第四款 解散及び清算
第百六十六条 (解散)
連合会は、次に掲げる理由により解散する。
一 評議員の定数の四分の三以上の多数による評議員会の議決
二 第百七十九条第六項の規定による解散の命令
2 連合会は、前項第一号に掲げる理由により解散しようとするときは、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
第百六十七条(連合会の解散による年金たる給付等の支給に関する義務等の消滅)
連合会は、解散したときは、中途脱退者及び第百四十七条第四項に規定する者に係る年金たる給付及び一時金たる給付の支給に関する義務を免れる。ただし、解散した日までに支給すべきであつた年金たる給付若しくは一時金たる給付でまだ支給していないものの支給又は第百六十五条第四項若しくは第六項、第百六十五条の二第二項若しくは第百六十五条の三第二項の規定により解散した日までに移換すべきであつた年金給付等積立金でまだ移換していないものの移換に関する義務については、この限りでない。
第百六十八条(清算)
連合会が第百六十六条第一項第一号の規定により解散したときは、理事が、その清算人となる。ただし、評議員会において他人を選任したときは、この限りでない。
2 連合会が第百六十六条第一項第二号の規定により解散したときは、厚生労働大臣が清算人を選任する。
3 第百四十六条の二、第百四十七条第二項(第二号を除く。)及び第三項並びに第百四十七条の二から第百四十八条までの規定は、連合会の清算について準用する。
第三節 雑則
第百六十九条 (不服申立て)
標準給与若しくは年金たる給付若しくは一時金たる給付に関する処分又は掛金その他この章の規定による徴収金の賦課若しくは徴収の処分若しくは第百四十一条第一項及び第百六十四条第二項において準用する第八十六条の規定による処分に不服がある者については、第六章の規定を準用する。この場合において、第九十一条の三中「第九十条第一項又は第九十一条」とあるのは、「第百六十九条において準用する第九十条第一項又は第九十一条」と読み替えるものとする。
第百七十条 (時効)
掛金その他この章の規定による徴収金を徴収し、又はその還付を受ける権利は、二年を経過したとき、年金たる給付及び一時金たる給付を受ける権利は、五年を経過したときは、時効によつて、消滅する。
2 年金たる給付を受ける権利の時効は、当該年金がその全額につき支給を停止されている間は、進行しない。
3 掛金その他この章の規定による徴収金の納入の告知又は第百四十一条第一項及び第百六十四条第二項において準用する第八十六条第一項の規定による督促は、民法第百五十三条の規定にかかわらず、時効中断の効力を有する。
第百七十一条 (期間の計算)
この章又はこの章の規定に基づく命令に規定する期間の計算については、この章に別段の規定がある場合を除くほか、民法の期間に関する規定を準用する。
第百七十二条 (戸籍事項の無料証明)
市町村長は、基金、連合会又は年金たる給付若しくは一時金たる給付の受給権を有する者に対して、当該市町村の条例の定めるところにより、加入員、加入員であつた者又は年金たる給付若しくは一時金たる給付の受給権を有する者の戸籍に関し、無料で証明を行うことができる。
第百七十三条 (書類等の提出)
基金又は連合会は、必要があると認めるときは、年金たる給付又は一時金たる給付の受給権を有する者に対して、障害の状態に関する書類その他の物件の提出を求めることができる。
第百七十三条の二(情報の提供)
厚生労働大臣は、基金又は連合会に対し、老齢年金給付に関して必要な情報の提供を行うものとする。
第百七十四条 (準用規定)
第九十八条第一項の規定は、設立事業所の事業主について、同条第二項の規定は、加入員について、同条第三項の規定は、年金たる給付又は一時金たる給付の受給権を有する者について、同条第四項本文の規定は、これらの給付の受給権を有する者が死亡した場合について準用する。この場合において、同条第一項中「第二十七条」とあるのは「第百二十八条」と、第九十八条第一項及び第二項中「厚生労働大臣」とあるのは「基金」と、同項中「事業主」とあるのは「設立事業所の事業主」と、同条第三項及び第四項中「厚生労働大臣」とあるのは「基金又は連合会」と、それぞれ読み替えるものとする。
第百七十六条 (届出) 基金及び連合会は、第百三十条第五項又は第百五十九条第七項の規定によりその業務の一部を委託したときは、厚生労働省令の定めるところにより、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。委託に係る契約の条項に変更を生じたときも、同様とする。
2 基金及び連合会は、年金給付等積立金について、第百三十六条の三第一項第五号イからヘまでに掲げる方法により、それぞれ始めて運用するときは、厚生労働省令の定めるところにより、同条第四項(第百六十四条第三項において準用する場合を含む。)に規定する年金給付等積立金の管理及び運用の体制について厚生労働大臣に届け出なければならない。当該体制に変更を生じたときも、同様とする。
第百七十六条の二 (年金数理関係書類の年金数理人による確認等) この法律に基づき基金(第百十一条第一項若しくは第百四十三条第四項の規定に基づき基金を設立しようとする事業主又は第百四十二条第二項の規定に基づき合併により基金を設立しようとする設立委員を含む。)又は連合会が厚生労働大臣に提出する年金数理に関する業務に係る書類であつて厚生労働省令で定めるものについては、当該書類が適正な年金数理に基づいて作成されていることを次項に規定する年金数理人が確認し、署名押印したものでなければならない。
2 年金数理人は、前項に規定する確認を適確に行うために必要な知識経験を有することその他の厚生労働省令で定める要件に適合する者とする。
第百七十七条 (報告書の提出)
基金及び連合会は、厚生労働省令の定めるところにより、その業務についての報告書を厚生労働大臣に提出しなければならない。
第百七十七条の二(業務概況の周知) 基金は、厚生労働省令で定めるところにより、その基金の業務の概況について、加入員に周知させなければならない。
2 基金は、前項に規定する業務の概況について、加入員以外の者であつて基金が年金たる給付又は一時金たる給付の支給に関する義務を負つているものにも、できる限り同様の措置を講ずるよう努めるものとする。
第百七十八条 (報告の徴収等) 厚生労働大臣は、基金又は連合会について、必要があると認めるときは、その事業の状況に関する報告を徴し、又は当該職員をして基金若しくは連合会の事務所に立ち入つて関係者に質問させ、若しくは実地にその状況を検査させることができる。
2 第百条第二項において準用する第九十六条第二項の規定は、前項の規定による質問及び検査について、第百条第三項の規定は、前項の規定による権限について準用する。
第百七十八条の二 (指定基金による健全化計画の作成) 年金給付等積立金の額が政令で定める額を著しく下回る基金であつて、政令で定める要件に該当するものとして厚生労働大臣の指定を受けたもの(以下この条において「指定基金」という。)は、政令で定めるところにより、その財政の健全化に関する計画(以下この条において「健全化計画」という。)を定め、厚生労働大臣の承認を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 前項の承認を受けた指定基金は、当該承認に係る健全化計画に従い、その事業を行わなければならない。
3 厚生労働大臣は、第一項の承認を受けた指定基金の事業及び年金給付等積立金の状況により、その健全化計画を変更する必要があると認めるときは、当該指定基金に対し、期限を定めて、当該健全化計画の変更を求めることができる。
【試験問題】次の説明は、厚生年金保険法に関する記述である。脱退一時金の額の計算に用いる支給率は、最後に被保険者の資格を喪失した日の属する月の前月(資格喪失した月において資格を取得し、その資格を喪失したときは除く)を最終月とし、当該月の属する年の前年10月の保険料率(最終月が1月から8月までの場合にあっては、前々年の10月の保険料率)に2分の1を乗じて得た率に、被保険者期間の区分に応じた数を乗じて得た率(小数点以下1位未満の端数を四捨五入する)とする。【解答】?
【試験問題】次の説明は、厚生年金基金に関する記述である。年金給付積立金の額が最低積立基準額を著しく下回り、2年連続した事業年度の年度の末日における年金給付金の額が責任準備金相当額の10分の9を下回る基金で、厚生労働大臣の指定を受けたものは、指定日の属する年度の翌年度を初年度とし、5年間の期間で財政の健全化に関する計画を定め、厚生労働大臣の承認を得なければならない。 【解答】X
年金給付等積立金の額が政令で定める額を著しく下回る基金であつて、政令で定める要件に該当するものとして厚生労働大臣の指定を受けたもの(以下この条において「指定基金」という。)は、政令で定めるところにより、その財政の健全化に関する計画(以下この条において「健全化計画」という。)を定め、厚生労働大臣の承認を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。(厚生年金保険法 178条の2)
「2年連続した」→「3年連続した」
指定健保組合は翌年度を初年度とする3年間の計画が必要。比較が大切だと思います。
第55条の5
法第178条の2第1項の政令で定める額は、第39条の3第1項の最低積立基準額とする
2 …連続する3事業年度中の各事業年度の末日における年金給付等積立金の額が、責任準備金相当額に10分の9を乗じて得た額を下回つていることとする。
第55条の6
…健全化計画…翌年度を初年度とする5箇年間の計画とする。
2 健全化計画…
1.事業及び財産の現状
2.財政の健全化の目標
3.…収入支出の増減の見込額(基金令)
参考
09年度末で厚年基金の14%が積立不足の穴埋め猶予制度を利用。運用成績の悪化や受給者の増加で財政状況が厳しくなっていることから積立不足の穴埋め猶予制度を利用した厚生年金基金が09年度末時点で全基金の約14%に上がったことが厚生労働省の集計で分かった。
608基金のうち、少なくとも85基金が本来の掛金を引き上げて積立不足を解消する必要あり(6/3NEWS)
年金給付等積立金の額が最低積立基準額を著しく下回る基金で、連続する3事業年度中の各事業年度の末日における年金給付等積立金の額が責任準備金相当額に10分の9を乗じて得た額を下回っているものとして厚生労働大臣の指定を受けたもの(指定基金)は、指定の日の属する年度の翌年度を初年度とする5か年間の財政の健全化に関する計画(健全化計画)を定め、厚生労働大臣の承認を受けなければならない。
これを変更しようとするときも、同様。
よって、「2年連続した事業年度の年度の末日」とした問題文は誤り。
(法178条の2第1項、基金令55条の3、基金令55条の4)
参考 指定基金48基金
積立金の資産額が、3事業年度(今回の指定では平成19~21年度)決算で連続して、解散した場合に返さなければならない額の9割を下回った厚生年金基金
※ 平成22年12月末時点の実績で必要な資産額が確保されている場合は、積立状況を示す書類を平成23年2月末までに厚生労働大臣に提出すれば指定は解除される
健全化計画の内容
•事業および財産の現状
•財政の健全化の目標
•目標達成のために必要な具体的措置
•措置に伴う財政の見通し
(平成22年12月17日NEWS)
【改正】
健全化計画を定めなければならない基金とは年金給付等積立金の額が政令で定める額を著しく下回る基金であつて
1.直近3年間に終了した各事業年度の末日において、年金給付等積立金の額が、責任準備金相当額に10分の9を乗じて得た額を下回つていること。
2.直近に終了した事業年度の末日における年金給付等積立金の額が、責任準備金相当額に10分の8を乗じて得た額を下回つていること。
のいずれかを満たしたことにより厚生労働大臣の指定を受けたものをいう。
(法178条の2 基金令55条の5)
健全化計画については、【基金令第55条の6】(健全化計画)法第178条の2第1項に規定する健全化計画(次項において「健全化計画」という。)は、同条第1項 の規定による指定の日の属する年度の翌年度を初年度とする5箇年間の計画とする。
2 健全化計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
1 事業及び財産の現状
2 財政の健全化の目標
3 前号の目標を達成するために必要な具体的措置及びこれに伴う収入支出の増減の見込額
2年連続した事業年度の年度の末日→連続する3事業年度中の各事業年度の末日
【健康保険法】地域型健康保険組合は、厚生労働大臣の認可を受けて、「合併された年度及びこれに続く5カ年度」に限り、不均一の一般保険料率を決定できる。 と混ざらないように注意。
(平成26年法改正)
存続厚生年金基金は、原則として改正前の厚生年金保険法の規定が引き続き適用されるが、設問の指定基金制度(法178条の2)は廃止された。
施行日から起算して5年を経過した日以後において、存続厚生年金基金が次のいずれにも該当するときは、厚生労働大臣は、あらかじめ社会保障審議会の意見を聴いた上で、その事業の継続が困難であると認めるときに該当するものとみなして解散を命ずることができることとした。
① 存続厚生年金基金の事業年度の末日における年金給付等積立金の額が、当該基準日における当該存続厚生年金基金の加入員及び加入員であった者に係る責任準備金相当額に1.5を乗じて得た額を下回るとき。
② 基準日における年金給付等積立金の額が、次に掲げる額の合計額を下回るとき。
ア 基準日における存続厚生年金基金の加入員及び加入員であった者に係る責任準備金相当額
イ 存続厚生年金基金の加入員及び加入員であった者について当該基準日までの加入員であった期間に係る年金たる給付又は一時金たる給付に要する費用の額の予想額を計算し、これらの予想額の合計額の現価として厚生労働大臣の定めるところにより計算した額
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