雇保法 第三十七条 (傷病手当)

第三款 傷病手当

第三十七条 (傷病手当)  傷病手当は、受給資格者が、離職後公共職業安定所に出頭し、求職の申込みをした後において、疾病又は負傷のために職業に就くことができない場合に、第二十条第一項及び第二項の規定による期間(第三十三条第三項の規定に該当する者については同項の規定による期間とし、第五十七条第一項の規定に該当する者については同項の規定による期間とする。)内の当該疾病又は負傷のために基本手当の支給を受けることができない日(疾病又は負傷のために基本手当の支給を受けることができないことについての認定を受けた日に限る。)について、第四項の規定による日数に相当する日数分を限度として支給する。
2  前項の認定は、厚生労働省令で定めるところにより、公共職業安定所長が行う。
3  傷病手当の日額は、第十六条の規定による基本手当の日額に相当する額とする。
4  傷病手当を支給する日数は、第一項の認定を受けた受給資格者の所定給付日数から当該受給資格に基づき既に基本手当を支給した日数を差し引いた日数とする。
5  第三十二条第一項若しくは第二項又は第三十三条第一項の規定により基本手当を支給しないこととされる期間については、傷病手当を支給しない。
6  傷病手当を支給したときは、この法律の規定(第十条の四及び第三十四条の規定を除く。)の適用については、当該傷病手当を支給した日数に相当する日数分の基本手当を支給したものとみなす。
7  傷病手当は、厚生労働省令で定めるところにより、第一項の認定を受けた日分を、当該職業に就くことができない理由がやんだ後最初に基本手当を支給すべき日(当該職業に就くことができない理由がやんだ後において基本手当を支給すべき日がない場合には、公共職業安定所長の定める日)に支給する。ただし、厚生労働大臣は、必要があると認めるときは、傷病手当の支給について別段の定めをすることができる。
– 8  第一項の認定を受けた受給資格者が、当該認定を受けた日について、健康保険法(大正十一年法律第七十号)第九十九条の規定による傷病手当金、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第七十六条の規定による休業補償、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)の規定による休業補償給付又は休業給付その他これらに相当する給付であつて法令(法令の規定に基づく条例又は規約を含む。)により行われるもののうち政令で定めるものの支給を受けることができる場合には、傷病手当は、支給しない。
– 9  第十九条、第二十一条、第三十一条並びに第三十四条第一項及び第二項の規定は、傷病手当について準用する。この場合において、第十九条第一項及び第三項並びに第三十一条第一項中「失業の認定」とあるのは、「第三十七条第一項の認定」と読み替えるものとする。

第二節の二 高年齢継続被保険者の求職者給付

第三十七条の二 (高年齢継続被保険者)
 被保険者であつて、同一の事業主の適用事業に六十五歳に達した日の前日から引き続いて六十五歳に達した日以後の日において雇用されているもの(第三十八条第一項に規定する短期雇用特例被保険者及び第四十三条第一項に規定する日雇労働被保険者を除く。以下「高年齢継続被保険者」という。)が失業した場合には、この節の定めるところにより、高年齢求職者給付金を支給する。
2  高年齢継続被保険者に関しては、前節(第十四条を除く。)、次節及び第四節の規定は、適用しない。

第三十七条の三(高年齢受給資格)  高年齢求職者給付金は、高年齢継続被保険者が失業した場合において、離職の日以前一年間(当該期間に疾病、負傷その他厚生労働省令で定める理由により引き続き三十日以上賃金の支払を受けることができなかつた高年齢継続被保険者である被保険者については、当該理由により賃金の支払を受けることができなかつた日数を一年に加算した期間(その期間が四年を超えるときは、四年間))に、第十四条の規定による被保険者期間が通算して六箇月以上であつたときに、次条に定めるところにより、支給する。
– 2  前項の規定により高年齢求職者給付金の支給を受けることができる資格(以下「高年齢受給資格」という。)を有する者(以下「高年齢受給資格者」という。)が次条第四項の規定による期間内に高年齢求職者給付金の支給を受けることなく就職した後再び失業した場合(新たに第三十九条第二項に規定する特例受給資格を取得した場合を除く。)において、当該期間内に公共職業安定所に出頭し、求職の申込みをした上、次条第四項の認定を受けたときは、その者は、当該高年齢受給資格に基づく高年齢求職者給付金の支給を受けることができる。

第三十七条の四 (高年齢求職者給付金)
 高年齢求職者給付金の額は、高年齢受給資格者を第十五条第一項に規定する受給資格者とみなして第十六条から第十八条まで(第十七条第四項第二号を除く。)の規定を適用した場合にその者に支給されることとなる基本手当の日額に、次の各号に掲げる算定基礎期間の区分に応じ、当該各号に定める日数(第四項の認定があつた日から同項の規定による期間の最後の日までの日数が当該各号に定める日数に満たない場合には、当該認定のあつた日から当該最後の日までの日数に相当する日数)を乗じて得た額とする。
一  一年以上 五十日
二  一年未満 三十日
2  前項の規定にかかわらず、同項の規定により算定した高年齢受給資格者の賃金日額が第十七条第四項第二号ニに掲げる額(その額が第十八条の規定により変更されたときは、その変更された額。)を超えるときは、その額を賃金日額とする。
3  第一項の算定基礎期間は、当該高年齢受給資格者を第十五条第一項に規定する受給資格者と、当該高年齢受給資格に係る離職の日を第二十条第一項第一号に規定する基準日とみなして第二十二条第三項及び第四項の規定を適用した場合に算定されることとなる期間に相当する期間とする。この場合において、同条第三項に規定する基準日まで引き続いて同一の事業主の適用事業に雇用された期間のうち六十五歳に達した日以後の期間については、当該期間に十分の十を限度として厚生労働省令で定める率を乗じて得た期間をもつて当該期間とする。
4  高年齢求職者給付金の支給を受けようとする高年齢受給資格者は、離職の日の翌日から起算して一年を経過する日までに、厚生労働省令で定めるところにより、公共職業安定所に出頭し、求職の申込みをした上、失業していることについての認定を受けなければならない。
5  第二十一条、第三十一条第一項、第三十二条、第三十三条第一項及び第二項並びに第三十四条第一項の規定は、高年齢求職者給付金について準用する。この場合において、これらの規定中「受給資格者」とあるのは「高年齢受給資格者」と、「受給資格」とあるのは「高年齢受給資格」と、第三十一条第一項中「失業の認定を受けることができなかつた期間」とあるのは「第三十七条の四第四項の認定を受けることができなかつた場合における当該高年齢受給資格者」と、「失業の認定を受けなければならない」とあるのは「同項の認定を受けなければならない」と、第三十三条第一項中「第二十一条の規定による期間」とあるのは「第三十七条の四第五項において準用する第二十一条の規定による期間」と読み替えるものとする。


【試験問題】次の説明は、雇用保険の被保険者に関する記述である。
短期雇用特例被保険者であって、同一の事業主の適用事業に65歳に達した日の前日から引き続いて65歳に達した日以後の日において雇用されている者は、高年齢継続被保険者となる。 【解答】×

被保険者であつて、次の各号のいずれかに該当するもの(第四十三条第一項に規定する日雇労働被保険者を除く。以下「短期雇用特例被保険者」という。)が失業した場合には、この節の定めるところにより、特例一時金を支給する。
2号 短期の雇用(同一の事業主に引き続き被保険者として雇用される期間が一年未満である雇用をいう。)に就くことを常態とする者 (雇用保険法 38条1項2号)
高年齢継続被保険者
被保険者であって、同一の事業主の適用事業に65歳に達した日の前日から引き続いて65歳に達した日以後の日において雇用されているもの

(短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者を除く)
法37条の2第1項

短期雇用特例被保険者が同一の事業主に引き続いて雇用された期間が“1年以上”となった日以後は短期雇用特例被保険者でなくなり一般被保険者となる。
短期雇用特例被保険者であって、同一の事業主の適用事業に65歳に達した日の前日から引き続いて65歳に達した日以後の日において雇用されている者については、同一の事業主に引き続いて雇用された期間が“1年未満”である場合は、短期雇用特例被保険者のままであるが、雇用期間が“1年以上”となり一般被保険者となった場合はその日以後は、高年齢継続被保険者となる。
法37条の2、法38条、行政手引20302、行政手引20453
「短期」のまま。
法37条


【試験問題】次の説明は、雇用保険の被保険者に関する記述である。
65歳に達した日以後に適用事業に新たに雇用された者は、短期雇用特例被保険者又は日雇労働被保険者に該当することとなる場合を除き、被保険者とならない。
【解答】×


【試験問題】次の説明は、就業促進手当に関する記述である。
就業手当が支給された場合には、その支給日数に相当する日数分の基本手当が支給されたものとみなされ、当該受給資格者の基本手当の支給残日数は減少する。 【解答】○

傷病手当を支給したときは、この法律の規定(第十条の四及び第三十四条の規定を除く。)の適用については、当該傷病手当を支給した日数に相当する日数分の基本手当を支給したものとみなす。 (雇用保険法 37条6項)

就業手当が支給されたときは、当該就業手当が支給された日数に相当する日数分の基本手当が支給されたものとみなす
法56条2第4項

就業手当受給要件
①受給資格者で基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上かつ45日以上
②職業に就き又は事業を開始した(再就職手当の支給対象とならない場合に限る)
③離職前の事業主に再雇用されていない
④待機期間経過後に職業に就いた又は事業を開始した
⑤待機期間満了後離職理由による給付制限1ヶ月の期間内に職安又は職業紹介事業者の紹介により職業に就いた
⑥休職の申込み前に雇入れを約した事業主に雇用されていない
支給額=基本手当日額×30%×就業日

<参考>
【再就職手当】を支給したときは、【当該再就職手当の額を基本手当日額で除して得た日数に相当する日数分の基本手当】を支給したものとみなす。
法56条の3第5項


【試験問題】次の説明は、就職促進給付に関する記述である。
再就職手当は、受給資格者が安定した職業に就き、かつ、就職日の前日における基本手当の支給残日数が45日以上又は所定給付日数の3分の1以上である場合に支給される。【解答】?


【試験問題】次の説明は、高年齢求職者給付金に関する記述である。なお、本問において「基本手当の日額」とは、高年齢受給資格者を一般被保険者とみなした場合に適用されることとなる基本手当の日額を意味し、「基準日」とは、当該高年齢受給資格に係る離職(いわゆるみなし離職を除く。)の日とする。
高年齢求職者給付金については、基本手当の待期及び給付制限に関する規定は準用されない。 【解答】×

偽りその他不正の行為により次の各号に掲げる失業等給付の支給を受け、又は受けようとした者には、当該給付の支給を受け、又は受けようとした日以後、当該各号に定める高年齢雇用継続給付を支給しない。ただし、やむを得ない理由がある場合には、当該高年齢雇用継続給付の全部又は一部を支給することができる。
1号 高年齢雇用継続基本給付金 高年齢雇用継続基本給付金 (雇用保険法 61条の3第1項1号)
基本手当の待期、未支給の基本手当の請求手続、給付制限の規定は、高年齢求職者給付金について準用されている。
よって、「基本手当の待期及び給付制限に関する規定は準用されない」とした問題文は誤りである。
法37条の4第5項

高年齢求職者給付金
・原則として、離職の日以前1年間に、被保険者期間が 通算して6ヶ月以上
・支給日数-算定基礎期間が1年未満・・・30日
算定対象期間が1年以上・・・50日
・受給期限日は、離職の日の翌日から起算して1年を経 過する日
特例一時金
・原則として、離職の日以前1年間に、被保険者期間が 通算して6ヶ月以上
・支給日数-30日(当分の間、40日)
・受給期限日は、離職の日の翌日から起算して6ヶ月を 経過する日


【試験問題】次の説明は、高年齢求職者給付金に関する記述である。
高年齢求職者給付金を受給するためには、原則として、離職の日以前1年間に被保険者であった期間が通算して6か月以上あることが必要であるが、この被保険者であった期間には、一般被保険者であった期間は算入されない。 【解答】×

一般被保険者であった期間も算入される。
高年齢求職者給付金は、高年齢継続被保険者が失業した場合において、離職の日以前1年間に、第14条の規定による被保険者期間が通算して6箇月以上であつたときに、次条に定めるところにより、支給する。
第37条の3

高年齢継続被保険者は、65歳に達した日の前日から引き続いて65歳に達した日以後の日において雇用されるもの、であり、65歳から切替える以前は、一般被保険者であったと考えることが相当である。

そのため、「一般保険者であった期間は算入される」が正解
次の説明は、育児休業給付及び介護休業給付に関する記述である。なお、本問の被保険者には、高年齢継続被保険者、短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者を含めないものとする。

育児休業給付又は介護休業給付の支給を受けるためには、原則として、休業を開始した日前2年間に、みなし被保険者期間が通算して12か月以上あることが必要である。

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関連条文

  1. 雇保法 第二十一条(待期)

  2. 雇保法 第二十三条 算定基礎期間

  3. 国民年金について

  4. 健保法 第百九十四条 (期間の計算)

  5. 確年法 第五十五条(掛金)

  6. 健保法 第百十四条(家族出産育児一時金)

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