– 第三款 出産育児一時金及び出産手当金の支給
– (出産育児一時金)
第七十三条 被保険者又は被保険者であった者(後期高齢者医療の被保険者等である者を除く。以下この条及び次条において同じ。)が出産したときは、出産育児一時金として、政令で定める金額を支給する。
– 2 被保険者であった者がその資格を喪失した日後に出産したことにより前項の規定による出産育児一時金の支給を受けるには、被保険者であった者がその資格を喪失した日より六月以内に出産したこと及び被保険者であった期間が支給要件期間であることを要する。
– (出産手当金)
第七十四条 被保険者又は被保険者であった者が出産したときは、出産の日以前において船員法第八十七条の規定により職務に服さなかった期間及び出産の日後五十六日以内において職務に服さなかった期間、出産手当金として、一日につき、標準報酬日額の三分の二に相当する金額(その金額に、五十銭未満の端数があるときは、これを切り捨て、五十銭以上一円未満の端数があるときは、これを一円に切り上げるものとする。)を支給する。
– 2 被保険者であった者がその資格を喪失した日後の期間に係る前項の規定による出産手当金の支給を受けるには、被保険者であった者が第十二条の規定によりその資格を喪失した日前に出産したこと又は同条の規定によりその資格を喪失した日より六月以内に出産したこと及び被保険者であった期間が支給要件期間であることを要する。
– 3 第七十条第一項及び第七十一条の規定は、出産手当金の支給について準用する。
– (出産手当金と傷病手当金との調整)
第七十五条 出産手当金を支給する場合においては、その期間、傷病手当金は、支給しない。
– 2 出産手当金を支給すべき場合において傷病手当金が支払われたときは、その支払われた傷病手当金は、出産手当金の内払とみなす。
– 第四款 家族療養費、家族訪問看護療養費、家族移送費、家族葬祭料及び家族出産育児一時金の支給
– (家族療養費)
第七十六条 被扶養者が保険医療機関等のうち自己の選定するものから療養(第五十三条第一項第六号に掲げる療養を除く。)を受けたときは、被保険者に対し、その療養に要した費用について、家族療養費を支給する。
– 2 家族療養費の額は、第一号に掲げる額(当該療養に食事療養が含まれるときは当該額及び第二号に掲げる額の合算額、当該療養に生活療養が含まれるときは当該額及び第三号に掲げる額の合算額)とする。
– 一 当該療養(食事療養及び生活療養を除く。)につき算定した費用の額(その額が現に当該療養に要した費用の額を超えるときは、当該現に療養に要した費用の額)に次のイからニまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからニまでに定める割合を乗じて得た額
– イ 被扶養者が六歳に達する日以後の最初の三月三十一日の翌日以後であって七十歳に達する日の属する月以前である場合 百分の七十
– ロ 被扶養者が六歳に達する日以後の最初の三月三十一日以前である場合 百分の八十
– ハ 被扶養者(ニに規定する被扶養者を除く。)が七十歳に達する日の属する月の翌月以後である場合 百分の八十
– ニ 第五十五条第一項第三号に掲げる場合に該当する被保険者その他政令で定める被保険者の被扶養者が七十歳に達する日の属する月の翌月以後である場合 百分の七十
– 二 当該食事療養につき算定した費用の額(その額が現に当該食事療養に要した費用の額を超えるときは、当該現に食事療養に要した費用の額)から食事療養標準負担額を控除した額
– 三 当該生活療養につき算定した費用の額(その額が現に当該生活療養に要した費用の額を超えるときは、当該現に生活療養に要した費用の額)から生活療養標準負担額を控除した額
– 3 前項第一号の療養についての費用の額の算定に関しては、保険医療機関等から療養(評価療養及び選定療養を除く。)を受ける場合にあっては第五十八条第二項の費用の額の算定、保険医療機関等から評価療養又は選定療養を受ける場合にあっては第六十三条第二項第一号の費用の額の算定、前項第二号の食事療養についての費用の額の算定に関しては、第六十一条第二項の費用の額の算定、前項第三号の生活療養についての費用の額の算定に関しては、第六十二条第二項の費用の額の算定の例による。
– 4 第一項の場合において、協会は、その療養を受けた者が当該病院若しくは診療所又は薬局に支払うべき療養に要した費用について、家族療養費として被保険者又は被保険者であった者に対し支給すべき額の限度において、被保険者又は被保険者であった者に代わり、当該病院若しくは診療所又は薬局に支払うことができる。
– 5 前項の規定による支払があったときは、被保険者又は被保険者であった者に対し家族療養費の支給があったものとみなす。
– 6 第五十三条第一項、第二項、第六項及び第八項、第五十四条、第五十八条第三項、第五十九条、第六十条第一項、第六十一条第六項並びに第六十四条の規定は、家族療養費の支給及び被扶養者の療養について準用する。
– 7 第五十六条の規定は、第四項の場合において療養につき第三項の規定により算定した費用の額(その額が現に療養に要した費用の額を超えるときは、当該現に療養に要した費用の額)から当該療養に要した費用について家族療養費として支給される額に相当する額を控除した額の支払について準用する。
– (家族療養費の額の特例)
第七十七条 協会は、第五十七条第一項に規定する被保険者又は被保険者であった者の被扶養者に係る家族療養費の支給について、前条第二項第一号イからニまでに定める割合を、それぞれの割合を超え百分の百以下の範囲内において協会が定めた割合とする措置を採ることができる。
– 2 前項に規定する被扶養者に係る前条第四項の規定の適用については、同項中「家族療養費として被保険者又は被保険者であった者に対し支給すべき額」とあるのは、「当該療養につき算定した費用の額(その額が現に当該療養に要した費用の額を超えるときは、当該現に療養に要した費用の額)」とする。この場合において、協会は、当該支払をした額から家族療養費として被保険者又は被保険者であった者に対し支給すべき額を控除した額をその被扶養者に係る被保険者又は被保険者であった者から直接に徴収することとし、その徴収を猶予することができる。
– (家族訪問看護療養費)
第七十八条 被扶養者が指定訪問看護事業者から指定訪問看護を受けたときは、被保険者に対し、その指定訪問看護に要した費用について、家族訪問看護療養費を支給する。
– 2 家族訪問看護療養費の額は、当該指定訪問看護につき第六十五条第四項の厚生労働大臣の定めの例により算定した費用の額に第七十六条第二項第一号イからニまでに掲げる場合の区分に応じ、同号イからニまでに定める割合を乗じて得た額(家族療養費の支給について前条の規定が適用されるべきときは、当該規定が適用されたものとした場合の額)とする。
– 3 健康保険法第八十八条第十項、第十一項及び第十三項、第九十一条、第九十二条第三項並びに第九十四条の規定並びに第六十五条第二項、第三項及び第六項から第十項までの規定は、家族訪問看護療養費の支給及び被扶養者の指定訪問看護について準用する。
– (家族移送費)
第七十九条 被扶養者が家族療養費に係る療養を受けるため、病院又は診療所に移送されたときは、家族移送費として、被保険者に対し、第六十八条第一項の厚生労働省令で定めるところにより算定した金額を支給する。
– 2 第六十八条第二項の規定は、家族移送費の支給について準用する。
– (家族葬祭料)
第八十条 被扶養者が死亡したときは、家族葬祭料として、被保険者に対し、第七十二条第一項の政令で定める金額を支給する。
– (家族出産育児一時金)
第八十一条 被扶養者が出産したときは、家族出産育児一時金として、被保険者に対し、第七十三条第一項の政令で定める金額を支給する。
– (被保険者が資格を喪失した場合)
第八十二条 被保険者がその資格を喪失した際に家族療養費に係る療養若しくは家族訪問看護療養費に係る療養若しくは高齢者の医療の確保に関する法律の規定によるこれらに相当する給付に係る療養又は介護保険法の規定による居宅介護サービス費に係る指定居宅サービス(同法第四十一条第一項に規定する指定居宅サービスをいう。)、特例居宅介護サービス費に係る居宅サービス(同法第八条第一項に規定する居宅サービスをいう。)若しくはこれらに相当するサービス、地域密着型介護サービス費に係る指定地域密着型サービス(同法第四十二条の二第一項に規定する指定地域密着型サービスをいう。)、特例地域密着型介護サービス費に係る地域密着型サービス(同法第八条第十四項に規定する地域密着型サービスをいう。)若しくはこれらに相当するサービス、施設介護サービス費に係る指定施設サービス等(同法第四十八条第一項に規定する指定施設サービス等をいう。)、特例施設介護サービス費に係る施設サービス(同法第八条第二十五項に規定する施設サービスをいう。)、介護予防サービス費に係る指定介護予防サービス(同法第五十三条第一項に規定する指定介護予防サービスをいう。)若しくは特例介護予防サービス費に係る介護予防サービス(同法第八条の二第一項に規定する介護予防サービスをいう。)若しくはこれらに相当するサービスのうち、療養に相当するものを受ける被扶養者が引き続き当該疾病又は負傷及びこれにより発した疾病につき療養又は移送を受けたときは、被保険者であった者に対し、家族療養費、家族訪問看護療養費又は家族移送費を支給する。
– 2 前項の規定による給付は、当該被保険者の資格を喪失した日から起算して六月を経過するまでの間(当該被保険者がその資格を喪失しなかった場合にはその者の被扶養者となるべき事情が継続する間に限る。)に限りこれを支給する。
– 3 第六十七条第二項及び第三項の規定は、第一項の規定による給付について準用する。
– 第五款 高額療養費及び高額介護合算療養費の支給
– (高額療養費)
第八十三条 療養の給付について支払われた一部負担金の額又は療養(食事療養及び生活療養を除く。以下この条において同じ。)に要した費用の額からその療養に要した費用につき保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、家族療養費若しくは家族訪問看護療養費として支給される額に相当する額を控除した額(次条第一項において「一部負担金等の額」という。)が著しく高額であるときは、その療養の給付又はその保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、家族療養費若しくは家族訪問看護療養費の支給を受けた者に対し、高額療養費を支給する。
– 2 高額療養費の支給要件、支給額その他高額療養費の支給に関して必要な事項は、療養に必要な費用の負担の家計に与える影響及び療養に要した費用の額を考慮して、政令で定める。
– (高額介護合算療養費)
第八十四条 一部負担金等の額(前条第一項の高額療養費が支給される場合にあっては、当該支給額に相当する額を控除して得た額)並びに介護保険法第五十一条第一項に規定する介護サービス利用者負担額(同項の高額介護サービス費が支給される場合にあっては、当該支給額を控除して得た額)及び同法第六十一条第一項に規定する介護予防サービス利用者負担額(同項の高額介護予防サービス費が支給される場合にあっては、当該支給額を控除して得た額)の合計額が著しく高額であるときは、当該一部負担金等の額に係る療養の給付又は保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、家族療養費若しくは家族訪問看護療養費の支給を受けた者に対し、高額介護合算療養費を支給する。
– 2 前条第二項の規定は、高額介護合算療養費の支給について準用する。
•船員保険法
船員保険法
目的
保険者
被保険者
保険給付
•変遷
・S14,4制定、S15,6施行 疾病給付・失業給付・年金給付の総合社会保険制度
・S61 職務外年金が厚生年金保険に統合
・H22 職務上疾病、職務上年金が労災保険、失業給付が雇用保険に統合
目的
•第1条
この法律は、船員の職務外の事由による疾病、負傷若しくは死亡又は出産及びその被扶養者の疾病、負傷、死亡又は出産に関して保険給付を行うとともに、労働者災害補償保険による保険給付と併せて船員の職務上の事由又は通勤による疾病、負傷、障害又は死亡に関して保険給付を行うこと等により、船員の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条
この法律において「被保険者」とは、船員法 (昭和二十二年法律第百号)第一条 に規定する船員(以下「船員」という。)として船舶所有者に使用される者及び疾病任意継続被保険者をいう。
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保険者
•全国健康保険協会 船員保険協議会(12人)を置く
cf.全国健康保険協会HP
•全国健康保険協会HP
平成22年1月より、船員保険制度の改正が実施に移されました。
これまで船員保険制度で実施してきた労災保険相当部分(職務上疾病・年金部門)は労災保険制度に、雇用保険相当部分(失業部門)は雇用保険制度にそれぞれ統合され、厚生労働省が運営します。
新たな船員保険制度は、健康保険相当部分(職務外疾病部門)と船員労働の特性に応じた独自・上乗せ給付を行う制度として、全国健康保険協会が運営します。
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被保険者
◦適用事業所(船員を雇用する船舶)
・厚生年金保険は適用事業所
・健康保険法は適用除外
・労災保険、雇用保険は労働者の数に係らず常に強制適用事業
•強制被保険者
・船員法1条に規定する船員で船舶所有者に使用される者(船員でも事業主の場合は除外)
・後期高齢者医療制度の被保険者を適用除外としていない!
•疾病任意継続被保険者(健康保険:任意継続被保険者と同じ)
・被保険者資格喪失の前日まで継続して2月以上被保険者であった者が20日以内に全国健康保険協会に申し出る
•被扶養者
・健康保険:被扶養者と同じ)
↑
保険給付
•職務外疾病部門
◦自宅以外の場所における療養に必要な宿泊および食事の支給
・職務上外を問わない、一部負担金が無い、家族療養費にはない
◦傷病手当金(職務外) cf.健康保険(傷病手当金)
・3年間支給、待機なし
・疾病任意継続被保険者資格取得後、1年以内に発生した疾病による労働不能も対象
・(資格喪失後の継続給付)資格喪失前被保険者期間が3月/1年 または 1年/3年
・cf.健保傷病手当金
資格喪失の前日まで引き続き1年以上被保険者であった場合、傷病手当金は任意継続被保険者であっても満了まで継続支給される。
◦出産手当金 cf.健康保険(出産手当金)
・出産の日以前、出産後56日以内の職務に服さない期間標準報酬日額の2/3
・(資格喪失後6月以内に出産)(出産育児一時金含む)資格喪失前被保険者期間が3月/1年 または 1年/3年
・cf.健保:出産手当金
資格喪失の前日まで引き続き1年以上被保険者であった場合、出産手当金は満了まで支給される。
◦葬祭料
・葬祭料(5万円)+ 葬祭付加金=資格喪失時標準報酬月額 x 2
・cf.労災:葬祭料•¥315,000 + 30日分 または 60日分の高い方
•労災関連独自給付
◦休業手当金(職務上)
・改正前船員保険法の業務上(通勤による)傷病手当金と労災保険法休業補償給付+休業特別支給金との差額(20%)
・休業補償給付のない3日間は標準報酬日額全額
・当初4ヶ月は標準報酬日額40%(休業補償給付と合わせ100%)
◦障害給付
・労災保険(給付基礎日額)の最高限度と標準報酬日額との差を補償(87条)
◦遺族給付
・労災保険(給付基礎日額)の最高限度と標準報酬日額との差を補償(97条)
◦行方不明手当金(法93)
・職務上の事由により1ヶ月行方不明の時、行方不明となった日の翌日から3月を限度に標準報酬日額(3箇月を超えると死亡の推定)
•保険料
◦被保険者
・(標準報酬月額+標準賞与額)x 疾病保険料率(介護保険料率)x 1/2
◦船舶所有者
・(標準報酬月額+標準賞与額)x 疾病保険料率(介護保険料率)x 1/2
・(標準報酬月額+標準賞与額)x 災害保健福祉保険料率
◦疾病保険料率(健保分)
・職務外疾病に対する料率 40/1000~110/1000
◦災害保健福祉保険料率(労災分) 10/1000~35/1000
・職務上疾病、年金給付、保健福祉事業に対する保険料
・後期高齢者医療の被保険者である船員保険被保険者、独立行政法人等職員被保険者はこれだけ
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