第七章 健康の保持増進のための措置
第六十五条(作業環境測定) 事業者は、有害な業務を行う屋内作業場その他の作業場で、政令で定めるものについて、厚生労働省令で定めるところにより、必要な作業環境測定を行い、及びその結果を記録しておかなければならない。
2 前項の規定による作業環境測定は、厚生労働大臣の定める作業環境測定基準に従つて行わなければならない。
3 厚生労働大臣は、第一項の規定による作業環境測定の適切かつ有効な実施を図るため必要な作業環境測定指針を公表するものとする。
4 厚生労働大臣は、前項の作業環境測定指針を公表した場合において必要があると認めるときは、事業者若しくは作業環境測定機関又はこれらの団体に対し、当該作業環境測定指針に関し必要な指導等を行うことができる。
5 都道府県労働局長は、作業環境の改善により労働者の健康を保持する必要があると認めるときは、労働衛生指導医の意見に基づき、厚生労働省令で定めるところにより、事業者に対し、作業環境測定の実施その他必要な事項を指示することができる。
(作業環境測定の結果の評価等)
第六十五条の二 事業者は、前条第一項又は第五項の規定による作業環境測定の結果の評価に基づいて、労働者の健康を保持するため必要があると認められるときは、厚生労働省令で定めるところにより、施設又は設備の設置又は整備、健康診断の実施その他の適切な措置を講じなければならない。
2 事業者は、前項の評価を行うに当たつては、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣の定める作業環境評価基準に従つて行わなければならない。
3 事業者は、前項の規定による作業環境測定の結果の評価を行つたときは、厚生労働省令で定めるところにより、その結果を記録しておかなければならない。
【試験問題】次の説明は、労働安全衛生法に定める健康診断等に関する記述である。事業者は、労働安全衛生法第65条の規定による作業環境測定の結果の評価に基づいて、労働者の健康を保持するため必要があると認められるときは、厚生労働省令で定めるところにより、施設又は設備の設置又は整備、健康診断の実施その他の適切な措置を講じなければならない。 【解答】○
およそ条文をうる覚えしているかどうかを問われます。また作業環境測定を行った事業者には、記録の保存が義務付けられているが、測定結果の行政官庁への届出の義務は課されていません。そして作業環境測定の結果の評価により第3管理区分(作業場の作業環境中の有害物濃度の平均が管理濃度を超える状態)に区分されたときは作業環境を改善するための必要な措置を講じなければなりません。なお、事業者は、作業環境測定の結果の評価を行うにあたっては、厚生労働大臣の定める「作業環境評価基準」に従って実施する必要があり、作業環境測定結果の評価を行ったときは、その結果を保存しておく必要がああります。また、第2、3管理区分に区分されたときは、粉じん・石綿の濃度測定に係るものを除いて、評価の記録等の労働者への周知も必要です。
(作業の管理)
第六十五条の三 事業者は、労働者の健康に配慮して、労働者の従事する作業を適切に管理するように努めなければならない。
(作業時間の制限)
第六十五条の四 事業者は、潜水業務その他の健康障害を生ずるおそれのある業務で、厚生労働省令で定めるものに従事させる労働者については、厚生労働省令で定める作業時間についての基準に違反して、当該業務に従事させてはならない。
【試験問題】
次の説明は、労働安全衛生法の健康の保持増進のための措置、安全衛生改善計画等及び監督等に関する記述である。
都道府県労働局長は、労働安全衛生法第65条の規定により、作業環境の改善により労働者の健康を保持する必要があると認めるときは、労働衛生指導医の意見に基づき、作業環境測定を実施すべき作業場その他必要な事項を記載した文書により、事業者に対し、作業環境測定の実施その他必要な事項を指示することができる。 【解答】○
厚生労働大臣は、作業環境測定の適切かつ有効な実施を図るため、必要な作業環境測定指針を公表し、当該指針を公表した場合において必要があると認めるときは、事業者若しくは作業環境測定機関等に対し、必要な指導等を行うことができる。
労働安全衛生法65条
(作業環境測定)
第六十五条
5 都道府県労働局長は、作業環境の改善により労働者の健康を保持する必要があると認めるときは、労働衛生指導医の意見に基づき、厚生労働省令で定めるところにより、事業者に対し、作業環境測定の実施その他必要な事項を指示することができる。
65条5項
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