徴収法 第十六条(増加概算保険料の納付)

第十六条(増加概算保険料の納付)
事業主は、第十五条第一項又は第二項に規定する賃金総額の見込額、第十三条の厚生労働省令で定める額の総額の見込額、第十四条第一項の厚生労働省令で定める額の総額の見込額又は第十四条の二第一項の厚生労働省令で定める額の総額の見込額が増加した場合において厚生労働省令で定める要件に該当するときは、その日から三十日以内に、増加後の見込額に基づく労働保険料の額と納付した労働保険料の額との差額を、その額その他厚生労働省令で定める事項を記載した申告書に添えて納付しなければならない。


【試験問題】次の説明は、徴収法に関する記述である。政府は、保険年度の中途において、一般保険料率、第1種特別加入保険料率、第2種特別加入保険料率又は第3種特別加入保険料率の引下げを行った場合において、当該引下げに相当する額の労働保険料が厚生労働大臣の定める額を超える事業があるときは、その超える額に相当する金額を当該事業の事業主に還付するものとされている。 【解答】×

事業主は、保険年度ごとに、次に掲げる労働保険料の額その他厚生労働省令で定める事項を記載した申告書を、次の保険年度の初日(保険年度の中途に保険関係が消滅したものについては、当該保険関係が消滅した日(保険年度の中途に労災保険法第三十四条第一項の承認が取り消された事業に係る第一種特別加入保険料及び保険年度の中途に労災保険法第三十六条第一項の承認が取り消された事業に係る第三種特別加入保険料に関しては、それぞれ当該承認が取り消された日)。第三項において同じ。)から五十日以内に提出しなければならない。

2号 第十五条第一項第二号イの事業にあつては、その使用したすべての労働者に係る賃金総額について前号の規定の例により算定した一般保険料及びその保険年度における第十三条の厚生労働省令で定める額の総額に当該事業についての第一種特別加入保険料率を乗じて算定した第一種特別加入保険料 (労働保険の保険料の徴収等に関する法律 19条1項2号イ)

一般保険料率等の引下により、労働保険料額が引下げられても還付は行われない。

企業側の要因(16条)でも企業側の要因でない場合(17条)でも、概算額の減少で年度途中の還付は行われないみたいですね

第17条
政府は..保険料率の引上げを行つたときは、労働保険料を追加徴収する。

第16条
..総額の見込額が増加した場合において厚生労働省令で定める要件に該当するときは、その日から30日以内に..申告書に添えて納付しなければならない。


【試験問題】次の説明は、労働保険の保険料等に関する記述である。なお、以下において、「労働保険徴収法施行規則」とは「労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則」のことである。事業主は、賃金総額の見込額が増加し、増加後の見込額が増加前の見込額の1.5倍を超え、かつ、増加後の見込額に基づき算定した概算保険料の額と既に納付した概算保険料の額との差額が150,000円以上であると見込まれた場合には、その日の翌日から起算して30日以内に、増加後の見込額に基づく労働保険料の額と納付した労働保険料の額との差額を納付しなければならない。【解答】×

事業主は、第十五条第一項又は第二項に規定する賃金総額の見込額、第十三条の厚生労働省令で定める額の総額の見込額、第十四条第一項の厚生労働省令で定める額の総額の見込額又は第十四条の二第一項の厚生労働省令で定める額の総額の見込額が増加した場合において厚生労働省令で定める要件に該当するときは、その日から三十日以内に、増加後の見込額に基づく労働保険料の額と納付した労働保険料の額との差額を、その額その他厚生労働省令で定める事項を記載した申告書に添えて納付しなければならない。 (労働保険の保険料の徴収等に関する法律 16条)

100分の200を超え、かつ13万円以上
100分の200を超え、「かつ」13万円以上の「」部を「または」で引っ掛けられる可能性ありなので要注意。

増加後の保険料算定基礎額の見込額が増加前の保険料算定基礎額の見込額の100分の200を超え、かつ、増加後の保険料算定基礎額の見込額に基づき算定した概算保険料の額と既に納付した概算保険料の額との差額が13万円以上であるときは、その日(概算保険料の増加が見込まれた日)から30日以内(翌日起算)に、増加後の見込額に基づく労働保険料の額と納付した労働保険料の額との差額を、所定の事項を記載した増加概算保険料申告書に添えて納付しなければならないことになっている。(法16条、則25条1項)


【試験問題】次の説明は、労働保険料に関する記述である。事業主は、増加後の保険料算定基礎額の見込額が増加前の保険料算定基礎額の見込額の100分の200を超え、かつ、増加後の保険料算定基礎額の見込額に基づき算定した概算保険料の額との差額が13万円以上であるときは、その日から30日以内に、増加後の見込額に基づく労働保険料の額と納付した労働保険料の額との差額を所定の申告書に添えて納付しなければならない。【解答】○?


【試験問題】次の説明は、労働保険の増加概算保険料に関する記述である。増加概算保険料の納付の要件に該当するに至っている場合であって、事業主が増加概算保険料申告書を提出しないとき、又はその申告書の記載に誤りがあると認められるときは、所轄都道府県労働局歳入徴収官は増加概算保険料の額を決定し、これを当該事業主に通知しなければならない。
【解答】×

増加概算保険料の納付の要件に該当するに至ったときは、すでに納付した概算保険料と増加を見込んだ賃金総額の見込額に基づいて算定した概算保険料との差額を「増加概算保険料申告書」に添えて申告・納付しなければならないことになっているが、申告書を提出しない場合等であっても増加概算保険料については政府の認定決定は行われない。

よって、「所轄都道府県労働局歳入徴収官は増加概算保険料の額を決定し、これを当該事業主に通知しなければならない。」とした問題文は誤りとなる。
[自説の根拠]法16条
★政府の認定決定は3種類
1.確定保険料の認定決定:(追徴金)100分の10
2.印紙保険料の認定決定:(追徴金)100分の25
3.概算保険料の認定決定:(追徴金)なし

政府は、事業主が概算保険料申告書を提出しないとき、または概算保険料申告書の記載内容に誤りがあるときは、概算保険料の額を決定し、これを事業主に通知します。この通知を受けた事業主は、納付した概算保険料の額が政府の決定した概算保険料の額に足りないときはその不足額を、納付した概算保険料がないときは政府が決定した額を、その通知を受けた日の翌日から15日以内に納付しなくてはなりません。
となると、
「○」ですかね・・・難しい。

<span style=”color: #008000;”>【試験問題】次の説明は、概算保険料の延納に関する記述である。なお、以下において、保険料の納付等に関する期限は、日曜日、国民の祝日に関する法律に規定する休日その他一般の休日又は土曜日に当たらないものとし、また、本問において、「認定決定」とは労働保険徴収法第15条第3項又は同法第19条第4項の規定に基づき所轄都道府県労働局歳入徴収官が労働保険料額を決定し、これを事業主に通知することをいう。
継続事業の事業主は、増加概算保険料について延納を申請した場合には、増加前の概算保険料の延納をしていないときであっても、増加後の概算保険料の額が40万円を超えるときは、当該増加概算保険料を延納することができる。 【解答】×</span>

増加前の概算保険料の延納をしていないときは、増加後の概算保険料の延納はできません。
増加概算保険料の延納の申請をすることができるのは、当初の概算保険料又は認定決定に係る概算保険料について延納している場合に限られている。
法16条、法18条、則30条

<span style=”color: #008000;”>【試験問題】
次の説明は、労働保険の増加概算保険料に関する記述である。
継続事業の事業主は、労働者数の増加等により、概算保険料の算定に用いる賃金総額の見込額が、既に納付した概算保険料の算定基礎とした賃金総額の見込額に比べて増加することとなり、増加概算保険料の納付の要件に該当するに至った場合は、当該賃金総額の増加が見込まれた日から30日以内に増加概算保険料の申告・納付を行なわなければならないが、有期事業の事業主の場合であっても、申告・納付の期限は同じである。 【解答】○</span>

増加概算保険料の納付の要件に該当するに至った時、当該賃金総額の増加が見込まれた日(現実に支払った賃金の総額が既に申告した賃金総額の見込み額の2倍を超えるに至った日ではない)から30日以内に増加概算保険料の申告・納付を行うものであり、継続事業であると有期事業であるとを問わず納期限は同じとされている。
よって、問題文は正解。

<span style=”color: #008000;”>【試験問題】
次の説明は、労働保険の増加概算保険料に関する記述である。
継続事業の事業主は、労働者数の増加等により、概算保険料の算定に用いる賃金総額の見込額が、既に納付した概算保険料の算定基礎とした賃金総額の見込額に比べて増加することとなったが、増加概算保険料の納付の要件に該当するに至らなかった場合には、確定保険料の申告・納付の際に精算する必要がある。 【解答】○</span>

法16条、法19条
増加概算保険料の要件に該当しない場合は、労働保険料の年度更新によりその期間が終わってから確定額で申告し、当該確定額と納付した概算保険料額との差額(納付した概算保険料がないときは当該確定額)を納付することになっている。
よって、問題文は正解となる。

<span style=”color: #008000;”>【試験問題】
次の説明は、労働保険料に関する記述である。増加概算保険料を申告する場合において、増加前の概算保険料を延納していない有期事業の事業主は、増加後の概算保険料の額が75万円を超えるときでも、原則として当該増加概算保険料を延納することができない。 【解答】○</span>

増加概算保険料の延納を申請できるのは、当初の概算保険料または認定決定による概算保険料について延納されていたときのみ当初の概算保険料について延納の申請をしている事業主が、増加概算保険料申告書を提出する際に延納の申請をすることにより、増加概算保険料についても延納をすることができる。よって、増加前の概算保険料を延納していない事業主は、増加概算保険料を延納することができない。なお、増加前の概算保険料を延納している事業主であっても、増加概算保険料を一括納付することは可能である。
法16条、法18条、則30条1項

延納の要件
1、継続事業(一括有期事業含む)
①概算保険料の額が40万円以上(労災・雇用のいずれか一方に係る保険関係のみの成立の場合は、20万円以上)であること
②年度中途成立の場合、10月1日以降に保険関係が成立したものでないこと
2.有期事業
①概算保険料の額が75万円以上であること
②事業の全期間が6月以内でないこと
3.継続事業・有期事業 共通
①労働保険事務の処理を労働保険事務組合に委託(概算保険料の額は関係なし)
②概算保険料申告書を提出の際に延納の申請をしたこと

<span style=”color: #008000;”>【試験問題】次の説明は、労働保険に関する記述である。
年度途中に当該年度末までの間に賃金総額の見込額が1.5倍を超えて増加することが見込まれ、その増加額が労働保険料の額で6万円以上ある場合は、増加額を申告・納付しなければならない。【解答】?</span>

<span style=”color: #008000;”>【試験問題】次の説明は、労働保険料の納付に関する記述である。概算保険料について、当該保険年度末又は事業終了時までの間に賃金総額の見込額が2倍を超えて増加することが見込まれる場合で、かつ、その増加額が当該概算保険料との額の差額が13万円以上である場合には、継続事業であるか有期事業であるかにかかわらず、当該賃金総額の増加が見込まれた日の翌日から起算して30日以内に申告・納付を行わなければならない。 【解答】○
</span>

増加概算保険料
概算保険料の申告納付後に賃金総額等の見込み額が増加した場合において、次のいずれにも該当するときは、増加後の見込み額に基づく労働保険料の額とすでに納付した労働保険料の額との差額を、増加概算保険料申告書に添えて申告・納付しなければならない。
●増加後の賃金総額等の見込み額が増加前の賃金総額等の見込み額の100分の200を超える場合
●増加後の賃金総額等に基づいて算定した概算保険料の額とすでに納付した概算保険料との額の差額が13万円以上となる場合

増加概算保険料は継続事業であるか有期事業であるかに係わらず、賃金総額等の増加が見込まれた日から30日以内(翌日起算)に申告、納付しなければならない。
ちなみに増加概算保険料に対しては認定決定は行われません。
法16条、法附則5条

「その日」から三十日以内に、増加後の見込額に基づく労働保険料の額と納付した労働保険料の額との差額を、その額その他厚生労働省令で定める事項を記載した申告書に添えて納付しなければならない。と16条はなっており翌日からとした本文は間違いと判断しましたが?
法16条

<span style=”color: #008000;”>【試験問題】次の説明は、労働保険の保険料等に関する記述である。なお、以下において、「労働保険徴収法施行規則」とは「労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則」のことである。
事業主は、賃金総額の見込額が増加し、増加後の見込額が増加前の見込額の1.5倍を超え、かつ、増加後の見込額に基づき算定した概算保険料の額と既に納付した概算保険料の額との差額が150,000円以上であると見込まれた場合には、その日の翌日から起算して30日以内に、増加後の見込額に基づく労働保険料の額と納付した労働保険料の額との差額を納付しなければならない。【解答】?</span>

<span style=”color: #008000;”>【試験問題】次の説明は、労働保険の増加概算保険料に関する記述である。
労災保険に係る保険関係のみ成立していた事業の事業主は、労災保険及び雇用保険の両保険に係る保険関係が成立する事業に該当するに至ったため、一般保険料に係る保険料率が変更した場合において、当該変更後の保険料率に基づいて算定した概算保険料の額が、既に納付した概算保険料の額の100分の200を超え、かつ、その差額が13万円以上であるときは、増加概算保険料を申告・納付しなければならない。 【解答】?
</span>

法16条、法附則5条、則25条1項、則附則4条
(1)増加後の保険料算定基礎額の見込額が増加前の保険料算定基礎額の見込額の100分の200を超え、かつ、増加後の保険料算定基礎額の見込額に基づき算定した概算保険料の額と既に納付した概算保険料の額との差額が13万円以上であるとき
【予期しなかった事業規模の拡大等】により、上記の要件に該当した時も、増加概算保険料の申告・納付が必要である。
なお、増加概算保険料の【申告・納付の起算日】は、現実に支払った賃金総額等が既に申告した見込額の2倍を超えるに至った日ではなく、【増加が見込まれた日の翌日】である

法16条
【増加概算保険料】
100分の200を超え、かつ13万円以上増加⇒増加が見込まれた日の翌日から30日以内に納付

上記「naobou」さんの解説では、「保険料算定基礎額の見込額の100分の200を超え、」とありますが、問題文では「概算保険料の額の100分の200を超え、」となっていて、「算定基礎額」と「概算保険料」では全く別物

第十七条 (概算保険料の追加徴収)
政府は、一般保険料率、第一種特別加入保険料率、第二種特別加入保険料率又は第三種特別加入保険料率の引上げを行つたときは、労働保険料を追加徴収する。
– 2  政府は、前項の規定により労働保険料を追加徴収する場合には、厚生労働省令で定めるところにより、事業主に対して、期限を指定して、その納付すべき労働保険料の額を通知しなければならない。

<span style=”color: #008000;”>【試験問題】
次の説明は、労働保険料等の徴収に関する記述である。
保険料率の引上げによる概算保険料の追加徴収の決定通知は、所轄都道府県労働局歳入徴収官が期限を指定して、納付すべき労働保険料の額を事業主に対して通知するが、当該決定は行政処分ではなく、事実の通知に過ぎないため、不服申立てをすることはできない。【解答】×

概算保険料の追加徴収の「決定」は、歳入徴収官が行った行政処分であり、不服申し立てできる。
概算保険料の追加徴収 → 大臣に審査請求
徴収法において
1.概算保険料・確定保険料の認定決定に関する処分
→都道府県労働局歳入徴収官に異議申し立てが
2.労働保険料その他の徴収金、認可申請等に関する
処分
→厚生労働大臣に審査請求ができる
参考条文につき

1.概算保険料・確定保険料の認定決定に関する処分
→都道府県労働局歳入徴収官に異議(不服)申し立てができる
[自説の根拠]労働保険の保険料の徴収等に関する法律

(概算保険料の追加徴収)一般保険料率、第一種特別加入保険料率、第二種特別加入保険料率又は第三種特別加入保険料率の引上げを行つたときは、労働保険料を追加徴収する。

【試験問題】
次の説明は、労働保険料の納付に関する記述である。
事業主が印紙保険料の納付を怠った場合に、所轄都道府県労働局歳入徴収官は、その納付すべき印紙保険料の額を決定し、これを事業主に通知することとされており、その納付は原則として現金により納付することとなっているが、雇用保険印紙によっても行うことができる。【解答】?

【試験問題】
次の説明は、徴収法に関する記述である。
政府は、労働保険料を追加徴収する場合には、厚生労働省令で定めるところにより、事業主に対して、期限を指定して、その納付すべき労働保険料の額を通知しなければならない。【解答】○×?

政府は、前項の規定により労働保険料を追加徴収する場合には、厚生労働省令で定めるところにより、事業主に対して、期限を指定して、その納付すべき労働保険料の額を通知しなければならない。 (労働保険の保険料の徴収等に関する法律 17条2項)
政府(所轄都道府県労働局歳入徴収官)は、事業主に対して、労働保険料の追加徴収をする場合には、「通知を発する日から起算して30日を経過した日」を納期限として定め、その納付すべき労働保険料の額を通知しなければならない。

(概算保険料の追加徴収)
第十七条  政府は、一般保険料率、第一種特別加入保険料率、第二種特別加入保険料率又は第三種特別加入保険料率の引上げを行つたときは、労働保険料を追加徴収する。
2  政府は、前項の規定により労働保険料を追加徴収する場合には、厚生労働省令で定めるところにより、事業主に対して、期限を指定して、その納付すべき労働保険料の額を通知しなければならない。
徴収法17条
【増加概算保険料】と異なり、【追加徴収】は、その増加額の多少を問わずに行われる

★「納入告知書」によって通知すべき徴収金
①確定保険料の認定決定(通知を受けた日から15日以内)
②印紙保険料の認定決定(通達:調査決定した日から20日以内の休日でない日)
③確定保険料・印紙保険料に係る追徴金(通知を発する日から30日を経過した日)
④特例納付保険料(通知を発する日から30日を経過した日)
⑤有期事業のメリット制に係る確定保険料の差額(通知を発する日から30日を経過した日)
※概算保険料の認定決定は「納付書」により(通知を受けた日から15日以内)

【試験問題】
次の説明は、労災保険の特別加入に関する記述である。
なお、本問において、「特別加入者の給付基礎日額」とは労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則別表第4の特別加入保険料算定基礎額表の左欄に掲げる給付基礎日額のこと、「特別加入に係る保険料算定基礎額」とは同表の右欄に掲げる保険料算定基礎額のことをいう。
政府が、保険年度の中途に、第1種特別加入保険料率、第2種特別加入保険料率又は第3種特別加入保険料率の引上げを行った場合、所轄都道府県労働局歳入徴収官は、事業主に対して、保険料率の引上げによる労働保険料の増加額等を通知して、追加徴収を行うこととなるが、当該事業主は当該通知を発せられた日から起算して50日以内に増加額を納付しなければならない。 【解答】?

30日
所轄都道府県労働局歳入徴収官は、労働保険料を追加徴収しようとする場合、通知を発する日から起算して30日を経過した日をその納期限と定め、事業主に次の事項を通知しなければならない。
1)一般保険料率、第一種特別加入保険料率、第二種特別加入保険料率又は第三種特別加入保険料率の引上げによる労働保険料の増加額及びその算定の基礎となる事項
2)納期限
よって「当該事業主は当該通知を発せられた日から起算して50日以内」とした問題文が誤り。
[自説の根拠]法17条、則26条
【納期限】
・継続事業の概算保険料:保険年度の6/1~40日以内
・年度途中で成立した継続事業の概算保険料:保険関係成立の日から50日以内
・有期事業の概算保険料:保険関係成立の日~20日以内
・認定決定に係る概算保険料:通知を受けた日~15日以内
・増加概算保険料:賃金総額の増加が見込まれた日~30日以内
・保険料の引き上げによる概算保険料の追加徴収:通知を発する日から起算して30日を経過した日まで

【試験問題】
次の説明は、労働保険料等の納付に関する記述である。
労働保険徴収法第17条第1項の規定に基づき概算保険料の追加徴収が行われる場合に、所轄都道府県労働局歳入徴収官は事業主に対して追加徴収する概算保険料の額の通知を行うが、当該徴収金の納付は、納付書によって行われる。 【解答】○

設問の通り正しい。概算保険料の追加徴収の要件等は以下の通り。
(1) 要件
政府が保険年度の中途で、一般保険料率、第一種特別加入保険料率、第二種特別加入保険料率又は第三種特別加入保険料率の引上げを行ったとき。
(2) 納期限等
通知を発する日から起算して30日を経過した日までに、納付書により納付。
尚、以下の点も留意する必要あり。
① 概算保険料の追加徴収は、金額の多少を問わず行われる。
② 保険年度の中途で上記各種保険料率が引き下げられても、労働保険料の還付は行われない。
[自説の根拠]法17条1項、2項、法19条6項、則26条、36条他

【試験問題】
次の説明は、労働保険徴収法に関する記述である。なお、以下において、「労働保険徴収法」とは「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」のことであり、「一般拠出金」とは「石綿による健康被害の救済に関する法律第35条第1項の規定により徴収される一般拠出金」のことである。
政府は、保険年度の中途において、一般保険料率の引下げを行った場合において、当該引下げに相当する額の労働保険料が厚生労働省令の定める額を超える事業があるときは、当該事業の事業主の請求に基づき、その超える額を還付することができる。 【解答】×

政府は、厚生労働省令で定めるところにより、事業主の申請に基づき、その者が第十五条、第十六条及び前条の規定により納付すべき労働保険料を延納させることができる。 (労働保険の保険料の徴収等に関する法律 18条)
政府が、保険年度の中途に一般保険料率、第一種特別加入保険料率、第二種特別加入保険料率又は第三種特別加入保険料率の引上げを行ったときは、労働保険料が追加徴収されることになっている。
しかし、保険年度の中途に保険料率の引下げが行われたことにより、労働保険料の額が引下げられた場合でも労働保険料の還付は行われない。
よって、問題文は誤りとなる。
なお、保険料率の引下げが行われたことにより、事業主が納付した概算保険料の額が、確定保険料の額を超える場合、確定保険料申告書を提出する際に事業主が請求することにより、還付を受けることはできる。(法19条6項、則36条)
法17条
一般保険料率の引き下げ時は、確定保険料の申告・納付の際に精算する。

法17条1項
設問中、
㋑「当該引下げに相当する額の労働保険料?」
→【当該引下げを含め年度末に精算された確定保険料】
㋺「厚生労働省令の定める額を超える?」
→【当該年度の概算保険料より低くなる】
場合には、還付請求できます。㋑も㋺も規定に根拠がない文章ですので、難しい言い回しには要注意です。簡単に言ってしまえば、
【概算保険料>確定保険料=還付請求しなければ充当】
です。確定保険料が出てきますから、年度途中では還付請求できませんし、差額事由も保険料率の引下げに限りません。
法19条6項

【試験問題】
次の説明は、徴収法に関する記述である。
政府は、保険年度の中途において、一般保険料率、第1種特別加入保険料率、第2種特別加入保険料率又は第3種特別加入保険料率の引下げを行った場合において、当該引下げに相当する額の労働保険料が厚生労働大臣の定める額を超える事業があるときは、その超える額に相当する金額を当該事業の事業主に還付するものとされている。【解答】?

第十八条 (概算保険料の延納)
 政府は、厚生労働省令で定めるところにより、事業主の申請に基づき、その者が第十五条、第十六条及び前条の規定により納付すべき労働保険料を延納させることができる。

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関連条文

  1. 健保法 第百五十五条 (保険料)

  2. 厚年法 第百三十八条 (掛金)

  3. 中退金法 第三十二条(端数計算)

  4. 健保法 第六十三条(療養の給付)

  5. 労基法 第百四条(監督機関に対する申告)

  6. 厚年法 第六条 (適用事業所)

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