労災法 第十六条 遺族補償給付

第十六条  遺族補償給付は、遺族補償年金又は遺族補償一時金とする。

第十六条の二  遺族補償年金を受けることができる遺族は、労働者の配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹であつて、労働者の死亡の当時その収入によつて生計を維持していたものとする。ただし、妻(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者を含む。以下同じ。)以外の者にあつては、労働者の死亡の当時次の各号に掲げる要件に該当した場合に限るものとする。
一  夫(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者を含む。以下同じ。)、父母又は祖父母については、六十歳以上であること。
二  子又は孫については、十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にあること。
三  兄弟姉妹については、十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にあること又は六十歳以上であること。
四  前三号の要件に該当しない夫、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹については、厚生労働省令で定める障害の状態にあること。
2  労働者の死亡の当時胎児であつた子が出生したときは、前項の規定の適用については、将来に向かつて、その子は、労働者の死亡の当時その収入によつて生計を維持していた子とみなす。
3  遺族補償年金を受けるべき遺族の順位は、配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹の順序とする。


【試験問題】
次の説明は、遺族補償給付に関する記述である。
遺族補償年金を受けることができる遺族の要件としての「労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していた」ことが認められるためには、単に労働者と生計を一にしていただけでは足りず、労働者の収入によって日常の消費生活の大部分を営んでいたことが必要である。 【解答】×

亡くなった労働者の収入が無ければ、通常の生活水準を
維持する事が困難となる関係が常態であるか否かで
判断されます。
労働者の死亡当時その収入により生計を維持していたことの解釈
①死亡当時、負傷又は発病後死亡までに相当期間が経過していてもその労働者が業務災害を被らなければ、その死亡の当時においてもその収入で生計を維持していたであろう場合を含むが、死亡当時労働者を遺棄している様な場合は含まれない。
②労働者の収入には賃金収入、休業補償給付、各種保険の現金給付、一切の収入が含まれる。
③専ら労働者の収入により生計を維持されていることを要せず労働者の収入によって生計の一部を維持されていれば足りる。(共稼ぎ含む)
法16条の2第1項、昭和41年1月31日基発73号

その労働者の収入により、大部分の生活を営んでいたことは要しません。
共稼ぎなども考慮されており、労働者の収入によって生活の一部を営んでいれば、生計維持要件は満たします。
生計を一にしているとの違いは、その一部でも営んでいるか否かに有ります。(お金を家に入れていなくても、一緒に暮していれば「生計を一にしている」となりますが、生計の一部すら営んでいないので、「生計を維持している」になりません)
次の説明は、遺族補償給付又は遺族給付に関する記述である。
遺族補償年金又は遺族年金を受けることができる遺族の要件としての「労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していた」ことが認められるためには、単に労働者と生計を一にしていただけでは足りず、労働者の収入によって消費生活の大部分を営んでいたことが必要である。


【試験問題】
次の説明は、労働者災害補償保険法に関する記述である。
遺族補償給付を受けることができる配偶者には、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者も含まれるが、これはあくまで婚姻の届出が法律上可能な状態にあった者に限られるのであって、いわゆる重婚的内縁関係にあった者は含まれない。 【解答】×

重婚的内縁関係にあった者については、届出による婚姻関係がその実態を失って形骸化し、かつ、その状態が固定化して近い将来解消される見込みがなかった場合に限って、事実上の婚姻関係にある者を配偶者として認めるものとされている。
そして、その場合は、重婚的内縁関係であっても、届出による婚姻関係にある者でなく、事実上の婚姻関係にある者に遺族(補償)給付が支給されることになるとされている。
よって、「いわゆる重婚的内縁関係にあった者は含まれない」とした問題文は誤りである。
法16条の2第1項、平成10年10月30日基発627号

民法上の相続ではなく、日常生活上の実態を優先しようというのが社会保険全般の考え方です。
ですので、法律上の配偶者よりも、一緒に生活をしている内縁の配偶者(わいゆる愛人)を保護するわけです。
私の母にこの話をしたところありえない!!!とキレてましたが。。。

【為参考】H25年国民年金法 問4D
届出による婚姻関係にある者が重ねて他の者と内縁関係にあり、届出による婚姻関係において、一方の悪意の遺棄によって夫婦としての共同生活が行われておらず、その状態がおおむね5年程度以上継続しているときは、届出による婚姻関係がその実体を全く失ったものとなっているとみなし、内縁関係にある者を事実婚関係にある者として認定する。
誤:5年 ⇒ 正:10年
悪意の遺棄とは、民法「夫婦は同居し、お互いに協力、扶助し合わなければならない」義務を不当に放棄すること。
国民年金法5条8項,平成23年3月23日年発第323001号

【試験問題】
次の説明は、遺族補償給付に関する記述である。
遺族補償給付を受けることができる配偶者には「婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者」も含まれるが、これは、あくまで婚姻の届出が法律上可能な状態にあった者に限られるのであって、いわゆる重婚的内縁関係にあった者は含まれない。【解答】?


【試験問題】
次の説明は、労働者災害補償保険法に関する記述である。
遺族補償年金又は遺族年金を受けることができる遺族について、労働者の死亡の当時胎児であった子が出生したときは、その子は、将来に向かって、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していたとみなされ、また、その子が厚生労働省令で定める障害の状態で出生した場合についても、将来に向かって、労働者の死亡の当時厚生労働省令で定める障害の状態にあったものとみなされる。【解答】×

労働者の死亡の当時胎児であつた子が出生したときは、前項の規定の適用については、将来に向かつて、その子は、労働者の死亡の当時その収入によつて生計を維持していた子とみなす。 (労災保険法 16条の2第2項)
労働者の死亡の当時胎児であった子が、障害の状態で生まれても、受給要件にあります『労働者の死亡の当時厚生労働省令で定める障害の状態』とはみなされません。
それゆえ、その子は、18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したときは、受給権者でなくなり、受給資格者でもなくなります。
労災保険法における障害は、「労働者の死亡当時から引き続いているもの」でなければならず、胎児が障害児として生まれても、労働者の死亡後15歳で障害者になっても、その者の受給権又は受給資格は、18歳年度末に消滅する。
「その子が厚生労働省令で定める障害の状態で出生した場合についても、将来に向かって、労働者の死亡の当時厚生労働省令で定める障害の状態にあったものとみなされる。」という規定は存在しない。
下記条文参照
法16条の2第2項、法22条の4

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第十六条の三  遺族補償年金の額は、別表第一に規定する額とする。
2  遺族補償年金を受ける権利を有する者が二人以上あるときは、遺族補償年金の額は、前項の規定にかかわらず、別表第一に規定する額をその人数で除して得た額とする。
3  遺族補償年金の額の算定の基礎となる遺族の数に増減を生じたときは、その増減を生じた月の翌月から、遺族補償年金の額を改定する。
4  遺族補償年金を受ける権利を有する遺族が妻であり、かつ、当該妻と生計を同じくしている遺族補償年金を受けることができる遺族がない場合において、当該妻が次の各号の一に該当するに至つたときは、その該当するに至つた月の翌月から、遺族補償年金の額を改定する。
一  五十五歳に達したとき(別表第一の厚生労働省令で定める障害の状態にあるときを除く。)。
二  別表第一の厚生労働省令で定める障害の状態になり、又はその事情がなくなつたとき(五十五歳以上であるときを除く。)。


【試験問題】
次の説明は、労働者災害補償保険の保険給付に関する記述である。なお、以下において、「労災保険」とは「労働者災害補償保険」のこと、「労災保険法」とは「労働者災害補償保険法」のこと、「労災保険法施行規則」とは「労働者災害補償保険法施行規則」のことである。
遺族補償給付を受ける権利を有する同順位者が2人以上ある場合の遺族補償給付の額は、遺族補償年金にあっては労災保険法別表第1に規定する額を、遺族補償一時金にあっては同法別表第2に規定する額を、それぞれ同順位者の人数で除して得た額となる。 【解答】○

第十六条の三 遺族補償年金の額は、別表第一に規定する額とする。
2 遺族補償年金を受ける権利を有する者が二人以上あるときは、遺族補償年金の額は、前項の規定にかかわらず、別表第一に規定する額をその人数で除して得た額とする。
第十六条の八  遺族補償一時金の額は、別表第二に規定する額とする。
2 第十六条の三第二項の規定は、遺族補償一時金の額について準用する。この場合において、同項中「別表第一」とあるのは、「別表第二」と読み替えるものとする。
法16条の3第2項、法16条の8第2項

第十六条の四  遺族補償年金を受ける権利は、その権利を有する遺族が次の各号の一に該当するに至つたときは、消滅する。この場合において、同順位者がなくて後順位者があるときは、次順位者に遺族補償年金を支給する。
一  死亡したとき。
二  婚姻(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。)をしたとき。
三  直系血族又は直系姻族以外の者の養子(届出をしていないが、事実上養子縁組関係と同様の事情にある者を含む。)となつたとき。
四  離縁によつて、死亡した労働者との親族関係が終了したとき。
五  子、孫又は兄弟姉妹については、十八歳に達した日以後の最初の三月三十一日が終了したとき(労働者の死亡の時から引き続き第十六条の二第一項第四号の厚生労働省令で定める障害の状態にあるときを除く。)。
六  第十六条の二第一項第四号の厚生労働省令で定める障害の状態にある夫、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹については、その事情がなくなつたとき(夫、父母又は祖父母については、労働者の死亡の当時六十歳以上であつたとき、子又は孫については、十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にあるとき、兄弟姉妹については、十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にあるか又は労働者の死亡の当時六十歳以上であつたときを除く。)。
2  遺族補償年金を受けることができる遺族が前項各号の一に該当するに至つたときは、その者は、遺族補償年金を受けることができる遺族でなくなる。


【試験問題】
次の説明は、遺族補償年金を受ける権利に関する記述である。
遺族補償年金を受ける権利は、その権利を有する遺族が、直系血族又は直系姻族である者の養子となったときは、消滅する。 【解答】×

遺族基礎年金の失権要件
共通
死亡した時
婚姻した時
養子にった時(直系血族、姻族を除く)※本問題はココ
子のみ
子が夫と離縁した時
18歳の最初の3月31日に達した時
障害等級1・2級の場合は20歳に達した時
妻のみ
全ての子が死亡した時
全ての子が生計を一緒にしなくなった時
全ての子が夫と離縁した時
全ての子が18歳の最初の3月31日に達した時(障害等級1・2級の場合を除く)
全ての子が障害等級1・2級の状態で無くなったとき
全ての子が20歳に達した時
遺族補償年金の受給権者が、直系血族又は直系姻族「以外」の者の養子(事実上の養子縁組関係を含む)となったときは、受給権は消滅します。
設問では、直系血族又は直系姻族である者の養子なので、受給権は消滅しません。
したがって、回答は【X】です。
法16条の4
例:被災労働者(父)の子供が、
祖父の養子になる →直系血族なので○
母の再婚相手の養子になる →直系姻族なので○
叔父の養子になる →傍系血族なので×


【試験問題】
次の説明は、遺族補償年金を受ける権利に関する記述である。
遺族補償年金を受ける権利は、その権利を有する、労災保険法第16条の2第1項第4号の厚生労働省令で定める障害の状態にあった孫が、その障害の状態がなくなったときは、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるときであっても、消滅する。【解答】×

厚生労働省令で定める障害の状態がなくなっても、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるときは消滅しない。
遺族補償年金の受給権は省令で定める障害の状態にある夫、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹はその事情がなくなった時(夫父母祖父母は労働者死亡当時60歳以上、子孫は18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間、兄弟姉妹は18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間又は労働者死亡当時60歳以上であった時除く)に消滅する。
設問の障害状態の孫は、障害状態がなくなっても18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある時は遺族補償年金を受ける権利は消滅しないため、問題文は誤り。
法16条の4第1項6号
遺族補償年金の受給権を有する孫が18歳年度末までの間にある時、省令で定める障害の状態に該当しなくなったとしてもその受給権は消滅しない。
(法16条4第1項6号)

【参考】
労働者の【死亡の当時から引き続いて】省令で定める障害の状態にある孫が、18歳年度末以後において当該障害の状態になくなった時は、当該遺族補償年金の受給権は消滅することになる。
【遺族補償年金失権と失格】
1死亡
2婚姻(内縁関係含む)
3直系血族又は直系姻族以外の者の養子(事実上の養子縁組関係含む)となった
4養子縁組関係解消により死亡労働者との親族関係が終了
5子、孫、兄弟姉妹は18歳年度末に達した
6障害状態の為受給資格者となっていた者の障害の状態がなくなった
※遺族補償年金の受給資格者が、前記l~6に該当するに至った場合も、受給資格が失われる(失格)

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第十六条の五  遺族補償年金を受ける権利を有する者の所在が一年以上明らかでない場合には、当該遺族補償年金は、同順位者があるときは同順位者の、同順位者がないときは次順位者の申請によつて、その所在が明らかでない間、その支給を停止する。この場合において、同順位者がないときは、その間、次順位者を先順位者とする。
2  前項の規定により遺族補償年金の支給を停止された遺族は、いつでも、その支給の停止の解除を申請することができる。
3  第十六条の三第三項の規定は、第一項の規定により遺族補償年金の支給が停止され、又は前項の規定によりその停止が解除された場合に準用する。この場合において、同条第三項中「増減を生じた月」とあるのは、「支給が停止され、又はその停止が解除された月」と読み替えるものとする。


【試験問題】
次の説明は、遺族補償給付に関する記述である。
遺族補償年金を受ける権利を有する者の所在が6か月以上明らかでない場合には、当該遺族補償年金を受けることができる遺族であれば、その順位にかかわらず、当該遺族のいずれかの申請により、その所在が明らかでない間、その支給が停止される。 【解答】×

遺族補償年金を受ける権利を有する者の所在が一年以上明らかでない場合には、当該遺族補償年金は、同順位者があるときは同順位者の、同順位者がないときは次順位者の申請によつて、その所在が明らかでない間、その支給を停止する。この場合において、同順位者がないときは、その間、次順位者を先順位者とする。 (労災保険法 16条の5)
所在不明による支給停止
遺族(補償)年金を受ける権利を有する者の所在が1年以上明らかでない場合には、当該遺族(補償)年金は、同順位者があるときは同順位者の、同順位者がいないときは次順位者の申請によって、その所在が明らかでない間、その支給を停止する。
労災法 第15条の5 第1項

上記の場合において、同順位者がないときは、受給権者が所在不明となったときにさかのぼって、当該次順位者が最先順位の受給権者となる。
遺族補償年金を受ける権利を有する者の所在が1年以上明らかでない場合には、遺族補償年金は、同順位者があるときは同順位者の、同順位者がないときは次順位者の申請によって、その所在が明らかでない間、その支給が停止されることになる。
なお、この場合において、同順位者がないときは、その間、次順位者を先順位者として遺族補償年金が支給されることになっている。
法16条の5第1項

労災…遺族補償年金の受給権者の所在が1年以上明らかでない場合は、その所在が明らかでない間
国保、厚生…その所在が明らかでなくなった時にさかのぼって
その支給が停止されます。
労災…遺族補償年金の受給権者の所在が1年以上明らかでない場合は、その所在が明らかでない間、その所在が不明となったときにさかのぼって
国保、厚生…その所在が明らかでなくなった時にさかのぼって
その支給が停止されます。
次の説明は、労働者災害補償保険法に関する記述である。
遺族補償年金を受ける権利を有する者の所在が1年以上明らかでない場合には、当該遺族補償年金は、同順位者があるときは同順位者の、同順位者がないときは次順位者の申請によって、その所在が明らかでない間、その支給を停止される。


【試験問題】
次の説明は、遺族補償給付又は遺族給付に関する記述である。
遺族補償年金又は遺族年金を受ける権利を有する者の所在が1年以上明らかでない場合には、当該年金は、同順位者があるときは同順位者の、同順位者がないときは次順位者の申請によって、その所在が明らかでない間、支給が停止される。 【解答】○

遺族補償年金を受ける権利を有する者の所在が一年以上明らかでない場合には、当該遺族補償年金は、同順位者があるときは同順位者の、同順位者がないときは次順位者の申請によつて、その所在が明らかでない間、その支給を停止する。この場合において、同順位者がないときは、その間、次順位者を先順位者とする。 (労災保険法 16条の5)
問いのとおり。
なお、停止された所在不明の遺族については、いつでも、その支給停止の解除を申請することができる。
法16条の5第1項

参考 比較
配偶者以外の者に対する遺族厚生年金の受給権者が2人以上である場合において、受給権者のうち1人以上の者の所在が1年以上明らかでないときは、その者に対する遺族厚生年金は他の受給権者の申請によって、その所在が明らかでなくなった時にさかのぼって、その支給が停止される。
厚生年金法67条 68条 参考

本問を判断する条文は、以下のずばりのものがあります。「遺族補償年金を受ける権利を有する者の所在が1年以上明らかでない場合には、当該遺族補償年金は、同順位者があるときは同順位者の、同順位者がないときは次順位者の申請によって、その所在が明らかでない間、その支給を停止する。この場合において、同順位者がないときは、その間、次順位者を先順位者とする。」とあり、問題の回答は「○」となる。
労働者災害補償保険法第16条の5、1項


【試験問題】
次の説明は、保険給付に関する記述である。
遺族補償年金の受給権者の所在が1年以上明らかでない場合には、同順位者又は次順位者(同順位者がないとき)の申請によって、その所在が明らかでない間、所在不明者について遺族補償年金の支給が停止される。【解答】?

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第十六条の六  遺族補償一時金は、次の場合に支給する。
一  労働者の死亡の当時遺族補償年金を受けることができる遺族がないとき。
二  遺族補償年金を受ける権利を有する者の権利が消滅した場合において、他に当該遺族補償年金を受けることができる遺族がなく、かつ、当該労働者の死亡に関し支給された遺族補償年金の額の合計額が当該権利が消滅した日において前号に掲げる場合に該当することとなるものとしたときに支給されることとなる遺族補償一時金の額に満たないとき。
2  前項第二号に規定する遺族補償年金の額の合計額を計算する場合には、同号に規定する権利が消滅した日の属する年度(当該権利が消滅した日の属する月が四月から七月までの月に該当する場合にあつては、その前年度。以下この項において同じ。)の七月以前の分として支給された遺族補償年金の額については、その現に支給された額に当該権利が消滅した日の属する年度の前年度の平均給与額を当該遺族補償年金の支給の対象とされた月の属する年度の前年度(当該月が四月から七月までの月に該当する場合にあつては、前々年度)の平均給与額で除して得た率を基準として厚生労働大臣が定める率を乗じて得た額により算定するものとする。

第十六条の七  遺族補償一時金を受けることができる遺族は、次の各号に掲げる者とする。
一  配偶者
二  労働者の死亡の当時その収入によつて生計を維持していた子、父母、孫及び祖父母
三  前号に該当しない子、父母、孫及び祖父母並びに兄弟姉妹
2  遺族補償一時金を受けるべき遺族の順位は、前項各号の順序により、同項第二号及び第三号に掲げる者のうちにあつては、それぞれ、当該各号に掲げる順序による。

第十六条の八  遺族補償一時金の額は、別表第二に規定する額とする。
2  第十六条の三第二項の規定は、遺族補償一時金の額について準用する。この場合において、同項中「別表第一」とあるのは、「別表第二」と読み替えるものとする。

第十六条の九  労働者を故意に死亡させた者は、遺族補償給付を受けることができる遺族としない。
2  労働者の死亡前に、当該労働者の死亡によつて遺族補償年金を受けることができる先順位又は同順位の遺族となるべき者を故意に死亡させた者は、遺族補償年金を受けることができる遺族としない。
3  遺族補償年金を受けることができる遺族を故意に死亡させた者は、遺族補償一時金を受けることができる遺族としない。労働者の死亡前に、当該労働者の死亡によつて遺族補償年金を受けることができる遺族となるべき者を故意に死亡させた者も、同様とする。
4  遺族補償年金を受けることができる遺族が、遺族補償年金を受けることができる先順位又は同順位の他の遺族を故意に死亡させたときは、その者は、遺族補償年金を受けることができる遺族でなくなる。この場合において、その者が遺族補償年金を受ける権利を有する者であるときは、その権利は、消滅する。
5  前項後段の場合には、第十六条の四第一項後段の規定を準用する。


【試験問題】
次の説明は、保険給付に関する記述である。
労働者を故意に死亡させた者は、遺族補償給付を受けることのできる遺族となることができない。労働者の死亡前に、その労働者の死亡によって遺族補償年金を受けることができる先順位又は同順位の遺族となるべき者を故意に死亡させた者も、遺族補償年金を受けることのできる遺族となることができない。 【解答】○

労働者の死亡前に、当該労働者の死亡によつて遺族補償年金を受けることができる先順位又は同順位の遺族となるべき者を故意に死亡させた者は、遺族補償年金を受けることができる遺族としない。 (労災保険法 16条の9第2項)
労働者の死亡前に、その労働者の死亡によって遺族補償年金を受けることができる先順位又は同順位の遺族となるべき者を故意に死亡させた者も、遺族補償年金を受けることのできる遺族となることができない。
法16条の9、2項
次の説明は、保険給付に関する記述である。
労働者又は労働者の遺族(遺族となるべき者を含む。)を故意又は重大な過失により死亡させた遺族は、遺族補償給付若しくは遺族給付又は葬祭料若しくは葬祭給付を受けることができない。


【試験問題】
次の説明は、労働者災害補償保険法に関する記述である。
海外派遣者について、派遣先の海外の事業が中小企業(常時所定の数以下の労働者を使用するものに限る。)に該当する場合には、その事業の代表者であっても、特別加入の対象となる。 【解答】○

本肢のように、派遣先の事業が中小企業である場合は、その事業主として派遣される場合であっても特別加入できる。
その海外の事業が「中小企業」に該当すれば、当該事業に従事する者である、現地法人の社長などの「代表者」などで「労働者的性格」を有しない者であっても特別加入できる。
法36条1項、平成11年12月3日基発695号

既に日本国内から海外に派遣されている者についても、特別加入することができる
平成11.2.18基発77号


【試験問題】
次の説明は、保険給付に関する記述である。
労働者又は労働者の遺族(遺族となるべき者を含む。)を故意又は重大な過失により死亡させた遺族は、遺族補償給付若しくは遺族給付又は葬祭料若しくは葬祭給付を受けることができない。 【解答】×

労働者を故意に死亡させた者は、遺族補償給付を受けることができる遺族としない。 (労災保険法 16条の9)
労働者又は労働者の遺族(遺族となるべき者を含む。)を故意に死亡させた者は、遺族(補償)給付を受けることができる遺族としないとされている。
なお、「重大な過失より死亡させた者」は含まれず、葬祭料又は葬祭給付についてはこの規定の対象になっていない。
よって、問題文は誤りとなる。
法16条の9、法22条の4第3項

遺族(補償)年金を受けることができる遺族が、遺族(補償)年金を受けることができる先順位又は同順位の他の遺族を【故意に死亡】させたときは、その者は、遺族(補償)年金を受けることができる【遺族でなくなる】
法16条の9、4項
次の説明は、保険給付を受ける権利の時効に関する記述である。
遺族補償給付又は遺族給付を受ける権利の時効は、被災労働者が死亡した日の翌日から進行する。


【試験問題】
次の説明は、遺族補償給付に関する記述である。
遺族補償給付を受けることができる配偶者には「婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者」も含まれるが、これは、あくまで婚姻の届出が法律上可能な状態にあった者に限られるのであって、いわゆる重婚的内縁関係にあった者は含まれない。 【解答】×

配偶者(妻又は夫)には、「婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者(内縁関係の者)」が含まれます。ただし、届出による婚姻関係にある(戸籍上の)配偶者と事実上の婚姻関係にある(内縁の)配偶者がいる重婚的内縁関係の場合は、前者の婚姻関係がその実態を失って形骸化し、かつ、その状態が固定化して近い将来解消される見込みがないと認められない限り、前者が配偶者とされます。
配偶者には、婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあった者も含まれるので前半部分は正しい。
重婚的内縁関係にあった者については、届出による婚姻関係がその実態を失って形骸化し、かつその状態が固定化して近い将来解消される見込みがなかった場合に限り、事実上の婚姻関係にある者を配偶者として認めるものとされている。
その場合、重婚的内縁関係であっても届出による婚姻関係にある者でなく、事実上の婚姻関係にある者に遺族補償給付が支給されることになる。
過去問 平成5年の問5-D】

法律上の婚姻関係にある労働者が、妻以外の他の者と重ねて内縁関係とみられるような関係に入った後に死亡した場合には、法律上の婚姻関係が実態を失ったものになっていない限り、その内縁関係とみられるような関係にあった者が遺族補償給付の受給権者となることはない。
答え: 正しい
次の説明は、労働者災害補償保険法に関する記述である。
遺族補償給付を受けることができる遺族は、死亡した労働者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。以下、この間において同じ。)であって、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していたものでなければならない。

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関連条文

  1. 労基法 第百四条(監督機関に対する申告)

  2. 健保法 第百四十四条 (家族出産育児一時金) 

  3. 国年法 第六十九条 給付の制限

  4. 中退金法 第五十四条 (被共済者に関する制限)

  5. 国年法 第十三条 (国民年金手帳)

  6. 厚年法 第六十六条 遺族厚生年金

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