– 第九章 社会保険診療報酬支払基金の介護保険関係業務
– (支払基金の業務)
第百六十条 支払基金は、社会保険診療報酬支払基金法第十五条に規定する業務のほか、第一条に規定する目的を達成するため、次に掲げる業務を行う。
– 一 医療保険者から納付金を徴収すること。
– 二 市町村に対し第百二十五条第一項の介護給付費交付金を交付すること。
– 三 市町村に対し第百二十六条第一項の地域支援事業支援交付金を交付すること。
– 四 前三号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
– 2 前項に規定する業務は、介護保険関係業務という。
– (業務の委託)
第百六十一条 支払基金は、厚生労働大臣の認可を受けて、介護保険関係業務の一部を医療保険者が加入している団体で厚生労働大臣が定めるものに委託することができる。
– (業務方法書)
第百六十二条 支払基金は、介護保険関係業務に関し、当該業務の開始前に、業務方法書を作成し、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更するときも、同様とする。
– 2 前項の業務方法書に記載すべき事項は、厚生労働省令で定める。
– (報告等)
第百六十三条 支払基金は、医療保険者に対し、毎年度、医療保険加入者(四十歳以上六十五歳未満のものに限る。)の数その他の厚生労働省令で定める事項に関する報告を求めるほか、第百六十条第一項第一号に掲げる業務に関し必要があると認めるときは、文書その他の物件の提出を求めることができる。
– (区分経理)
第百六十四条 支払基金は、介護保険関係業務に係る経理については、その他の業務に係る経理と区分して、特別の会計を設けて行わなければならない。
– (予算等の認可)
第百六十五条 支払基金は、介護保険関係業務に関し、毎事業年度、予算、事業計画及び資金計画を作成し、当該事業年度の開始前に、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更するときも、同様とする。
– (財務諸表等)
第百六十六条 支払基金は、介護保険関係業務に関し、毎事業年度、財産目録、貸借対照表及び損益計算書(以下この条において「財務諸表」という。)を作成し、当該事業年度の終了後三月以内に厚生労働大臣に提出し、その承認を受けなければならない。
– 2 支払基金は、前項の規定により財務諸表を厚生労働大臣に提出するときは、厚生労働省令で定めるところにより、これに当該事業年度の事業報告書及び予算の区分に従い作成した決算報告書並びに財務諸表及び決算報告書に関する監事の意見書を添付しなければならない。
– 3 支払基金は、第一項の規定による厚生労働大臣の承認を受けたときは、遅滞なく、財務諸表又はその要旨を官報に公告し、かつ、財務諸表及び附属明細書並びに前項の事業報告書、決算報告書及び監事の意見書を、各事務所に備えて置き、厚生労働省令で定める期間、一般の閲覧に供しなければならない。
– (利益及び損失の処理)
第百六十七条 支払基金は、介護保険関係業務に関し、毎事業年度、損益計算において利益を生じたときは、前事業年度から繰り越した損失をうめ、なお残余があるときは、その残余の額は、積立金として整理しなければならない。
– 2 支払基金は、介護保険関係業務に関し、毎事業年度、損益計算において損失を生じたときは、前項の規定による積立金を減額して整理し、なお不足があるときは、その不足額は繰越欠損金として整理しなければならない。
– 3 支払基金は、予算をもって定める金額に限り、第一項の規定による積立金を第百六十条第一項第二号及び第三号に掲げる業務に要する費用に充てることができる。
– (借入金及び債券)
第百六十八条 支払基金は、介護保険関係業務に関し、厚生労働大臣の認可を受けて、長期借入金若しくは短期借入金をし、又は債券を発行することができる。
– 2 前項の規定による長期借入金及び債券は、二年以内に償還しなければならない。 >
– 3 第一項の規定による短期借入金は、当該事業年度内に償還しなければならない。ただし、資金の不足のため償還することができないときは、その償還することができない金額に限り、厚生労働大臣の認可を受けて、これを借り換えることができる。
– 4 前項ただし書の規定により借り換えられた短期借入金は、一年以内に償還しなければならない。
– 5 支払基金は、第一項の規定による債券を発行する場合においては、割引の方法によることができる。
– 6 第一項の規定による債券の債権者は、支払基金の財産について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
– 7 前項の先取特権の順位は、民法(明治二十九年法律第八十九号)の規定による一般の先取特権に次ぐものとする。
– 8 支払基金は、厚生労働大臣の認可を受けて、第一項の規定による債券の発行に関する事務の全部又は一部を銀行又は信託会社に委託することができる。
– 9 会社法(平成十七年法律第八十六号)第七百五条第一項及び第二項並びに第七百九条の規定は、前項の規定により委託を受けた銀行又は信託会社について準用する。
– 10 第一項及び第二項並びに第五項から前項までに定めるもののほか、第一項の規定による債券に関し必要な事項は、政令で定める。
– (政府保証)
第百六十九条 政府は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律(昭和二十一年法律第二十四号)第三条の規定にかかわらず、国会の議決を経た金額の範囲内で、支払基金による第百二十五条第一項の介護給付費交付金及び第百二十六条第一項の地域支援事業支援交付金の円滑な交付のために必要があると認めるときは、前条の規定による支払基金の長期借入金、短期借入金又は債券に係る債務について、必要と認められる期間の範囲において、保証することができる。
– (余裕金の運用)
第百七十条 支払基金は、次の方法によるほか、介護保険関係業務に係る業務上の余裕金を運用してはならない。
– 一 国債、地方債その他厚生労働大臣が指定する有価証券の保有
– 二 銀行その他厚生労働大臣が指定する金融機関への預金
– 三 信託業務を営む金融機関(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)第一条第一項の認可を受けた金融機関をいう。)への金銭信託
– (協議)
第百七十条の二 厚生労働大臣は、次の場合には、あらかじめ、財務大臣に協議しなければならない。
– 一 第百六十八条第一項、第三項又は第八項の認可をしようとするとき。
– 二 前条第一号又は第二号の指定をしようとするとき。
– (厚生労働省令への委任)
第百七十一条 この章に定めるもののほか、介護保険関係業務に係る支払基金の財務及び会計に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。
– (報告の徴収等)
第百七十二条 厚生労働大臣又は都道府県知事は、支払基金又は第百六十一条の規定による委託を受けた者(以下この項及び第二百七条第二項において「受託者」という。)について、介護保険関係業務に関し必要があると認めるときは、その業務又は財産の状況に関する報告を徴し、又は当該職員に実地にその状況を検査させることができる。ただし、受託者に対しては、当該受託業務の範囲内に限る。
– 2 第二十四条第三項の規定は、前項の規定による検査について、同条第四項の規定は、前項の規定による権限について準用する。
– 3 都道府県知事は、支払基金につき介護保険関係業務に関し社会保険診療報酬支払基金法第二十九条の規定による処分が行われる必要があると認めるとき、又は支払基金の理事長、理事若しくは監事につき介護保険関係業務に関し同法第十一条第二項若しくは第三項の規定による処分が行われる必要があると認めるときは、理由を付して、その旨を厚生労働大臣に通知しなければならない。
– (社会保険診療報酬支払基金法の適用の特例)
– 第百七十三条 介護保険関係業務は、社会保険診療報酬支払基金法第三十二条第二項の規定の適用については、同法第十五条に規定する業務とみなす。
– (審査請求)
第百七十四条 この法律に基づいてした支払基金の処分に不服のある者は、厚生労働大臣に対し、行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)による審査請求をすることができる。
– 第百七十五条 削除
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