第十六条(基本手当の日額)
基本手当の日額は、賃金日額に百分の五十(二千三百二十円以上四千六百四十円未満の賃金日額(その額が第十八条の規定により変更されたときは、その変更された額)については百分の八十、四千六百四十円以上一万千七百四十円以下の賃金日額(その額が同条の規定により変更されたときは、その変更された額)については百分の八十から百分の五十までの範囲で、賃金日額の逓増に応じ、逓減するように厚生労働省令で定める率)を乗じて得た金額とする。
2 受給資格に係る離職の日において六十歳以上六十五歳未満である受給資格者に対する前項の規定の適用については、同項中「百分の五十」とあるのは「百分の四十五」と、「四千六百四十円以上一万千七百四十円以下」とあるのは「四千六百四十円以上一万五百七十円以下」とする。
第十七条 (賃金日額) 賃金日額は、算定対象期間において第十四条(第一項ただし書を除く。)の規定により被保険者期間として計算された最後の六箇月間に支払われた賃金(臨時に支払われる賃金及び三箇月を超える期間ごとに支払われる賃金を除く。次項及び第六節において同じ。)の総額を百八十で除して得た額とする。
2 前項の規定による額が次の各号に掲げる額に満たないときは、賃金日額は、同項の規定にかかわらず、当該各号に掲げる額とする。
一 賃金が、労働した日若しくは時間によつて算定され、又は出来高払制その他の請負制によつて定められている場合には、前項に規定する最後の六箇月間に支払われた賃金の総額を当該最後の六箇月間に労働した日数で除して得た額の百分の七十に相当する額
二 賃金の一部が、月、週その他一定の期間によつて定められている場合には、その部分の総額をその期間の総日数(賃金の一部が月によつて定められている場合には、一箇月を三十日として計算する。)で除して得た額と前号に掲げる額との合算額
3 前二項の規定により賃金日額を算定することが困難であるとき、又はこれらの規定により算定した額を賃金日額とすることが適当でないと認められるときは、厚生労働大臣が定めるところにより算定した額を賃金日額とする。
4 前三項の規定にかかわらず、これらの規定により算定した賃金日額が、第一号に掲げる額を下るときはその額を、第二号に掲げる額を超えるときはその額を、それぞれ賃金日額とする。
一 二千三百二十円(その額が次条の規定により変更されたときは、その変更された額)
二 次のイからニまでに掲げる受給資格者の区分に応じ、当該イからニまでに定める額(これらの額が次条の規定により変更されたときは、それぞれその変更された額)
イ 受給資格に係る離職の日において六十歳以上六十五歳未満である受給資格者 一万五千二十円
ロ 受給資格に係る離職の日において四十五歳以上六十歳未満である受給資格者 一万五千七百三十円
ハ 受給資格に係る離職の日において三十歳以上四十五歳未満である受給資格者 一万四千三百円
ニ 受給資格に係る離職の日において三十歳未満である受給資格者 一万二千八百七十円
【試験問題】基本手当の支給に関する次の記述について、適切か否か答えよ。なお、以下において「賃金日額」とは雇用保険法第17条に規定する賃金日額であり、「算定基礎期間」とは雇用保険法第22条第3項に規定する算定基礎期間のことである。
基本手当の受給資格に係る離職の日において55歳であって算定基礎期間が25年である者が特定受給資格者である場合、基本手当の受給期間は基準日の翌日から起算して1年に30日を加えた期間となる。 【解答】○
【受給期間】
原則 1年
所定給付日数が360日の受給資格者 1年+60日
所定給付日数が330日の受給資格者 1年+30日
本件は算定基礎期間25年、55歳⇒所定給付日数「330日」(法20条)
【試験問題】次の説明は、賃金日額及び基本手当の日額に関する記述である。なお、本問においては、短期雇用特例被保険者、日雇労働被保険者及び船員法第1条に規定する船員である被保険者は含めないものとする。
賃金日額の計算に当たり、家族手当、通勤手当及び住宅手当は、すべて賃金総額から除外されるので、それらの多寡によって基本手当の日額が異なることはない。【解答】×
賃金総額から除外されるのは、「臨時に支払われる賃金」及び「3か月を超える期間ごとに支払われる賃金」である。賃金日額の算定の基礎となる賃金は、被保険者として雇用された期間に対するものとして、同期間中に事業主の支払義務が確定した賃金とされているため、家族手当、通勤手当及び住宅手当等も賃金総額に含まれる。(賃金総額から除外されるのは、臨時に支払われる賃金及び3か月を超える期間ごとに支払われる賃金である。)よって問題文は誤り。(法17条1項)
家族手当、通勤手当及び住宅手当等を賃金から除外するのは、労働基準法の割増賃金の計算の基礎として算入するときです。仕事とは関係ない事や、時期によって割増率が大きく違うというのは不公平ということです。(労働基準法施行規則21条)
【試験問題】雇用保険法に定める賃金に関する次の記述について、適切か否か答えよ。
賃金日額の最高限度額は45歳以上60歳未満が最も高いが、最低限度額は年齢に関わりなく一律である。 【解答】○
(賃金日額の下限額)
原則額又は例外額が2300円に満たないとき⇒2300円(年齢に関わりなく一律)
(賃金日額の上限額)
60歳以上65歳未満⇒14910円
45歳以上60歳未満⇒15610円
30歳以上45歳未満⇒14200円
30歳未満⇒12780円
*平成26年8月1日~平成27年7月31日までの間に適用
(雇用保険法17条4項、平成26年7月15日厚労告第289号)
【試験問題】次の説明は、基本手当の日額の計算に関する記述である。
毎年2回、6月と12月に業績に応じて支払われる賞与は、就業規則に明確な規定がある場合であっても賃金日額の計算から除外されるので、その額の多寡により基本手当の日額が異なることはない。 【解答】○
本問判断の根拠となる条文は以下のものです。「賃金日額は、算定対象期間において第14条の規定により被保険者期間として計算された最後の6箇月間に支払われた賃金(臨時に支払われる賃金および3箇月を超える期間ごとに支払われる賃金を除く)の総額を180で除して得た額とする。」との規定があり、「3箇月を超える期間ごとに支払われる賃金を除く」との規定からして問題文の「毎年2回、6月と12月に業績に応じて支払われる賞与」は除いて計算することになるので、本問対する回答は「○」です。(雇用保険法第17条)
第十八条(基本手当の日額の算定に用いる賃金日額の範囲等の自動的変更)
厚生労働大臣は、年度(四月一日から翌年の三月三十一日までをいう。以下同じ。)の平均給与額(厚生労働省において作成する毎月勤労統計における労働者の平均定期給与額を基礎として厚生労働省令で定めるところにより算定した労働者一人当たりの給与の平均額をいう。以下同じ。)が平成二十一年四月一日から始まる年度(この条の規定により自動変更対象額が変更されたときは、直近の当該変更がされた年度の前年度)の平均給与額を超え、又は下るに至つた場合においては、その上昇し、又は低下した比率に応じて、その翌年度の八月一日以後の自動変更対象額を変更しなければならない。
2 前項の規定により変更された自動変更対象額に五円未満の端数があるときは、これを切り捨て、五円以上十円未満の端数があるときは、これを十円に切り上げるものとする。
3 前二項の「自動変更対象額」とは、第十六条第一項(同条第二項において読み替えて適用する場合を含む。)の規定による基本手当の日額の算定に当たつて、百分の八十を乗ずる賃金日額の範囲となる同条第一項に規定する二千三百二十円以上四千六百四十円未満の額及び百分の八十から百分の五十までの範囲の率を乗ずる賃金日額の範囲となる同項に規定する四千六百四十円以上一万千七百四十円以下の額並びに前条第四項各号に掲げる額をいう。
【試験問題】次の説明は、労働保険料の手続(労働保険事務組合に委託した場合を除く。)に関する記述である。納付すべき概算保険料の額が40万円以上である継続事業において、保険関係が6月8日に成立した場合は、その成立の日から7月31日までを最初の期として、当該納付すべき保険料の延納をすることができるが、2月10日に成立した場合は、当該年度の概算保険料は延納することができない。 【解答】×
・継続事業の1期目(前年度から保険関係が継続している場合)⇒6/1から起算して40日以内(7/10)前年度からの継続事業なので翌日起算にはならない。
・継続事業の1期目(年度の途中に保険間期が成立)⇒保険関係成立日の翌日から起算して50日以内
・有期事業の1期目⇒保険関係成立の翌日から起算して20日以内。
年度の途中に保険関係が成立した場合、保険関係成立日が4月1日から5月31日までの場合は3回に分けて概算保険料を延納することができ、それぞれの納期限は、最初の期分(保険関係成立日から7月31日)の納期限(保険関係成立日の翌日から起算して50日以内)、第2の期分(8月1日から11月30日)の納期限(10月31日)、第3の期分(12月1日から翌年3月31日)の納期限(1月31日)となっており、保険関係成立日が6月1日から9月30日の場合は2回に分けて概算保険料を延納することができ、それぞれの納期限は、最初の期分(保険関係成立日から11月30日)の納期限(保険関係成立日の翌日から起算して50日以内)、第2の期分(12月1日から翌年3月31日)の納期限(1月31日)となっている。
しかし、保険関係成立日が10月1日以後の場合は延納することができないこととされている。
よって、保険関係が6月8日に成立した場合の最初の期は6月8日から11月30日までとなり、「その成立の日から7月31日までを最初の期」とした問題文はあやまりである。
なお、保険関係が2月10日に成立した場合は、延納することができず、その点は正解である。
(法18条、則27条1項)
前段の
『保険関係が6月8日に成立した場合は、その成立の日から7月31日までを最初の期として』、当該納付すべき保険料の延納をすることができる。は誤り
正しくは、【保険関係が6月8日に成立した場合は、その成立の日から11月30日までを最初の期として】、当該納付すべき保険料を延納することができる。となる
後段の
【保険関係が2月10日に成立した場合は、延納することができない】は正しい
よって問題文は誤りとなる。(法18条、則27条1項)
【試験問題】次の説明は、労働保険事務組合(以下「事務組合」という。)に関する記述である。労災保険及び雇用保険の保険関係が保険年度当初に共に成立している継続事業については、納付すべき概算保険料の額が40万円以上でなければ、延納をすることができないが、労働保険事務の処理を事務組合に委託している場合には、概算保険料の額の如何にかかわらず延納することができる。【解答】?
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