厚年法 第五十八条 (受給権者)

第四節 遺族厚生年金

(受給権者)
第五十八条  遺族厚生年金は、被保険者又は被保険者であつた者が次の各号のいずれかに該当する場合に、その者の遺族に支給する。ただし、第一号又は第二号に該当する場合にあつては、死亡した者につき、死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までに国民年金の被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の三分の二に満たないときは、この限りでない。
– 一  被保険者(失踪の宣告を受けた被保険者であつた者であつて、行方不明となつた当時被保険者であつたものを含む。)が、死亡したとき。
– 二  被保険者であつた者が、被保険者の資格を喪失した後に、被保険者であつた間に初診日がある傷病により当該初診日から起算して五年を経過する日前に死亡したとき。
– 三  障害等級の一級又は二級に該当する障害の状態にある障害厚生年金の受給権者が、死亡したとき。
– 四  老齢厚生年金の受給権者又は第四十二条第二号に該当する者が、死亡したとき。
– 2  前項の場合において、死亡した被保険者又は被保険者であつた者が同項第一号から第三号までのいずれかに該当し、かつ、同項第四号にも該当するときは、その遺族が遺族厚生年金を請求したときに別段の申出をした場合を除き、同項第一号から第三号までのいずれかのみに該当し、同項第四号には該当しないものとみなす。

次の説明は、受給権者の届出に関する記述である。
老齢厚生年金の受給権者は、加給年金額の対象者である配偶者が65歳に達したときは、加給年金額対象者の不該当の届出を行う必要はない。 2008年度(平成20年度) 試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)

遺族厚生年金は、被保険者又は被保険者であつた者が次の各号のいずれかに該当する場合に、その者の遺族に支給する。ただし、第一号又は第二号に該当する場合にあつては、死亡した者につき、死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までに国民年金の被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の三分の二に満たないときは、この限りでない。
4号 老齢厚生年金の受給権者又は第四十二条第二号に該当する者が、死亡したとき。 (厚生年金保険法 58条1項4号)
加給年金対象者が18歳に達する最初の3月31日になったときや、65歳になったときには、社会保険庁の方でわかるので、加給年金不該当の届け出は不要である。
【加給年金額】厚年の被保険者期間が20年(240か月)ある受給権者が、その権利を取得した当時に生計を維持していた①65歳未満の配偶者②18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子、又は20歳未満で障害等級1・2級の子、がある時に加算
[自説の根拠]本問の根拠 則32条本文カッコ書き、法44条4項4号
次の説明は、老齢厚生年金の加給年金額等に関する記述である。
老齢厚生年金の受給権者であって、大正15年4月2日以後から昭和41年4月1日以前生まれの者については、その者の配偶者が65歳に達したときに加給年金額が加算されなくなり、振替加算も行われない。

58

5 58条
次の説明は、厚生年金保険法に関する記述である。
遺族厚生年金の受給権者である子で障害等級2級の障害の状態にある者の場合において、該当する事情が止んだときはその年度末の翌日に受給権は、消滅する。 2003年度(平成15年度)
解答 ×
遺族厚生年金は、被保険者又は被保険者であつた者が次の各号のいずれかに該当する場合に、その者の遺族に支給する。ただし、第一号又は第二号に該当する場合にあつては、死亡した者につき、死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までに国民年金の被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の三分の二に満たないときは、この限りでない。
3号 障害等級の一級又は二級に該当する障害の状態にある障害厚生年金の受給権者が、死亡したとき。 (厚生年金保険法 58条1項3号)
投稿コメント
18歳年度末前であれば、「18歳年度末の日」。それ以降20歳に達する前であれば、その事情が止んだときに遺族厚生年金の受給権は消滅する。

その事情が止んだとき
とは、その届けが必要ということなのか?

障害等級1級又は2級に該当する障害の状態にない子や孫に支給される遺族厚生年金については、その事情がやんだとき(18歳の誕生日の属する年度の年度末までにあるときは除く)又は、20歳に達したとき(20歳に達すると障害基礎年金が支給されるため)に受給権が消滅することになっている。
よって、問題文は×(法63条2項)

関連問題
次の説明は、遺族厚生年金に関する記述である。
遺族厚生年金の受給権者が子又は孫であって、障害等級の1級又は2級に該当する障害の状態にあるときは、その者が20歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したときに失権する。

58
15 58
厚生年金保険法に関する次の記述について、適切か否か答えよ。
障害等級2級の障害厚生年金を受給する者が死亡した場合、遺族厚生年金を受けることができる遺族の要件を満たした者は、死亡した者の保険料納付要件を問わず、遺族厚生年金を受給することができる。この場合、遺族厚生年金の額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が300か月に満たないときは、これを300か月として計算する。 2014年度(平成26年度) 試験問題 [改題] (最終改訂日: 2014年09月02日)
解答
[正しい答え]

■ 短期要件・・・300月の最低保障あり。生年月日に応じた乗率の適用なし。
■ 長期要件・・・300月の最低保障なし。生年月日に応じた乗率の適用あり。
障害等級の1級又は2級の障害厚生年金を受給する者が死亡した場合に支給される遺族厚生年金は、短期要件に該当する。

[自説の根拠]法58条1項,法60条1項

【為参考】短期要件
①被保険者が死亡したとき
②被保険者であったものが、被保険者の資格を喪失した後に、被保険者であった間に初診日がある傷病により当該初診日から起算して『5』年を経過する日前に死亡したとき
③障害等級の1級又は2級に該当する障害の状態にある障害厚生年金の受給権者が、死亡したとき
障害等級1級又は2級の障害厚生年金の受給資格者の死亡を支給事由とする遺族厚生年金は、いわゆる短期要件による遺族厚生年金であるが、死亡日の前日における保険料納付要件は問われない。また、短期要件による遺族厚生年金については、死亡した被保険者又は被保険者であった者の被保険者期間の月数が300に満たないときは、これを300として年金額が計算される。
[自説の根拠]法58条1項3号。法60条1項。TAC過去10年本試験問題集

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9 58
次の説明は、厚生年金保険法に関する記述である。
厚生年金保険の被保険者期間が1年以上であり、かつ、保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年未満であるが、当該被保険者期間と旧共済組合員期間とを合算した期間が20年以上である者が死亡した場合には、その者の遺族に遺族厚生年金の額の100分の50に相当する額の特例遺族年金が支給される。 2009年度(平成21年度) 試験問題 [改題] (最終改訂日: 2010年05月11日)
解答
[正しい答え]
×
遺族厚生年金は、被保険者又は被保険者であつた者が次の各号のいずれかに該当する場合に、その者の遺族に支給する。ただし、第一号又は第二号に該当する場合にあつては、死亡した者につき、死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までに国民年金の被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の三分の二に満たないときは、この限りでない。 (厚生年金保険法 58条)
投稿コメント
(厚年)特例遺族年金の額
特別老齢厚生年金の例により計算した額の100分の50
(国年)寡婦年金の額
老齢基礎年金の例によって計算した額の4分の3に相当する額。
そもそも、遺族厚生年金の額というのは、遺族基礎年金と違い定額ではありません。要件により額は変動する訳ですから、年金額が定まっていないものに50/100を乗ずるというのは矛盾しています。さらに、特例老齢年金を受給している者が死亡した場合に支給されるものであり、当該特例老齢年金も特別支給の老齢厚生年金の例により計算された年金額が支給されます。これが元になる訳ですね。
[自説の根拠]法附則28条の4、法附則28条の3

特例遺族年金は、特別支給の老齢厚生年金の額の100分の50

関連問題
次の説明は、遺族厚生年金に関する記述である。
厚生年金保険の被保険者であって、保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が20年以上ある者が死亡した場合には、裁定請求時に遺族が申し出ることにより、老齢厚生年金の受給資格期間を満たしている者として取り扱われる。

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次の説明は、厚生年金保険法に関する記述である。
障害厚生年金又は遺族厚生年金を受給している者及び昭和13年4月1日以前に生まれた特別支給の老齢厚生年金の受給権者は、雇用保険法に規定されている基本手当を受けても調整されない。
次の説明は、遺族厚生年金に関する記述である。
障害等級1級及び2級に該当する障害の状態にある障害厚生年金の受給権者が死亡したときは、遺族厚生年金の支給要件について、死亡した当該受給権者の国民年金の被保険者期間を問われることはない。 2010年度(平成22年度) 試験問題 [改題] (最終改訂日: 2011年05月10日)

第58条
三  障害等級の一級又は二級に該当する障害の状態にある障害厚生年金の受給権者が、死亡したとき。
[自説の根拠]厚生年金保険法 第58条第1項3
障害厚生年金を受給する段階で保険料納付要件を満たしています。
再度、保険料納付は要件を問うならば「保険料納付要件が満たせない可能性がある」「再び要件を求められるのは不合理という面がある」というような理由から保険料納付要件は問わずとなっています。
[自説の根拠]某テキストより
遺族厚生年金支給要件
①被保険者が死亡した時、または被保険者期間中の傷病がもとで初診の日から5年以内に死亡した時。(ただし遺族基礎年金同様死亡した者に保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が国民年金加入期間の3分の2以上ある)
※平成28年4月1日前の場合は死亡日に65歳未満であれば死亡月の含する月の前々月までの1年間の保険料を納付しなければならない期間のに保険料滞納がなければ受給可
②老齢厚生年金の資格期間を満たした者が死亡した時
③1級・2級の障害厚生年金を受けられる者が死亡した時
障害等級3級の者が死亡した場合は
■障害厚生年金の受給権者が、死亡したとき■
とはならず、
■被保険者の死亡■
となるため、保険料納付要件が問われることに注意したい。

58
11 58
次の説明は、厚生年金保険の保険給付に関する記述である。
障害等級3級に該当する障害厚生年金の受給権者である被保険者が死亡したときは、保険料納付要件を満たしていない場合であっても、その者の遺族に遺族厚生年金を支給する。 2011年度(平成23年度) 試験問題 [改題] (最終改訂日: 2012年10月26日)
解答
[正しい答え]
×

1・2級の障害厚生年金の受給権者が死亡したときは、保険料納付要件は問われません。
[自説の根拠]58条

遺族厚生年金支給要件
【短期要件】
死亡した者が次のいずれかに該当
1)厚生年金保険の被保険者が死亡
2)被保険者資格喪失後、被保険者であった間に初診日がある傷病により、当該初診日から起算して5年を経過する日前に死亡
3)障害等級1級又は2級に該当する障害の状態にある障害厚生年金の受給権者が死亡
1)2)→障害年金と同様保険料納付要件要。初診日を死亡日に読替
【長期要件】
保険料納付要件不要
1)老齢厚生年金の受給権者又はその受給資格期間を満たした者が死亡

設例の者が死亡した時には、遺族厚生年金は支給されない。…ではないので注意してください。あくまで、保険料納付要件が問われるのであって、遺族厚生年金そのものの支給要件に合致しない訳ではありません。3級は×みたいな覚え方だと、設例を「保険料納付要件を満たしても支給しない」と変えても×にする可能性高いです。設例の者は保険料納付要件に関しては法58条第1項1号の被保険者である者に該当する訳ですから、保険料納付要件満たせば、支給されます。設例を変化させても解答できる=理解につながります。
[自説の根拠]法58条1項

・障害等級1級又は2級に該当する障害の状態にある障害厚生年金の受給権者が死亡⇒遺族厚生年金
・障害等級3級の死亡は、遺族厚生年金に不該当。

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関連条文

  1. 安衛法 第十条 (総括安全衛生管理者)

  2. 労基法 第百六条(法令等の周知義務)

  3. 確年法 第百十七条(確定拠出年金を実施する場合における手続等)

  4. 確年法 第六十九条(事業主の行為準則)

  5. 中退金法 第一条 (目的)

  6. 雇保法 第十九条(基本手当の減額)

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