安衛法 第十八条(衛生委員会)

(衛生委員会)
第十八条
事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、次の事項を調査審議させ、事業者に対し意見を述べさせるため、衛生委員会を設けなければならない。
一  労働者の健康障害を防止するための基本となるべき対策に関すること。
二  労働者の健康の保持増進を図るための基本となるべき対策に関すること。
三  労働災害の原因及び再発防止対策で、衛生に係るものに関すること。
四  前三号に掲げるもののほか、労働者の健康障害の防止及び健康の保持増進に関する重要事項
2  衛生委員会の委員は、次の者をもつて構成する。ただし、第一号の者である委員は、一人とする。
一  総括安全衛生管理者又は総括安全衛生管理者以外の者で当該事業場において
その事業の実施を統括管理するもの若しくはこれに準ずる者のうちから事業者が指名した者
二  衛生管理者のうちから事業者が指名した者
三  産業医のうちから事業者が指名した者
四  当該事業場の労働者で、衛生に関し経験を有するもののうちから事業者が指名した者
3  事業者は、当該事業場の労働者で、作業環境測定を実施している作業環境測定士で
あるものを衛生委員会の委員として指名することができる。
4  前条第三項から第五項までの規定は、衛生委員会について準用する。
この場合において、同条第三項及び第四項中「第一号の委員」とあるのは、
「第十八条第二項第一号の者である委員」と読み替えるものとする。

衛生委員会の構成員は①~⑤です。


①総括安全衛生管理者又は総括安全衛生管理者以外の者で当該事業場においてその事業の実施を統括管理する者若しくはこれに準ずる者のうちから事業者が指名した者(1人)
②衛生管理者のうちから事業者が指名した者
③産業医のうちから事業者が指名した者
④当該事業場の労働者で、衛生に関し経験を有する者のうちから事業者が指名した者
⑤事業者は、当該事業場の労働者で、作業環境測定を実施している作業環境測定士である者を衛生委員会の委員として指名することが出来る

③の産業医については、通達(S63.9.16基発601号の1)により、専属のものでなくても構わないです。

衛生委員会又は安全衛生委員会の構成員である産業医は、当該事業場に専属の産業医に限られていない。よって、嘱託の産業医であっても事業者は衛生委員会又は安全衛生委員会の構成員として指名する必要がある。


【試験問題】
次の説明は、労働安全衛生法に定める安全衛生管理体制等に関する記述である。事業者は、当該事業場に設置されている衛生委員会の委員として、原則として、当該事業場の産業医を指名しなければならないこととされているが、当該産業医が嘱託の場合には、必ずしも指名することを要しない。
【解答】
×


【試験問題】
次の説明は、労働安全衛生法に定める安全衛生管理体制に関する記述である。定期に行われる健康診断、労働安全衛生法第66条第4項の規定による指示を受けて行われる臨時の健康診断、同法第66条の2の労働者が自ら受けた健康診断及び同法に基づく省令の規定に基づいて行われる医師の診断、診察又は処置の結果並びにその結果に対する対策の樹立に関することは、衛生委員会の付議事項とされており、これらの健康診断の結果には、受診労働者個々の健康診断結果も含まれる。
【解答】
X

事業者は、第六十六条第一項から第四項までの規定により行う健康診断を受けた労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、当該健康診断の結果を通知しなければならない。 (労働安全衛生法 66条の6)

衛生委員会の付議事項には、受診労働者個々の健康診断結果は含まれません。

定期健康診断、臨時の健康診断、自発的健康診断等の結果並びにその結果に対する対策の樹立に関することは衛生委員会の付議事項とされている。

しかし、審議事項となっている健康診断の結果には、受診労働者個々の健康診断結果は含まれず、職場の健康管理対策に資する内容のものであればよいとされています。
(法18条1項、則22条7号、昭和63年9月16日基発602号)


【試験問題】
次の説明は、労働安全衛生法に定める安全衛生管理体制に関する記述である。事業者は、産業医を選任するに当たっては、衛生委員会に調査審議させ、その意見を聴かなければならない。
【解答】
X

衛生委員会の構成員には「産業医」を必ず加えなければならないことと規定されていますから、もし「産業医」の選任を委員会の審議事項とした場合には、その委員会のメンバーにはすでに「産業医」がいる訳で、そもそも論理的矛盾を来すこととなります。

≪参考≫

産業医についての記事「診察の教授「暑さ対策を」福島第1、シャワーなど必要」

福島D1で働く東京電力社員らの診察に当たった大学院教授(公衆衛生学)が、記者会見した。現場では風呂に入れない状態が続いており、今後気温が上がると感染症が流行する恐れがあるとして、シャワーの設置が急務と指摘。熱中症を防ぐために冷房などの暑さ対策も求めた。
教授らは、非常勤産業医として、D1、D2で働く社員を診察。社員は通常4日間働き2日間休みを取っており、勤務中は体育館に雑魚寝し、風呂に入れない状態と報告。
(平成23年5月9日時事通信)

衛生委員会の調査審議事項に産業医の選任に関することは含まれていません。もちろん意見を聴く必要もありません。(法13条1項、法18条1項)


【試験問題】
次の説明は、労働安全衛生法に定める安全衛生管理体制に関する記述である。事業者は、当該事業場の労働者で、作業環境測定を実施している作業環境測定士であるものを衛生委員会の委員として指名することができる。
【解答】

事業者は、当該事業場の労働者で、作業環境測定を実施している作業環境測定士であるものを衛生委員会の委員として指名することができる。 (労働安全衛生法 18条3項)

指名することができる」のであって、「指名しなければならない」のではありません。

衛生委員会の構成メンバー

・総括安全衛生管理者、選任不要事業所は事業の実施を統括管理する者(議長となる)
・衛生管理者
・産業医
・事業場の労働者で、衛生に関して経験を有する者
・作業環境測定士(任意に指名できる)

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関連条文

  1. 厚年法 第百四十五条 (解散)

  2. 健保法 健保法 第百条 (埋葬料)

  3. 健保法 第七十六条 (療養の給付に関する費用) 

  4. 労災法 第四十三条 不服申立て及び訴訟

  5. 労災法 第三十四条 特別加入

  6. 健保法 第百五十条 保健事業

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