第四章 労働保険事務組合
第三十三条 (労働保険事務組合)
中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)第三条の事業協同組合又は協同組合連合会その他の事業主の団体又はその連合団体(法人でない団体又は連合団体であつて代表者の定めがないものを除く。以下同じ。)は、団体の構成員又は連合団体を構成する団体の構成員である事業主その他厚生労働省令で定める事業主(厚生労働省令で定める数を超える数の労働者を使用する事業主を除く。)の委託を受けて、この章の定めるところにより、これらの者が行うべき労働保険料の納付その他の労働保険に関する事項(印紙保険料に関する事項を除く。以下「労働保険事務」という。)を処理することができる。
– 2 事業主の団体又はその連合団体は、前項に規定する業務を行なおうとするときは、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
– 3 前項の認可を受けた事業主の団体又はその連合団体(以下「労働保険事務組合」という。)は、第一項に規定する業務を廃止しようとするときは、六十日前までに、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。
– 4 厚生労働大臣は、労働保険事務組合がこの法律、労災保険法若しくは雇用保険法若しくはこれらの法律に基づく厚生労働省令(以下「労働保険関係法令」という。)の規定に違反したとき、又はその行うべき労働保険事務の処理を怠り、若しくはその処理が著しく不当であると認めるときは、第二項の認可を取り消すことができる。
【試験問題】
次の説明は、労働保険事務組合(以下、本問においては「事務組合」という。)に関する記述である。
事務組合に労働保険事務の処理を委託することができる事業主は、事務組合の主たる事務所が所在する都道府県に主たる事務所を有するものに限られる。 【解答】×
労働保険事務組合は、厚生労働省令で定めるところにより、その処理する労働保険事務に関する事項を記載した帳簿を事務所に備えておかなければならない。 (労働保険の保険料の徴収等に関する法律 36条)
隣接する都道府県に主たる事務所がある事業主でも、全委託事業主の20%以内であれば認可してもよい。
労働保険事務組合の主たる事務所が所在する都道府県に隣接する都道府県に主たる事務所が所在する事業の事業主が全委託事業主の20%以内である場合は、その隣接する都道府県に主たる事務所が所在する事業の事業主であっても労働保険事務組合に労働保険事務の委託することが可能である。
よって、「事務組合の主たる事務所が所在する都道府県に主たる事務所を有するものに限られる」とした問題文は誤りである。
法33条、昭和62年3月10日発労徴13号
労働保険事務組合の主たる事務所が所在する都道府県に隣接する都道府県に主たる事務所を有する事業主も、委託することができる。ただし、当該事業主の割合は、全委託事業主の20%以内でなければならない。
法33条1項 平成12.3.31発労徴31号
有期事業の一括認可…所在地を管轄する労働局管轄区
域・隣接する都道府県労働局の管
轄区域内で行われていることが必
要。
継続事業の一括認可…上記の規定はない。
上記の規定と似ているので、注意が必要です。設問は、例えば当方が神奈川に所在する事務組合だとして、全20件の労働保険事務の委託を受けていたら、東京都を所在地とする事業所からの委託は20件のうち4件までなら可能、ということです。
法33条、昭62.3.10発労徴13号
【試験問題】
次の説明は、特別加入保険料に関する記述である。
第三種特別加入保険料とは、労働者災害補償保険に係るいわゆる海外派遣者の特別加入者についての保険料である。 【解答】○
前項の規定により徴収する保険料(以下「労働保険料」という。)は、次のとおりとする。
2号 第一種特別加入保険料 (労働保険の保険料の徴収等に関する法律 10条2項2号)
1. 労働保険料の種類
一般保険料 ! 事業主が労働者に支払う賃金を基礎として算出する通常の保険料
第1種特別加入保険料 ! 労災保険の中小事業主等の特別加入者についての保険料
第2種特別加入保険料 ! 労災保険の一人親方等の特別加入者についての保険料
第3種特別加入保険料 ! 労災保険の海外派遣の特別加入者についての保険料
印紙保険料 ! 雇用保険の日雇労働被保険者についての雇用保険印紙による保険料
第三種特別加入保険料率は平成27年4月1日より改定されました。
4/1000 ⇒ 3/1000
三種が3で覚えやすくなりましたね!
厚生労働省ホームページ
もう、遠い昔の古い数字は、削除願います。混乱するだけです。
【試験問題】
次の説明は、徴収法に関する記述である。なお、以下この問において「徴収法」とは、「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」のことである。
第3種特別加入保険料率は、労災保険法第33条第6号及び第7号の海外派遣者が従事する事業と同種又は類似の事業についての労災保険率と同じ率である。【解答】?
【試験問題】
次の説明は、労働保険の保険料の徴収等に関する法律の適用に関する記述である。なお、以下において、「労働保険徴収法」とは「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」のことである。
常時300人以下の労働者を使用する建設の事業の事業主は、事業の期間が予定される有期事業(一括有期事業を除く。)については、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託することはできない。 【解答】×?
前項の認可を受けた事業主の団体又はその連合団体(以下「労働保険事務組合」という。)は、第一項に規定する業務を廃止しようとするときは、六十日前までに、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。 (労働保険の保険料の徴収等に関する法律 33条3項)
労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託することができるのは、常時300人(金融業若しくは保険業、不動産業又は小売業を主たる事業とする事業主については50人、卸売業又はサービス業を主たる事業とする事業主については100人)以下の労働者を使用する事業主とされているため、この要件を満たしている場合は、有期事業であっても労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託することができる。
法33条1項、則58条2項
延納のところで「有期事業」の場合、事務組合に事務を委託していても納期限が14日延長されないと学習したことからも、有期事業も事務組合に委託できると判断した。
この条件は労災保険における中小企業主等の特別加入の要件と同じです。
【試験問題】
次の説明は、労働保険事務組合に関する記述である。なお、本問において事務組合とは、労働保険事務組合のことをいう。
有期事業について、労働保険料を延納する場合、労働保険事務の処理を事務組合に委託している事業主であっても、納付期限は事務組合に委託していない事業主と同じに設定されている。【解答】×
【試験問題】
次の説明は、労働保険事務組合(以下、本問においては「事務組合」という。)に関する記述である。
法人でない団体については、団体の事業内容、構成員の範囲、その他団体の組織、運営方法等から団体性が明確でない場合であっても、都道府県労働局長の判断により事務組合としての認可を受けることができる。 【解答】×
団体性が明確であることが必要。
労働保険事務組合の認可を受けるためには、団体が法人であるか否かは問われないが、法人でない団体にあっては代表者の定めがあることのほか、団体の事業内容、構成員の範囲その他団体の組織、運営方法等が、定款、規約その他団体の基本となる規則において明確に定められ、団体性が明確であることを要するとされている。
法33条、昭和62年3月10日発労徴13号
労働保険事務組合
①法人でなくてもよい
②代表者の定めがあるなど、団体性が明確であること
【試験問題】
労働保険に係る事業の廃止及び保険関係の消滅等に関する記述である。
なお、本問において、「労災保険の保険給付の特例」とは失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第18条又は同法第18条の2の規定に基づき、労災保険に係る保険関係が成立する前に労災保険暫定任意適用事業において発生した業務上の傷病又は通勤による傷病について、当該事業の労災保険に係る保険関係が成立した後に発生したものとみなし、当該事業主の申請により行う労災保険の保険給付のことをいい、また、「特別保険料」とは同法第19条の特別保険料のことをいう。
労働保険事務組合が、労働保険事務の処理に係る業務を廃止しようとするときは、60日前までに、労働保険事務等処理委託解除届を当該労働保険事務組合の主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長に提出することによって行わなければならない。 【解答】×
労働保険事務組合は、業務を廃止しようとするときは、60日前までに厚生労働大臣に届けなければならないが、この届出の受理の権限は都道府県労働局長に委任されている。具体的には「労働保険事務組合業務廃止届」を提出することとされている。
よって、「労働保険事務等処理委託解除届」とした問題文は誤りとなる。
なお「労働保険事務等処理委託解除届」については事業主から労働保険事務組合への事務処理の委託解除があった場合に遅滞なくその主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長に提出するものである。(則64条)
法33条3項、則66条
労働保険事務組合業務廃止届→60日前までに→厚生労働大臣
難しい
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