第三節 健康保険組合
第八条 (組織)
健康保険組合は、適用事業所の事業主、その適用事業所に使用される被保険者及び任意継続被保険者をもって組織する。
【試験問題】次の説明は、保険者に関する記述である。
健康保険組合は、適用事業所の事業主、その適用事業所に使用される被保険者、任意継続被保険者及び日雇特例被保険者で組織される。 【解答】×
健康保険組合は、適用事業所の事業主、その適用事業所に使用される被保険者及び任意継続被保険者をもって組織する。 (健康保険法 8条)
健康保険組合は、事業主、被保険者、任意継続被保険者で組織される。日雇特例被保険者は含まない。特定健康保険組合であるときは、「特例退職被保険者」も含む。
(組織)
健康保険組合は、適用事業所の事業主、その適用事業所に使用される被保険者及び任意継続被保険者をもって組織する。
健康保険法 第三節 第八条
日雇特例被保険者の保険者は全国健康保険協会のみ。したがって、日雇特例被保険者は、健康保険組合の組合員ではない。
設問の解答は、×です。日雇特例被保険者が健康保険組合のある事業所で使用される場合には、健康保険組合の被保険者となることはできません。
健康保険組合は、適用事業所の事業主、その適用事業所に使用される被保険者及び任意継続被保険者をもって組織するとされており、日雇特例被保険者は含まれない。
なお、日雇特例被保険者の保険の保険者は、政府としその事務は社会保険庁長官が行うことになっている。(法123条)
法8条
【試験問題】次の説明は、健康保険組合に関する記述である。日雇特例被保険者が健康保険組合のある事業所で使用される場合、健康保険組合の被保険者となることはできない。【解答】?
第九条 (法人格) 健康保険組合は、法人とする。
– 2 健康保険組合の住所は、その主たる事務所の所在地にあるものとする。
第十条 (名称)
健康保険組合は、その名称中に健康保険組合という文字を用いなければならない。
– 2 健康保険組合でない者は、健康保険組合という名称を用いてはならない。
第十一条 (設立)
一又は二以上の適用事業所について常時政令で定める数以上の被保険者を使用する事業主は、当該一又は二以上の適用事業所について、健康保険組合を設立することができる。
– 2 適用事業所の事業主は、共同して健康保険組合を設立することができる。この場合において、被保険者の数は、合算して常時政令で定める数以上でなければならない。
第十二条 適用事業所の事業主は、健康保険組合を設立しようとするときは、健康保険組合を設立しようとする適用事業所に使用される被保険者の二分の一以上の同意を得て、規約を作り、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
– 2 二以上の適用事業所について健康保険組合を設立しようとする場合においては、前項の同意は、各適用事業所について得なければならない。
第十三条 第三十一条第一項の規定による認可の申請と同時に健康保険組合の設立の認可の申請を行う場合にあっては、前二条中「適用事業所」とあるのは「適用事業所となるべき事業所」と、「被保険者」とあるのは「被保険者となるべき者」とする。
第十四条 厚生労働大臣は、一又は二以上の適用事業所(第三十一条第一項の規定によるものを除く。)について常時政令で定める数以上の被保険者を使用する事業主に対し、健康保険組合の設立を命ずることができる。
– 2 前項の規定により健康保険組合の設立を命ぜられた事業主は、規約を作り、その設立について厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
第十五条 (成立の時期)
健康保険組合は、設立の認可を受けた時に成立する。
第十六条 (規約)
健康保険組合は、規約において、次に掲げる事項を定めなければならない。
– 一 名称
– 二 事務所の所在地
– 三 健康保険組合の設立に係る適用事業所の名称及び所在地
– 四 組合会に関する事項
– 五 役員に関する事項
– 六 組合員に関する事項
– 七 保険料に関する事項
– 八 準備金その他の財産の管理に関する事項
– 九 公告に関する事項
– 十 前各号に掲げる事項のほか、厚生労働省令で定める事項
– 2 前項の規約の変更(厚生労働省令で定める事項に係るものを除く。)は、厚生労働大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
– 3 健康保険組合は、前項の厚生労働省令で定める事項に係る規約の変更をしたときは、遅滞なく、これを厚生労働大臣に届け出なければならない。
16条3項 則44条、則170条
【試験問題】
次の説明は、届出等に関する記述である。
特例退職被保険者は、氏名又は住所を変更したときは、5日以内に、変更前及び変更後の氏名又は住所を特定健康保険組合に届け出なければならない。【解答】○
解答○
健康保険組合は、前項の厚生労働省令で定める事項に係る規約の変更をしたときは、遅滞なく、これを厚生労働大臣に届け出なければならない。
氏名や住所を変更したときは、「任意継続被保険者」に関する規定が準用され「特例退職被保険者氏名・住所変更届」を5日以内に届け出なければならないことになっています。
2-1 16条3項 則44条、則170条
【試験問題】
次の説明は、被保険者が保険者にする届出に関する記述である。
被保険者が保険者に届書を5日以内に提出しなければならない事項は、①被扶養者の届出、②2以上の事業所勤務の届出、③任意継続被保険者の氏名又は住所の変更の届出などがある。 2010年度(平成22年度)【解答】×
解答×
被保険者が保険者に5日以内にする届出の関連問題ですが、②以上の事業所勤務の届出は「10日以内」なので、×です。
【試験問題】次の説明は、保険者の届出等に関する記述である。健康保険組合は、規約に定めてある事務所の所在地を変更したときは、遅滞なく、厚生労働大臣に届け出て認可を受けなければならない。 【解答】×
認可までは不要。「届け出なければならない」。(規約)第十六条 3 健康保険組合は、前項の厚生労働省令で定める事項に係る規約の変更をしたときは、遅滞なく、これを厚生労働大臣に届け出なければならない。(認可を要しない規約の変更)第六条 法第十六条第二項の厚生労働省令で定める事項は、次のとおりとする。三 法第八十四条第二項ただし書又は第三項の規定により、支払うべき一部負担金を減額し、若しくはその支払を要しないものとし、又は一部負担金を支払わせることとした病院若しくは診療所又は薬局の名称及び所在地 法16条3項 則6条 【規約】・【定款】の変更は【原則】として、【大臣】への【届出・認可】が必要。例外は以下の通り。【定款】協会 ㋑事務所の所在地の変更 【規約】組合 ㋑事務所の所在地の変更 ㋺組合設立に係る適用事業所の名称及び所在地 ㋩一部負担金の減免等の措置をした病院・診療所・薬局等の名称及び所在地 ㋥予備費の費途 以上の事項は【認可不要】。㋑に関しては協会・組合双方ともに認可不要ですから、問われやすいかもしれません。
法7条の6、法16条、則2条の3、則6条
第十七条 (組合員)
健康保険組合が設立された適用事業所(以下「設立事業所」という。)の事業主及びその設立事業所に使用される被保険者は、当該健康保険組合の組合員とする。
– 2 前項の被保険者は、当該設立事業所に使用されなくなったときであっても、任意継続被保険者であるときは、なお当該健康保険組合の組合員とする。
【試験問題】次の説明は、健康保険組合に関する記述である。健康保険組合が成立したときは、事業主及び事業主に雇用されている被保険者はすべて健康保険組合の組合員となるが、任意継続被保険者は組合員とはならない。 【解答】×
前項の被保険者は、当該設立事業所に使用されなくなったときであっても、任意継続被保険者であるときは、なお当該健康保険組合の組合員とする。 (健康保険法 17条2項)設立事業所の事業主、その設立事業所に使用される被保険者及び任意継続被保険者は、当該健康保険組合の組合員とする。法17条 「日雇特例被保険者」については、協会のみがその保険の保険者となり、健康保険組合が保険者となることはありません。(組合員)第十七条 健康保険組合が設立された適用事業所(以下「設立事業所」という。)の事業主及びその設立事業所に使用される被保険者は、当該健康保険組合の組合員とする。2 前項の被保険者は、当該設立事業所に使用されなくなったときであっても、任意継続被保険者であるときは、なお当該健康保険組合の組合員とする。健康保険法 第17条
健康保険組合は、次の三者で組織する。1.適用事業所の事業主 2.その適用事業所に使用される被保険者 3.任継族被保険者
【任意継続被保険者】の資格を取得するためには、被保険者の資格を喪失した日から【20日以内】に申出をしなければなりません。また、【任意継続被保険者】となった日から起算して【2年経過した日の翌日】に資格喪失します。
健康保険組合の【任意継続被保険者】は、組合員となります。また、健康保険組合が特定健康保険組合である場合には、【特例退職被保険者】も組合員となります(法附則3条6項)が、日雇特例被保険者は組合員になれません。また、健康保険組合は、【法人】です(法9条)。
日雇特例被保険者の保険者が協会のみ、という規定と混乱するかもしれませんね。任意継続被保険者の保険者は資格喪失時の保険者(協会又は組合)です。資格喪失前に組合員であった者が任意継続被保険となっても、組合員の地位は失わないとあります。
また、組合は、事業主・被保険者及び任意継続被保険者により組織されるとありますから、設問のケースでも当然に組合員となります。法17条 関連問題 次の説明は、保険者に関する記述である。
健康保険組合は、適用事業所の事業主、その適用事業所に使用される被保険者、任意継続被保険者及び日雇特例被保険者で組織される。
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