(保険医療機関又は保険薬局の指定の更新)
第六十八条 第六十三条第三項第一号の指定は、指定の日から起算して六年を経過したときは、その効力を失う。
2 保険医療機関(第六十五条第二項の病院及び診療所を除く。)又は保険薬局であって厚生労働省令で定めるものについては、前項の規定によりその指定の効力を失う日前六月から同日前三月までの間に、別段の申出がないときは、同条第一項の申請があったものとみなす。
【試験問題】次の説明は、保険医療機関等に関する記述である。保険医療機関又は保険薬局が保険医療機関又は保険薬局であることを辞退する場合は、1か月以上の予告期間を設けなければならない。 【解答】○
保険医療機関又は保険薬局は、一月以上の予告期間を設けて、その指定を辞退することができる。 (健康保険法 79条)
1月以上の予告期間を設けることにより、
① 保健医療機関又は保険薬局は、指定を辞退することができる。
② 保険医又は保険薬剤師は登録の抹消を求めることができる。
健康保険法における規定は、次ぎのとおり第79条に定めがあります。
(保険医療機関等の指定の辞退又は保険医等の登録の抹消)
第79条 保険医療機関又は保険薬局は、1月以上の予告期間を設けて、その指定を辞退することができる。
2 保険医又は保険薬剤師は、1月以上の予告期間を設けて、その登録の抹消を求めることができる。
関連問題です。
22年度本試験問7Dは次のとおりでした。
「保険医療機関または保険薬局は、3ヶ月以上の予告期間を設けて、その指定を辞退することができ、又その登録の抹消を求める事ができる。」解答は、×です。
設問の規定のほか、「保険医・保険薬剤師の登録の抹消」についても、法79条2項により【1月以上の予告期間】を設けることが定められています。
法79条2項 保険医又は保険薬剤師は、1月以上の予告期間を設けて、その登録の抹消を求めることができる。
保健医療機関等の指定は、指定の日から起算して6年を経過したとき、その効力を失う。
ただし、いわゆる個人開業医や個人薬局等については、指定の効力を失う日前6ヵ月から3ヵ月までの間に、別段の申し出がないときは、指定の申請があったとみなされ更新が行われる。
[自説の根拠]法68条
【試験問題】次の説明は、保険医療機関等に関する記述である。健康保険組合の開設する病院若しくは診療所又は薬局は、保険医療機関等としての指定を受けていなくても、療養の給付を行うことができる場合がある。【解答】?
(保険医療機関又は保険薬局のみなし指定)
第六十九条 診療所又は薬局が医師若しくは歯科医師又は薬剤師の開設したものであり、かつ、当該開設者である医師若しくは歯科医師又は薬剤師のみが診療又は調剤に従事している場合において、当該医師若しくは歯科医師又は薬剤師について第六十四条の登録があったときは、当該診療所又は薬局について、第六十三条第三項第一号の指定があったものとみなす。ただし、当該診療所又は薬局が、第六十五条第三項又は第四項に規定する要件に該当する場合であって厚生労働大臣が同号の指定があったものとみなすことが不適当と認められるときは、この限りでない。
69条
【試験問題】次の説明は、療養の給付を担当する医療機関等に関する記述である。診療所が医師の開設したものであり、かつ開設者である医師のみが診療に従事している場合は、当該事実をもってただちに保険医療機関の指定があったものとみなされる。 【解答】×
当該事実をもって直ちにではなく、その医師が保険医として厚生労働大臣の「登録」を受けたときに、保健医療機関としての指定があったものとみなされる。診療所でもベット数によって、自動更新ではなく、指定を受けなおす必要があったように記憶してます。◎(保険医療機関等みなし指定)第六十九条…医師若しくは歯科医師又は薬剤師について第六十四条の登録があったときは…指定があったものとみなす…◎指定の更新 第六十八条…指定の日から起算して六年を経過したときは、その効力を失う。2 保険医療機関(六十五条第二項の病院及び診療所を除く。)又は保険薬局であって…指定の効力を失う日前六月から同日前三月までの間に、別段の申出がないときは、同条第一項の申請があったものとみなす。個人開業医および個人薬局については、保険医または保険薬剤師の登録があれば重ねて保険医療機関等の指定手続きをする必要はないので、事務手続きの簡素化を図るため、保険医等の登録があった時には、保険医療機関等の指定があったとみなすこととされている。よって、「当該事実をもってただちに保険医療機関の指定があったものとみなされる。」とした問題文が誤り。法69条
(保険医療機関又は保険薬局の責務)
第七十条 保険医療機関又は保険薬局は、当該保険医療機関において診療に従事する保険医又は当該保険薬局において調剤に従事する保険薬剤師に、第七十二条第一項の厚生労働省令で定めるところにより、診療又は調剤に当たらせるほか、厚生労働省令で定めるところにより、療養の給付を担当しなければならない。
2 保険医療機関又は保険薬局は、前項(第八十五条第九項、第八十五条の二第五項、第八十六条第四項、第百十条第七項及び第百四十九条において準用する場合を含む。)の規定によるほか、船員保険法、国民健康保険法、国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号。他の法律において準用し、又は例による場合を含む。)又は地方公務員等共済組合法(以下「この法律以外の医療保険各法」という。)による療養の給付並びに被保険者及び被扶養者の療養並びに高齢者の医療の確保に関する法律による療養の給付、入院時食事療養費に係る療養、入院時生活療養費に係る療養及び保険外併用療養費に係る療養を担当するものとする。
(保険医又は保険薬剤師の登録)
第七十一条 第六十四条の登録は、医師若しくは歯科医師又は薬剤師の申請により行う。
2 厚生労働大臣は、前項の申請があった場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、第六十四条の登録をしないことができる。
一 申請者が、この法律の規定により保険医又は保険薬剤師に係る第六十四条の登録を取り消され、その取消しの日から五年を経過しない者であるとき。
二 申請者が、この法律その他国民の保健医療に関する法律で政令で定めるものの規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者であるとき。
三 申請者が、禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者であるとき。
四 前三号のほか、申請者が、保険医又は保険薬剤師として著しく不適当と認められる者であるとき。
3 厚生労働大臣は、保険医又は保険薬剤師に係る第六十四条の登録をしないこととするときは、地方社会保険医療協議会の議を経なければならない。
4 第一項又は第二項に規定するもののほか、保険医及び保険薬剤師に係る第六十四条の登録に関して必要な事項は、政令で定める。
(保険医又は保険薬剤師の責務)
第七十二条 保険医療機関において診療に従事する保険医又は保険薬局において調剤に従事する保険薬剤師は、厚生労働省令で定めるところにより、健康保険の診療又は調剤に当たらなければならない。
2 保険医療機関において診療に従事する保険医又は保険薬局において調剤に従事する保険薬剤師は、前項(第八十五条第九項、第八十五条の二第五項、第八十六条第四項、第百十条第七項及び第百四十九条において準用する場合を含む。)の規定によるほか、この法律以外の医療保険各法又は高齢者の医療の確保に関する法律による診療又は調剤に当たるものとする。
(厚生労働大臣の指導)
第七十三条 保険医療機関及び保険薬局は療養の給付に関し、保険医及び保険薬剤師は健康保険の診療又は調剤に関し、厚生労働大臣の指導を受けなければならない。
2 厚生労働大臣は、前項の指導をする場合において、必要があると認めるときは、診療又は調剤に関する学識経験者をその関係団体の指定により指導に立ち会わせるものとする。ただし、関係団体が指定を行わない場合又は指定された者が立ち会わない場合は、この限りでない。
5 73条
次の説明は、療養の給付に関する記述である。
災害救助法の指定地区で健康保険の被保険者が被災し医療を必要とするときは、健康保険の療養の給付が優先し、災害救助法による救助は健康保険の給付の及ばないものに限られる。 2000年度(平成12年度)
解答 ×
保険医療機関及び保険薬局は療養の給付に関し、保険医及び保険薬剤師は健康保険の診療又は調剤に関し、厚生労働大臣の指導を受けなければならない。 (健康保険法 73条)
【公費負担で医療を受ける場合の調整】
同一の疾病または負傷について、他の法令に基づいて公費で療養の給付を受け、または療養費の支給を受けた場合には、その限度において健康保険からの給付は行われない
<災害救助法との調整>
災害救助法が優先される
<生活保護法との調整>
健康保険が優先される
(法55条)
参考 災害救助法
自然災害による①多数の住家の危害②生命・身体への危害③罹災者の救護を著しく困難とする特別の事情がある場合で、かつ、多数の世帯の住家が滅失した状態、 またはそれを生じるおそれをもたらす被害が発生した被災地に、都道府県が適用し、自衛隊や日本赤十字社に対して応急的な救助の要請、調整、費用の負担を行う。
費用は、原則として各都道府県が負担し、都道府県の財政力に応じて国が負担する
平成23年東北地方太平洋沖地震にかかる災害救助法の適用 第11報まで適用地域が指定されてる
(]厚生労働省 平成23年3月24日 社会・援護局総務課災害救助・救援対策室)
災害時はあくまでも非常時。
各人の健康保険に加入しているかどうか等を調べている暇はないだろう。
→災害にあった人はとりあえずみんな適用!まずは人命優先!
関連問題
次の説明は、併給調整、給付制限等に関する記述である。
災害救助法の規定により、被災者の医療について公費負担が行われた時は、その限度において健康保険の保険給付は行われない。
(一部負担金)
第七十四条 第六十三条第三項の規定により保険医療機関又は保険薬局から療養の給付を受ける者は、その給付を受ける際、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該給付につき第七十六条第二項又は第三項の規定により算定した額に当該各号に定める割合を乗じて得た額を、一部負担金として、当該保険医療機関又は保険薬局に支払わなければならない。
一 七十歳に達する日の属する月以前である場合 百分の三十
二 七十歳に達する日の属する月の翌月以後である場合(次号に掲げる場合を除く。) 百分の二十
三 七十歳に達する日の属する月の翌月以後である場合であって、政令で定めるところにより算定した報酬の額が政令で定める額以上であるとき 百分の三十
2 保険医療機関又は保険薬局は、前項の一部負担金(第七十五条の二第一項第一号の措置が採られたときは、当該減額された一部負担金)の支払を受けるべきものとし、保険医療機関又は保険薬局が善良な管理者と同一の注意をもってその支払を受けることに努めたにもかかわらず、なお療養の給付を受けた者が当該一部負担金の全部又は一部を支払わないときは、保険者は、当該保険医療機関又は保険薬局の請求に基づき、この法律の規定による徴収金の例によりこれを処分することができる。
10 74条
次の説明は、保険給付に関する記述である。
標準報酬月額の随時改定により標準報酬月額が変更になり、一部負担金の負担割合が変更する場合、負担割合が変更になるのは、改定後の標準報酬月額が適用される月からである。 2010年度(平成22年度)
解答○
随時改定により標準報酬月額が変更になり、負担割合も変更する者について、負担割合が変更になるのは、改定後の標準報酬月額が適用される月からとされている。
よって問題文は正解。
上記の補足
設問の平成22年健保-第2問については、誤った選択肢を択一すべきところ、該当する選択肢がなかったため、採点に当たっては、全員正解として採点する旨、社会保険労務士試験センターから発表があった。(法74条、平成14年9月27日保保発0927007号・庁保険発34号)
第七十五条 前条第一項の規定により一部負担金を支払う場合においては、同項の一部負担金の額に五円未満の端数があるときは、これを切り捨て、五円以上十円未満の端数があるときは、これを十円に切り上げるものとする。
(一部負担金の額の特例)
第七十五条の二 保険者は、災害その他の厚生労働省令で定める特別の事情がある被保険者であって、保険医療機関又は保険薬局に第七十四条第一項の規定による一部負担金を支払うことが困難であると認められるものに対し、次の措置を採ることができる。
一 一部負担金を減額すること。
二 一部負担金の支払を免除すること。
三 保険医療機関又は保険薬局に対する支払に代えて、一部負担金を直接に徴収することとし、その徴収を猶予すること。
2 前項の措置を受けた被保険者は、第七十四条第一項の規定にかかわらず、前項第一号の措置を受けた被保険者にあってはその減額された一部負担金を保険医療機関又は保険薬局に支払うをもって足り、同項第二号又は第三号の措置を受けた被保険者にあっては一部負担金を保険医療機関又は保険薬局に支払うことを要しない。
3 前条の規定は、前項の場合における一部負担金の支払について準用する。
4 75条
次の説明は、保険医療機関等に関する記述である。
保険医療機関は、被保険者が低所得者であることを課税証明書によって確認できたとしても、患者一部負担金を減免することはできない。 2002年度(平成14年度)
解答○
保険者は、災害その他の厚生労働省令で定める特別の事情がある被保険者であって、保険医療機関又は保険薬局に第七十四条第一項の規定による一部負担金を支払うことが困難であると認められるものに対し、次の措置を採ることができる。
3号 保険医療機関又は保険薬局に対する支払に代えて、一部負担金を直接に徴収することとし、その徴収を猶予すること。 (健康保険法 75条の2第1項3号)
一部負担金の減免をできるのは「保健医療機関」ではなく。【保険者】ですね。
【保険者】が一部負担金の減免等できる規定は法75条の2で、次のとおり【減額】【免除】【猶予】の三種類が定められています。
第75条の2 保険者は、災害その他の厚生労働省令で定める特別の事情がある被保険者であって、・・・一部負担金を支払うことが困難であると認められるものに対し、次の措置を採ることができる。
1.一部負担金を減額すること。
2.一部負担金の支払を免除すること。
3.保険医療機関又は保険薬局に対する支払に代えて、一部負担金を直接に徴収することとし、その徴収を猶予すること。
一部負担金を【免除】【減額】【猶予】するのは【保険者】であり【保険医療機関】ではない!
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【試験問題】次の説明は、健康保険法に関する記述である。
保険者は、災害その他の厚生労働省令で定める特別な事情がある被保険者であって、療養の給付に伴う一部負担金を支払うことが困難であると認められるものに対し、一部負担金の減額、免除等の措置を採ることができる。【解答】○
保険者は、災害その他の厚生労働省令で定める特別の事情がある被保険者であって、保険医療機関又は保険薬局に第七十四条第一項の規定による一部負担金を支払うことが困難であると認められるものに対し、次の措置を採ることができる。 (健康保険法 75条の2)
(一部負担金の額の特例)
第七十五条の二 保険者は、災害その他の厚生労働省令で定める特別の事情がある被保険者であって、保険医療機関又は保険薬局に第七十四条第一項の規定による一部負担金を支払うことが困難であると認められるものに対し、次の措置を採ることができる。
一 一部負担金を減額すること。
二 一部負担金の支払を免除すること。
三 保険医療機関又は保険薬局に対する支払に代えて、一部負担金を直接に徴収することとし、その徴収を猶予すること。
よって問題文は正解となる。
[自説の根拠]健康保険法 第75条の2
設問のとおり、一部負担金の【減額】、【免除】及び【猶予】の措置を採れるのは、「保険者」です。「保険医療機関」や「保険薬局」がこれらの措置をとることはできません。
参考 東日本大震災に関して一部負担金等の免除及び診療報酬の請求について
・以下の方については、 一部負担金等を徴収せず、患者負担分を含め診療に要する費用の全額を審査支払機関に請求。
(1)災害救助法が適用されている被災地域(東京都を除く)の住民(地震発生後、他の市町村に転出された者を含む)であり、
(2)以下の申し立てを行った者
厚生労働省
1.住宅が全半壊、全半焼又はこれに準ずる被災
2.主たる生計維持者が死亡したり、重篤な傷病を負った
3.主たる生計維持者が行方不明
4.主たる生計維持者が業務を廃止・休止
5.主たる生計維持者が失職し現在収入がない
6.福島原発の「警戒区域」「計画的避難区域」及「緊急時避難準備区域」に関する指示や従来の「屋内退避示」の対象となっている
・上記に該当する者の窓口負担については、後日、改めて市町村、協会けんぽ、健保組合などの加入されている医療保険において、減免又は徴収の猶予が行われる
厚生労働省
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