労災法 第九条 保険給付の支給

第九条  年金たる保険給付の支給は、支給すべき事由が生じた月の翌月から始め、支給を受ける権利が消滅した月で終わるものとする。
2  年金たる保険給付は、その支給を停止すべき事由が生じたときは、その事由が生じた月の翌月からその事由が消滅した月までの間は、支給しない。
3  年金たる保険給付は、毎年二月、四月、六月、八月、十月及び十二月の六期に、それぞれその前月分までを支払う。ただし、支給を受ける権利が消滅した場合におけるその期の年金たる保険給付は、支払期月でない月であつても、支払うものとする。

支給期間支払期日について述べられています。

事由発生日の次の月(翌月)から始まって、権利消滅の月で終わります。
偶数月の前月までの分となります。


【試験問題】次の説明は、労災保険法の保険給付に関する記述である。遺族補償給付を受ける権利を有する遺族が妻であり、かつ、当該妻と生計を同じくしている遺族補償年金を受けることができる遺族がない場合において、当該妻が55歳に達したとき(労災保険法別表第一の厚生労働省令で定める障害の状態にあるときを除く。)は、その達した月から遺族補償年金の額を改定する。 【解答】×

労災法では、支給に係るものは原則、支給すべき事由が発生した月の翌月から停止等の事由が発生したまでです。

なお、妻の年齢改定・障害改定は生計を同じくしている他の受給資格者がいない場合にのみ

例えば、16歳の子供と生計を同じくする58歳の妻に支給される遺族補償年金額は153日分。

19歳の子供と生計を同じくする58歳の妻に支給される遺族補償年金額は175日分。

※当該子が労働者の死亡の当時に18歳年度末以前に該当していても、その後18歳年度末超えた場合は失権します。

<参考>
第16条の3
Ⅳ  遺族補償年金を受ける権利を有する遺族が妻であり、かつ、当該妻と生計を同じくしている遺族補償年金を受けることができる遺族がない場合において、当該妻が次の各号の一に該当するに至つたときは、その該当するに至つた月の翌月から、遺族補償年金の額を改定する。
①  五十五歳に達したとき(別表第一の厚生労働省令で定める障害の状態にあるときを除く。)。
http://ins12345.blog.fc2.com/blog-entry-273.html

翌月改定。

153日から175日分に増額。この改定は妻だけが残された場合の特例です。


【試験問題】次の説明は、労災保険の保険給付に関する記述である。
年金たる保険給付は、その支給を停止すべき事由が生じたときは、その事由が生じた月の翌月からその事由が消滅した月までの間は、支給しない。 【解答】○

【支給期間】
年金たる保険給付の支給は、月単位で行われ、支給すべき事由が生じた月の翌月から始まり、支給を受ける権利が消滅した月で終わる。

【支給停止期間】
支給停止事由が生じた月の翌月から、その事由が消滅した月までの間は支給が停止される。

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<p class=”well”>
第十条  船舶が沈没し、転覆し、滅失し、若しくは行方不明となつた際現にその船舶に乗つていた労働者若しくは船舶に乗つていてその船舶の航行中に行方不明となつた労働者の生死が三箇月間わからない場合又はこれらの労働者の死亡が三箇月以内に明らかとなり、かつ、その死亡の時期がわからない場合には、遺族補償給付、葬祭料、遺族給付及び葬祭給付の支給に関する規定の適用については、その船舶が沈没し、転覆し、滅失し、若しくは行方不明となつた日又は労働者が行方不明となつた日に、当該労働者は、死亡したものと推定する。航空機が墜落し、滅失し、若しくは行方不明となつた際現にその航空機に乗つていた労働者若しくは航空機に乗つていてその航空機の航行中行方不明となつた労働者の生死が三箇月間わからない場合又はこれらの労働者の死亡が三箇月以内に明らかとなり、かつ、その死亡の時期がわからない場合にも、同様とする。

死亡の推定について述べられてます。

船舶、航空機で沈没転覆滅失し行方不明のとき労働者はその行方不明になった日に死亡したと推定します。

◦労働者の生死が3ヶ月分からない
◦または死亡が3ヶ月以内に明らかになり死亡の時期が分からない

第十一条  この法律に基づく保険給付を受ける権利を有する者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき保険給付でまだその者に支給しなかつたものがあるときは、その者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者を含む。以下同じ。)、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であつて、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたもの(遺族補償年金については当該遺族補償年金を受けることができる他の遺族、遺族年金については当該遺族年金を受けることができる他の遺族)は、自己の名で、その未支給の保険給付の支給を請求することができる。
2  前項の場合において、死亡した者が死亡前にその保険給付を請求していなかつたときは、同項に規定する者は、自己の名で、その保険給付を請求することができる。
3  未支給の保険給付を受けるべき者の順位は、第一項に規定する順序(遺族補償年金については第十六条の二第三項に、遺族年金については第二十二条の四第三項において準用する第十六条の二第三項に規定する順序)による。
4  未支給の保険給付を受けるべき同順位者が二人以上あるときは、その一人がした請求は、全員のためその全額につきしたものとみなし、その一人に対してした支給は、全員に対してしたものとみなす。

「未支給の保険給付」について述べられています。

死亡した受給権者の遺族(生計を同じくしていた配偶者子父母孫祖父母兄弟姉妹)が自己の名で労働基準監督署長に請求します。


【試験問題】次の説明は、未支給の保険給付(遺族補償給付及び遺族給付に関するものを除く。)に関する記述である。未支給の保険給付を受けるべき同順位者が2人以上あるときは、その1人がした請求は、全員のためその全額についてしたものとみなされ、その1人に対してした支給は、全員に対してしたものとみなされる。 【解答】○

未支給の保険給付を受けるべき同順位者が二人以上あるときは、その一人がした請求は、全員のためその全額につきしたものとみなし、その一人に対してした支給は、全員に対してしたものとみなす。 (労災保険法 11条4項)

ちなみに未支給の保険給付で請求期限が設けられているのは雇用保険のみ。

「死亡した日の翌日から6ヶ月以内に請求する事」
or
「死亡した事を知った日の翌日から1ヶ月以内に請求する事」


【試験問題】遺族補償年金を受ける権利を有する者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき遺族補償年金でまだその者に支給しなかったものがあるときは、当該遺族補償年金を受けることができる他の遺族が、自己の名で、その未支給の保険給付の支給を請求することができるが、この請求権者となるべき者がいないときは、死亡した者の相続人が未支給の保険給付の支給を請求することができる。【解答】○

遺族補償給付以外の保険給付にも本文の規定はあてはまるか?

▼31条へ引っ越し


【試験問題】次の説明は、労働者災害補償保険法に関する記述である。事業主が同一人である二以上の継続事業について成立している保険関係を一の保険関係に一括するのに必要な要件は、すべての事業が一元適用事業であって労災保険及び雇用保険に係る保険関係が成立しており、かつ、労災保険率が同一であることである。 【解答】×

政府は、次の各号のいずれかに該当する事故について保険給付を行つたときは、厚生労働省令で定めるところにより、業務災害に関する保険給付にあつては労働基準法の規定による災害補償の価額の限度で、通勤災害に関する保険給付にあつては通勤災害を業務災害とみなした場合に支給されるべき業務災害に関する保険給付に相当する同法の規定による災害補償の価額の限度で、その保険給付に要した費用に相当する金額の全部又は一部を事業主から徴収することができる。
1号 事業主が故意又は重大な過失により徴収法第四条の二第一項の規定による届出であつてこの保険に係る保険関係の成立に係るものをしていない期間(政府が当該事業について徴収法第十五条第三項の規定による決定をしたときは、その決定後の期間を除く。)中に生じた事故 (労災保険法 31条1項1号)

すべての事業が一元事業でなくてもよい。事業主が同一、一人であり、労災、もしくは雇用どちらかが成立していれば、一括できます。
ただし、それぞれの事業が労働保険率表による事業の種類を同じくすること

法9条、則10条1項
(1)それぞれの事業が継続事業であること
(2)指定事業と被一括事業の事業主が同じであること
(3)それぞれの事業について成立している保険関係が同一であること
(4)それぞれの事業が労災保険料率による事業の種類が同じであること
次の説明は、保険関係に関する記述である。なお、以下において「労働保険」とは、労災保険及び雇用保険の総称である。
労災保険に係る労働保険の保険関係は、労災保険法の適用事業が開始された日の翌日に成立する。

▼7条へ引っ越し


【試験問題】次の説明は、通勤災害に関する記述である。通勤災害とは、通勤に通常伴う危険が具体化して生じた負傷、疾病、障害又は死亡をいう。 【解答】○

この法律による保険給付は、次に掲げる保険給付とする。

2号 労働者の通勤による負傷、疾病、障害又は死亡(以下「通勤災害」という。)に関する保険給付 (労災保険法 7条1項2号)

通勤災害とは、労働者の通勤による負傷、疾病、障害又は死亡をいう。「通勤による」とは、通勤との相当因果関係があること、通勤に伴う危険が具体化したことをいう。
厚生労働省令で次のとおり定めています。
(労災保険法施行規則第18条の4)

【通勤による疾病の範囲】

労災保険法第22条第1項の“厚生労働省令で定める疾病”は、通勤による負傷に起因する疾病その他通勤に起因することの明らかな疾病とする

※上記“厚生労働省令で定める疾病”とは

①通勤による負傷に起因する疾病

②その他通勤に起因することの明らかな疾病
「通勤による」とは通勤と相当因果関係のあること、つまり通勤に通常伴う危険が具体化したことをいいます。

具体例→通勤途中自動車にひかれた、電車が急停車し転倒して受傷、駅の階段から転落、歩行中にビルの建設現場から落下してきた物体により負傷、転倒したタンクローリーから流れ出す有害物質により急性中毒にかかった等、一般に通勤中に発生した災害は通勤によるものと認められる。

自殺や被災者の故意により生じた災害、通勤の途中で怨恨をもってけんかをしかけ負傷した場合等は認められない。

(法7条1項2号、昭和48年11月22日基発第644、平成3年2月1日基発75号、平成18年3月31日基発0331042号)

通勤災害の対象になる負傷については制限がないが、疾病については、厚生労働省令で定めるものに限られています。

なお、厚生労働省令で定める疾病は、「通勤による負傷に起因する疾病その他通勤に起因することの明らかな疾病」とされています。(則18条の4)法22条1項

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