(失権)
第五十一条 寡婦年金の受給権は、受給権者が六十五歳に達したとき、又は第四十条第一項各号のいずれかに該当するに至つたときは、消滅する。
(支給停止)
第五十二条 寡婦年金は、当該夫の死亡について第四十一条第一項に規定する給付が行われるべきものであるときは、死亡日から六年間、その支給を停止する。
第三款 死亡一時金
(支給要件)
第五十二条の二 死亡一時金は、死亡日の前日において死亡日の属する月の前月までの第一号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間の月数、保険料四分の一免除期間の月数の四分の三に相当する月数、保険料半額免除期間の月数の二分の一に相当する月数及び保険料四分の三免除期間の月数の四分の一に相当する月数を合算した月数が三十六月以上である者が死亡した場合において、その者に遺族があるときに、その遺族に支給する。ただし、老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を受けたことがある者が死亡したときは、この限りでない。
2 前項の規定にかかわらず、死亡一時金は、次の各号のいずれかに該当するときは、支給しない。
一 死亡した者の死亡日においてその者の死亡により遺族基礎年金を受けることができる者があるとき。ただし、当該死亡日の属する月に当該遺族基礎年金の受給権が消滅したときを除く。
二 死亡した者の死亡日において胎児である子がある場合であつて、当該胎児であつた子が生まれた日においてその子又は死亡した者の妻が死亡した者の死亡により遺族基礎年金を受けることができるに至つたとき。ただし、当該胎児であつた子が生まれた日の属する月に当該遺族基礎年金の受給権が消滅したときを除く。
3 第一項に規定する死亡した者の子がその者の死亡により遺族基礎年金の受給権を取得した場合(その者の死亡によりその者の妻が遺族基礎年金の受給権を取得した場合を除く。)であつて、その受給権を取得した当時その子と生計を同じくするその子の父又は母があることにより第四十一条第二項の規定によつて当該遺族基礎年金の支給が停止されるものであるときは、前項の規定は適用しない。
(遺族の範囲及び順位等)
第五十二条の三 死亡一時金を受けることができる遺族は、死亡した者の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であつて、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものとする。ただし、前条第三項の規定に該当する場合において支給する死亡一時金を受けることができる遺族は、死亡した者の配偶者であつて、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものとする。
2 死亡一時金(前項ただし書に規定するものを除く。次項において同じ。)を受けるべき者の順位は、前項に規定する順序による。
3 死亡一時金を受けるべき同順位の遺族が二人以上あるときは、その一人のした請求は、全員のためその全額につきしたものとみなし、その一人に対してした支給は、全員に対してしたものとみなす。
(金額)
第五十二条の四 死亡一時金の額は、死亡日の属する月の前月までの第一号被保険者としての被保険者期間に係る死亡日の前日における保険料納付済期間の月数、保険料四分の一免除期間の月数の四分の三に相当する月数、保険料半額免除期間の月数の二分の一に相当する月数及び保険料四分の三免除期間の月数の四分の一に相当する月数を合算した月数に応じて、それぞれ次の表の下欄に定める額とする。
死亡日の属する月の前月までの被保険者期間に係る死亡日の前日における保険料納付済期間の月数、保険料四分の一免除期間の月数の四分の三に相当する月数、保険料半額免除期間の月数の二分の一に相当する月数及び保険料四分の三免除期間の月数の四分の一に相当する月数を合算した月数
金額
三六月以上一八〇月未満
一二〇、〇〇〇円
一八〇月以上二四〇月未満
一四五、〇〇〇円
二四〇月以上三〇〇月未満
一七〇、〇〇〇円
三〇〇月以上三六〇月未満
二二〇、〇〇〇円
三六〇月以上四二〇月未満
二七〇、〇〇〇円
四二〇月以上
三二〇、〇〇〇円
2 死亡日の属する月の前月までの第一号被保険者としての被保険者期間に係る死亡日の前日における第八十七条の二第一項の規定による保険料に係る保険料納付済期間が三年以上である者の遺族に支給する死亡一時金の額は、前項の規定にかかわらず、同項に定める額に八千五百円を加算した額とする。
第五十二条の五 第四十五条第一項の規定は、死亡一時金について準用する。この場合において、同項中「前二条」とあるのは、「第五十二条の四第二項」と読み替えるものとする。
(支給の調整)
第五十二条の六 第五十二条の三の規定により死亡一時金の支給を受ける者が、第五十二条の二第一項に規定する者の死亡により寡婦年金を受けることができるときは、その者の選択により、死亡一時金と寡婦年金とのうち、その一を支給し、他は支給しない。
52
12
次の説明は、国民年金法に関する記述である。
死亡一時金は、死亡日の前日において死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料全額免除期間等とを合算して36月以上ある者が死亡したとき、その遺族に支給する。 2012年度(平成24年度) 試験問題 [改題] (最終改訂日: 2012年10月26日)
解答
×
死亡一時金は掛け捨て防止するため全額免除期間は含まれない
(支給要件)
第五十二条の二 死亡一時金は、死亡日の前日において死亡日の属する月の前月までの第一号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間の月数、保険料四分の一免除期間の月数の四分の三に相当する月数、保険料半額免除期間の月数の二分の一に相当する月数及び保険料四分の三免除期間の月数の四分の一に相当する月数を合算した月数が三十六月以上である者が死亡した場合において、その者に遺族があるときに、その遺族に支給する。
[自説の根拠]法52条の2第1項
52
9
次の説明は、年金の給付に関する記述である。
特例による65歳以上の任意加入被保険者が死亡した場合に、死亡一時金は支給される。 2003年度(平成15年度) 試験問題 [改題] (最終改訂日: 2008年11月13日)
解答
○
死亡一時金は任意加入者・特例任意加入者ともに支給要件を満たせば支給される。付加保険料・寡婦年金は任意加入者は対象だが、特例任意加入者は対象外。
関連問題にもあるとおり、寡婦年金は65歳以上には支給されませんので、「特例による65歳以上の任意加入被保険者が死亡した場合、死亡一時金は支給されるが寡婦年金は支給されない。」ことになり、60歳から65歳未満に適用される「寡婦年金と死亡一時金の選択受給」は適用されません。
特例による65歳以上の任意加入被保険者の保険料の被保険者期間は、【第1号被保険者】としての被保険者期間としてみなされますので、設問の場合には、大前提として、当該者は、法52条の2の死亡一時金の支給要件を満たしていることが必要です。従って、もう少し正確な出題としては、「【死亡一時金の支給要件(法52条の2)を満たす】特例による65歳以上の任意加入被保険者が死亡した場合に、死亡一時金は支給される。」となると考えられます。
65歳未満にしか支給されないので特例加入者の場合
寡婦年金が出ないのではなく、
年金を受ける人と死んだ人とは別です(当然ですが)
なくなったのが夫(特例任意)と考えると、夫が65歳以上でも妻が65歳未満のことは充分ありえます。
ですが夫の「1号者としての期間が25年あるもの」という要件に当てはまらないので、特例加入者が亡くなっても出ない
(特例=25年満たしていない)
の方が正確だと思います。
死亡一時金は要件が「36ヶ月」なので、特例加入者でも要件を満たすことはありえます。
特例による任意加入被保険者→福祉施設、死亡一時金、脱退一時金については第1号被保険者とみなし、特例による任意加入被保険者としての被保険者期間については、第1号被保険者としての被保険者期間とみなされる。
寡婦年金、付加保険料の規定は適用されないので注意!
任意加入者、特例任意加入者及び昭和61年4月1日前の国民年金の被保険者期間については、支給要件を満たせば、死亡一時金は支給される。
関連問題
次の説明は、国民年金法に関する記述である。
特例による65歳以上の任意加入被保険者が死亡した場合、死亡一時金は支給されるが寡婦年金は支給されない。
52
2
次の説明は、国民年金法に関する記述である。
脱退一時金の要件の一つとして、請求日の前日において請求の日の属する月の前月までの第1号被保険者期間に係る保険料納付済期間の月数、保険料4分の1免除期間の月数の4分の3に相当する月数、保険料半額免除期間の月数の2分の1に相当する月数及び保険料4分の3免除期間の月数の4分の1に相当する月数を合算した月数が6か月以上あることが必要である。 2007年度(平成19年度) 試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
解答
○
死亡一時金の額は、死亡日の属する月の前月までの第一号被保険者としての被保険者期間に係る死亡日の前日における保険料納付済期間の月数、保険料四分の一免除期間の月数の四分の三に相当する月数、保険料半額免除期間の月数の二分の一に相当する月数及び保険料四分の三免除期間の月数の四分の一に相当する月数を合算した月数に応じて、それぞれ次の表の下欄に定める額とする。(表略) (国民年金法 52条の4)
この【脱退一時金】の支給を受けますと支給を受けた者は、その額の計算の基礎となった被保険者であった期間は、被保険者でなかったものとみなされることになり、当該期間については、合算対象期間にもならなくなります。
死亡一時金→36月以上で支給(52条2項、掛捨防止の趣旨)
脱退一時金→6月以上で支給(法附則第9条3の2など、外国人等)
掛け捨て防止を目的としているため、実際に保険料を支払った額が満額の6か月相当以上分ということです。
関連問題
次の説明は、一時金の支給に関する記述である。
脱退一時金の額は、請求の日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る請求の日の前日における保険料納付済期間の月数と保険料半額免除期間の月数の2分の1に相当する月数とを合算した月数が6か月以上ある場合にその期間に応じて、定める額とする。
第五十三条 削除
第五十四条 削除
第五十五条 削除
第五十六条 削除
第五十七条 削除
第五十八条 削除
第五十九条 削除
第六十条 削除
第六十一条 削除
第六十二条 削除
第六十三条 削除
第六十四条 削除
第六十五条 削除
第六十六条 削除
第六十七条 削除
第六十八条 削除
国民年金その他給付
付加年金
脱退一時金
特別一時金
付加年金
•付加保険料
・第1号被保険者 および65歳未満の任意加入被保険者が納付できる
・保険料免除者、国民年金基金加入者、特例任意加入被保険者は納付できない
・農業者年金の被保険者は納付しなければならない
・国民年金保険料を納付した月についてのみ納付でき、追納には納付できない。前納も出来る
・国民年金保険料と同様に過去2年分まで納付できるようにする。
(あらかじめ付加保険料の納付を申し出ている場合に限る)(H26改正)
◦辞退 ・申出をした日の属する月の前月以降の各月付加保険料を納付するものでなくなる
・前納した保険料の返還はできないが国民年金基金加入員となった場合は加入月以降の前納分は還付請求できる
◦付加年金 ・月額400円の付加保険料
・老齢基礎年金の上乗せとし200円 x 付加保険料納付月数
・老齢基礎年金の繰上げ、繰下げに連動し、同様の増減率
・(200円 x 付加保険料納付月数)を超える額は支給停止できるが、該当額は老齢基礎年金が全額支給停止の時のみ停止できる。(消滅は死亡のみ)
脱退一時金
•cf.厚生年金脱退一時金 任意脱退
•第1号被保険者として保険料納付済期間が6月以上ある、日本国籍を有しないものは「脱退一時金」を請求できる。
・法改正の公布日平成6年11月9日に国内に住所を有する者に限る(出国済みは対象外) 但し以下の場合は請求できない。
◦ ・日本国内に住所を有する ◦
・障害基礎年金の受給権を有したことがある。
◦ ・(喪失時に日本にいない場合)被保険者資格喪失から2年経過 ◦
・または(喪失時に日本にいた場合)資格喪失後日本国内に住所を有しなくなった日から起算して2年経過 ◦
・外国の年金を受ける
•脱退一時金の額(約半額) 請求日前日での 金額(最後に保険料を納付した月が 保険料納付済み月数 平成25年度分の場合) 6月以上12月未満 45,120 30月以上36月未満 225,600 36月以上 270,720 厚生年金脱退一時金の額 平均標準報酬額 x 支給率(前年10月の保険料率x1/2x係数) 係数 被保険者期間に応じた整数 6月で「6」(36が限度) つまり外国人が3年払って、36ヶ月分の保険料 x 1/2=「1/2返す」
特別一時金
•旧厚生年金法による障害年金受給権者が65歳以降受け取ることができた老齢年金を、その旧国民年金法の任意加入被保険者としての保険料納付済期間に応じて「特別一時金」として請求できる。
・旧法では障害厚生年金受給権者が老齢年金を併給出来たため国民年金任意加入していた
・支給要件
◦障害福祉年金から裁定替えされた障害基礎年金、その他旧法での障害年金の受給権者 ◦老齢基礎年金または旧法での老齢年金の受給資格期間を満たす
この記事へのコメントはありません。