第九章 罰則
第百十一条 偽りその他不正な手段により給付を受けた者は、三年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。ただし、刑法(明治四十年法律第四十五号)に正条があるときは、刑法による。
第百十一条の二 第百八条の四において読み替えて準用する住民基本台帳法第三十条の四十三第五項の規定による命令に違反した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第百十一条の三 解散した国民年金基金又は国民年金基金連合会が、正当な理由がなくて、第九十五条の二の規定による徴収金を督促状に指定する期限までに納付しないときは、その代表者、代理人又は使用人その他の従業者でその違反行為をした者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
2 前項の国民年金基金又は国民年金基金連合会の代表者、代理人又は使用人その他の従業者が、その国民年金基金又は国民年金基金連合会の業務に関して同項の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その国民年金基金又は国民年金基金連合会に対しても、同項の罰金刑を科する。
第百十二条 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
– 一 第十二条第一項又は第五項の規定に違反して虚偽の届出をした被保険者
– 二 第十二条第二項の規定により届出をする場合に虚偽の届出をした世帯主
– 三 第百六条第一項の規定により国民年金手帳、資産若しくは収入の状況に関する書類その他の物件の提出を命ぜられてこれに従わず、若しくは虚偽の書類その他の物件の提出をし、又は同項の規定による当該職員(第百九条の八第二項において読み替えて適用される第百六条第一項に規定する機構の職員を含む。)の質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の陳述をした被保険者
第百十三条 第十二条第一項又は第五項の規定に違反して届出をしなかつた被保険者は、三十万円以下の罰金に処する。ただし、同条第二項の規定によつて世帯主から届出がなされたときは、この限りでない。
第百十三条の二 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
– 一 第九十五条の規定によりその例によるものとされる国税徴収法第百四十一条の規定による徴収職員の質問に対して答弁をせず、又は偽りの陳述をした者
– 二 第九十五条の規定によりその例によるものとされる国税徴収法第百四十一条の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は当該検査に関し偽りの記載若しくは記録をした帳簿書類を提示した者
– 三 第百八条の四において読み替えて準用する住民基本台帳法第三十四条の二第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
– 四 第百九条の三第六項の規定に違反した者
第百十三条の三 法人(法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるもの(以下この条において「人格のない社団等」という。)を含む。以下この項において同じ。)の代表者(人格のない社団等の管理人を含む。)又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関して第百十一条の二又は前条(第四号を除く。)の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対し、各本条の罰金刑を科する。
– 2 人格のない社団等について前項の規定の適用がある場合においては、その代表者又は管理人がその訴訟行為につき当該人格のない社団等を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。
第百十三条の四 機構の役員は、次の各号のいずれかに該当する場合には、二十万円以下の過料に処する。
– 一 第百九条の六第一項及び第二項、第百九条の七第一項、第百九条の八第一項並びに第百九条の十一第二項の規定により厚生労働大臣の認可を受けなければならない場合において、その認可を受けなかつたとき。
– 二 第百九条の七第三項の規定による命令に違反したとき。
– 第百十四条 次の各号のいずれかに該当する者は、十万円以下の過料に処する。
– 一 第百五条第一項の規定に違反して届出をしなかつた被保険者。ただし、同条第二項において準用する第十二条第二項の規定により世帯主から届出がなされたときを除く。
– 二 第百五条第一項の規定に違反して虚偽の届出をした被保険者
– 三 第百五条第二項において準用する第十二条第二項の規定により届出をする場合に虚偽の届出をした世帯主
– 四 第百五条第四項の規定に違反して届出をしなかつた戸籍法の規定による死亡の届出義務者
第十章 国民年金基金及び国民年金基金連合会
第一節 国民年金基金
第一款 通則
(基金の給付)
第百十五条 国民年金基金(以下「基金」という。)は、第一条の目的を達成するため、加入員の老齢に関して必要な給付を行なうものとする。
(種類)
第百十五条の二 基金は、地域型国民年金基金(以下「地域型基金」という。)及び職能型国民年金基金(以下「職能型基金」という。)とする。
(組織)
第百十六条 地域型基金は、第一号被保険者(第八十九条、第九十条第一項又は第九十条の三第一項の規定により保険料を納付することを要しないものとされている者、第九十条の二第一項から第三項までの規定によりその一部の額につき保険料を納付することを要しないものとされている者及び農業者年金の被保険者を除く。次項及び第百二十七条第一項において同じ。)であつて、基金の地区内に住所を有する者をもつて組織する。
– 2 職能型基金は、第一号被保険者であつて、基金の地区内において同種の事業又は業務に従事する者をもつて組織する。
– 3 前二項に規定する者は、加入員たる資格を有する者という。
(法人格)
第百十七条 基金は、法人とする。
– 2 基金の住所は、その主たる事務所の所在地にあるものとする。
(名称)
第百十八条 基金は、その名称中に国民年金基金という文字を用いなければならない。
– 2 基金でない者は、国民年金基金という名称を用いてはならない。
(地区)
第百十八条の二 基金の地区は、地域型基金にあつては、一の都道府県の区域の全部とし、職能型基金にあつては、全国とする。
– 2 地域型基金は、都道府県につき一個とし、職能型基金は、同種の事業又は業務につき全国を通じて一個とする。
第二款 設立
(設立委員等)
第百十九条 地域型基金を設立するには、加入員たる資格を有する者及び年金に関する学識経験を有する者のうちから厚生労働大臣が任命した者が設立委員とならなければならない。
– 2 前項の設立委員の任命は、三百人以上の加入員たる資格を有する者が厚生労働大臣に地域型基金の設立を希望する旨の申出を行つた場合に行うものとする。
– 3 職能型基金を設立するには、その加入員となろうとする十五人以上の者が発起人とならなければならない。
– 4 地域型基金は、千人以上の加入員がなければ設立することができない。
– 5 職能型基金は、三千人以上の加入員がなければ設立することができない。
(創立総会)
第百十九条の二 設立委員又は発起人(以下「設立委員等」という。)は、規約を作成し、創立総会の日時及び場所とともに公告して、創立総会を開かなければならない。
– 2 前項の公告は、会日の二週間前までにしなければならない。
– 3 設立委員等が作成した規約の承認その他設立に必要な事項の決定は、創立総会の議決によらなければならない。
– 4 創立総会においては、前項の規約を修正することができる。ただし、地区及び加入員に関する規定については、この限りでない。
– 5 創立総会の議事は、加入員たる資格を有する者であつてその会日までに設立委員等に対し設立の同意を申し出たものの半数以上が出席して、その出席者の三分の二以上で決する。
– 6 前各項に定めるもののほか、議事の手続その他創立総会に関し必要な事項は、政令で定める。
(設立の認可)
第百十九条の三 設立委員等は、創立総会の終了後遅滞なく、規約その他必要な事項を記載した書面を厚生労働大臣に提出して、設立の認可を受けなければならない。
(成立の時期)
第百十九条の四 基金は、設立の認可を受けた時に成立する。
– 2 第百十九条の二第五項の設立の同意を申し出た者は、基金が成立したときは、その成立の日に加入員の資格を取得するものとする。
(理事長への事務引継)
第百十九条の五 設立の認可があつたときは、設立委員等は、遅滞なく、その事務を理事長に引き継がなければならない。
第三款 管理
(規約)
第百二十条 基金は、規約をもつて次に掲げる事項を定めなければならない。
– 一 名称
– 二 事務所の所在地
– 三 地区
– 四 代議員及び代議員会に関する事項
– 五 役員に関する事項
– 六 加入員に関する事項
– 七 年金及び一時金に関する事項
– 八 掛金に関する事項
– 九 資産の管理その他財務に関する事項
– 十 解散及び清算に関する事項
– 十一 業務の委託に関する事項
– 十二 公告に関する事項
– 十三 その他組織及び業務に関する重要事項
– 2 職能型基金の規約には、前項に掲げる事項のほか、その設立に係る事業又は業務の種類を定めなければならない。
– 3 前二項の規約の変更(政令で定める事項に係るものを除く。)は、厚生労働大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
– 4 基金は、前項の政令で定める事項に係る規約の変更をしたときは、遅滞なく、これを厚生労働大臣に届け出なければならない。
(公告)
第百二十一条 基金は、政令の定めるところにより、基金の名称、事務所の所在地、役員の氏名その他政令で定める事項を公告しなければならない。
(代議員会)
第百二十二条 基金に、代議員会を置く。
– 2 代議員会は、代議員をもつて組織する。
– 3 代議員は、規約の定めるところにより、加入員のうちから選任する。
– 4 設立当時の代議員は、創立総会において、第百十九条の二第五項の設立の同意を申し出た者のうちから選挙する。
– 5 代議員の任期は、三年を超えない範囲内で規約で定める期間とする。ただし、補欠の代議員の任期は、前任者の残任期間とする。
– 6 代議員会は、理事長が招集する。代議員の定数の三分の一以上の者が会議に付議すべき事項及び招集の理由を記載した書面を理事長に提出して代議員会の招集を請求したときは、理事長は、その請求のあつた日から二十日以内に代議員会を招集しなければならない。
– 7 代議員会に議長を置く。議長は、理事長をもつて充てる。
– 8 前各項に定めるもののほか、代議員会の招集、議事の手続その他代議員会に関し必要な事項は、政令で定める。
第百二十三条 次に掲げる事項は、代議員会の議決を経なければならない。
– 一 規約の変更
– 二 毎事業年度の予算
– 三 毎事業年度の事業報告及び決算
– 四 その他規約で定める事項
– 2 理事長は、代議員会が成立しないとき、又は理事長において代議員会を招集する暇がないと認めるときは、代議員会の議決を経なければならない事項で臨時急施を要するものを処分することができる。
– 3 理事長は、前項の規定による処置については、次の代議員会においてこれを報告し、その承認を求めなければならない。
– 4 代議員会は、監事に対し、基金の業務に関する監査を求め、その結果の報告を請求することができる。
(役員)
第百二十四条 基金に、役員として理事及び監事を置く。
– 2 理事は、代議員において互選する。ただし、理事の定数の三分の一を超えない範囲内については、代議員会において、年金に関する学識経験を有する者のうちから選挙することができる。
– 3 設立当時の理事は、創立総会において、第百十九条の二第五項の設立の同意を申し出た者のうちから選挙する。ただし、理事の定数の三分の一を超えない範囲内については、年金に関する学識経験を有する者のうちから選挙することができる。
– 4 理事のうち一人を理事長とし、理事が選挙する。
– 5 監事は、代議員会において、学識経験を有する者及び代議員のうちから、それぞれ一人を選挙する。
– 6 設立当時の監事は、創立総会において、学識経験を有する者及び第百十九条の二第五項の設立の同意を申し出た者のうちから、それぞれ一人を選挙する。
– 7 役員の任期は、三年を超えない範囲内で規約で定める期間とする。ただし、補欠の役員の任期は、前任者の残任期間とする。
– 8 役員は、その任期が満了しても、後任の役員が就任するまでの間は、なお、その職務を行う。
– 9 監事は、理事又は基金の職員と兼ねることができない。
(役員の職務)
第百二十五条 理事長は、基金を代表し、その業務を執行する。理事長に事故があるとき、又は理事長が欠けたときは、理事のうちから、あらかじめ理事長が指定する者がその職務を代理し、又はその職務を行なう。
– 2 基金の業務は、規約に別段の定めがある場合を除くほか、理事の過半数により決し、可否同数のときは、理事長の決するところによる。
– 3 理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して、年金及び一時金に充てるべき積立金(以下「積立金」という。)の管理及び運用に関する基金の業務を執行することができる。
– 4 監事は、基金の業務を監査する。
– 5 監事は、監査の結果に基づき、必要があると認めるときは、理事長又は代議員会に意見を提出することができる。
(理事の義務及び損害賠償責任)
第百二十五条の二 理事は、前条第三項に規定する基金の業務について、法令、法令に基づいてする厚生労働大臣の処分、規約及び代議員会の議決を遵守し、基金のため忠実にその職務を遂行しなければならない。
– 2 理事が前条第三項に規定する基金の業務についてその任務を怠つたときは、その理事は、基金に対し連帯して損害賠償の責めに任ずる。
(理事の禁止行為等)
第百二十五条の三 理事は、自己又は当該基金以外の第三者の利益を図る目的をもつて、積立金の管理及び運用の適正を害するものとして厚生労働省令で定める行為をしてはならない。
– 2 基金は、前項の規定に違反した理事を、規約の定めるところにより、代議員会の議決を経て、交代させることができる。
(理事長の代表権の制限)
第百二十五条の四 基金と理事長(第百二十五条第一項の規定により理事長の職務を代理し、又はその職務を行う者を含む。以下この条において同じ。)との利益が相反する事項については、理事長は、代表権を有しない。この場合においては、学識経験を有する者のうちから選任された監事が基金を代表する。
(基金の役員及び職員の公務員たる性質)
第百二十六条 基金の役員及び基金に使用され、その事務に従事する者は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
126
1
次の説明は、国民年金法に関する記述である。
国民年金基金の役員及び国民年金基金に使用され、その事務に従事する者は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなされる。 2007年度(平成19年度) 試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
解答
○
基金の役員及び基金に使用され、その事務に従事する者は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。 (国民年金法 126条)
(基金の役員及び職員の公務員たる性質)
第百二十六条 基金の役員及び基金に使用され、その事務に従事する者は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
[自説の根拠]126条
基金の役員及び基金に使用されその事務に従事する者は刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなされる。公務員が、収賄してはいけないのと同様、資金の運用受託機関等から、特別な利益の提供を受けてはならないということです。
[自説の根拠]法126条
他に、法令により公務に従事する職員とみなし刑法その他の罰則の適用をするもの
★「厚生年金基金」の役員及び厚生年金基金に使用され、その事務に従事する者
★社会保険労務士「試験事務」に従事する連合会の役員若しくは職員(試験委員を含む)又はこれらの職にあつた者
★全国健康保険協会の「運営委員会」の委員
など
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