(法令等の周知義務)
第百六条
使用者は、この法律及びこれに基づく命令の要旨、就業規則、第十八条第二項、第二十四条第一項ただし書、第三十二条の二第一項、第三十二条の三、第三十二条の四第一項、第三十二条の五第一項、第三十四条第二項ただし書、第三十六条第一項、第三十七条第三項、第三十八条の二第二項、第三十八条の三第一項並びに第三十九条第四項、第六項及び第七項ただし書に規定する協定並びに第三十八条の四第一項及び第五項に規定する決議を、常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること、書面を交付することその他の厚生労働省令で定める方法によつて、労働者に周知させなければならない。
2 使用者は、この法律及びこの法律に基いて発する命令のうち、寄宿舎に関する規定及び寄宿舎規則を、寄宿舎の見易い場所に掲示し、又は備え付ける等の方法によつて、寄宿舎に寄宿する労働者に周知させなければならない。
【試験問題】
次の説明は、労働基準法に定める就業規則等に関する記述である。労働基準法第106条に定める就業規則の周知義務については、労働契約の効力にかかわる民事的な定めであり、それに違反しても罰則が科されることはない。
【解答】
X
就業規則関連では、89条(就業規則の作成)、90条1項(就業規則の手続)、91条(制裁規定の制限)、106条~109条(雑則)が規定され30万円以下の罰金(労基法120条)
労働基準法第106条に定める就業規則等の周知義務に違反した場合は30万円以下の罰金が科されます。民事的な定めではなく、労働基準法違反となります。
就業規則の周知義務違反⇒30万円以下の罰金
【試験問題】
次の説明は、労働基準法の総則等に関する記述である。使用者は、労働基準法第106条の規定に基づき、労働基準法及びこれに、基づく命令の要旨並びに同法第36条第1項の規定に基づく時間外労働・休日労働に係る労使協定(以下「36協定」という。)等のいわゆる労使協定を、常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること等の方法によって、労働者に周知させなければならない。
【解答】
○
使用者は、この法律及びこれに基づく命令の要旨、就業規則、第十八条第二項、第二十四条第一項ただし書、第三十二条の二第一項、第三十二条の三、第三十二条の四第一項、第三十二条の五第一項、第三十四条第二項ただし書、第三十六条第一項、第三十八条の二第二項、第三十八条の三第一項並びに第三十九条第五項及び第六項ただし書に規定する協定並びに第三十八条の四第一項及び第五項に規定する決議を、常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること、書面を交付することその他の厚生労働省令で定める方法によつて、労働者に周知させなければならない。
(労働基準法 106条)
使用者は、労働基準法及びこれに基づく命令の要旨、就業規則、労使協定(貯蓄金の管理、賃金の控除、1か月単位の変形労働時間制、フレックスタイム制、1年単位の変形労働時間制、1週間単位の非定型的変形労働時間制、一斉休憩の適用除外、時間外・休日労働、事業場外のみなし労働時間、裁量制のみなし労働時間、年次有給休暇の計画的付与、年次有給休暇中の賃金)、労使委員会の決議を、常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること、書面を交付することその他の厚生労働省令で定める方法によって、労働者に周知させなければならないことになっています。
使用者は所定の事項を労働者に周知しなければなりません。
①就業規則
②『労働基準法に規定する』労使協定
③『労働基準法に規定する』労使委員会の決議
④労働基準法、労働基準法に基づく命令の要旨
※ ①~③については全文を周知しなければなりません
(労働者名簿)
第百七条
使用者は、各事業場ごとに労働者名簿を、各労働者(日日雇い入れられる者を除く。)について調製し、労働者の氏名、生年月日、履歴その他厚生労働省令で定める事項を記入しなければならない。
2 前項の規定により記入すべき事項に変更があつた場合においては、遅滞なく訂正しなければならない。
(賃金台帳)
第百八条
使用者は、各事業場ごとに賃金台帳を調製し、賃金計算の基礎となる事項及び賃金の額その他厚生労働省令で定める事項を賃金支払の都度遅滞なく記入しなければならない。
(記録の保存)
第百九条
使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を三年間保存しなければならない。
記録について、流し読みをすると読むと大した事書いてないのですが、何年なのかというところをネチネチ聞かれるので、キッチリ覚えないと苦しいです。
【試験問題】
次の説明は、労働基準法に定める労働時間等に関する記述である。使用者は、労働基準法第109条の規定に基づき一定の労働関係に関する重要な書類を保存しなければならないこととされており、タイムカード等の記録、残業命令書及びその報告書など労働時間の記録に関する書類は、同条でいう「その他労働関係に関する重要な書類」に該当し、使用者は、これらの書類を5年間保存しなければならない。
【解答】
X
書類等の記録の保存は労働基準法では「3年」で例外なし。
使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を3年間保存しなければならないことになっている。
タイムカード等の記録、残業命令書及びその報告書など労働時間の記録に関する書類は、「その他労働関係に関する重要な書類」に該当するため、保存期間は3年となる。
なので、「5年間保存」とした問題文は誤り。
【原則】
(主語が事業主)
「労働」の名のつく法律では原則【3年】
「雇用・健保・厚年・社労法」は【2年】
【例外】
「国年の国民年金保険料納付受託記録簿」は【3年】
「安衛の健康診断個人票」は【5年】
「健保の保険医療機関が主語となる場合」【3年】
↑個人カルテは【5年】
なお、時効に係る起算日もよく出題されます。
労働基準法では、それぞれの書類ごとに規定される日の
【当日】○
【翌日】×
(法109条、則56条)
【試験問題】
次の説明は、労働基準法の雑則等に関する記述である。タイムカード等の記録、残業命令書及びその報告書など労働時間の記録に関する書類は、労働基準法第109条に規定する「その他労働関係に関する重要な書類」に該当し、使用者は、これらの書類を3年間保存しなければならない。
【解答】
○
(無料証明)
第百十一条
労働者及び労働者になろうとする者は、その戸籍に関して戸籍事務を掌る者又はその代理者に対して、無料で証明を請求することができる。使用者が、労働者及び労働者になろうとする者の戸籍に関して証明を請求する場合においても同様である。
(国及び公共団体についての適用)
第百十二条
この法律及びこの法律に基いて発する命令は、国、都道府県、市町村その他これに準ずべきものについても適用あるものとする。
【試験問題】
次の説明は、労働基準法の雑則等に関する記述である。労働基準法の規定中、地方公共団体の職員に関して適用されるものを適用する場合における職員の勤務条件に関する労働基準監督機関の職権は、すべての職員について、人事委員会又はその委任を受けた人事委員会の委員(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の長)が行うものとされている。 【解答】
X
地方公務員法58条5項では、地方公共団体の職員のうち、法別表第1第1号から第10号、第13号から第15号までの事業に使用される者の勤務条件に関する職権は労働基準監督機関が行うと規定されています。
11号(郵便、信書便、電気通信事業)と12号(教育、研究、調査の事業)に従事する職員は人事委員会等が、それ以外は労働基準監督機関が、職権を行使します。
地方公務員法58条5項では、地方公共団体の職員のうち、法別表第1第1号から第10号、第13号から第15号までの事業に使用される者の勤務条件に関する職権は労働基準監督機関が行うと規定されています。
そのため、すべての職員の勤務条件について人事委員会等が職権を行使するわけではありません。(法112条、地方公務員法58条5項)
(命令の制定)
第百十三条
この法律に基いて発する命令は、その草案について、公聴会で労働者を代表する者、使用者を代表する者及び公益を代表する者の意見を聴いて、これを制定する。
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