健保法 第百八十九条 (審査請求及び再審査請求)

第九章 不服申立て

(審査請求及び再審査請求)
第百八十九条  被保険者の資格、標準報酬又は保険給付に関する処分に不服がある者は、社会保険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服がある者は、社会保険審査会に対して再審査請求をすることができる。
2  審査請求をした日から六十日以内に決定がないときは、審査請求人は、社会保険審査官が審査請求を棄却したものとみなして、社会保険審査会に対して再審査請求をすることができる。
3  第一項の審査請求及び前二項の再審査請求は、時効の中断に関しては、裁判上の請求とみなす。
4  被保険者の資格又は標準報酬に関する処分が確定したときは、その処分についての不服を当該処分に基づく保険給付に関する処分についての不服の理由とすることができない。。

189

【試験問題】次の説明は、健康保険法に関する記述である。被保険者の資格、標準報酬又は保険給付に関する処分に不服がある者は、その処分があったことを知った日の翌日から起算して60日以内に、社会保険審査官に対し審査請求をすることができる。 【解答】○

被保険者の資格、標準報酬又は保険給付に関する処分に不服がある者は、社会保険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服がある者は、社会保険審査会に対して再審査請求をすることができる。 (健康保険法 189条)社会保険審査官に審査請求をした日から60日以内に決定がないときは、審査請求人は、社会保険審査官が審査請求を棄却したものとみなして、社会保険審査会に対して再審査請求をすることができる。「被保険者の資格」「標準報酬」又は「保険給付」に関する処分に不服がある者は、その処分があったことを「知った日の翌日」から起算して、原則として「60日以内」に「社会保険審査官」に対し「審査請求」をすることができる。請求は口頭又は文書で行う。例外は、天災その他やむをえない理由があってこの期間内に審査請求をすることができなかったことを疎明したときは受理される。法189条1項、社審法4条1項 保険料等の賦課若しくは徴収の処分又は滞納処分については、社会保険審査会に対して審査請求をすることができる。
設問の場合のほか、「審査請求をした日から【60日以内】に決定がないときは、審査請求人は、社会保険審査官が審査請求を棄却したものとみなして、社会保険審査会に対して審査請求することができます。」 二審制→被保険者の資格、標準報酬、保険給付 一審制→保険料その他徴収金など 法189条 行政不服審査法改正。審査請求可能期間は3カ月。関連問題 次の説明は、不服申立て制度に関する記述である。社会保険審査官に対する審査請求の対象になる事項は、被保険者の資格、標準報酬、保険給付、保険料その他の徴収金の賦課・徴収又は滞納に関する処分である。

189

【試験問題】次の説明は、不服申立て制度に関する記述である。不服申立て制度は2審制がとられており、第1次審査機関として各部道府県に独任制の社会保険審査官が置かれ、第2次審査機関として合議制の社会保険審査会が置かれている。 【解答】×

各部道府県→各地方社会保険事務局 が正解(設置)第一条 各地方厚生局(地方厚生支局を含む。以下同じ。)に社会保険審査官(以下「審査官」という。)を置く。(設置)第十九条 厚生労働大臣の所轄の下に、社会保険審査会(以下「審査会」という。)を置く。第1条、第19条 被保険者の資格、標準報酬、保険給付に関する処分に不服がある場合は、社会保険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服がある場合は、社会保険審査会に対して審査請求するという2審性が取られている。ただし、社会保険審査官は各都道府県に置かれているわけではなく、各地方厚生局に置かれている。なお、H22.1.1法改正により、各地方社会保険事務局→各地方厚生局(地方厚生支局を含む)に法改正されている。保険料等(保険料その他の徴収金)の賦課、徴収の処分、督促・滞納処分に不服がある者は、社会保険審査会に対して審査請求する、1審制である。189条、190条 不服審査制度は第一次審査機関として、各地方厚生局に独任制の社会保険審査官が置かれている。よって、「各都道府県に独任制の社会保険審査官が置かれ」とした問題文は誤りである。なお、第二次審査機関として合議制の社会保険審査会が厚生労働大臣の所轄の下に置かれている。社審法1条1項、社審法19条1項、社審法27条1項 社会保険審査官(各地方厚生局)社会保険審査会(厚生労働大臣)地方厚生(支)局は以下の8つがり、それぞれに社会保険審査官が配置されています。
1.北海道厚生局 2.東北厚生局 3.関東甲信越厚生局 4.東海北陸厚生局 5.近畿厚生局 6.中国四国厚生局 7.四国厚生支局 8.九州厚生局

第百九十条  保険料等の賦課若しくは徴収の処分又は第百八十条の規定による処分に不服がある者は、社会保険審査会に対して審査請求をすることができる。

(行政不服審査法の適用関係)
第百九十一条  前二条の審査請求及び再審査請求については、行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)第二章第一節、第二節(第十八条及び第十九条を除く。)及び第五節の規定は、適用しない。

(不服申立てと訴訟との関係)
第百九十二条  第百八十九条第一項又は第百九十条に規定する処分の取消しの訴えは、当該処分についての再審査請求又は審査請求に対する社会保険審査会の裁決を経た後でなければ、提起することができない。

第十章 雑則

(時効)
第百九十三条  保険料等を徴収し、又はその還付を受ける権利及び保険給付を受ける権利は、二年を経過したときは、時効によって消滅する。
2  保険料等の納入の告知又は督促は、民法(明治二十九年法律第八十九号)第百五十三条の規定にかかわらず、時効中断の効力を有する。

193

【試験問題】次の説明は、時効に関する記述である。保険者が行う保険料の督促は、徴収権の消滅時効の中断の効力があるが、保険料の告知では消滅時効は中断しない。 【解答】×

保険料等を徴収し、又はその還付を受ける権利及び保険給付を受ける権利は、二年を経過したときは、時効によって消滅する。 (健康保険法 193条)保険料等の納入の告知または督促は、民法の規定にかかわらず、時効中断の効力を有する。第193条 第2項・保険料等を徴収し、又はその還付を受ける権利及び保険給付を受ける権利は、二年を経過したときは、時効によって消滅する。・保険料等の納入の告知又は督促は、民法(明治二十九年法律第八十九号)第百五十三条の規定にかかわらず、時効中断の効力を有する。第十章 雑則 第百九十三条 保険者が行う保険料の督促や保険料の告知により徴収権の消滅時効の中断をさせない場合には、保険料等を徴収する権利は、【2年】を経過したとき、時効により消滅します。保険料の繰上徴収の規定により保険料を徴収するときは、【督促】をする必要はありません。

193

【試験問題】次の説明は、健康保険法に関する記述である。
保険料等を徴収しまたはその還付を受ける権利及び保険給付を受ける権利は、3年を経過したときは時効によって消滅するが、保険料等の納入の告知または督促は、時効中断の効力がある。 【解答】×

「3年」を「2年」とすれば、正しい文となる。
法百九十三条
保険料等を徴収し、又はその還付を受ける権利及び保険給付を受ける権利は、二年を経過したときは、時効によって消滅する。
2 保険料等の納入の告知又は督促は..時効中断の効力を有する。

1 193条
次の説明は、事業主の責務等に関する記述である。
事業主が保険料過納分の還付を受け、その一部を被保険者に返還する場合の被保険者の返還請求権は、10年で時効により消滅する。 2004年度(平成16年度)
解答○
保険料等を徴収し、又はその還付を受ける権利及び保険給付を受ける権利は、二年を経過したときは、時効によって消滅する。 (健康保険法 193条)

民法167条(一般債権として10年の消滅時効)の適用を受けるとされている。

健康保険法の時効:原則2年。事業主が保険料過納分の還付を受け、その一部を被保険者に返還する場合の被保険者の返還請求権の消滅時効のみ、民法の規定で10年。

事業主が保険者から保険料過納分の還付(この還付を受ける権利の消滅時効は2年)を受け、これを被保険者に返還すべき場合における還付金と返還請求権の時効については、被保険者に返還すべき金額は、広義においては保険料であるが、法193条の保険料には該当しない。
法193条の保険料とは保険者と保険料納付義務者との間におけるものでこの場合の被保険者又は被保険者であった者の返還請求権については、法193条の短期時効の適用はない。
(法193条1項、昭和5年7月15日保規第225号)

関連問題
次の説明は、時効に関する記述である。

事業主が保険料過納分の還付を受け、その一部を被保険者に返還する場合の被保険者の返還請求権の消滅時効は2年間である。

10 法193条1項
次の説明は、健康保険法に関する記述である。
保険料等を徴収し、又はその還付を受ける権利は、2年を経過したとき、時効によって消滅するが、保険給付を受ける権利は、5年を経過したときに時効により消滅する。 2011年度(平成23年度)
解答×

健康保険法の消滅時効は2年。
①保険料等を徴収する権利 ②保険料等の還付を受ける権利 ③保険給付(現金給付)を受ける権利
※事業主が保険料過納分の還付を受け、その一部を被保険者に返還する場合の返還請求権の消滅時効は10年。

第百九十三条  保険料等を徴収し、又はその還付を受ける権利及び保険給付を受ける権利は、二年を経過したときは、時効によって消滅する。

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関連条文

  1. 労基法 第九十条(作成の手続)

  2. 厚年法 第十条 適用事業所以外

  3. 安衛法 第十一条 (安全管理者)

  4. 徴収法 第十九条 (確定保険料)

  5. 厚年法 第三十九条 (年金の支払の調整)

  6. 徴収法 第二十八条 (延滞金)

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