保険者の保険を管掌する。
第七条 (二以上の事業所に使用される者の保険者)
同時に二以上の事業所に使用される被保険者の保険を管掌する者は、第五条第一項及び前条の規定にかかわらず、厚生労働省令で定めるところによる。
【試験問題】次の説明は、健康保険の保険者に関する記述である。被保険者(日雇特例被保険者を除く。)が同時に2以上の事業所に使用される場合において、保険者が2以上あるときは、その被保険者の保険を管掌する保険者を選択しなければならない。その方法は、同時に2以上の事業所に使用されるに至った日から10日以内に、所定の事項を記載した届書を、全国健康保険協会を選択しようとするときは厚生労働大臣に、健康保険組合を選択しようとするときは健康保険組合に提出することによって行うことになっている。【解答】○
被保険者(日雇特例被保険者を除く。)は、同時に2以上の事業所に使用される場合において、保険者が2以上あるときは、その被保険者の保険を管掌する保険者を選択しなければならないことになっているが、その選択は、同時に2以上の事業所に使用されるに至った日から10日以内に、所定の事項を記載した届書を全国健康保険協会を選択しようとするときは厚生労働大臣に、健康保険組合を選択しようとするときは健康保険組合に提出することによって行うものとされている。
よって、問題文は正解となる。(法7条、則1条1項、則2条1項)
【被保険者】が行う届出事務
㋑2以上事業所勤務届=設問
㋺保険者選択届
㋩特別療養給付申請書
は【10日以内】に届け出となります。なお、健康保険法における10日以内の届け出は被保険者に係る届出のみです。(法7条、則2条1項)
第二節 全国健康保険協会
第七条の二 (設立及び業務) 健康保険組合の組合員でない被保険者(以下この節において単に「被保険者」という。)に係る健康保険事業を行うため、全国健康保険協会(以下「協会」という。)を設ける。
2 協会は、次に掲げる業務を行う。
一 第四章の規定による保険給付及び第五章第三節の規定による日雇特例被保険者に係る保険給付に関する業務
二 第六章の規定による保健事業及び福祉事業に関する業務
三 前二号に掲げる業務のほか、協会が管掌する健康保険の事業に関する業務であって第五条第二項の規定により厚生労働大臣が行う業務以外のもの
四 第一号及び第二号に掲げる業務のほか、日雇特例被保険者の保険の事業に関する業務であって第百二十三条第二項の規定により厚生労働大臣が行う業務以外のもの
五 前各号に掲げる業務に附帯する業務
3 協会は、前項各号に掲げる業務のほか、船員保険法の規定による船員保険事業に関する業務(同法の規定により厚生労働大臣が行うものを除く。)、高齢者の医療の確保に関する法律の規定による前期高齢者納付金等(以下「前期高齢者納付金等」という。)及び同法の規定による後期高齢者支援金等(以下「後期高齢者支援金等」という。)並びに介護保険法(平成九年法律第百二十三号)の規定による納付金(以下「介護納付金」という。)の納付に関する業務を行う。
第七条の三 (法人格)
協会は、法人とする。
第七条の四 (事務所)
協会は、主たる事務所を東京都に、従たる事務所(以下「支部」という。)を各都道府県に設置する。
2 協会の住所は、その主たる事務所の所在地にあるものとする。
第七条の五 (資本金)
協会の資本金は、健康保険法等の一部を改正する法律(平成十八年法律第八十三号。以下「改正法」という。)附則第十八条第二項の規定により政府から出資があったものとされた金額とする。
第七条の六 (定款)
協会は、定款をもって、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 目的
二 名称
三 事務所の所在地
四 役員に関する事項
五 運営委員会に関する事項
六 評議会に関する事項
七 保健事業に関する事項
八 福祉事業に関する事項
九 資産の管理その他財務に関する事項
十 その他組織及び業務に関する重要事項として厚生労働省令で定める事項
2 前項の定款の変更(厚生労働省令で定める事項に係るものを除く。)は、厚生労働大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
3 協会は、前項の厚生労働省令で定める事項に係る定款の変更をしたときは、遅滞なく、これを厚生労働大臣に届け出なければならない。
4 協会は、定款の変更について第二項の認可を受けたとき、又は同項の厚生労働省令で定める事項に係る定款の変更をしたときは、遅滞なく、これを公告しなければならない。
【試験問題】次の説明は、保険給付等に関する記述である。全国健康保険協会は、保険給付に併せて、規約で定めるところにより、付加給付を行うことができる。 【解答】×
付加給付を行うことができるのは健康保険組合のみ。
「全国健康保険協会」を「健康保険組合」に置き換えれば正解となる。(健康保険組合の付加給付)
第五十三条 保険者が健康保険組合である場合においては、前条各号に掲げる給付に併せて、規約で定めるところにより、保険給付としてその他の給付を行うことができる。(法53条)
ちなみに協会が定めるのは「規約」ではなく、「定款」です。付加給付も協会では行っておりません。
(法7条の6、則2条の2)
第七条の七 (登記)
協会は、政令で定めるところにより、登記しなければならない。
2 前項の規定により登記しなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。
第七条の八 (名称)
協会でない者は、全国健康保険協会という名称を用いてはならない。
第七条の九 (役員)
協会に、役員として、理事長一人、理事六人以内及び監事二人を置く。
第七条の十 (役員の職務)
理事長は、協会を代表し、その業務を執行する。
2 理事長に事故があるとき、又は理事長が欠けたときは、理事のうちから、あらかじめ理事長が指定する者がその職務を代理し、又はその職務を行う。
3 理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して、協会の業務を執行することができる。
4 監事は、協会の業務の執行及び財務の状況を監査する。
第七条の十一 (役員の任命)
理事長及び監事は、厚生労働大臣が任命する。
2 厚生労働大臣は、前項の規定により理事長を任命しようとするときは、あらかじめ、第七条の十八第一項に規定する運営委員会の意見を聴かなければならない。
3 理事は、理事長が任命する。
4 理事長は、前項の規定により理事を任命したときは、遅滞なく、厚生労働大臣に届け出るとともに、これを公表しなければならない。
【試験問題】次の説明は、健康保険法に関する記述である。全国健康保険協会の理事長、理事及び監事は、厚生労働大臣が任命し、当該協会の職員は理事長が任命する。 【解答】×
理事長及び監事は、厚生労働大臣が任命する。 (健康保険法 7条の11)
理事長及び監事は厚生労働大臣が任命し理事は理事長が任命する。
理事長1人、監事2人、理事6人以内。任期3年(補欠者は前任者の残任期間)です。
全国健康保険協会の理事長及び監事は、厚生労働大臣が任命することになっているが、理事及び協会の職員については、理事長が任命することになっている。
(法7条の11第1項・3項、法7条の23)
厚生労働大臣は、理事長を任命しようとするときは、あらかじめ運営委員会の意見を聴かなければならない。
第七条の十二 (役員の任期)
役員の任期は三年とする。ただし、補欠の役員の任期は、前任者の残任期間とする。
2 役員は、再任されることができる。
第七条の十三 (役員の欠格条項)
政府又は地方公共団体の職員(非常勤の者を除く。)は、役員となることができない。
第七条の十四 (役員の解任)
厚生労働大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が前条の規定により役員となることができない者に該当するに至ったときは、その役員を解任しなければならない。
2 厚生労働大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が次の各号のいずれかに該当するとき、その他役員たるに適しないと認めるときは、その役員を解任することができる。
一 心身の故障のため職務の遂行に堪えないと認められるとき。
二 職務上の義務違反があるとき。
3 理事長は、前項の規定により理事を解任したときは、遅滞なく、厚生労働大臣に届け出るとともに、これを公表しなければならない。
第七条の十五 (役員の兼職禁止)
役員(非常勤の者を除く。)は、営利を目的とする団体の役員となり、又は自ら営利事業に従事してはならない。ただし、厚生労働大臣の承認を受けたときは、この限りでない。
第七条の十六 (代表権の制限)
協会と理事長又は理事との利益が相反する事項については、これらの者は、代表権を有しない。この場合には、監事が協会を代表する。
第七条の十七 (代理人の選任)
理事長は、理事又は職員のうちから、協会の業務の一部に関し一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する代理人を選任することができる。
第七条の十八 (運営委員会)
事業主(被保険者を使用する適用事業所の事業主をいう。以下この節において同じ。)及び被保険者の意見を反映させ、協会の業務の適正な運営を図るため、協会に運営委員会を置く。
2 運営委員会の委員は、九人以内とし、事業主、被保険者及び協会の業務の適正な運営に必要な学識経験を有する者のうちから、厚生労働大臣が各同数を任命する。
3 前項の委員の任期は、二年とする。
4 第七条の十二第一項ただし書及び第二項の規定は、運営委員会の委員について準用する。
【試験問題】健康保険法に関する次の記述について、適切か否か答えよ。
全国健康保険協会は、都道府県ごとの実情に応じた業務の適正な運営に資するため、支部ごとに運営委員会を設け、当該支部における業務の実施について運営委員会の意見を聴くものとする。 【解答】×
支部に設置されるのは評議会で、運営委員会は本部に設置されますので、解答×です。
運営委員会・・・協会に設置
委員は9人以内
事業主、被保険者、学識経験者から
厚労大臣が各同数を任命
評議会・・・・・支部ごとに設置
協会は評議会の意見を聞く
適用事業所の事業主、被保険者、
学識経験者の内から支部長が委嘱
(法7条の18、則2条の4)
第七条の十九 (運営委員会の職務)
次に掲げる事項については、理事長は、あらかじめ、運営委員会の議を経なければならない。
一 定款の変更
二 第七条の二十二第二項に規定する運営規則の変更
三 協会の毎事業年度の事業計画並びに予算及び決算
四 重要な財産の処分又は重大な債務の負担
五 第七条の三十五第二項に規定する役員に対する報酬及び退職手当の支給の基準の変更
六 その他協会の組織及び業務に関する重要事項として厚生労働省令で定めるもの
2 前項に規定する事項のほか、運営委員会は、理事長の諮問に応じ、又は必要と認める事項について、理事長に建議することができる。
3 前二項に定めるもののほか、運営委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。
第七条の二十 (委員の地位)
運営委員会の委員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第七条の二十一(評議会) 協会は、都道府県ごとの実情に応じた業務の適正な運営に資するため、支部ごとに評議会を設け、当該支部における業務の実施について、評議会の意見を聴くものとする。
2 評議会の評議員は、定款で定めるところにより、当該評議会が設けられる支部の都道府県に所在する適用事業所(第三十四条第一項に規定する一の適用事業所を含む。以下同じ。)の事業主及び被保険者並びに当該支部における業務の適正な実施に必要な学識経験を有する者のうちから、支部の長(以下「支部長」という。)が委嘱する。
第七条の二十二 (運営規則)
協会は、業務を執行するために必要な事項で厚生労働省令で定めるものについて、運営規則を定めるものとする。
2 理事長は、運営規則を変更しようとするときは、あらかじめ、厚生労働大臣に届け出なければならない。
第七条の二十三 (職員の任命)
協会の職員は、理事長が任命する。
第七条の二十四 (役員及び職員の公務員たる性質)
第七条の二十の規定は、協会の役員及び職員について準用する。
第七条の二十五 (事業年度) 協会の事業年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わる。
第七条の二十六 (企業会計原則) 協会の会計は、厚生労働省令で定めるところにより、原則として企業会計原則によるものとする。
第七条の二十七 (事業計画等の認可) 協会は、毎事業年度、事業計画及び予算を作成し、当該事業年度開始前に、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
第七条の二十八 (財務諸表等) 協会は、毎事業年度の決算を翌事業年度の五月三十一日までに完結しなければならない。
2 協会は、毎事業年度、貸借対照表、損益計算書、利益の処分又は損失の処理に関する書類その他厚生労働省令で定める書類及びこれらの附属明細書(以下「財務諸表」という。)を作成し、これに当該事業年度の事業報告書及び決算報告書(以下この条及び第二百十七条の二第四号において「事業報告書等」という。)を添え、監事及び次条第二項の規定により選任された会計監査人の意見を付けて、決算完結後二月以内に厚生労働大臣に提出し、その承認を受けなければならない。
3 財務諸表及び事業報告書等には、支部ごとの財務及び事業の状況を示すために必要な事項として厚生労働省令で定めるものを記載しなければならない。
4 協会は、第二項の規定による厚生労働大臣の承認を受けたときは、遅滞なく、財務諸表を官報に公告し、かつ、財務諸表及び事業報告書等並びに同項の監事及び会計監査人の意見を記載した書面を、各事務所に備えて置き、厚生労働省令で定める期間、一般の閲覧に供しなければならない。
【試験問題】健康保険法に関する次の記述について、適切か否か答えよ。全国健康保険協会(以下「協会」という。)の事業年度は、毎年4月1日に始まり、翌年3月31日に終わる。協会は、毎事業年度の決算を翌事業年度の5月31日までに完結し、作成した財務諸表に、事業報告書等を添え、監事及び会計監査人の意見を付けて、決算完結後2か月以内に厚生労働大臣に提出し、その承認を受けなければならない。 【解答】○
解答○です。
(事業年度)
第7条の25 協会の事業年度は、毎年4月1日に始まり、翌年3月31日に終わる(法7条の25)
(財務諸表等)
第7条の28 協会は、毎事業年度の決算を翌事業年度の5月31日までに完結しなければならない。
2 協会は、毎事業年度、貸借対照表、損益計算書、利益の処分又は損失の処理に関する書類その他厚生労働省令で定める書類及びこれらの附属明細書(以下「財務諸表」という)を作成し、これに当該事業年度の事業報告書及び決算報告書(以下「事業報告書等」という)を添え、監事及び会計監査人の意見を付けて、決算完結後2月以内に厚生労働大臣に提出し、その承認を受けなければならない。(法7条の28第1項、2項)
第七条の二十九 (会計監査人の監査)
協会は、財務諸表、事業報告書(会計に関する部分に限る。)及び決算報告書について、監事の監査のほか、会計監査人の監査を受けなければならない。
2 会計監査人は、厚生労働大臣が選任する。
3 会計監査人は、公認会計士(公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第十六条の二第五項に規定する外国公認会計士を含む。)又は監査法人でなければならない。
4 公認会計士法の規定により、財務諸表について監査をすることができない者は、会計監査人となることができない。
5 会計監査人の任期は、その選任の日以後最初に終了する事業年度の財務諸表についての厚生労働大臣の前条第二項の承認の時までとする。
6 厚生労働大臣は、会計監査人が次の各号のいずれかに該当するときは、その会計監査人を解任することができる。
一 職務上の義務に違反し、又は職務を怠ったとき。
二 会計監査人たるにふさわしくない非行があったとき。
三 心身の故障のため、職務の遂行に支障があり、又はこれに堪えないとき。
第七条の三十 (各事業年度に係る業績評価)
厚生労働大臣は、協会の事業年度ごとの業績について、評価を行わなければならない。
2 厚生労働大臣は、前項の評価を行ったときは、遅滞なく、協会に対し、当該評価の結果を通知するとともに、これを公表しなければならない。
【試験問題】次の説明は、健康保険の保険者に関する記述である。全国健康保険協会の理事長は全国健康保険協会の業績について事業年度ごとに評価を行い、当該評価の結果を遅滞なく、厚生労働大臣に対して通知するとともに、これを公表しなければならない。【解答】×
評価を行い、公表するのは、協会の理事長ではなく、「厚生労働大臣」である。
厚生労働大臣は協会の事業年度ごとの業務について評価しなければならない。厚生労働大臣は評価を行ったときは、遅滞なく、協会に対し、当該評価の結果を通知するとともに、これを公表しなげればならない。厚生労働大臣は、全国健康保険協会の事業年度ごとの業績について、評価を行わなければならず、評価を行ったときは、遅滞なく、全国健康保険協会に対し、当該評価の結果を通知するとともに、これを公表しなければならないことになっている。
よって、問題文は誤りとなる。(法7条の30)
「通知」とは、主に行政官庁から相手に物事を知らせる行為です。
協会が大臣に「通知」するというのは、なにか不遜な感じがします。
第七条の三十一 (借入金)
協会は、その業務に要する費用に充てるため必要な場合において、厚生労働大臣の認可を受けて、短期借入金をすることができる。
2 前項の規定による短期借入金は、当該事業年度内に償還しなければならない。ただし、資金の不足のため償還することができないときは、その償還することができない金額に限り、厚生労働大臣の認可を受けて、これを借り換えることができる。
3 前項ただし書の規定により借り換えた短期借入金は、一年以内に償還しなければならない。
【試験問題】次の説明は、健康保険法に関する記述である。全国健康保険協会は、その業務に要する費用に充てるため必要な場合において、運営委員会の議を経て短期借入金をすることができる。その場合、理事長はあらかじめ厚生労働大臣に協議をしなければならない。
【解答】×
全国健康保険協会は、その業務に要する費用に充てるため必要な場合において、「厚生労働大臣の認可」を受けて、短期借入金をすることができる。
(借入金)
第七条の三十一 協会は、その業務に要する費用に充てるため必要な場合において、厚生労働大臣の認可を受けて、短期借入金をすることができる。
法7条の31第1項
(借入金)
第62条 協会は、その業務に要する費用に充てるため必要な場合において、厚生労働大臣の認可を受けて、短期借入金をすることができる。
(参考)
2 前項の規定による短期借入金は、当該事業年度内に償還しなければならない。ただし、資金の不足のため償還することができないときは、その償還することができない金額に限り、厚生労働大臣の認可を受けて、これを借り換えることができる。
3 前項ただし書きの規定により借り換えた短期借入金は、1年以内に償還しなければならない。
全国健康保険協会定款第62条
参考(運営委員会)
被保険者を使用する適用事業所の事業主(以下「事業主」という。)及び被保険者の意見を反映させ、協会の業務の適正な運営を図るため、協会に運営委員会を置く
運営委員会の委員(以下「委員」という。)は、9人以内とする
2 委員は、事業主、被保険者及び協会の業務の適正な運営に必要な学識経験を有する者のうちから、厚生労働大臣が各同数を任命する
委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする
3 委員は、再任されることができる。(全国健康保険協会定款第18条、第19条、第20条)
全国健康保険協会は、その業務に要する費用に充てるため必要な場合において、厚生労働大臣の認可を受けて、短期借入金をすることができる。よって、短期借入金をするときは厚生労働大臣の認可を受ければよく、「運営委員会の議を経て」、「理事長はあらかじめ厚生労働大臣に協議」といったことは要件になく、問題文は誤りとなる。
法7条の31第1項
「厚生労働大臣の認可」を受けるだけでOKです。
短期借入金は、当該事業年度内に償還しなければならない。ただし、資金の不足のため償還することができないときは、その償還することができない金額に限り、厚生労働大臣の認可を受けて、これを借り換えることができる。なお、当該借り換える短期借入金は、【1年以内に】償還しなければならない(法7条の31、2項、3項)
【答】大臣の認可を受けて短期借入金することができる
★協会は「短期借入金」をすることができるが、当該事業年度内に償還しなければならない。できないときは、大臣の認可を受けて、1年以内に償還しなければならない。
(同様のものは組合になし)
★組合は準備金に属する現金を繰替使用し、又は一時借入金することができる。(当該会計年度内に返還しなければならない)(同様のものは協会になし)
(法7条31、令21条)
第七条の三十二 (債務保証)
政府は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律(昭和二十一年法律第二十四号)第三条の規定にかかわらず、国会の議決を経た金額の範囲内で、その業務の円滑な運営に必要があると認めるときは、前条の規定による協会の短期借入金に係る債務について、必要と認められる期間の範囲において、保証することができる。
第七条の三十三 (資金の運用)
協会の業務上の余裕金の運用は、政令で定めるところにより、事業の目的及び資金の性質に応じ、安全かつ効率的にしなければならない。
第七条の三十四(重要な財産の処分) 協会は、厚生労働省令で定める重要な財産を譲渡し、又は担保に供しようとするときは、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
第七条の三十五 (役員の報酬等)
協会の役員に対する報酬及び退職手当は、その役員の業績が考慮されるものでなければならない。
2 協会は、その役員に対する報酬及び退職手当の支給の基準を定め、これを厚生労働大臣に届け出るとともに、公表しなければならない。これを変更したときも、同様とする。
第七条の三十六 (職員の給与等)
協会の職員の給与は、その職員の勤務成績が考慮されるものでなければならない。
2 協会は、その職員の給与及び退職手当の支給の基準を定め、これを厚生労働大臣に届け出るとともに、公表しなければならない。これを変更したときも、同様とする。
第七条の三十七 (秘密保持義務)
協会の役員若しくは職員又はこれらの職にあった者は、健康保険事業に関して職務上知り得た秘密を正当な理由がなく漏らしてはならない。
2 前項の規定は、協会の運営委員会の委員又は委員であった者について準用する。
第七条の三十八 (報告の徴収等)
厚生労働大臣は、協会について、必要があると認めるときは、その事業及び財産の状況に関する報告を徴し、又は当該職員をして協会の事務所に立ち入って関係者に質問させ、若しくは実地にその状況を検査させることができる。
2 前項の規定によって質問又は検査を行う当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
3 第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
第七条の三十九 (監督)
厚生労働大臣は、協会の事業若しくは財産の管理若しくは執行が法令、定款若しくは厚生労働大臣の処分に違反していると認めるとき、確保すべき収入を不当に確保せず、不当に経費を支出し、若しくは不当に財産を処分し、その他協会の事業若しくは財産の管理若しくは執行が著しく適正を欠くと認めるとき、又は協会の役員がその事業若しくは財産の管理若しくは執行を明らかに怠っていると認めるときは、期間を定めて、協会又はその役員に対し、その事業若しくは財産の管理若しくは執行について違反の是正又は改善のため必要な措置を採るべき旨を命ずることができる。
– 2 協会又はその役員が前項の命令に違反したときは、厚生労働大臣は、協会に対し、期間を定めて、当該違反に係る役員の全部又は一部の解任を命ずることができる。
– 3 協会が前項の命令に違反したときは、厚生労働大臣は、同項の命令に係る役員を解任することができる。
第七条の四十 (解散) 協会の解散については、別に法律で定める。
第七条の四十一 (厚生労働省令への委任)
この法律及びこの法律に基づく政令に規定するもののほか、協会の財務及び会計その他協会に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。
第七条の四十二 (財務大臣との協議)
厚生労働大臣は、次の場合には、あらかじめ、財務大臣に協議しなければならない。
– 一 第七条の二十七、第七条の三十一第一項若しくは第二項ただし書又は第七条の三十四の規定による認可をしようとするとき。
– 二 前条の規定により厚生労働省令を定めようとするとき。
●健康保険法引っ越し 20条へ 3条へ 不明(要確認)
【試験問題】次の説明は、健康保険組合に関する記述である。健康保険組合の理事長は、組合会が成立しないとき、組合会の議決を経なければならない事項で緊急に行う必要があるものを処分することができるが、その場合には、次の組合会においてこれを報告し、その承認を求めなければならない。 【解答】○
組合会は、健康保険組合の事務に関する書類を検査し、理事若しくは監事の報告を請求し、又は事務の管理、議決の執行若しくは出納を検査することができる。 (健康保険法 20条)
4 理事長は、組合会が成立しないとき、又は理事長において緊急を要すると認めるときは、組合会の議決を経なければならない事項で緊急に行う必要があるものを処分することができる。
5 理事長は、前項の規定による処置については、次の組合会においてこれを報告し、その承認を求めなければならない。(健康保険法施行令 第7条4項、5項)
設問にある、【組合会】は、理事長が招集します。また、健康保険組合における【理事長】は、事業主が選出した組合会議員である理事のうちから、理事が選挙しますので、理事の半数を占めている【組合員互選組合会議員】の中から選出されることはあり得ません。
4 理事長は、組合会が成立しないとき、又は理事長において緊急を要すると認めるときは、組合会の議決を経なければならない事項で緊急に行う必要があるものを処分することができる。
5 理事長は、前項の規定による処置については、次の組合会においてこれを報告し、その承認を求めなければならない。
よって設問は○
なお、この規定は理事会の横暴を防ぎ、または緊急の場合に機宜を失しないように健康保険組合の事務を行わせるために設けられている。
(健康保険法施行令7条4項・5項)
【試験問題】次の説明は、被保険者及び被扶養者に関する記述である。特定労働者派遣事業を営む法人事業所に使用される派遣労働者が別の法人事業所に派遣された場合、当該派遣労働者はその派遣事業先への派遣期間にかかわらず、派遣元事業所の健康保険の適用を受ける。 【解答】○
特定労働者派遣事業に所属する派遣労働者は常用雇用型の労働者で、社会保険の適用に関しては派遣元事業所を適用事業所として通常の労働者と同様に取り扱われる。(法3条 H14.4.24保保発0424001号・庁保発24号)
【試験問題】「政府または地方公共団体の職員(非常勤の者を除く。)は、全国健康保険協会の役員となることは出来ない。ただし、厚生労働大臣の承認を受けたときは、この限りではない。」【解答】×
解答は、ただし・・・い?以下が間違いで、×です。
【試験問題】全国健康保険協会に、役員として、理事長1人、理事6人以内及び監事2人が置かれている。【解答】○
協会に、役員として、理事長1人、理事6人以内及び監事2人を置く。理事長及び監事は、厚生労働大臣が任命する。理事は理事長が任命する。
理事長と幹事は厚生労働大臣が任命。(運営委員会の意見を聞いて)
理事は理事長が任命。(任命したら遅滞なく厚生労働大臣に届け出、その後公表)
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